KILLING FIELD 戦場の記憶 第8話 "いつかの少年"
BILLY BOY
安息に帰れない俺が呟いた
俺の人生は誰の人生とも交わらないだろうと
安息に帰りたい俺が嘆いた
だとしたら俺はもう長くはないだろうと
左手から滑り落ちたナイフが嘲笑った 鏡に映っている男は誰だと
生からも死からもはぐれた男がそこにいた
鏡の前の男が叫んだ だとしたら俺は何処へ行けばいいと
傷跡が囁く 過去へ戻れと
未練と執着を辿っていけばあの街にたどり着く
絶望とやるせなさを辿っていけば彼女に会える
そのすべてを心で溶かせば見えてくる
BILLY BOY あの日の少年はまだ死んでいない
BILLY BOY 彼女はいつもそばにいた
BILLY BOY あの日の俺達がそこにいた
汚れた写真の変わらない笑顔
彼女はいつもそばにいると 必ず帰れる日は来ると
BILLY BOY.... BILLY BOY.......
BILLY BOY 彼女はいつもそこにいた
BILLY BOY 少年は確かにそこにいた
BILLY BOY かつての日々に終わりはないと
BILLY BOY 彼女はいつもそばにいると
BILLY BOY.... BILLY BOY.........
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次回、連続詩小説 KILLING FIELD
第9話 「クレイドル」
戦士は帰る、失った心を取り戻すために。
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