KILLING FIELD 戦場の記憶 第9話 "クレイドル"
CRADLE -揺り籠-
遠く遠く続く道は はてぬ想い途切れる場所へ
遥か遠く消えゆく場所は 雨に霞む昨日の墓標
風が運ぶ砂塵の歌は 失われた魂への挽歌のように
帰る場所をなくした者の 消えた命の嘆きのように
とめどない想いの中で移りゆく時を見つめている
朱色に燃えた命の記憶は風の中へと消えてゆく
確かにそこで生き抜いた証も 刻み込んだ魂の慟哭さえも
この風と雨の中へと消えてゆくのだろうか
静かに消える記憶をただ見つめている
消えられない俺と消せない想いと
遠くに響く命の歌に遥かな日々の名残を求めた
女達に宿る命に微かに残る希望をかさね
心から求めた故郷への道を 愛した記憶を
追い求め 探し歩いた
泣き叫ぶ程に遠い道を ただ独りで
この魂の帰るべき場所を求めて
この想い途切らせる場所を探して
崩壊した魂を 失われた心を 帰らざる時の中で消えたものを
もう一度取り戻すために
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次回、連続詩小説 KILLING FIELD
最終回 「命」
揺り籠は揺れる それぞれの想いを抱いて
来週もお楽しみに!
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