Rain/FANATIC◇CRISIS
1. Rain
2. Rain （instrumental）
「月の花」と同時に発売された、FANATIC◇CRISISの4thシングル。
タイトなアッパーチューンだった「月の花」に対して、こちらはGt.和也さんが作曲を担当したミディアムバラード。
"動"と"静"における、"静"の役割を担っていると言えるでしょう。
序盤は、薄いヴェールの向こうで演奏しているような幻想的な世界観。
あえて音数を減らして、余白の中に想像力を駆り立てさせるアプローチをとっていました。
展開があるのは、ワンコーラスが終わりかけたサビの途中。
それまでが幕の向こうでシルエットだけが見える状態だったとしたら、ここで幕がストンと落ちて、演奏しているメンバーがあらわに。
そんな演出が想像できるバンドサウンドへの切り替えは、わかっていてもドキっとしてしまいます。
メロディはとてもシンプルで、パターンとしては少ないものの、演奏が右肩上がりでぐいぐい盛り上がっていくので、飽きることはありません。
メジャーデビューを前に、楽器隊のポテンシャルを見せつけたといったところなのかな。
カップリングとして収録されているインストヴァージョンは、「月の花」と同様にリアレンジされたもの。
６分半を越える大作を、１分半のコンパクトなSEに再編集した美味しいところ取りのインストナンバーとなっており、単なるカラオケトラックが入っていると思ってスルーしてはいけません。
歌メロの部分がシンセの音に置き換わっており、長めのアウトロと捉えてもよさそう。
アルバム未収録となっているので、やや隙間に落ちているきらいはありますが、ポップセンスを発揮するメジャー期以降のバラードとは異なる雰囲気を持った佳曲。
＜過去のFANATIC◇CRISISに関するレビュー＞