和歌山市駅【和歌山県】(南海本線、南海和歌山港線、JR紀勢本線。2008年ほか訪問) | 『乗り鉄』中心ブログ(踏破編)

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今回の【駅】シリーズは、和歌山県和歌山市の中心市街地北西側、紀の川近くに位置する大阪府八尾市南西部、南海本線、南海和歌山港線かつJR紀勢本線の駅で、地元では「市駅」と呼ばれ親しまれている、
和歌山市駅 (わかやましえき。WAKAYAMASHI Station) です。
JRはローマ字表記・英語表記が「Wakayamashi」です。
 
尚、写真は2016年以前撮影のものばかりです(2008年と2016年が多いです)。
現在は駅舎が改築されるなど色々と変化が生じています。ご了承下さい。
 
 
駅名  
和歌山市駅 (南海の管理駅)  
 
所在地  
和歌山県和歌山市  
 
乗車可能路線  
南海電気鉄道:南海本線、(加太線列車)、和歌山港線  
JR西日本:紀勢本線    
 
隣の駅  
南海本線・加太線 (NK 45)  
難波方・加太方………紀ノ川駅  
  
南海和歌山港線 (NK 45)   
和歌山港方……………和歌山港駅  
  
JR西日本・紀勢本線 (駅番号なし)  
和歌山方・亀山方……紀和駅      
  
訪問・撮影時  
2008年12月、2012年8月、2016年3月     
 
 
駅概要  
駅形態……………地平駅(1903年開業)。
駅舎………………3階建て(一部7階建て)の駅ビル。
出入口……………南東のみ(北西からは約250m北東or約550m南西の踏切を通って南東側へ)。
バリアフリー……対応(エレベーター設置。JR駅は平面移動のみ)。
点字ブロック……駅前広場~各社改札口~ホームに整備済み。
駅前広場…………南東側にロータリーあり。バスターミナルとタクシー乗り場を併設。
 
 

先代の駅舎です。北西を望む。
当時も大きい駅ビルを構えていましたが、改築されました。
駅ビルには駅舎のほか、商業施設「キーノ和歌山」、カンデオホテルズ南海和歌山、和歌山市民図書館が併設されています。
以前は2階に改札口がありました。現在は1階に改札口が移されています。
 
 

駅前です。後方に駅舎があります。
駅南東側は和歌山市の中心市街地の北西端で、「市駅前」と呼ばれる一帯ですが、活気に欠ける印象です。郊外店やロードサイド店に押されている状況です。
繁華街の「ぶらくり丁」は約800m東、和歌山城は約1.4km南、和歌山競輪場は約600m北東です。
JRなどの和歌山市駅は約2.6km東で、徒歩移動はしんどいです。JR紀勢本線または路線バスの利用が賢明です。
 
一方、駅北西側の駅裏は住宅街で、紀の川が近くまで迫っています。
 
 

2012年当時の改札口です。北西を望む。
当時は駅ビル2階にあり、南海・JRの共用でした。
現在は新駅ビルの1階に改札口あり、しかも会社ごとに改札口が分離されました。
 
当時も今も有人駅ですが、JRは改札分離により無人駅となりました(インターホンによる対応)。
当時は南海のみICカード対応でしたが、現在は南海・JRともICカード対応の自動改札機が設置されています。
また、以前は南海の窓口と自動券売機でJRの乗車券も発売していましたが、改札分離後は南海でのJR券発売は中止となり、JR線の改札前に自動券売機が置かれています。
 
当時は改札口が跨線橋に直結しており、各ホームへ下りる構造になっていました(エレベーターが設置されていたかどうかは不明)。
現在は南海が3・4番線は上下移動なしで、5番線~7番線は跨線橋で連絡しています(跨線橋は上りエスカレーター・エレベーター併設)。JR線は現在、改札のすぐ先が2番線ホームです(段差なし)。
和歌山市駅はバリアフリーに対応しています。
トイレは改札外(キーノ和歌山内など)、南海の改札内にあり、JR改札内にはありません。改札内外とも多機能トイレ併設です(改札外はオストメイト設備の有無が不明)。
駅構内に売店・コンビニはありません。駅前広場の反対側(市駅前交差点の南東側)にコンビニ「セブン-イレブン」があります。
 
 

 

2008年当時のJR線・中間改札口と南海線ホームに設置されていた自動券売機です。
当時、JR線を利用するには一旦南海構内に入ってからこの中間改札を通る必要がありました。現在は分離されているので駅外からは改札口を1回通るだけでJR線ホームへ行けますが、逆に両社間の乗換は一旦改札を出なければならなくなったため不便になりました。
この改札口は無人で、自動改札機、自動券売機、ICカード簡易改札機が置かれていましたが、当時はJRが『ICOCA』のエリア外だったため、ICカード簡易改札機は南海専用でした(乗換時は必ずタッチする必要がありました)。現在はJRもICエリア内になりました。
改札の先はJRの2番線ホームです。
 
 

南海の吊下式駅名標です。電照式です。2008年撮影。
南海電鉄の標準デザインです。左右にはイメージ広告と乗換案内があります。
 
 

こちらは2016年撮影。
駅ナンバリング「NK 45」が追加されています。
 
 

和歌山市駅は両社合わせて頭端式ホーム1面(実質2面)、島式ホーム1面の、計2面6線です(うち1線はJR専用)。
 
左端には昔、1番線がありましたが、廃止後に駅ビル用地に取り込まれて面影がありません。
現在の左端(南東)は2番線でJR紀勢本線上り和歌山方面、ホームを挟んで向かい側が南海の3番線(両側にホームあり。加太線下り加太方面)です。2番線と3番線の間には柵が設置され、両社の構内が分離されていて中間改札口もありましたが、現在はこのホーム全体がJR専用となり、加太線は反対側(右)のホームを使用します。
3番線の右側ホーム反対側は4番線で南海本線上り難波方面・和歌山港線下り和歌山港行き(優等列車のみ)で、3番線が和歌山港方で行き止まりになっているため2番線~4番線が頭端式ホームの形になっていて平面移動が可能です(現在は2番線がJRエリアになっています)。
右(北西)の島式ホームは左が5番線で4番線と同じく南海本線上り難波方面・和歌山港線下り和歌山港行き(優等列車のみ)が使用し、右は手前側(難波方)が6番線で南海本線上り難波方面、奥側(和歌山港方)が7番線で和歌山港線下り和歌山港行き(普通列車)です。6番線と7番線は同じ線路を共用していますが、ホーム中ほどに車止めや砂利が設置され、直通運転が不可能になっています。また、昔は7番線にも中間改札口が設けられており、当時複数あった和歌山港線無人駅各駅の改札口を兼ねていました。
ちなみに難波方と和歌山港方を直通可能なのは4番線と5番線のみです。
尚、写真は2008年撮影で、当時の3番線は跨線橋の先まで延びていて6連も停車可能だったはずです。
そして、6・7番線のさらに右側には車庫があり、さらに右側からは加太線旧線が右へ分岐していました(既に廃止。現在は紀ノ川駅にて南海本線に接続)。
 
ホーム有効長は4番線と5番線は8両対応で間違いなく、6番線も少なくとも6両以上あると思われます。南海の支線およびJR線が使用する2・3・7番線は2両対応と思われます。
ホームドアは今も未設置と思われます。ホーム幅は全体的に標準レベルで、6番線の難波方が狭くなっています。
上屋は6番線の難波方と5・7番線の和歌山港方の端を除き設置済みです。まぁ、列車が発着する箇所は全て上屋に覆われていると思われます。
 
JRの2番線は直接改札口と結ばれており、南海の3・4番線も上下移動なく改札口と結ばれています。5~7番線と改札口は上りES・EV併設の跨線橋により結ばれています。
 
写真はJRの2番線より和歌山港方(JRは終端方)を望む。
 
 

分かりづらいですが、列車内より難波方(JRは亀山方)を望む。2012年撮影。
右の線路が4番線、左の線路が5番線です。特急『サザン』はこの2線(主に4番線)に発着します。
 
 

こちらは6番線終端部より7番線を望む。手前が6番線、奥が7番線です。
レールは繋がっていますが、車止めとバラストにより完全分離されています。
現在は6番線が南海本線ホーム(区間急行・普通)、7番線が和歌山港線ホーム(普通)です。
 
 

こちらはJRの2番線です。和歌山方・亀山方を望む。2008年撮影。
JRは南海の駅を間借りしている形で、実質単式ホーム1面1線となっています。
当時は右の駅ビル前に1番線ホーム跡が残っていて、駐車場として使用されていましたが、現在は新駅ビル用地に転用されていると思われます。
 
 

 

上写真は駅北東側の踏切より、下写真はJRの2番線より、いずれも南海本線・難波方、JR紀勢本線・亀山方を望む。
右端の1線が紀勢本線、左の複線が南海本線です。
少し前方で南海本線と紀勢本線の間に片渡り線(非電化)があり、かつては南海本線の難波駅から紀勢本線白浜方面へ向かう気動車急行列車が通っていましたが、現在は営業列車の設定がなく、南海電鉄の新車搬入の際に使用されます。また、かつて南海が運営していた貴志川線(和歌山~貴志間)の車両の回送でも使用された実績があります。そして、この渡り線の先の紀勢本線には南海とJR西日本の分界点があり、和歌山市方が南海の所有、和歌山方がJR西日本の所有ですが、現在は和歌山市駅~分界点の間は南海がJR西日本に貸与する形になっています。
 
この先、市街地の中を南海本線と紀勢本線が併走状態で北東へ進み、左手に和歌山競輪場が見えてくると南海本線が左へカーブする形で両路線が分かれます。
 
南海本線はその後、左カーブのまま上り勾配で築堤へと上がると進路を北に変え、紀の川を渡ります。そして紀の川を渡り終えると左へカーブしながら下り勾配で住宅地の中を走り、地平区間になって進路を北西に変えると紀ノ川駅へと至ります。当駅にて加太線が分岐します。昔は加太線が和歌山市駅から出ており、単独で紀の川を渡って東松江駅で現在線と合流していましたが、この旧線は1950年9月のジェーン台風により紀ノ川橋梁が破損するなどの要因で廃止されました。
 
一方、紀勢本線は南海本線と分かれると右へカーブしながら上り勾配で高架区間になり、国道26号をオーバーパスして住宅街の中を東へ走ると紀和駅へと至ります。元々は紀和駅が和歌山駅でした。
 
 

 

上写真は4番線より、下写真は7番線より、和歌山港線・和歌山港方を望む。
すぐ先で右の5番線と合流し、さらに先で7番線と合流します。和歌山港線は全線単線です。
この先、左へカーブして市堀川を渡ると、右手の市堀川と左手の市街地の間を南南西へ走ります。そして県道752号線の紀ノ川大橋をくぐる地点に久保町駅跡(県社分界点)があり、これより先の線路は和歌山線の所有となります。その後は市堀川が離れ、やや臨港部じみた風景の中を走ると右へカーブして築地川を渡り、築地橋駅跡を通過します。その後は工場や倉庫が立ち並ぶ臨港部を南西へ走ると今度は築港町駅跡を通過します。その後は高架に上がると左へカーブしながら築地川と幹線道路を渡り、さらに左カーブを続けると和歌山港への連絡通路が見えてきて、終点の和歌山港駅へと至ります。徳島へ向かう南海フェリーは乗換です。また、2002年まではもう1駅先の水軒駅まで線路が延びていました。
 
 

こちらは2008年、3番線の終端方(和歌山港方)を望む。
当時は4・5番線のホーム端付近までレールが延びていましたが、現在は3番線を塞ぐ形で中ほどに4番線と駅舎を結ぶ通路が設置されたため、3番線の有効長が非常に短くなり、それ以前は南海本線の列車が発着していたのですが現在は加太線専用ホームになってしまいました。
 
 

2008年、2番線(左)よりJR紀勢本線の終端方(和歌山港方)を望む。2番線の左が旧1番線、右が3番線です。
跨線橋手前に車止めがあります。
ホーム端に写っている中間改札は後に改良されて、現在はJR線の入出場改札口になっています。
 
 
あとがき  
私が和歌山市駅で下車(乗車)したのは少なくとも1999年、2000年、2008年、2009年、2012年、2016年の6度はあります。全てが乗りつぶし・乗り鉄関連です。頭端式・島式・単式の各ホームを合わせた計2面7線の駅で、線路に対してホームが少ないです。以前(撮影当時)は高島屋が入居した大きな駅ビルを有していましたが、現在は改築されやや小ぶりな駅ビル「キーノ和歌山」になっています。駅前は市街地で、繁華街である「ぶらくり丁」へも徒歩圏内ですが、中心市街地に活気がない印象でした。尚、和歌山駅へは紀勢本線または路線バスで移動可能です。
 
東京からですと東海道新幹線に乗車して新大阪駅下車。Osaka Metro御堂筋線の「なかもず」方面電車に乗車します。そして「なんば」駅で下車し、南側にある南海電車の難波駅から特急『サザン』に乗車して当駅下車です。新大阪駅からJR京都線~大阪環状線内回りのルートを利用し、新今宮駅で南海本線に乗り換えてもOKです。じゅうぶん日帰り訪問可能です。
一方、梅田からですと、Osaka Metro御堂筋線で「なんば」駅まで行き、南海本線の特急『サザン』に乗り換えて当駅下車です。新今宮乗換でもOKです。余裕で日帰り訪問可能です。
 
食料・飲料について、コンビニは駅前に「セブン-イレブン」があります。一方、飲食店は「キーノ和歌山」内や駅前にあるものの、500m圏内において気軽に入りやすいチェーン店は「スターバックスコーヒー」「バーミヤン」くらいでしょうか。心配な場合は事前に用意しておきましょう。
 
東京からの到達難易度はやや高いですが、南海本線、南海和歌山港線、JR紀勢本線を乗り鉄の際は和歌山市駅ですぐに乗り換えたり引き返したりせず、ぜひ一度は駅も観察してみて下さい!
 
(参考:南海電気鉄道のHP、JR西日本のHP、キーノ和歌山のHP、改札画像.net、地理院地図、Google地図、Wikipedia)