化学-BAKEGAKU-/Yeti
1. フツリアイ
2. メーデー
3. LED
4. With
5. Picasso(化学ver.)
6. Loop(化学ver.)
2019年にYetiがリリースした、通算8枚目となるミニアルバム。
"カップリング曲"を生み出すことを嫌い、アルバム中心のリリース戦略を取っているYeti。
初のコンセプト作品となる「化学-BAKEGAKU-」は、更なる化学反応を起こすべく、メンバーそれぞれが1曲ずつ作曲を担当した意欲作です。
Vo&Gt.涼木 聡さんによる「フツリアイ」は、特徴的な歌声を活かしたメロウで切ないナンバー。
Gt.沢村 英樹さんの「メーデー」は、スピーディーに疾走するロックチューン。
Ba.Bikkeyさんはアヴァンギャルドな「LED」、Dr.多村 直紀さんはしっとりとしたバラード、「With」を送り込んで、見事に各々の個性に振り切ったバラバラの作風となっています。
ただし、流れで聴いた感触としては、横道に逸れずに純度を高めたYetiの音楽だな、と。
要するに、彼らの個性は7年の活動の中で浸透し、不可欠なピースになっていたことを証明した形ですね。
象徴的なのは、「Picasso」、「Loop」という初期の楽曲を、このタイミングで再録していること。
穿った見方をすれば、ミニアルバムにするための曲数合わせなのかもしれないけれど、現体制のYetiが当時の楽曲を再演するということに、本作の意義があるような気もします。
アレンジは大幅に変えていないにも関わらず、確実にレベルアップしているという化学実験の成果。
2ndフルアルバムのリリースが発表されていますが、先行きが不透明な状況下、なかなか詳細が出ずにやきもきしている状態。
V系のフィールドを飛び出したバンドの継続モデルとしての期待もかかるだけに、そろそろ世間に見つかってほしいところです。
<過去のYetiに関するレビュー>