評価制度構築のポイント
評価制度の検討を行っていますが、目標管理との連動の仕方がよくわかりません。目標管理と評価制度の関係はどう考えればよいのでしょうか。
どのような制度であっても、評価制度の「期待役割(成果)」の項目と水準の設定が必要になってきます。(能力とか、態度とか、行動とかの他に、成果の評価は絶対必要です)
この部分を会社で明確にして、評価シートに最初から書き込んでしまう(毎年変更は可能)のか、この部分を空欄にして、上司と部下と話し合って決めるという方法(目標管理)をとるのかで違ってきます。
制度を導入するだけでしたら、目標管理制度を利用する形にして後は当事者にお任せという風にした方が簡単ですが、その後の運用で不都合が生じてくる恐れがあります。(目標管理の研修をしっかり行い、目標管理の考え方が浸透すれば運用できるようになります。)
制度を導入し、機能的に運用していくためには、会社として基準をしっかり作っていくようにした方がうまく行きます。もちろん、この基準を作るのは大変ですが、会社としてどのような成果を求めているのかを明確にするわけですから、当然必要なことなのです。
この基準をしっかり作った上で、必要であればチャレンジ目標の項目を入れるというようにするのがよいと思います。
ダメ営業マン度チェック
営業マンの方、次のような発想をしていませんか?
1. 営業活動は顧客中心だから、あらかじめ月間計画を立てても、必ず予定外のことが 入ってくるので、あまり意味がない。前日に予定を組めば十分だ。
2.訪問件数も訪問回数も計画通りこなしたから、売上が計画通り行かなくても仕方がない。
3.こんなに時間をかけて立派な提案書を作ったのだから、契約が取れなくても、十分仕事をしたことになる。
4.上司に文句を言われるのはイヤだから、やっている姿勢だけは見せよう。
5.結果ばかりじゃなくて、もっとプロセスを見て欲しいよ。一応努力しているのだから。
新入社員からみたよい先輩
新入社員からみたよい先輩のチェックシートです。
新入社員のいる人もいない人もチェックしてみてください。
1. 公平に新入社員を扱う人
2. 冷静な判断と適切な処置ができる人
3. 仕事に関して十分な知識を持っている人
4. 常に勉強していて積極的に指導してくれる人
5. 偉ぶったり、上司にゴマをすらない人
6. 影で批判せず、はっきりと言ってくれる人
7. 常識が豊かで、けじめがきちんとしている人
8. 細かな点に口出しせず、仕事をまかせてくれる人
9. 新入社員の気持ちを理解してくれる人
10. 計画的に仕事を進める人
いかがでしょう。満点取れましたか?
2次考課の位置づけ
管理職に対して目標管理を中心とした評価制度を導入しましたが、対象者が250人ほどになり、2次考課や役員による調整が物理的に不可能に近い現状です。2次考課は必要でしょうか?
評価そのものは、1次考課(直接上司)と2次考課(その上の上司)でよいと思います。ただ、現実には2次考課が被考課者一人一人について、個別に行うのは難しいでしょうから、1次考課のチェックをすることになります。(極端に甘い辛い、基準がずれている、ルールを勘違いしているなどのチェック)
特に問題なければ、1次考課と同じ考課結果になるはずです。
成果については、誰が評価しても同じ(目標管理で後から測定できる表現になっていれば、その達成度は明確になる。)になりますし、成果以外の考課項目、例え ば、能力とか情意とか行動、コンピテンシーなどについては、2次考課者は被考課者の日ごろの行動を細かく見ていないことが多く、より接点の多い1次考課者の評価のほうが信憑性があります。(ルールどおり行えば)
面接は「一次面談:本人と直属上司」だけで十分だと思います。その結果で処遇上の点数を計算し、5段階(会社により9段階とか色々ありますが)に分けるとよいでしょう。
5段階分かれた時点で、役職別、または職種別の一覧表を作り役員会等で調整、承認を行うのがよいと思います。 役員の方は直接人事考課を行うのは無理です。(直属の部長クラスはできるでしょうが)
役員の方が行うのは、人事考課を反映した処遇上の区分を大局的に、部門内外のバランスを見て調整することです。
以上、評価項目が不明なので、一般論で回答しました。よろしくお願いします。
残業問題
1.残業問題の実態
・ 経営側 残業等による時間外手当の増大が、企業経営を圧迫している。
・ 労働者 残業規制等により、サービス残業を余儀なくされている。
・ 行政 労働基準監督署によるサービス残業についての是正指導が増えている。
2.残業問題解消の方向性
・ 管理体制の見直し(仕事の与え方、管理者の意識、労働者の意識の変革など)
・ 制度の見直し(評価制度の明確化、裁量労働制等の導入検討)
・ 賃金制度の見直し(業績連動賞与の導入など)
3.残業問題解消の考え方
残業には、どうしても必要な残業と必要のない残業がある。それを同列に考えて対応することはできない。
まず、管理者に対して、仕事の与え方や残業管理を徹底させる必要がある。必要のない残業はやらせないことを実行し、さらに、必要な残業を仕事の配分方法の改善や部下指導により減らすようにする必要がある。
そして、誰がどのような仕事でどれだけ残業できるかを、管理者が把握できるようになってはじめて、裁量労働制などの導入が可能となる。
また、労働者に対しては残業を減らした方がメリットがあるような仕組みにする必要がある。残業を減らして、残業代が減るだけであれば、残業した方が得だと考える労働者がいても不思議ではない。このような仕組みの中で、改善しろ、残業するなといっても、自分が不利になることに一生懸命になるわけがない。
やはり、評価制度と業績連動賞与の導入により、業務改善をして残業を減らし会社の業績をよくすれば、結果的に自分の収入も増えるということが、目に見えてわかるようにする必要がある。残業を減らすことが労使ともにメリットがあるという、仕組みづくりが先決である。
人事制度で失敗しないために
1. 人事制度は運用して初めて価値がある。← 導入しただけではダメ
機械設備も稼動して初めて成果を生み出す。導入しただけでは何も成果は生み出さない。
2. 業績が出るようになる人事制度が良い制度である。← 新しい制度が良いとは限らない
「他社が導入した」、「最新の~~」、「○○式」とかに惑わされない。
3. 自社の実情に合った制度を考える。 ← 他社のまねをしても意味がない。
「自社の解決すべき課題は何か」をしっかり把握して、その課題解決に見合った制度にする。
4. シンプルな制度が一番よい。 ← 理解できないと運用できない
人事制度は社員に対する「あるべき姿のメッセージ」。社員が理解できない制度は意味がない。
5. 人事制度を賃下げの道具に使わない。 ← 業績低下の原因は他にある
業績の低下は社員の責任ではない。商品や産業のライフサイクル、事業領域、事業の仕方の問題の方が大きい。それらに対応するためには社員に、生き生きして仕事してもらわなくてはならない。
6. 人件費総枠を増やすことを目的とする。← 個人評価だけでは組織風土の崩壊の恐れ
会社業績を意識するような仕組みを作る。会社の業績が伸びることが「みなハッピー」になるような仕組みを作る。
7. 絶対評価で行う。 ← 相対評価では、良いやり方を他人には教えない
差をつけることや競争主義を強調すると、良い仕事の仕方やノウハウを他人には教えなくなってくる。会社としての仕事の水準がレベルアップしなくなる。
8. 勇気を持って評価フィードバックをする。 ← 評価結果がわからないから納得しない
社員は評価に不満があるのではない。評価結果をはっきり知らされないことに不満・不安がある。 上司が逃げずに「部下の不満」を聞いて、評価のすりあわせを行う。これが育成につながる。
9. 評価することが目的ではない。 ← その後の指導が大事である
評価によりできない点を明確にし、そこを指導することが、評価の目的である。
10. 人事制度は「人を育てる仕組み」である。 → 業績向上につながる。
懲罰による減給の制限
労働基準法91条「減給は1回の額が平均賃金の1日分の半額を超え、総額が1賃金支払時期における賃金の10分の1を超えてはならない」という、制限があるにもかかわらず、不祥事をおこした企業のマスコミ報道を見ると、減給10%3ヶ月とか、6ヶ月とか制限を越える内容のモノがあります。何か特例でもあるのでしょうか。あれば当社でも採用したいと思います。
労働基準法91条には特例がありませんので、そのようなことはできません。
マスコミ報道については、(私の想像ですが)
「申し訳なさ」をわかりやすくするため、減給10%といっていますが実際の処理は、わかりません。
1 本人からの返上という処理にする
2 出勤停止とし、その分の賃金をカットする
などの方法を取っている可能性があります。
制裁としての、減給処分は
「減給は1回の額が平均賃金の1日分の半額を超え、総額が1賃金支払時期における賃金の10分の1を超えてはならない」という制限があります。仮に制限を越えるような事象があった場合は減給処分ではなく、出勤停止等の重い処分を適用するとよいと思います。出勤停止により仕事をしなかった分を賃金カットすることは合法です。
追加情報(小川さんからの情報です)
私も気になったので以前調べたことがあります。すると、労基法を超える減給(10%を3ヶ月など)は、全て公務員だったのです。NTTか何かの懲戒で、半日分の減給をしたことについて、記者から「少ないのでは?」という質問が出て経営トップが「公務員ではないのでこれ以上の減給はできないのです」という説明をしていました。
配転者の人事考課
いわゆる能力主義の人事考課制度ですが、まったく違った部門からの配転者の人事考課はどのようにするのでしょうか?ちなみに考課要目は成績考課、情意考課、能力考課に分かれています。
成績考課は与えた仕事(目標)を達成したかどうかをみるものですが、いきなり異部門からの配転者に等級相当の仕事を与えても達成できないこと想定されます。そうすると会社も困るし、本人の評価も悪くなってしまい、配転者が不利になります。そのようなことを回避するため、配転当初は簡単な仕事を与えて、達成しやすいように考慮する必要があります。
考慮の方法は、通常、配転後半年間は等級より2ランク低い仕事、次の半年間は1ランク低い仕事を与え、1年後から等級相当の仕事を与えるようにします。低い仕事を与えることができない場合は等級相当であっても、チャレンジ+1を適用して、上方修正します。
情意考課は、どの部署でも同じように求められるものですから、配転を考慮せず通常通り行います。
能力考課は、格付け等級としてふさわしい能力がああうかどうかをみるものです。上記のように等級より低い仕事を与えた場合は、それができたとしても考課不能になります。
考課不能で空欄にすると処遇上不利益になるでしょうから、便宜上の処置として配転前の平均点を記入するなどして対応します。
フィードバックの仕方
評価結果を面接で部下にフィードバックをすることになっているのですが、具体的に堂のように話せばいいのか困っています。具体的な話し方を教えてください。
1.客観的に話す
「Aをつけてあげたよ」 → 「~については、Aと判定できる」
「Cをつけるよ」 → 「Cと判定せざるを得ない」
2.期待水準を示しながら
「全体的にCだ」 → 「~については、~であればBと判定できるが、今回は~だったので、Cと判定せざるを得ない」
3.否定的表現をしない
「~しなかったじゃないか」 → 「~して欲しかったな」
「遅くまでいてはいけないよ」 → 「早く帰ってください」
4.提案する形で
「~すべきだ」 → 「~してもらいたい」
中期計画の目標管理
会社の3ヶ年計画を社員にも意識させるために、個人の目標カードにも会社や部門3ヶ年計計画を欠かせ、評価するというようなことを考えています。そのようなことは可能でしょうか。また、他社でこのようにしているところはあるのでしょうか?
目標カードの件で、お問合せいただきましたが、回答させていただきます。
個人の目標カードに会社目標や部門目標を記述して、全体を意識するようにすることは、多くの企業でも行われており、よいことだと思います。
また、個人の目標が短期的に設定されてしまう傾向が出てきていますから、最近は中期計画を記述して、短期的にならないようにしている会社も出てきています。
目標設定の際に管理者がしっかり指導すればよいのですが、評価に連動するということで、どうしても短期的になってしまうようです。
ただ、この中期計画はあくまでも今期の目標を設定する際の、ガイドラインとなるもので、中期計画そのものを評価の対象にするということではありません。
人事考課の考え方からしても、期間中の評価であるわけですから、過去3年分の評価をするということは整合性を欠きます。
人事考課とは別に何らかのインセンティブを与えるのはよいと思いますが。