KILLING FIELD 戦場の記憶 第7話 "放浪"
LOSER
この想いを握り締めながら俺は何処まで歩いていくんだろう
何処まで歩けば終わるんだろうか
苦しみの果てに何も待っていなかったら
誰も知らない俺だけのやりかたで笑おう
うらぶれはてたこの街は
曇り空の吐き捨てた唾に打たれている
俺は疲れ果てた夢達と惨めさの中で這い蹲っている
壁にもたれ俯きながら 流れる人なみを聞いている
平穏な日々を失い そんな日々に帰れない俺がいた
ガラスケースを見つめる子供のような瞳で
街中に溢れる平和な日々を見つめていた
それは遠すぎる絵空事のようだった
絵空事のような未来に吐き捨てられ
そんな未来に背を向けて見たものは
何もかも失いつくした男の無様すぎる人生だった
誰かに愛されたのなら自由になれるのだろうか
誰かに愛されていたのなら自由でいられたのだろうか
何もかも投げ捨てて安らぐ日々に帰りたい
俺の願いはただそれだけ
夢も野心も俺にはいらない
ただ安らぎだけがあればいい
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次回、連続詩小説 KILLING FIELD
第8話 「いつかの少年」
過去の中に未来がある。
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少年A 首切り 心の闇
「結局ナイフ事件の犯人は俺だしキミだ。」
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何処から来て 何処に行くのか
暖かな生活に飢えた荒んだ心
求めるものが何もない日々
願いは儚く 脆弱な心は震え
壊れていく未来 凍りついて過去
歩けるのか 孤独の中で
ハーメルンの笛が鳴り響く この世界
過去が今を縛り 今が未来を追い詰める
心の中 時間を消せる場所は何処に
なんという光景だろうか
恐怖に耳を塞ぎ 音楽の消えた街に住むことは
いずれ歌は消え 残骸だけが残されるのだろうか
キミがキミの声を感じる時
笛の音の中 壊れ続けてきたこの世界
壊れ続けていくこの世界
鳴り続けるハーメルンの笛 かたどられていく時代
約束された未来図に本当に人間はいるのだろうか
刻み込んだ痛みを叫んで 壊れるまで 見えるまで
深く より深く その存在の深遠により深く
時をただ時として感じられたなら
僕達は出会えるのだろうか・・・・・
***********:
人が持つ殺意とか憎しみだとかは、
それこそ世界中の人間を血の海に沈めても終わらない。
負の感情の世界は本当に底なしの闇だから。
最後には人としての機能を失わせるぐらいの。
たとえモンスターになっても終わらない。
負の引力に引かれても、宇宙を目指して飛ぶしかない。
それ以外の方法で人は人になれないのだから。
常に戦ってないといけない。
今、メディアの奴等が言っていることは10年前と同じ。
だからいろんなアーティスト達が放ってきたメッセージを
俺も伝える。
「自分という存在に対して目を覚ますこと」
たった一人の人間にだってできることがある。
傷ついた心に呑み込まれることなく、
立ち上がって世界を見つめる時だ。
抵抗こそ人間の美学。
それに気付いてほしい。
壮絶の対比
本当に絶望を味わったことのない奴に愛情は書けない。
恐怖を知らなければ勇気も知れないし。
殺意をもったこともない奴に愛情は描けない。
その感情の負の対極を知らないと無理だと思う。
あとは突き抜ける意思があるかどうかかな。
たとえどんなにボロカスになっても。