Last scene/Sioux
Last scene 1,080円 Amazon |
1. Last scene
2. 嘘
Siouxとしては初の全国流通作品となる2ndシングル。
本作の帯が、6月に開催される購入者限定ワンマンの入場券となる仕様となっています。
楽曲は、2曲ともVo.Kanameさんが作詞を、Gt.Cielaさんが作曲を担当。
なんとなく、Kanameさんが在籍していたamber grisの音楽性に近づいたかな、と思ったのだけれど、作曲がKanameさんというわけではないのですね。
「Last scene」は、幻想的なミディアムナンバー。
ギターのアルペジオや、コーラスワークによって繊細で美しいアンサンブルを奏でていました。
サビはわかりやすくキャッチーだけれど、ドラムのリズムが独特で、それが異国情緒を高めているような。
渋さのあるギターの乾いたサウンドや、Kanameさんの声質、歌い方も相まって、どこか名古屋系的な雰囲気を感じ取ることができる。
また、世界観やアレンジについては、La'cryma Christiあたりを彷彿とさせ、"名古屋系のラクリマ"と例えてみると、案外しっくりきそうです。
カップリングの「嘘」は、その印象を更に強める。
優しくポップなフレーズを難解な演奏の中に溶け込ませ、聴きやすいけれど深みがある構成に仕上げています。
明るくて暗い、毒を含んだポップネス。
はじめて聴いた瞬間から心を奪われ、聴けば聴くほどのめり込む。
二段階で中毒になる楽曲と言えるのでは。
現代シーンでどこまで通用するかは未知数。
しかしながら、古株の男性リスナーのツボを間違いなく突いてくるであろう音楽は、じわじわと口コミで浸透しそうな気もします。
手に取りやすい価格設定や限定ワンマンという撒き餌がどこまで奏功するか。
個人的には、かなりお気に入り度合いが高い1枚。
聴いてもらうところまで持っていければ、ニーズはありそうなバンドだと思うのですが。
<過去のSiouxに関するレビュー>