ただジイの独り言(旧:人事コンサルタントのブログ) -101ページ目

成果評価のウエイト

 社員側より、成果評価ばかりでなく、行動的なことを評価して欲しいとの意見が多くあるのですが、その辺の状況はどうなのでしょうか。

過去には、能力考課制度、コンピテンシー評価など導入してまいりましたが、正しい評価ができず(上司の好き嫌いで評価されたり)、長続きしませんでした。

 

 おっしゃるように成果評価のウエイトを小さくする企業が増えていますね。
成果主義導入当初は成果評価のウエイトが80%だったが、今は成果評価のウエイトが20%になっている、という超大手企業もあります。(当社の顧客企業ではなく、知人の会社です)
当社の顧客企業でも、成果評価のウエイトを50%前後にしたいという相談をよく受けます。

 
  「上司の好き嫌いで評価する」というのは、難しい問題ですね。

評価される人の仕事と評価する人の仕事が連動していることが必要です。
評価される人が一生懸命仕事をしなかったら、評価する人の仕事がうまくいかないという連動性があって初めて機能します。

 

 上司は上司、部下は部下で全く関係ない仕事をしていれば、仕事に関係なく、好き嫌いの評価になってしまします。

仕事に連動性があることで、部下のモチベーションを上げる、能力を上げる、そのために公正な評価をする、という風になります。

 

 最後の、ご相談にはないのですが、何のために、人事評価を行うのか、ということを、もう一度考える必要があります。

 主たる目的が、報酬決定のためなのか(金銭による動機付けを強め、成果を上げる)、指導育成のためなのか(能力開発を促し成果を上げる)です。


昔の能力主義の時代は、育成型の人事制度でした。
その後、成果主義が多くの企業で導入されましたが、そのときは報酬決定方式の仕組みの度合いが多かったと思います。わかりやすい成果(結果)で判断するため、ある程度それができました。

 

しかし、今はどうでしょう。成果評価のウエイトを少なくして、定性的な評価のウエイトを上げてきています。
その状況で、報酬決定の仕組みを作るのは、至難の業だと思います。

このような状況であれば、報酬決定方式の意味合いを少なくして、指導育成のための仕組みに転換する必要があると思います。

 

目的は報酬決定で、方法は行動評価を多く取り入れる、というのは非常に難しいと思います。

 

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人事制度構築の第一歩

 社員有志でプロジェクトを発足し、新たな賃金制度の導入に向けてスタートしたばかりです。まず取り組むべきことは何でしょうか? また、幹部社員(年俸者)の評価は一般社員と別に行うべきですよね?どういう点に注意したら良いのでしょうか?

 

 全く一から見直すのであれば、何を根拠に処遇し評価するのか、その基本的な考え方を明確にすることです。


年功主義 年齢の高さ 勤続の長さ 経験の長さ
職能主義 職務遂行能力 社員の成長 貢献期待度
職務主義 職務価値 仕事の難易度 社会的相場
役割主義 役割の大きさ 責任の重さ 役割の遂行度
職位主義 責任の重さ 役職位の高さ 職務の重要性
成果主義 業績主義 目標の達成度 役割の遂行度 仕事の結果


などが考えられますが、「当社では何を重んじるのか、あるいは、どのような組み合わせにするのか」を明確にすることが必要です。これが明確になれば、あとは、技法の問題であり、組み立てていけばいいだけです。

 

 ただし、当社で重んじる項目が決まったとしても、それは測定できるかどうかという問題が出てきます。
どうやって測定するのか、測定のための仕組みを作るかどうかです。

測定できないもので処遇を決めるとか、評価するとか言っても、絵に描いたもちになってしまいます。
当社として、測定できるもの、測定する仕組みを作れるものを選定することが必要です。

 
  「このような考え方、このよな項目に重点を置くのがいいですよ」という専門家の意見はたくさんあります。
 私のホームページにも、いろいろ書いていますが、一番いいのは社内で話し合って決めるのがいいと思います。

 

評価に関しては、期待成果と期待行動を明確にすることが一番大事だと思います。
これもホームページに詳しく書いてあります。ぜひ参考にしてください。
http://www.sabcd.com/23jk-hyouka/index.htm

 

 
  話は変わりますが
 また、評価制度を導入したり、成果主義を導入しても「モヤッ」とした雰囲気になってしまう場合があります。
 社員にばかり成果を求めて、年俸制といっておきながら、役員は評価もされず、報酬も保障されている場合です。

 
一番先に評価されるのは、役員のはずです。
役員の評価をどうするか、ここをあやふやにして、社員に厳しいことを求めてもうまくいきません。

役員の評価制度をつくり、それから管理職の評価、最後に一般社員の評価制度を作っていくのが一番良いと思います。

 

評価される人が評価するから、正しい評価ができます。
評価されない人が評価すると、感情での評価になってしまいます。
社長は社会から評価され、役員は社長から評価される。というような仕組みが必要です。

 

他にもいろいろありますが、今回はここまでとさせてください。

 

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新賃金制度への移行

 成果主義導入をめぐる判例「ノイズ研究所事件」では、会社が賃金原資総額を減少させなかったことで合理性が認められたようですが、賃金体系を変えるにあっては、社員ごとに、「現行の月額固定給-新手当=新基本給」とし、新基本給を仮設定(あとで微調整)すれば問題ないでしょうか。

 

 仕事内容が変わらないのに、賃金制度が変わったからといって、賃金が上がったり下がったりすることは好ましいことではありません。

おっしゃるように移行前の所定内賃金の金額と移行後の金額が同じになるように設定することが必要です。

 
  その場合、手当などを差し引いて残った分を基本給と設定すると、確かに大きな問題は出ませんが、結局、移行前と何も変わらない(賃金の明細が変わっただけ)ことになります。もちろん、移行後の運用によって今後変わっていくので、「これでよし」ということでもよいと思います。

 

 もっと早く、新制度として機能させる場合は、手当などを差し引いて残った分をそのまま基本給とせず、基本給はあるべき姿で設定して、その差額を調整給でプラスマイナスして、移行時の賃金に合わせるという方法があります。この場合、その調整給を数年後には廃止します。

 

 例えば、新制度移行前、能力や職務価値が低いのに高賃金の人は、移行後、低い等級に格付けになり基本給が下がります。調整給を加算して一定期間保障しますが、いずれ調整給はなくなり減額になります。その逆で増額になる人も発生します。

 

 ご指摘の判例は、これらのプラスマイナスがあっても賃金総額で減額にならず、また、調整給がはずれて賃金が下がる人に対しても、その期間中の努力により減額にならない方法を示すことにより合理性を認められた判決と記憶しています。もちろん、当事者によく説明して納得してもらうことが大事です。

 
  私は、このような方法で、より早く新制度の趣旨に合うようにしていくことが必要だと思います。いつまでも、調整給をつけたままで、既得権益を残していると結局は不公平になります。

 

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職能資格制度の運用

 当社は職能資格制度を導入して、職能要件書を作っていますが、職能資格制度は本当にいい制度なのでしょうか。

 

 ご質問にお答えします。


 育成を重視した人事制度では、職能資格制度をベースに考えるのがよいと思います。また、その等級の定義や意味を明確にするために、職能要件書も作った方がよいと思います。

 

ただ職能資格制度を単純に運用していくと、いろいろな問題が出てきます。


 例えば、昇格運用について、多くの場合は、職能要件書で昇格を決めるのではなくて、過去の人事考課の累積で昇格を決めます。人事考課には成果や勤務態度なども項目に入っており、職能要件書に明記した能力がなくても、昇格することが発生します。単純な仕事をまじめにやっていれば、上級の能力はなくても、昇格してしまうことがあります。


 せっかく等級定義や要件書を作っても、それに関係なく、長くやっていれば年功で昇格者が出てしまいます。

このように、職能資格制度は基本的な考え方はよいのですが、運用上問題が生じることがあるので、運用をちょっと工夫する必要があります。

 

 ひとつの方法として、職能資格制度の昇格は通常「卒業方式」で行いますが、ある一定の等級以上の昇格について、その卒業方式に加えて、入学基準を設定する方法があります。


人事評価の累積による昇格基準だけでなく、「○○業務を担当する」という入学基準も設定しています。こうすることで、単純業務の担当者が上位等級に昇格するということを防止できます。


 他にもいろいろな方法がありますが、自社の状況に合わせて工夫されるとよいと思います。

 

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企画力の評価

 当社の人事考課の項目に「業務の企画」という項目があるのですが、その評価基準が示してありません。こんな場合、どのように評価すればいいのでしょうか。

 

 業務の企画は成果を上げるための手段としては、重要なことですから、評価項目に入れることは良いことだと思います。
  
  基準がないということですが、業務の企画について、「あなたの部下にとって業務の企画とはどのようなことなのか。どのような場面でどのように発揮されることを望むのか」を考え、その内容を基準とし、被考課者に提示するようにします。

 

 成果を上げるために求められる業務の企画に関する行動を、それぞれの立場や役割に人に対して明確にすればよいのです。それが基準です。

 

 全社的に基準を文章で表現することはできますが、文章にするとその言葉尻にこだわってしまい、本来の意味での評価ができなくなってしまう場合もあります。同じ業務の企画であっても、いろいろの部署、役割で状況が違うわけですから、それぞれの状況に合わせて、求めることを考課者が明確にしていきます。

また、そのようなことができる考課者(管理者)の育成が成果の向上に結びつきます。

 

人事考課は、測定ではなく、判定です。数値目標の達成度の測定は誰でもできます。これはこれでいいのですが、数値で測定できない評価項目を、適切に判定できる管理者の育成が大事です。

 

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コミュニケーションの評価

 コミュニケーションに関するもので例えば「報告・連絡・相談」を評価項目にした場合、つきのような評価基準が考えられます。

 

評価項目 「報告・連絡・相談」

定義 報連相をしっかり行い、業務を円滑に進めている。

 
 評価基準

5 タイミングよく報連相を行い、自分の意見も付与して円滑に業務を進めていた。
4 定期的な報連相はしっかりできており、業務も円滑に進めていた。
3 定期的な報連相はできているが、時たま、内容に不備があったり、タイミングが悪かったりすることがあった。
2 定期的な報連相はある程度できているが、内容に不備があり、若干業務に影響を与えた。
1 報連相が不足しており、業務影響を与えることがあった。

 

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定型業務での評価

 定型業務で同じように仕事をしている場合、評価はみな同じになってしまいます。実感としては、個々に能力の差や意欲の差などがあるように思えるのですが、どのように判断すればいいのでしょうか。

 

 無理に差をつける必要はないと思いますが、差がつくような出来事があれば当然それを反映して評価をする必要があります。


 差がつくような出来事として、次のような点が考えられますので、参考にしてください。


① はたらきやすく(早く、正しく、楽に、きちんと、安く)で判断する
 ダラダラと仕事をしているのか、目的に応じて「より早く、より正しく、より楽に、よりきちんと、より安くする」ように進めているか。


② 同じ「できる」「している」でも、そのレベルの違いで判断する。
上司から指示されたことを、ただロボットのように行うだけなのか、「上司の指示された内容」を理解し、時には上司に提案や質問をするようなレベルなのか。


③ 工夫の度合いで判断する。


④ 個人の能力や努力が反映する職務で判断する


⑤ イレギュラーな場面での対応の仕方で判断する。

 

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人事考課の公正さと納得性5

1.公正とは
2.人事考課における公正
  ① 分配的公正(結果の公正)
  ② 手続き的公正(プロセスの公正)
  ③ 人事考課の公正さの限界
 3.人事考課の納得性
  ① 納得性とは
  ② 人事考課の納得性
  ③ 納得性の重要性
 4.納得性を高めるための必要条件
① 評価結果の妥当性
② 評価理由の丁寧で十分な説明(手間ヒマをかける)
③ 真摯な態度で接する

(以上、掲載済み)


5.納得性を高めるための方法


① コミュニケーションの量を増やす。(考課者の責任として)
 考課者は、あらゆる機会をとらえてコミュニケーションの機会を増やす。
  評価育成面接(フィードバック面接)は、不可欠である。時間に余裕を持って行えるように工夫する。


② コミュニケーションの質を良くする。(被考課者の努力が必要)
 人事考課は事実に基づいて行うものであるが、考課者が被考課者のすべての出来事(事実)を知っているわけではない。被考課者からの情報提供(報告、連絡、相談)がないと妥当な評価はできない。
  したがって、人事考課の結果については、被考課者にも責任があるということを自覚させることが必要である。

 

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人事考課の公正さと納得性4

1.公正とは
2.人事考課における公正
  ① 分配的公正(結果の公正)
  ② 手続き的公正(プロセスの公正)
  ③ 人事考課の公正さの限界
 3.人事考課の納得性
 ① 納得性とは
 ② 人事考課の納得性
 ③ 納得性の重要性
 (以上、掲載済み)

 

4.納得性を高めるための必要条件


① 評価結果の妥当性
 定められたルール・基準に則って判断されたものであり、「手続き的公正さ」が高いことが最低条件である。ルールを無視した評価結果を面接で説得して納得させようとするのは論外である。

 

② 評価理由の丁寧で十分な説明(手間ヒマをかける)
 単にルールや基準の説明だけでなく、どのような点を検討してどう判断したか、決定までのプロセス(考課者の頭で考えたこと)までを説明することで、「そこまで考えてくれているのか、ちゃんと見てもらっている」と感じ納得する。

 

③ 真摯な態度で接する
 面接の場面などで、相手を尊重して、一人前の人間として対応する。相手の話をよく聞き、丁寧に質問に答える。相手の話を途中でさえぎったり、質問を無視したり、感情的になったり、怒鳴ったりしない。
また、日ごろからも、相手を尊重して、自尊心を傷つけない。


(以下、後日)

 5.納得性を高めるための方法

 

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人事考課の公正さと納得性3

1.公正とは 


2.人事考課における公正
  ① 分配的公正(結果の公正)
  ② 手続き的公正(プロセスの公正)
  ③ 人事考課の公正さの限界

 (以上、掲載済み)


3.人事考課の納得性


① 納得性とは
 辞書によると、納得とは「他人の考え・行為を理解し、もっともだと認めること。」という意味であり、~性とは「その性質・傾向を持つことを表す接尾辞。」である。したがって、納得性とは「他人の考え・行為を理解し、もっともだと認めることができる内容であること」という意味になる。


② 人事考課の納得性
 一般に、人事考課の結果が自分にとって都合がよければ、その結果に至った理由に関係なく多くの人は納得する。しかし、全員が良い結果になるとは限らない。悪い結果になってしまう場合もある。そんな場合に、結果について納得せよと言ってもなかなか納得できるものではない。やはり、その結果に至った理由を丁寧に説明し、評価の手続きについての納得性を高めることが必要になる。


③ 納得性の重要性
 仮に公正な評価であっても、評価を受けた人がその評価結果に納得しなかったら、今後の仕事に対する意欲向上に結び付きにくい。逆に、公正でない点がある評価であっても、考課者からの十分な説明により評価を受けた人が納得していれば、今後の仕事に対する意欲が後退することはない。十分な説明を受けることで、「認められている」「大事に見守ってもらっている」という気持ちが強くなり、更に仕事への取り組み意欲も増大する。


 (以下、後日)
 4.納得性を高めるための必要条件


 5.納得性を高めるための方法

 

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