Sang -Another Story-/KAMIJO&初音ミク
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Sang -Another Story- (完全限定盤)
2,160円
Amazon |
1. Sang-Another Story-
2. 私たちは戦う、昨日までの自分と
3. Sang-Another Story-[Instrumental]
4. 私たちは戦う、昨日までの自分と[Instrumental]
期間限定デュオ、KAMIJO&初音ミクのシングル。
同時リリースとなるKAMIJOさんのアルバム「Sang」の番外編として発表されました。
ただでさえ、ヴィジュアル系とボーカロイドというジャパニーズ・サブカルチャーを代表するコラボレーション。
そこに、「ローゼンメイデン」のPEACH-PITさんがメインヴィジュアルを書き下ろし、衣装はMana様がプロデュースするMoi-meme-Moitieが提供したというのだから、クール・ジャパン全部盛りといったところでしょう。
3D印刷が施された特殊ジャケットも、ヴァーチャル世界のライブシーンを想起させる演出効果となっており、視覚にもこだわるKAMIJOさんらしい工夫が随所に見られます。
死者を蘇らせて、血液で発電する制度がある世界。
電気の歌姫、初音ミクは眠りから目覚め、歌っているという設定のようで。
表題曲である「Sang-Another Story-」は、KAMIJO節全開のお耽美疾走チューン。
王道だからこそ、女声ボーカルで歌い上げられることに、最初は少し違和感があったというのが本音ですかね。
一方で、慣れてくれば発見も多い。
たとえば、KAMIJOさんの歌唱法の変化により、LAREINEとVersaillesでは音楽性の変化を感じずにはいられなかったのだけれど、こうして第三者の声で歌われることで、根本的なメロディセンスは変わっていないのだな、と改めて気づかされました。
デュエット風に掛け合ったり、KAMIJOさんがコーラスにまわってハモったり、と普段では聴くことができないチャレンジもいくつか。
まさか、こんな興味深いコラボレーションを聴ける日が来るとはな。
カップリングの「私たちは戦う、昨日までの自分と」は、ミステリアスで荘厳なイントロからスタートするナンバー。
粛々とシリアスに進行していきますが、サビになると華やかさを纏ってキャッチーに開けるのが、実に彼らしい。
この曲のボーカルは、初音ミクのみ。
なのにこんなにもKAMIJOさんの存在を感じてしまうのだから、面白いものですよ。
なお、「Sang」には、"歌"と"血"の二つの意味があるとのことで、まさにボーカロイドとシンクロしているな、と。
調声にややぎこちない部分はあるものの、ワクワクが上回っているという企画モノの神髄。
番外編という位置づけだけれど、「Sang」の濃厚なストーリーにのめり込むための導入剤として聴いても良いかもしれません。
<過去のKAMIJOに関するレビュー>
Heart
闇夜のライオン
Moulin Rouge
Symphony of The Vampire
Louis~艶血のラヴィアンローズ~