Moulin Rouge / KAMIJO | 安眠妨害水族館

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Moulin Rouge<通常盤>/KAMIJO

¥1,296
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1. Moulin Rouge
2. Tresor
3. 追憶のモナムール
4. Moulin Rouge(instrumental)
5. Tresor(instrumental)
6. 追憶のモナムール(instrumental)

KAMIJOさんによる2ヶ月連続リリース第1弾。
メジャーデビュー後としては、初のシングルとなる作品です。
初回盤2種と、通常盤の、計3種類。
通常盤にのみ、「追憶のモナムール」が収録されています。

今回も、テーマはヴァンパイア。
舞台を、パリのキャバレー、"ムーラン・ルージュ"に移して、新たなストーリーが繰り広げられる。

音楽的には、フレンチジャズテイストを盛り込んだパーティーチューン。
ブラスのサウンドが効果的に使われていたり、ハネたリズムで展開されたりと、Versailles時代には見られなかった楽曲に仕上がっていますね。
最近のファンにとっては新鮮、古くからのファンには、懐かしさのあるKAMIJO節ではないかと。
ケバケバしくも、ミステリアス。
キャバレーとKAMIJO、意外にも親和性は高かった。

「Tresor」は、前作「Symphony of The Vampire」において主人公であったルイ17世の、フランス革命前のアナザー・ストーリーとのこと。
演奏は、アコーディオンとバイオリンのみ。
淡々と流れる優しいメロディに、KAMIJOさんの歌声が絡まっていくミディアムチューンです。
自ら、"久しぶりの声の出し方"と語るように、LAREINE時代の歌い方だなぁ。
Versailles以降、低音を響かせるような太い声を出そうと意識していたところがあったのですが、この楽曲では、少し鼻にかける感じで、エレガントさを演出したような歌唱法。
この声で、バンドサウンドの楽曲を聴いてみたいのだけれど。

「追憶のモナムール」は、当初、こちらをシングルに、という話があったというほどインパクトのあるネオ・クラシカル・メタル。
展開は複雑なのだけれど、サビにはキャッチーさもあり、4分台でコンパクトにまとめられているなど、聴きやすさがありますな。
1曲目、2曲目は、やや飛び道具的な側面もあり、こういうのを期待していた人が多いのだろうな、という内容で、安定感・安心感を与える位置づけにもなっているのかと。
迷うなら、通常盤を購入すべき、という格好良さ。

メタルに縛られていたVersaillesの頃と比較し、自由に伸び伸びと音楽に取り組んでいる印象。
結局、彼が描いて、彼が歌えば、耽美でロマンティックなものに仕上がることを踏まえれば、イメージを壊さずに、バラエティを広げることができるソロ・ワークスは、思った以上にハマっていたという評価ができるのではなかろうか。

第二弾は、本作と対になるということですが、王道の耽美メタルで攻めてくるのか、またも新たな引き出しを見せてくれるのか。
どちらにしても、楽しみです。

<過去のKAMIJOに関するレビュー>
Symphony of The Vampire
Louis~艶血のラヴィアンローズ~