Tokyo Spring 日比谷デモクラティック@日比谷野外大音楽堂(2017.5.5) | 安眠妨害水族館

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MERRYの単独公演、「Tokyo Spring 日比谷デモクラティック ~羊達の主張~」に行ってきました。

彼らにとって、野音は実に2013年以来、3年9ヵ月ぶり。

実は前回の野音も行こうと思ってチケットを確保していたのだけれど、前日に子供が産まれたので見送ったという経緯がありまして。

今回も第二子の出産予定日と近くてどうなるか、といったところではあったのですが、ここまでくると縁起モノ。

無事4月のうちに子供は誕生し、諸々の根回しもできたということで、個人的なリベンジを果たすことができました。

 

前置きはさておき、当日は快晴。

事前の天気予報では崩れる可能性もあったようですが、絶好の野音日和です。

この天候であれば「群青」も聴きたかったな、というのは結果論。

 

客入れ時のSEは、昭和歌謡の往年の名曲たちが流れ続ける徹底っぷり。

既に見えているステージは、"デモクラシー"の演出か、鉄網に囲われていて、期待感が高まっていきます。

20分以上押してのスタートとなりましたが、その後の演出も踏まえて、日没時間との調整をしていた部分もあったのでしょうか。

 

鉄網の向こうにメンバーが登場すると、"羊達の主張"らしく、「演説 ~シュールレアリズム~」から。

鉄網に縋りつきながら、ときによじ登って体をこちらに向けながら、拡声器で叫ぶVo.ガラさんの姿は、日比谷という土地側も相まって、まさにデモクラシー運動さながら。

そのまま鉄網を演出として効果的に使いながら、「[human farm]」で一気にオーディエンスをヒートアップさせます。

指定席なので、カオティックなモッシュピットが出来上がるわけではないのだけれど、序盤はパンキッシュな楽曲を畳み掛けたな、という印象でした。

ライブ音源でのみ聴くことができていた「Screams of the Dark」が演奏されたのも熱かったな。

 

「T.O.P」が終わると、ガラさんが会場の裏から登場し、中央に設置されたサブステージへ。

演奏陣がメインステージ、ガラさんのみサブステージ、という状態で、「絶望」を披露しました。

席が近かったこともあり、瞬間風速的にテンションが上がってしまった。

三点倒立をしたり、360℃全方向を思い思いに煽ったり、自由度が高いガラさんのパフォーマンスは圧巻。

"せっかくここまで来たのに、ステージばかり見ている人もいましたね。"と吐き捨てて戻るところも含めて、ガラさんらしさが凝縮されていたのかと。

おそらく、イヤモニから聞こえてくる音と、外音のズレの影響かと思われますが、性急なリズムのサビになると、ガラさんがリズムに乗れなくなってしまったのがもったいなかったかな。

ここでは勢いのある楽曲以外の選択肢はなかったため、仕方ないのだけれど。

 

パンキッシュゾーンは、ここでひと段落。

全員がアコースティック編成となり、「真っ赤な青い春…」と、「平日の女-A面-」をしっとり歌い上げました。

野外で汗をかくのも気持ちが良いのだけれど、夕方になり心地良い風が通り過ぎる中で、アコースティック曲を聴くのもオツなもの。

どちらにも振り切ることができるMERRYと野音の相性は、とても良いと再認識した次第です。

 

さて、ここでガラさんにトラブルが発生とのことで、他メンバーでMCを繋ぐことに。

ネロさん、結生さん、テツさんときて、健一さんに振られたのですが、のらりくらりしているうちに準備完了。

せっかくだから、健一さんにも何か喋ってもらいたかったな。

 

もっとも、この間も含めて演出だったのかしら。

SEである「iNtO the mARkeT」を経て、「NOnsenSe MARkeT」の最初のフレーズを歌うガラさんの声が聞こえてくる。

先ほどの件があったのでサブステージを見ても、誰もいない。

すると、後方の幕が下りて、高台になったセット後方に立っているガラさんと、9つのVJモニター。

ここからは、映像と連動した演出が繰り広げられていきます。

明るいうちは、パンキッシュにステージを広く使ったパフォーマンス。

暗くなってきたら、映像を使っての二部構成。

これも、野外公演だからこそ可能な演出で、日が暮れるのを待っていたのかな、と。

 

後半は、ノリを求める楽曲と、世界観を追求する楽曲とのメリハリをつけて。

「Zombie Paradise ~地獄の舞踊曲~」で躍らせたと思えば、「傘と雨」で最新型のレトロックを見せつける。

「オリエンタルBLサーカス」からは、ラストスパートを意識したのでしょう。

「ジャパニーズモダニスト」まで上げに上げ、極めつけは、締めである「千代田線デモクラシー 」での特効。

この勢いが強すぎて機材に影響が出たようで、結生さんのギターから音が出なくなるというハプニングもありましたが、「千代田線デモクラシー 」こそ、この日のコンセプトとしては欠かせないナンバー。

だからといって盛り上がらないわけがありません。

 

アンコールは「梟」と「Happy life」。

語り部分まで再現する「梟」には鳥肌が立ったし、あまりピンときていなかった「Happy life」も、ライブで化ける楽曲なのですね。

VJを使った演出も効いていて、グッときてしまいました。

 

そして、グッときたといえば、もうひとつ。

怪我の影響で、首のコルセットおよびスタンドに立てたベースを演奏するスタイルが定着していたテツさんが、ストラップにベースを下げて演奏しているではありませんか。

コルセットもつけておらず、時間は短いながらも、ようやく自然な形でベースが弾けるまでになったのだな、と感動というのか、安堵というのか、色々な気持ちが込み上げます。

思えば、ガラさんがヘルニアの療養から復帰したのも、この野音。

MERRYの復活を象徴する会場になりつつあるのでは。

 

セカンドアンコールでは、ニューアルバムのリリースと、47都道府県ツアーを発表し、そこから新曲を先取りして。

タイトルは教えてくれなかったけれど、MERRYらしいレトロなフレーズと勢いが融合したアッパーチューンでした。

また、続く定番の「バイオレットハレンチ」で終演、となるはずだったのだろうけれど、ギターの音が出なかったことへのリベンジということで、再度の「千代田線デモクラシー 」。

野音でこれが二回も聴けるなんて、少し得した気分です。

 

最後に、ここのMCでも触れられていたけれど、はじまってからずっと、ガラさんの"日比谷!"の煽りが、"渋谷!"と聞こえていました。

ネロさんよりも滑舌が悪いということにショックを受けたのか、セカンドアンコールでは、きちんと"日比谷!"と聞こえるように、丁寧に煽っていたガラさんがなんとも可愛かったことを記しておきます。

 

 

1. 演説 ~シュールレアリズム~

2. [human farm]

3. 「東京」

4. 自意識過剰型木偶人間

5. ロストジェネレーション

6. Screams of the Dark

7. ハライソ

8. T.O.P

9. 絶望

10. 真っ赤な青い春…(Acosutic Ver)

11. 平日の女-A面-(Acosutic Ver)

12. NOnsenSe MARkeT

13. [collector]

14. 暗闇にピンク

15. Zombie Paradise ~地獄の舞踊曲~

16. 傘と雨

17. オリエンタルBLサーカス

18. Carnival

19. ジャパニーズモダニスト

20. 千代田線デモクラシー

 

en1. 梟

en2. Happy life

 

en3. 新曲

en4. バイオレットハレンチ

en5. 千代田線デモクラシー