組織としての基盤作り
社員数50名の建設業ですが、社長は部下の育成には関心がなく、 仕事の消化が最優先の状態です。 そのために幹部役員は湯舟につかっている状態であり、部下の評価・育成は全くといっていいほど出来ておりません。自分をチヤホヤしてくれる部下を可愛がる傾向にあり、仕事が出来る・出来ないは関係がないに等しい状況です。
理想としては、いい職場を提供でき、いい評価・教育ができ、いい仕事ができる企業にして行きたいです。 とにかく基盤をしっかりさせ、この状況をどうにか、改善していきたいです。
利益が上がっていて、将来の見通しも明るいのであれば 現状のままでもいいのではないでしょうか。ただ現実には、世の中そんな甘いものではないと思います。
何らかの改革が必要だと思います。
しかし、改革には大きなエネルギーが必要です。 生半可な気持ちでは失敗に終わってしまい、もっと悪くなってしまう恐れがあります。
何かをきっかけに、不退転の決意で取り組む必要があると思います。
以下人事面から捉えると、次のようにすすめるとよいのではないでしょうか。
1.きっかけを捕らえる
社長交代、赤字計上、同業者の倒産など、身近にこのままではいけないという現象をきっかけに、改革の必要性を訴えます。(将来像の提示)
2.人事関係の改革
社員が一番関心があり、変化が実感できるのは人事に関することです。
組織変更、人事異動などによりまず一つの変化を与えます。
さらに、賃金制度、評価制度の変更を告げ、キーになる社員を選定して自社にあった賃金制度作成に入ります。(専門家を入れてあるべき方向を示す)
3.自社にあった人事制度作りの中で、世間の状況、当社の状況を理解させあるべき姿を考えさせます。
4.当然人事制度は、公正処遇に結びつくものにします。
5.評価の研修の中で、管理職としての立場役割を教えます。
6.反発する人も出てきますが、強いリーダーシップですすめます。
7.50人の社員であれば、2~3人退職することも考えられます。
いずれにしても、改革を進める側の強い信念が人を動かすと思います。 そして、厳しい状況のときに行う方が共感を得られます。
すぐに使える人事考課シートセット【改訂版】のダウンロードはこちらで!
営業マンの成績連動賃金
営業社員の賃金を、営業目標の達成率と絶対金額で100%連動するようにしたいのですが、どのように方法があるでしょうか?(営業社員20人ほどの会社のSさん)
100%営業成績連動がいいかどうか別にして、そのような意向でしたら、
「年収=営業社員の営業粗利額 × 目標達成による比率」
で計算するとよいと思います。
絶対額は営業粗利額に連動しますし、目標達成率も加味されます。
すべて数値で管理できますから、本人も自覚でき納得性があります。
月例賃金は今の形で支給して、賞与において精算するようにすればいいです。
例えば、粗利額が年間2000万円で、標準比率を30%(目標達成率により上下)とした場合、年収が600万円となります。
既払い賃金が360万円(30万×12)の場合、賞与を差額の240万円とします。
標準比率をどれくらいに設定するか、各社の状況によりますが 一つの案としていかがでしょう。
すぐに使える人事考課シートセット【改訂版】のダウンロードはこちらで!
医師の評価は?
医師の評価をどうすればよいか困っています。何かよい方法はないでしょうか?
難しい問題ですね。次のことを一つひとつ明確にするとよいと思います。
1 医師は病院収益に関して大変大きな役割と責任を持っています。したがって、医師の評価項目としては、医業収入や収益、患者数など病院業績と連動する業績評価が中心になります。
2 また医業収益や患者数などの収益に直結する評価項目に加えて、当院の医師に求めたい好ましい行動を評価項目に落とし込んでいくことも重要です。
3 医師の評価項目、評価基準の策定にあたって考慮すべき点として、被評価者医師を誰が評価をするのかということがあげられます。
4 医師は一人一人の医師がそれぞれの専門分野で独立して診療業務を行っており、部長医師、院長といえども人事評価をすることが難しい場合があります。また評価結果について、被評価者医師の納得性をいかに得るかが重要なポイントになってきます。
5 医師の評価項目、評価基準の策定にあたっては、客観的な数値データで把握ができるように策定をすることがポイントになります。
6.医師の質を評価する視点
・ 知識---診断や治療に対しての知識
・ 技能---診断能力、治療能力、合併症を防ぐ能力等診療技能
・ 態度---患者だけでなく他の医療スタッフに対する対応
また、病院職員としての勤務状態も含む
・ 管理能力---診断力だけでなく医療チームとしての判断力・マネージメント能力
・ リスクマネージメント力---実際の医療サービスを行う際のトラブルを起こすリスク予防の側面と、実際にトラブルが起きた際のマネージメントの2つの面に対応する能力
7 医師の業績評価
・ 患者数、手術件数、検査件数や医療収入等
・ 患者からのアンケート、投書、その他職員からの意見
すぐに使える人事考課シートセット【改訂版】のダウンロードはこちらで!
配転者の人事考課
いわゆる能力主義の人事考課制度ですが、まったく違った部門からの配転者の人事考課はどのようにするのでしょうか?ちなみに考課要目は成績考課、情意考課、能力考課に分かれています。
成績考課は与えた仕事(目標)を達成したかどうかをみるものですが、いきなり異部門からの配転者に等級相当の仕事を与えても達成できないこと想定されます。そうすると会社も困るし、本人の評価も悪くなってしまい、配転者が不利になります。そのようなことを回避するため、配転当初は簡単な仕事を与えて、達成しやすいように考慮する必要があります。
考慮の方法は、通常、配転後半年間は等級より2ランク低い仕事、次の半年間は1ランク低い仕事を与え、1年後から等級相当の仕事を与えるようにします。低い仕事を与えることができない場合は等級相当であっても、チャレンジ+1を適用して、上方修正します。
情意考課は、どの部署でも同じように求められるものですから、配転を考慮せず通常通り行います。
能力考課は、格付け等級としてふさわしい能力がああうかどうかをみるものです。上記のように等級より低い仕事を与えた場合は、それができたとしても考課不能になります。
考課不能で空欄にすると処遇上不利益になるでしょうから、便宜上の処置として配転前の平均点を記入するなどして対応します。
すぐに使える人事考課シートセット【改訂版】のダウンロードはこちらで!
評価制度のたたき台
設立したばかりの会社なのですが、まずはたたき台として、どのような点に着目して評価項目、制度を策定したらよいのでしょうか??? 何分、よろしく御願い申し上げます。
評価制度が人事制度全体の要になりますが、次のように考えるとよろしいと思います。
1. 何を評価するのか
・ 実現して欲しい成果(期待役割・アカンタビリティ → 目標管理)
・ その成果を出すための重要業務(発揮能力・コンピテンシー → 行動評価)
・ その重要業務を行うために必要な知識・技能・技術(目に見える行動で表現する)
・ 組織風土の土台となる勤務態度(目に見える行動で表現する)
2. どのように評価するのか
・ 目標管理と行動評価(コンピテンシーと逆コンピテンシー)
3. 誰が評価するのか
・ 自己評価、上司評価(1次考課、必要なら2次考課も)、
・ 最初は評価決定会議ですり合わせ
4. どのように評価点を計算するのか
・ 重要と思われるもののウエイトを大きくする
5. 評価結果は何に反映されるのか
・ 毎日、毎月評価して、指導育成に活用する。集計表(考課表)の提出は年2回
・ 賃金改定、賞与、昇格・昇進など
評価結果を本人にフィードバックすることが不可欠です。
そのためには何が必要かという観点で考えられるとよろしいと思います。
すぐに使える人事考課シートセット【改訂版】のダウンロードはこちらで!
部門目標の考え方
会社の目標や方針を参考に部門目標を作成し、これをブレークダウンして各人の目標を設定したのですが、実際の仕事とずれが生じて妥当性がありません。部門目標はどのようにして設定すればよいのでしょうか?(ある病院のWさん)
まず、目標管理の考え方を確認しておく必要があります。 目標管理にはいろいろな運用方法があります。 今実施している目標管理はどのようなものかにより、若干違ってきます。
ここでは、評価連動型目標管理ということで説明します。
基本的には会社の経営方針をブレークダウンした形で部門目標を設定するということでよいのですが、会社の経営方針は「今までやってきたことやいつもやっていること」を前提に、今期特に重点を置いていこうということを掲げることが多くあります。したがって、「今期重点においていこう」ということだけをブレークダウンして部門目標を設定すると、部門によっては現実の仕事とズレが生じることがあります。会社の経営方針には揚げていないけれど、今までもやってきていることも、部門として当然ある一定水準で行う必要があり、これも部門目標に組み込む必要があります。
以上のことを踏まえて、部門目標設定の手順を示すと次のようになります。
1 各部門部署には、会社の経営方針があろうがなかろうが本来行うべき役割があります。その役割が何であるかを明確にした上で、今期その役割をどの水準で実施しどのような成果を生み出すかを決めたものが目標になります。
2 会社の目標や方針が明確になっているのであれば、この水準や成果を会社の方針に沿って設定するになります。
3 また、今まで行っている仕事とはちょっと違うが、今期の会社方針に掲げられている内容で、部門の役割と関連するようなことも課題として目標項目に入れます。
このように設定すると次のような目標が出来上がります。
● 目標項目は部門も役割を果たすための項目で達成水準は会社目標達成に貢献する水準。
● 目標項目・水準とも会社の経営方針をブレークダウンしたもの
私はこれを「役割と課題」と呼んでいますが、この役割と課題を明確にしてそのゴールを設定することが、評価連動型目標管理成功の秘訣だと思っています。
すぐに使える人事考課シートセット【改訂版】のダウンロードはこちらで!
有給休暇を使い果たした場合の評価
有給休暇を全部使い果たしている人と、まったく使っていない人の評価は、どう考えればよいのでしょう。
有給休暇を使った、使わないは人事考課上まったく関係ありません。
ただ、仕事の処理量として、有給休暇を使った人と使わない人がちがっていれば、それに対しての評価(成績考課)はちがってきます。
もし、仕事の処理量が同じであれば、短時間で仕事をこなした人(有給休暇を全部使った人)の方が能力又は意欲があると考えてよいでしょう。
すぐに使える人事考課シートセット【改訂版】のダウンロードはこちらで!
労働条件の不利益変更
労働条件の不利益変更の仕方を教えてください。
● 労働条件の基本
1.労働契約も「契約」ですから、契約の主要部分である賃金などの労働条件を変更するには、原則として、使用者・労働者双方の同意が必要です。
したがって、労働者の同意のない一方的変更は無効です。
2.現実には、多くの会社では就業規則で労働条件を定めており、その場合は使用者が就業規則を変更することで、個々の労働者の同意を得ないで労働条件を変更することが可能です。
しかし、その場合でも労働者に不利益な就業規則の変更(労働条件の切り下げ)は、それが合理的なものでない限り労働者を拘束しません。
ということは、合理的な理由があれば不利益変更ができるということです。
3.なお、賃金等の労働条件は、法令・労働協約・就業規則・労働契約などで定められますが、その効力は、効力の強いほうから労働協約、就業規則、労働契約の順になります。
たとえば、労働協約に違反する就業規則や労働契約は、その部分が無効となります。また、就業規則に違反する労働契約はその部分に限り無効となります。
● 不利益変更の合理的理由
賃金、退職金など労働者にとって重要な権利、労働条件に関し実質的な不利益を及ぼす就業規則の作成又は変更については、「そのような不利益を労働者に法的に受忍させることを許容できるだけの高度の必要性に基づいた合理的な内容のものである場合」において、その効力を生ずるものというべきである、と判例で示しています。(最高裁:大曲市農協事件、第四銀行事件など)
1. 労働者が被る不利益の程度
2. 使用者側の変更の必要性の内容・程度
3. 変更後の就業規則の内容自体の相当性
4. 代償措置その他関連する他の労働条件の改善状況
5. 労働組合等との交渉の経緯,他の労働組合又は他の従業員の対応
6. 同種事項に関する我が国社会における一般的状況等
の諸事情を考慮して,合理性判断をすべきであるとしています。
要するに,合理的であるかどうかは,就業規則変更の必要性と労働者の受ける不利益を比較考量してケースバイケースで判断すべきということです。
すぐに使える人事考課シートセット【改訂版】のダウンロードはこちらで!