cloud nine / Sioux | 安眠妨害水族館

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cloud nine/Sioux

cloud nine cloud nine
1,488円
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1. beyond

2. 無限星

3. lost things

 

結成2周年を迎えたSioux。

本作は、流通音源としては久しぶりとなる3rdシングルです。

 
旅人、放浪者、詩人。
彼らが提示しているコンセプトの意味が、ここにきて見えてきたような。
というのも、作品がリリースされるたび、サウンドの中に新しい景色が浮かび上がってくるのですよ。

もちろん、トータル的な世界観は軸が通っていると言えるのですが、アプローチとしては少しずつ変化しており、ひとつとして同じ地点に立ち止まっていることがない印象。

これまでは、方向性を模索しているのかな、と勘繰っていたのだけれど、なるほど、これは旅なのだ。

写真を撮ったり、旅レポを投稿する代わりに、音楽を奏でているのだ。

 

「beyond」は、とても広大なイメージ。

シンセギターのリフがエキゾチックな香りを持ち込みつつ、地平線が広がっていく画が浮かぶ。

公開されているMVを見たら、まさにそんなロケーションで、伝えたい風景とサウンドがしっかりリンクしていることを証明してくれました。

引き締まったリズムが心地良く、流麗なメロディも彼ららしい。

 

続く「無限星」は、疾走感のあるナンバー。

彼らとしてはハードな部類になるのかもしれないが、キラキラした上モノの影響もあって、ロマンティックにも聴こえてきます。

Aメロやサビでは、コーラスパートを強めに出して、ダブリングのような効果を生んでいるのも面白い。

ライブでどう化けるのかも気になる1曲ですね。

 

最後に持ってきたのは、「lost things」。

ゆったりしたテンポに、ポップな歌メロが重なり、映像だけではなく、温度まで伝わってくるようです。

ここまでとっつきやすい楽曲は、ありそうでなかった。

V系リスナー的に刺さるかどうかは置いておいて、名曲であることには違いないわけで。

これは、大切に育てていってほしいな、と。

 

なお、ライカエジソンでの購入特典として、代表曲となった「アムリタ」のアコースティックバージョンが収録されたCDが付属。

メロディを大事にしているバンドなだけあって、素朴なアレンジにも映えるものです。

これはこれで、ひとつの完成形と言えるのでは。

 

リリースを重ねるごとに味わいを深めていくSiouxの音楽。

長い旅のゴールがどこにあるのかはまだ知り得ませんが、まだまだ未知の景色を届けてくれることに期待したい。

過去の作品に比べて、聴きやすい楽曲が揃っていると思いますので、入門書としてもおススメです。

無料配信されているミニアルバムが気に入れば、どうかこちらも手に取ってみてくださいませ。

 

<過去のSiouxに関するレビュー>

shimmer

アムリタ

Last scene

【hue】