Chapter/heidi.
1. Chapter
15周年を迎えるheidi.によるデジタルシングル。
完全セルフプロデュース楽曲の第一弾。
音楽的な部分はもちろん、ジャケットのアートワークや写真等、すべてにおいて自ら制作したとのこと。
配信限定というリリース形式も含めて、節目のタイミングで、また新しいチャレンジを試みたといったところでしょうか。
音楽性としては、まさに2021年のheidi.なのであろう。
結成時からのメインコンポーザーであるGt.ナオさんが作詞・作曲を手掛けていることもあり、"らしさ"をいくつも見つけることができるのです。
特にそれを感じるのは、やはり節回し。
早口でまくし立てるサビのメロディは、初めて聴いた段階で、一緒に歌えてしまえるのではないかというレベルで、良く言えば馴染み深く、悪く言えば手癖そのまま。
ある種、ここまで変わらずにいられることは武器なのではないかと。
一方で、サウンドはこれまで以上にデジタルな質感を強調。
Vo.義彦さんの感情的な歌声とは対照的に、無機質さが一層際立った印象ですね。
もっとも、デジタルといっても、ここ最近の流行だったEDM的なスタイルではなく、少し懐かしいJ-POP的なシンセサウンドに近いアプローチ。
バンドを結成して15年経ったことで、"レトロ"の幅が広がった、と捉えたほうが解釈としては面白いのではないかと。
近時のアルバムで挑戦していたデジタルとレトロの融合を、最大限に活かしきれるポイントで表現したら、このバランスになった。
そんな新機軸が見つかった気もする、これからにも期待が持てそうな1曲でした。
<過去のheidi.に関するレビュー>
ヒューマン
アルファ
シックスセンス
閃光メロウ
パノラマ
慟哭