THE.LOST.INNOCENT/FANATIC◇CRISIS
1. 006.9
2. メビウスリング
3. 火の鳥
4. B.R.E.E.Z.E.
5. Crazy for you
6. Maybe true
7. dear myself
8. MASQUERADE IN THE ROOM
9. 龍宮
10. beauties-beauty eyes-
11. Rainy merry-go-round
12. crawl
13. 月の虜
14. 運命と哀し過ぎる予感
15. [キミガイルセカイ]
1999年にリリースされた、FtCのメジャー2ndフルアルバム。
全15曲、約70分とボリューム感は抜群。
「Rainy merry-go-round」から「beauties-beauty eyes-」までの4枚のシングルを網羅しており、最大のヒット曲である「火の鳥」、「Maybe true」が含まれていることから、セールス的な勢いもありました。
本作においても、やはりシングルのインパクトが強く、最初に聴いた時点ではポップな印象を受けるのですが、聴き込んでいくうちに翳りのあるアルバム曲にも意識が向かうようになっていき、実はフラットなアルバムだったのだと気付くのですよね。
パワーのあるシングル曲が多いために、総合的なバランスをとるには、これだけの曲数を要したということでしょう。
サイケデリックなデジタルサウンドもバリバリ使って、何気に踊れそうな楽曲が多いのも特徴かと。
前作「ONE-one for all-」では、メジャーデビュー作ということでポップに仕上げる意識があったのか、デジタル色は控えめになっていたのですが、本作では「メビウスリング」からデジタル気質たっぷりで、シンセのサウンドを主要フレーズに取り込んでしまうぐらいには前面に押し出しています。
インダストリアル調のインストナンバー「crawl」が途中で挿入されるのも象徴的。
踊れるデジタルサウンドが、ポップさと相反する概念になっているのは、FtCの音楽性の面白いところだったりするのかも。
売れるものを作る、コア向けのものを作る、のふたつを両立させた力作だけに、音質的に、Vo.石月努さんの歌声が主張しすぎていて、楽器隊の演奏が引っ込んでしまっている感があるのはやや残念。
なお、初回盤は白ジャケ、2nd Pressは黒ジャケとなっているので、これから手に取ってみる予定のリスナーはご注意を。
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