M.E.R.R.Y. / メリー | 安眠妨害水族館

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M.E.R.R.Y. /メリー

 

1. M.E.R.R.Y.MARCH~デンヱンカウキヤウクミキヨク~

2. 歌声喫茶『モダン』

3. Blind Romance

4. 青年秘密倶楽部

5. ルルルラララ

6. 日ノ出町、街角ツンデレラ~2番ホーム篇~

7. 最果てのパレード

8. コックドール・ママ

9. sweet powder

10. ひらひらとんでる。

11. ラストスノー

12. 木洩れ日が僕を探してる・・・

13. ポエジー

 

2007年にリリースされた、メリーのメジャー3rdアルバム。

初回盤にはDVDが付属、通常盤にはボーナストラックとして「ポエジー」が追加収録されています。

 

メロディアスな要素が強かった2ndアルバム「PEEP SHOW」と、パンクテイストに振り切った感のある4thアルバム「アンダーワールド」。

その中間にある作品ということもあり、歌謡曲をベースにしつつ、その中にパンキッシュな激しさを本格的に取り込もうと動き出した時期と言えるでしょう。

実際、鋭角的な攻撃性は高まった印象。

初期のエログロナンセンスなダークさは「青年秘密倶楽部」などに残しながら、切れ味の鋭いサウンドが新たな武器として据えられた感があり、いよいよ"レトロック"のフォーマットが完成した瞬間でした。

 

導入のインストチューンから繋がるようにスタートするのは、「歌声喫茶『モダン』」。

これが、まさにレトロ+ロックな楽曲で、フレーズだけを取り出すとお洒落な歌謡曲なのですが、ダークでソリッドなリフを挿入することで、V系然としたタイトさを獲得。

本作における集大成っぷりを象徴しているようです。

 

集大成と言えば、忘れていけないのは「青年秘密倶楽部」から、「日ノ出町、街角ツンデレラ~2番ホーム篇~」までの流れでしょうか。

ウネウネしたギターがアングラ感を運ぶ「青年秘密倶楽部」、昭和歌謡のオマージュ的なフレーズを取り入れたうえ、ハードに締めるところは締めた「ルルルラララ」、アコーディオンの音色によりレトロ感を増強させた「日ノ出町、街角ツンデレラ~2番ホーム篇~」。

従来の哀愁路線ナンバーほどの歌謡曲ど真ん中な楽曲はないのだけれど、それらを軸に、一癖を足した佳曲が並んでいるのですよ。

持ち味を変えるつもりはないが、同じところに留まり続けるつもりもない。

従来のメリーを総括しつつ、しっかり次への布石を打っているのが、実に彼ららしいアプローチですよね、

 

パンク路線の先陣を切った「sweet powder」は、本作のリードトラック。

アグレッシブなサウンドとポップなメロディが絶妙に絡み合い、これが彼らの代表曲へと成長していくのだろうな、と感覚的に理解できたナンバーです。

明確にレトロを意識させるフレーズは少ないのですが、やはりどこかレトロック感に溢れていて、パンキッシュなハードチューンとしての盛り上がりどころも内包。

王道的な疾走感を求めるなら「ラストスノー」のキラーチューンっぷりも捨てがたいのですが、メリーにしか出せないインパクトという意味では、この楽曲の存在は特に大きかったのでは。

 

なお、通常盤にのみ収録された「ポエジー」も、軽快に展開される哀愁パンク。

先行シングル、「木洩れ日が僕を探してる・・・」で終わる本編よりも、あっさりと突っ走って余韻だけ残していく、ボーナストラック付きの通常盤の構成のほうが好みかな。

バンド名を冠したタイトルだけあって、メリーらしさが詰まった1枚です。

 

<過去のメリー(MERRY)に関するレビュー>

for Japanese sheeple

エムオロギー

NOnsenSe MARkeT
ZERO-ゼロ-
窓 -replay-
群青
Beautiful Freaks
ハーメルン
アンダーワールド
Midnight Shangrila/空っぽな歌~final cut~
PEEP SHOW
nuケミカルレトリック
個性派ブレンド クラシック~OLDIES TRACKS~
モダンギャルド 

現代ストイック(日本青年館会場限定盤)