音楽ライターさんの片手間ブログ -29ページ目

KILLING FIELD 戦場の記憶 第9話 "クレイドル"


CRADLE
 -揺り籠-


遠く遠く続く道は はてぬ想い途切れる場所へ

遥か遠く消えゆく場所は 雨に霞む昨日の墓標


風が運ぶ砂塵の歌は 失われた魂への挽歌のように

帰る場所をなくした者の 消えた命の嘆きのように

とめどない想いの中で移りゆく時を見つめている


朱色に燃えた命の記憶は風の中へと消えてゆく

確かにそこで生き抜いた証も 刻み込んだ魂の慟哭さえも

この風と雨の中へと消えてゆくのだろうか


静かに消える記憶をただ見つめている

消えられない俺と消せない想いと

遠くに響く命の歌に遥かな日々の名残を求めた


女達に宿る命に微かに残る希望をかさね

心から求めた故郷への道を 愛した記憶を

追い求め 探し歩いた

泣き叫ぶ程に遠い道を ただ独りで

この魂の帰るべき場所を求めて

この想い途切らせる場所を探して


崩壊した魂を 失われた心を 帰らざる時の中で消えたものを

もう一度取り戻すために



*********

次回、連続詩小説 KILLING FIELD

最終回 「命」

揺り籠は揺れる それぞれの想いを抱いて

来週もお楽しみに!



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アートの意味は

作品が与えた影響がその人の人生にいい影響を与える。

それが他の人にも伝わって残っていく。

そういうスタンダードがあってもいいと思う。

そういう永遠性に期待している。



KILLING FIELD 戦場の記憶 第8話 "いつかの少年"

BILLY BOY


安息に帰れない俺が呟いた

俺の人生は誰の人生とも交わらないだろうと

安息に帰りたい俺が嘆いた

だとしたら俺はもう長くはないだろうと


左手から滑り落ちたナイフが嘲笑った 鏡に映っている男は誰だと

生からも死からもはぐれた男がそこにいた


鏡の前の男が叫んだ だとしたら俺は何処へ行けばいいと

傷跡が囁く 過去へ戻れと


未練と執着を辿っていけばあの街にたどり着く

絶望とやるせなさを辿っていけば彼女に会える

そのすべてを心で溶かせば見えてくる


BILLY BOY あの日の少年はまだ死んでいない

BILLY BOY 彼女はいつもそばにいた

BILLY BOY あの日の俺達がそこにいた


汚れた写真の変わらない笑顔

彼女はいつもそばにいると 必ず帰れる日は来ると

BILLY BOY.... BILLY BOY.......


BILLY BOY 彼女はいつもそこにいた

BILLY BOY 少年は確かにそこにいた

BILLY BOY かつての日々に終わりはないと

BILLY BOY 彼女はいつもそばにいると


BILLY BOY.... BILLY BOY.........



*********

次回、連続詩小説 KILLING FIELD

第9話 「クレイドル」

戦士は帰る、失った心を取り戻すために。



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