白黑有無-Xylochrome-/ハイダンシークドロシー
1. 白黑有無
2. 心温
3. エルドラド
オフィシャル通販にて先行販売された、ハイダンシークドロシーの1stシングル。
1stアルバム「ヒトリランド」で、主人公ドロシーの内面を描いてきた彼ら。
本作からは第二章ということで、遊園地を舞台にした物語がスタートしていくようです。
表題曲の「白黑有無」は、パレードをイメージしたキャッチーなナンバー。
メジャーコードで疾走する、これまでの彼らには見られなかったタイプの楽曲で、まさかVo.谷琢磨さんから、こんなストレートに前向きな歌詞が飛び出してくるとは。
ある種、セオリーに囚われないからこそ出来るアプローチで、パンキッシュなサビからアウトロまで爽やかに抜けていくところは、1周回って新鮮でした。
その対比とするべく、しんみりとしたバラードに仕上げているのが「心温」。
序盤は、アコースティック調の演奏に、ファルセットを使った穏やかな歌声で。
半分が経過したぐらいから、バンドサウンドに移行。
歌声にも感情が重なり出し、ぐんぐんと壮大に広がっていきます。
こちらもメジャーコードが主で、表題曲と同様、新機軸になっているのかと。
第二章になって、更に表現の深みを追求するということなのでしょう。
「エルドラド」は、デジタルシングルとして先行リリースされていた彼ららしいナンバー。
作風としては、レトロなギミックと、ほんのりダークなサウンドが感傷的な響きを生み出しており、「ヒトリランド」からの流れを踏襲していると言えますね。
3曲とも、ファンタジックな雰囲気に包まれていて、どこかメルヘン色も。
それぞれ工夫を凝らして音楽性を広げてはいても、ハイダンシークドロシーとして一貫した世界観を持っているということで、シングルではあるけれど、彼らの魅力が多方面から伝わってくる作品になったのでは。
<過去のハイダンシークドロシーに関するレビュー>