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小学校高学年で野球をしている子供が股関節の痛みを訴えることがあります。股関節は野球パフォーマンスにおいては、かなり大切な部分になります。プレー中に何らかのストレスが股関節にかかり痛みが起こる事が多いです。少しの痛みでも放置せず、症状を把握して早期回復に努めましょう。

今までの臨床経験からみて特に多い症状や、治療方法などを分かりやすく説明していきます。





股関節とは?


股関節とは、寛骨臼と大腿骨頭よりなる球関節であり、荷重関節であることが多いです。股関節は人体の中で最も可動性のある、自由に動かせる関節であり、肩関節を除いて最も可動性が高いです。股関節は骨格の構造上強く安定が保たれているため、脱臼や亜脱臼は比較的起こりにくい関節です。

特に子供に多い股関節の怪我は、筋肉や腱損傷です。次に多いのは裂離骨折です。それ以外では、股関節唇損傷、大腿骨頭すべり症、単純性股関節炎などもあります。

注意しないといけないのは、筋肉や腱損傷だと思ってたら裂離骨折だった。という症例も有ります。なので、放っておかず早期に受診してエコー検査をする事をおすすめします。状況によっては紹介状で整形外科受診も考えられます。





股関節怪我ベスト3


①筋肉・腱損傷


大腿直筋腱の損傷が多いです。下前腸骨棘に付着します。大腿直筋とは、大腿四頭筋の一部で、太ももの前面にある筋肉です。大腿直筋腱の損傷は、大腿四頭筋の肉離れと同じように、スポーツや運動中に起こります。急激なダッシュなジャンプにより自家筋力の牽引により痛める事があります。症状には、太ももの前側が痛む、ジャンプすると痛む、膝を曲げると痛むなどがあります。早期発見が遅くなり治療しないで、プレーしていると腱が軟骨や骨を牽引し裂離骨折に移行する場合もあります。

早めの診断が必要です。特に子供の場合はまだ、軟骨があるので微細な骨折などが生じやすいので注意が必要です。そうすると予後の治癒期間が変わってきます。



②骨折(裂離骨折)


裂離骨折とは、筋肉や腱、靭帯が骨に付着している部分や始まっている部分を引っ張って骨や骨膜、軟骨がはがれる骨折です。

特に多いのは、大腿直筋腱による下前腸骨棘の裂離骨折です。骨に負荷が加わったり、筋肉が急激に収縮したりすることで起こります。子供の走る競技スポーツなどになることが多く、痛みや腫れ、皮下出血、感覚障害、歩行困難などの症状が出ます。


 グロインペイン症候群


グロインペイン症候群とは、鼠径部を中心とした不定愁訴を訴えます。特に、恥骨に対する大きな負荷が原因で起こやすく、特にサッカー選手やラグビー選手にとっては職業病といっても大げさではありません。初期症状では、全力で走るときや、ボールを蹴るときなど、限定的に痛みが生じますが、症状が悪化していくと、痛みが出る頻度が増えていき、軽い運動でも痛みがでるようになります。グロインペイン症候群は、ひどくなると歩いているだけでも痛みが出るようになってしまいます。


股関節の治療法


①エコー画像検査


問診・視診・触診と併せて正確な病態の把握ができます。エコー(超音波)は、放射線を浴びることがないので妊婦や高血圧の方にも安心安全な観察法で厚生労働省にも認められています。エコー検査では、骨折・骨の変形・肉離れ・腱断裂・捻挫による靭帯損傷などを映像で診ることが可能です。


②超音波骨折治療器 


プロスポーツ分野でも多く活躍しており、無痛・無感覚の極めて安全なエネルギーです。効果としては、低出力超音波で骨折部位の治療期間を約40%短縮します。関節、腱の痛みを軽減し早期回復を促します。股関節痛を少しでも早く治して試合に間に合わせたい方は毎日かければ効果は高いです。

 


③手技治療

マッサージや筋膜リリース、運動療法などを使って痛みの回復や機能改善を促進させます。

固まってる筋組織の癒着をとる事により、筋肉や筋膜の滑走を良くします。

特に股関節に関わる筋肉の動きをつけたり、PNFで関節可動域を改善させます。



治癒する期間


・大腿直筋腱損傷→ 48週間程度

・下前腸骨棘の裂離骨折3ヶ月


あくまで目安であり、個人差があります。

子供の場合は成人に比べ23倍早く治癒する場合もあります

受傷後100%の力を出すには、毎日の治療やリハビリが必ず必要となります


まとめ


子供の股関節の痛みは決して油断してはいけない理由は分かりましたか?痛みがあるけど、何とかプレーができるからといって、適当に処置を済ませてしまうことも少なくありません。ただ、ちゃんと治しておかないと再発リスクが増しますし、今後のパフォーマンスの低下に苦しむ事もあります。

スポーツを長く楽しむためにも、日常生活に支障を来さないためにも、股関節はしっかりと治しておくことが重要です。そして、自分が何故痛めたのかの原因追求やその後のアフターケアも必要にとなります。その指導やトレーニングなど、身体の評価なども対応致します。

いつでも、ご相談お待ちしております。


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