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[reila] Lesson.O/ガゼット
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1. 【reila】
2. 春雪の頃
3. 疼く痣と歪む裏

Dir en greyの「i'll」以来、停滞傾向にあったV系インディーズからオリコントップ10入りを果たしたことでも有名になったシングル。
DVDが付いていたり、カップリング違っていたりの3種売りが一般的になりつつあった、2005年のリリースとなります。
紹介するのは、「疼く痣と歪む裏」が追加収録された「Lesson.O」バージョン。

表題曲は、アクセントとして使われるピアノの音が印象的なロックバラード。
淡々と、感情を吐き出していくタイプのバラードとしては、王道なのではないかと思います。
サビがワンフレーズ押しですので、一回聴いただけで覚えられるキャッチーさに繋がる反面、飽きやすくはなるでしょうか。
大サビはあれど、もう少しドラマティックに演出できていれば、名曲感が増していたのだけれどな。
アコギの使い方や、最後、明るさを出して締めるあたりは、切なさを駆り立てて好み。

個人的に、表題曲以上にキラーチューンだと感じたのが、カップリングの「春雪の頃」。
当時のガゼットでは、王道中の王道だった、青春ロック。
系統としては、「別れ道」「未成年」に近い雰囲気なのかな。
青春パンクが流行って以来、V系的な曲に日常感がある歌詞を載せるバンドが多くなりましたが、ガゼットに関しては不思議と違和感を与えない説得力があります。
現在のthe GazettEとして発表されれば、間違いなく名曲認定されるくらいのメロディアスナンバー。

Lesson.Oにのみ収録されている「疼く痣と歪む裏」は、3曲の中で最も激しい楽曲。
といっても暴れ曲というほどではなく、メロディはしっかりあります。
特に、サビはとても切ない疾走系。
早口&低音なボーカルで、ヘヴィーな雰囲気を強調すると、Aメロ、Bメロ、サビと徐々にキーが高くなっていくのが面白い。
激しすぎず、歌モノにもなりきれずの中途半端さはあるけれど、良い感じにDirっぽさが抜けてきたことを証明する楽曲になったのでは。

若干、マンネリ感が出てきていた頃ですが、路線が変わった今となっては、こういう楽曲たちをまた聴きたいというのも本音。
リアルタイムと、振り返って聴いたときのタイミングでは、その場にありふれている音楽にも差異が生じるため、当時はありきたりだな、と思っていた音楽が、実はなかなかクオリティが高かったことに気付く、なんてこともあるわけです。

本作は、まさにそれ。
結局、オリジナル盤には収録されなかったシングルでもあり、現在でも、手に入れる価値はあるかもしれません。

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