ジンマシーン日本代表メンバー壮行会@高田馬場CLUB PHASE(2018.10.27) | 安眠妨害水族館

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「ジンマシーン日本代表メンバー壮行会」に行ってきました。

『じんましーんのワールドツアー「~平成最後のワールドツアー~」』の壮行会という位置づけで行われた企画公演。

よそ行きのワンマンの前に、内輪ネタ満載のファン向けイベントを行ったということなのでしょうかね。


序盤は、まさに壮行会さながら。

といっても、はじまるまではピンとこなかったのですが、「魁!!男塾」風の学ラン&劇画調のメイクで登場したメンバーを見て、なんとなく理解。

選手(メンバー)による誓いの言葉や、来賓からの挨拶、ゲストから寄せられたコメントの発表など、プログラムに沿って進行する中にネタを織り込んでいく、笑いに振り切った構成のようです。

MC.featuring16さんは、瞼の上に目を書いて男塾の登場人物であるJを再現し、凝視できないレベルのインパクトを放っていました。

 

スタートは、"国家斉聴"というアナウンスとともに「仙台市国家」から。

レア曲が演奏されるのかと会場がどよめいたのも束の間、微動だにしないメンバーたち。

そう、斉唱ではなく、斉聴。

要するに、流れてくる「仙台市国家」の音源をただ聴いているだけというネタだったわけです。

 

これ、純粋に聴きたかったというのもあるのだけれど、演奏しても良かったですよね。

この日のコンセプトが浸透していないオープニングの段階から、ネタにネタを重ねてオーディエンスを混乱させる形になってしまったので。

"国家斉唱"で「仙台市国家」を演奏するだけでも、十分ネタとして成立したと思うのだけれど。

 

ただし、続く"校歌斉唱"では、しっかり「約束の丘中学校校歌」を演奏してくれて、一安心。

こちらはこちらで、久しぶりに聴きたい楽曲。

ここまで引っ張ってからの生演奏だったことも手伝って、カタルシスが半端じゃなかったですよ。

 

まだ1曲しか演奏していない中、早くも来賓として登場したゲストは、TЯicKY。

設定上、メンバーが仁王立ちして動くことができないことを良いことに、いじり倒していきます。

トリ様の仕様上、キレはそこまで鋭くないので笑いはまばらなのだけれど、Jin-Machineメンバーの演奏で「シャンプー☆プロカリテ」を披露すれば、ちゃんと客席がフリを返してくるあたり、なんだかんだ、みんな彼を身内として認識しているのだなぁ、と。

jealkbによるビデオメッセージや、鬼龍院翔さんによるコメントも公開され、もはやライブというより、本当に何かの式に出席したような気分になってきます。

結局、その後演奏されたのは「がんばれ! 桜、アディオス」だけ。

良い意味で時間を無駄に使った壮行会は、無事、終了となりました。

 

会が終わり、戻ってきたメンバーが発表した次の企画は、本当はこの日発売する予定だったニューミニアルバム「Re≒BorN」からの爆音試聴。

その場でアンケートをとり、もっとも拍手が多かった『五星戦記 Lucifer’s Dimension 主題歌「近未来Brightest」』の音源をライブハウスの環境下で聴くという、その間はどこを見ていればいいのかわからなくなるコーナーです。

架空のアニメの主題歌ということで、15年前のラノベ風の原作ストーリーも閣下の頭の中にはある様子。

実際、マイナーコードで疾走しながら、キャッチーさもあるというアニソンど真ん中のナンバーで、なかなか好みな路線です。

大人の事情で発売が延期になってしまっていますが、届けられるのが楽しみだな。

 

いよいよライブか、と思いきや、次のコーナーはパラパラ講座。

ミニアルバム収録曲の「Fire Love」が、演奏どころか、ボーカルすら歌わずに全員でパラパラを踊るだけという振り切った楽曲に仕上がっていまして、TЯicKYさんを改めて呼び寄せてそのフリを解説するというもの。

パラパラの基礎的なフリが中心ではありますが、テンポが速いので、慣れていない人は大変そうです。

ハロウィンの時期でイベントが競合する中、開催直前にアナウンスされた影響もあってか、ややスペースが目立つ客入り状況ではあったのだけれど、結果として、これがあったことによって救われた。

踊るためのスペースを、各々が十分に確保できていました。

これをフロアも含めて完璧にできるようになれば、確かに対バンのファンに与える衝撃はとんでもないはず。

逆に、新規ファンの障壁になってはいけないのだけれど、飛び道具があるのは、大きな武器になる気がしますね。

 

「お料理狂想曲」から「RA・RA・RA 楽園イーグルス」までは、ニコニコ生放送にてファンからのリクエスト曲で構成した楽曲たち。

「優しい背中」、「マグロリア」、「アルティメットジェラシー」など、最近のライブでは演奏されていなかったナンバーが多くセレクトされ、フリを知らないオーディエンスも相応にいたのが印象的でした。

なんだかんだ、ここ最近でワンマンに来るようになったファンもいてくれているのだなぁ、なんて。

ちなみに、「マグロリア」などは閣下すらフリを間違えていたりしたのだけれど、現在ほど活動が安定していなかった頃から演奏してきた「アルティメットジェラシー」は年季が違うというか、久しぶりであるにも関わらず自然体で動けていたのが面白かった。

なかなか絶妙なセットリストだったな。

 

終盤は、ワールドツアー(という設定の国内ツアー)に向けた、代表曲の復習という位置づけ。

新譜に収録される「昆虫すごいぜ!」はともかく、あとは変わり映えしないな、というのが本音でしょうか。

まぁ、「Back Letter」がここにきて復活の兆しを見せてきたのは少し嬉しい。

閣下が新しいサークルモッシュを作りたい、という好奇心ありきな復活っぽいことは気がかりですが。

規則性のないぐちゃぐちゃモッシュがV系シーンの中では異色で、そこが売りだったとも思うわけで、あまりいじりすぎないでほしい気持ちもあるのだけれど。

 

アンコールはなく、ちゃんと演奏したものに絞ると、ワンマンとしてはかなり少ない曲数。

ネタや企画に関しても、必ずしも自分のツボに入るものばかりではありませんでした。

ただ、こんなにも"次に何をするんだろう"というワクワクが待っているライブは、Jin-Machineの中でもしばらくぶりだったのではないかと。

 

セオリー無視でハチャメチャにやっていた頃から見ていれば、最近のV系シーンに馴染んで、親和性の高い楽曲やイベントを送り込んでくれるスタイルに変わっていったことは目を細める進化でもあるのだけれど、かつての対バンキラーとしてのインパクトは、馴染んだことによって薄れてしまっていたのかもしれない。

空回りに終わってでも、攻めた企画、他のバンドがやりそうもない企画を立ち上げてこそのJin-Machine。

発売予定の「Re≒BorN」も、原点に立ち返る意図が込められているようだし、再びハングリー精神を思い出しているはず。

それを踏まえた一本目のライブが、この壮行会だったと捉えるのは、いくらなんでも考えすぎかしら。

 

なお、男塾風のメイクは、レジデンス涼羽−178さんのやりすぎたメイクに全員が引きずられた形らしい。

唯一、涼羽さんの前にメイクを終わらせたあっつtheデストロイさんだけ、普通のメイクだったのはそういうことか。

世間に合わせてハロウィンパーティーの意味合いもあったのかな、なんて思っていたけれど、ただの悪乗りだったというのが彼ららしいというか、なんというか。

 

 

0. 仙台市国家(斉聴)

1. 約束の丘中学校校歌

2. シャンプー☆プロカリテ(feat. TЯicKY)

3. がんばれ! 桜、アディオス

4. 五星戦記 Lucifer’s Dimension 主題歌「近未来Brightest」(爆音試聴)

5. Fire Love(パラパラ講座)

6. お料理狂想曲

7. 優しい背中

8. マグロリア

9. アルティメットジェラシー

10. RA・RA・RA 楽園イーグルス

11. 昆虫すごいぜ!

12. 恋してせんべろ

13. たのしい日本語

14. Back Letter

15. マグロに賭けた男たち