KILLING FIELD 戦場の記憶 第7話 "放浪" | 音楽ライターさんの片手間ブログ

KILLING FIELD 戦場の記憶 第7話 "放浪"

LOSER


この想いを握り締めながら俺は何処まで歩いていくんだろう

何処まで歩けば終わるんだろうか

苦しみの果てに何も待っていなかったら

誰も知らない俺だけのやりかたで笑おう


うらぶれはてたこの街は

曇り空の吐き捨てた唾に打たれている

俺は疲れ果てた夢達と惨めさの中で這い蹲っている


壁にもたれ俯きながら 流れる人なみを聞いている

平穏な日々を失い そんな日々に帰れない俺がいた


ガラスケースを見つめる子供のような瞳で

街中に溢れる平和な日々を見つめていた

それは遠すぎる絵空事のようだった


絵空事のような未来に吐き捨てられ

そんな未来に背を向けて見たものは

何もかも失いつくした男の無様すぎる人生だった


誰かに愛されたのなら自由になれるのだろうか

誰かに愛されていたのなら自由でいられたのだろうか


何もかも投げ捨てて安らぐ日々に帰りたい

俺の願いはただそれだけ

夢も野心も俺にはいらない

ただ安らぎだけがあればいい



*********

次回、連続詩小説 KILLING FIELD

第8話 「いつかの少年」

過去の中に未来がある。 



毎週土曜日配信中。


KILLING FIELDの作品すべてが収録された本はこちら

             ↓




購入はこちらのリンクから

           ↓

http://www.amazon.co.jp/TESTAMENT-SAION/dp/4797460571/ref=sr_1_3/503-7317035-0243128?ie=UTF8&s=books&qid=1175939637&sr=1-3