大日本異端芸者的脳味噌中吊り絶頂絶景音源集。 / ガゼット | 安眠妨害水族館

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大日本異端芸者的脳味噌中吊り絶頂絶景音源集。/ガゼット

 

1. ザクロ型の憂鬱

2. 舐~zetsu~

3. 未成年

 

the GazettEが、ガゼット名義で2004年にリリースした音源集。

 

本作は、CD+DVDのセットで3枚同時にリリースされたシングルを、CDのみで1枚にまとめたもの。

シングルがそれぞれ1曲入りで、2,000円弱という価格設定だったこともあり、購入を見送ったファンにとっては朗報でした。

3曲入りのシングルとしては妥当な値段でも、コストパフォーマンスが良く見えてくるから不思議なものです。

 

「ザクロ型の憂鬱」は、その後アルバムにも収録されていることを踏まえれば、本作におけるリードトラックとなるのでしょう。

シャッフルリズムを駆使して、ジャジーな雰囲気を纏ったポップロックチューンで、悲壮感のある歌詞と、開けたメロディが特徴となっています。

悲しいストーリーを、あえて明るく歌うことで切なさを増幅。

ヒットチャート上でも上位に食い込む等、大衆性とV系リスナーの心をくすぐるフレーズのバランス感覚は絶妙でした。

ただし、大サビで更にポップに開ける部分については、いくらなんでも歌詞とメロディのギャップが大きすぎたかな、というのも本音。

コアなファン層からの人気としては、「未成年」に譲り渡したと言ったところかな。

 

「舐~zetsu~」は、彼らのハードでソリッドな部分を前面に押し出した楽曲。

エログロ要素も強めに出しており、残り2曲がキャッチーさで攻めているだけに、個性的に映ります。

激しさを出したといっても、シャウト曲に頼らず、あくまでメロディアスに仕上げている点も重要で、この歌謡曲性を意識したスタイルこそ、当時の彼らが勢いを増したポイントだったりするのですよね。

そして、青春感がバリバリ、切れ味鋭いメロディアスチューンに仕上がった「未成年」。
クリーントーンのツインギターが、攻撃性の中にノスタルジックな空気を吹き込んでおり、ストレートなヴィジュアルロックから、もう一歩先へ踏み込んだ感がありました。
 
いずれも現在のthe GazettEでは影をひそめてしまっている音楽性ですが、このランナップを忘れられない、というファンも多いのかと。
たった3曲の中に、底のない充実感を与えている1枚。

 

<過去のガゼット(the GazettE)に関するレビュー>

NINTH

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BEAUTIFUL DEFORMITY
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大日本異端芸者的脳味噌逆回転絶叫音源集

蛾蟇
[reila]
斑蠡~MADARA~