劫濁/heidi.
1. 劫濁
完全セルフプロデュース第二弾となるheidi.のデジタルシングル。
"heidi. Road to 15th Anniversary"の一環として、配信が開始された１曲。
第一弾の「Chapter」同様に、Gt.ナオさんが作詞・作曲を担当しています。
前作が、heidi.らしさを凝縮した彼らの集大成としたら、本作は、新たな第一歩となるのだろうか。
ノスタルジックな世界観はそのままに、よりロック色を強めた印象で、正統進化という言葉がふさわしいナンバーに仕上がりました。
疾走感のある演奏は、カラっとしていて切なくも爽やか。
内向的なじめじめした湿度はあまり感じず、歌い上げるときの気持ち良さを最優先しているようにも聴こえます。
ザクザクと切れ込むギターに、軽快なベース＆ドラムは、彼らの音楽として耳にすると新鮮に響く。
レトロな哀愁を残すことで、継続性を示しているのも忘れてはいけないポイントでしょう。
ともすればマイルドなサウンドに路線変更と捉えられてしまいそうですが、この郷愁的な感覚が与えられることによって、グッと安心感が増してしまうのだから、15周年のバンドの底力には驚かされるばかりですよ。
Vo.義彦さんの歌い方も、少し新境地を目指すようなアプローチ。
ひとつひとつの言葉を大切に、丁寧に歌っている印象で、良い意味で大衆性を養った印象ですね。
感情の爆発が抑え目なのは寂しい気もしますが、どちらも武器として持っていたいところ。
アルバムに収録されたときに、更に化けそうだな、という予感がします。
＜過去のheidi.に関するレビュー＞
ヒューマン
アルファ
シックスセンス
閃光メロウ
パノラマ
慟哭