~新曲、再録盤③~/乙女国家
1. 欲の処理
2. 外道少女、恥の多い生涯を送る
3. 昔の女が嫌い
乙女国家にとって活動休止前ラスト音源となる、2018年の会場限定三部作の完結編。
新曲が1曲、再録曲が2曲という構成は、第二弾と同一です。
現時点では最後の新曲となった「欲の処理」は、お洒落系のフォーマットをなぞって、ライブでのノリやキャッチー性を狙ったナンバー。
あえてチープなピコピコシンセを取り入れたり、コミカルな和風パートを用意したり、ごちゃごちゃした構成は乙女国家の真骨頂。
それでいて、聴きやすさも両立しているから、面白いものだなと。
これだけキャッチーに展開されるのに、歌詞はグロテスクというギャップも効いていますね。
ラストに持ってくるテーマがこれかよ、というナンセンスさもポイントなのでしょう。
サビからスタートする「外道少女、恥の多い生涯を送る」は、乙女国家流のダンスロックといったところか。
ギラギラしたサウンドに、縦ノリのリズム。
リフは和風に仕上げているのが彼ららしいこだわりで、小洒落たラップと掛け合わせるセンスも個性的。
同じくミニアルバム「乙女は今病んでいます。」からのリテイクとなった「昔の女が嫌い」は、歌謡曲要素を強めて、レトロ感を際立たせています。
歌メロは流れるようにキャッチーさを追求。
その代わり、バックの演奏で緩急をつけるというアプローチを試みており、同じメロディに対して、演奏パターンが一筋縄ではいかないところが興味深いな。
複雑な構成と、そうとは聴かせないキャッチーな歌メロの妙。
本作では、比較的わかりやすさを重視して選曲している感もあり、三部作の中ではもっとも聴きやすい1枚でしょうか。
<過去の乙女国家に関するレビュー>