
1. ギロチン~Test Pattern.#2
2. 腐った魚~Demo Ver.
1996年にリリースされたCT、「第2実験室」 。
2002年時点のメンバーで「第2実験室 改訂版」リメイクするにあたり、その予告版として発表された作品です。
本作は、FOOL'S MATEの2002年7月号の付録として入手することができたもの。
それまでも、リリースの前に"予告版"として先行シングルをドロップすることがあったcali≠gariですが、このような形でのリリースは当然ながらはじめて。
衝撃的でしたし、話題性もありました。
この号だけFOOL'S MATEを買った、または、この号からFOOL'S MATEを買い始めたというリスナーもいたのでは。
内容は、「第2実験室 改訂版」に収録されている中から、2曲だけを先取りして。
ここでしか聴くことができない楽曲はないので、あくまでファンアイテムとなるのだが、それでも見逃せないのは、正式にリリースされたものとはアレンジ等が異なっていることでしょう。
「ギロチン」は、"Test Pattern.#2"という副題がつけられていて、改訂版に収録されている"Test Pattern.#1"と位置づけが異なることを明確化しています。
原曲の荒々しい感覚が抜けて、ダウナーでアングラな楽曲に変貌。
オリジナルのリリース時には在籍していないVo.石井秀仁さんによるプログラミングだからこその大胆なアレンジと言えますね。
後半でようやくカオティックなシャウトが出てくるのだけれど、ボーカルが後ろに押し込められているようなミックスになっており、なんとなく、"予告版"にふさわしいと思ったり。
1分半の短い尺も相まって、これをBGMに映画の予告風のスポット映像を作ったらハマる気がしました。
「腐った魚」は、アコースティック調で奏でられるノスタルジックなナンバー。
オリジナルバージョンでは当時のボーカルだった秀児さんが歌っていたのですが、本作においては石井さんではなくGt.桜井青さんがボーカルをとっています。
それに伴ってか、更にシンプルな構成に。
歌唱力には甘さもあるのだけれど、高音が出ていないながらも叫ぶように押し切るクライマックスは、ある種、石井さんではできなかった盛り上がりを生んでいるのかと。
なお、改訂版では機材車で収録されたテイクが使われているため、味はあっても聴きにくいという側面が。
その点では、こちらは素直に聴き取りやすく、ノーマルバージョンと捉えてもいいのかも。
ちなみに、雑誌の付録であるので、ジャケット等は特になし。
中古ショップでCDのみで売られていても、それはそれで間違いではありません。
しかしながら、専用ジャケットがFOOL'S MATE通販で別売りとなっていた経緯があり、アートワークまでこだわるリスナーはご留意を。
個人的には、正規品である改訂版よりもデザインが格好良いと思うので、これがレアアイテムなんてもったいないと気分になりますな。
<過去のcali≠gariに関するレビュー>
憧憬、睡蓮と向日葵
12
2
1
春の日
さよなら、スターダスト
11
ジュウイチジャナイ
続、冷たい雨
9-踏-編
ブルーフィルム
君が咲く山
第5実験室