KILLING FIELD 戦場の記憶 第7話 "放浪"
LOSER
この想いを握り締めながら俺は何処まで歩いていくんだろう
何処まで歩けば終わるんだろうか
苦しみの果てに何も待っていなかったら
誰も知らない俺だけのやりかたで笑おう
うらぶれはてたこの街は
曇り空の吐き捨てた唾に打たれている
俺は疲れ果てた夢達と惨めさの中で這い蹲っている
壁にもたれ俯きながら 流れる人なみを聞いている
平穏な日々を失い そんな日々に帰れない俺がいた
ガラスケースを見つめる子供のような瞳で
街中に溢れる平和な日々を見つめていた
それは遠すぎる絵空事のようだった
絵空事のような未来に吐き捨てられ
そんな未来に背を向けて見たものは
何もかも失いつくした男の無様すぎる人生だった
誰かに愛されたのなら自由になれるのだろうか
誰かに愛されていたのなら自由でいられたのだろうか
何もかも投げ捨てて安らぐ日々に帰りたい
俺の願いはただそれだけ
夢も野心も俺にはいらない
ただ安らぎだけがあればいい
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次回、連続詩小説 KILLING FIELD
第8話 「いつかの少年」
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