-666/Delight-/Sigret
1. 666
2. Delight
関西を拠点に活動していたSigretの会場限定シングル。
本作は、2013年にリリースされた1枚。
Vo.真之介、Gt.雅玖、Ba.詩ぃ代と、初期編成でのレコーディング作品となります。
後に、雅玖さんがドラムに転向し、Gt.咲莉さんが加入。
真之介さんが脱退し、詩ぃ代さんがヴォーカルを務める等、2014年までの短い活動期間の中で、編成が大きく変わったバンドでした。
「666」は、サビでの掛け合いによってライブ感を演出するハードなナンバー。
基本線としてはメロディアスな展開を武器としていたようですが、その中でも攻撃性を示したといったところです。
ただし、歌詞カードを二つ折りにしてCDを挟んだだけの簡素なジャケットや、垢抜けていないアーティスト写真が象徴する通り、サウンド面でも自主制作感は強いですね。
ところどころ音が割れていたり、バランスが悪かったり、演奏力についてもイントロの段階でバタバタ感が隠せていない。
駆け出しバンドのワンコインCDに過剰な期待は禁物ですが、その点は踏まえておく必要があるでしょう。
もう一方の「Delight」は、サビのアカペラからスタートするメロディアスチューン。
やはり諸々の粗さは出てしまっていますが、Sigretとしての強みは、こちらの楽曲のほうがよく表現できているのかと。
ポップさを打ち出しつつ、演奏にはソリッドなロック感を求めていて、ベタだからこその良さもある。
その意味では、関西ソフトヴィジュアル系の血筋を感じるとも言えるわけで、なんともノスタルジックな感覚に陥ります。
短命なマイナーバンド、入手機会はかなり限定的になってしまいますが、無味無臭の無難なバンドたちよりも、発掘する面白さを感じるのはこういう音源だったりするのですよ。