志摩磯部駅【三重県】(近鉄志摩線。2020年訪問) | 『乗り鉄』中心ブログ(踏破編)

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今回の【駅】シリーズは、
三重県志摩市北部、旧・磯部町の中心部に位置する近鉄志摩線の駅で、かつては近鉄系のテーマパーク「志摩スペイン村」への玄関口として賑わっていたものの、直行バスの発着駅が鵜方駅へ変更されて以降は訪れる観光客が少なく閑散としていて、広い駅舎や構内を持て余している感もある、
志摩磯部駅 (しまいそべえき。Shima-Isobe Station) です。
 
  
駅名  
志摩磯部駅 (M 88)  
  
所在地  
三重県志摩市 (旧・志摩郡磯部町)    
  
乗車可能路線  
近畿日本鉄道:志摩線  
  
隣の駅  
鳥羽方……上之郷駅  
賢島方……穴川駅  
 
訪問・撮影時  
2020年12月  
 
 
駅概要  
駅形態……………地平駅(1929年開業、1970年に北約0.2kmから移転)。
駅舎………………1994年に改築されたスペイン風デザインの橋上駅舎。
出入口……………西口、東口。
バリアフリー……西口のみ対応(EV併設)。車いすの場合、東口からは約250m北の踏切を通って西口側へ。
点字ブロック……西口は駅前広場から、東口は2階出入口から、駅舎内~改札~各ホームまで設置済。
駅前広場…………東西にあり(西口はバス停留所、タクシー乗り場併設)。
 
 

 

西口です。上写真は南を、下写真は南東を望む。
1994年の「志摩スペイン村」オープン直前に橋上駅舎化され、スペイン村とイメージを合わせたスペイン・アンダルシア地方の建物がモチーフとなっている南欧風デザインです(Wikipediaより)。外側にテラスが設けられていますが、現在出入り可能かどうかは不明です。
現在はスペイン村の玄関口から陥落したためか手入れが行き届いておらず、薄汚れてしまっているのが残念です…。
 
ロータリーを有する駅前広場が整備されていて、かつては「志摩スペイン村」行きのシャトルバスが発着していましたが、現在はバスのりばの大半が一般車送迎用に転用されています。
また、当駅前に発着する路線バスの便も非常に少ないです。約400m北西にある三重交通の磯部バスセンターから発着する便の方が多いです。
 
 

西口には階段出入口(正面)とエレベーター出入口(右奥)があり、バリアフリーに対応していますが、志摩スペイン村への玄関口だった時代(1994~2007)に稼働していた上下方向エスカレーター(階段の両側)は現在使用停止状態で、設備の周りには壁や蓋が設置されています。スペイン村へのシャトルバスが発着しなくなった今、もう再稼働することはないでしょうね…。まぁ、既に撤去されているかもしれませんが…。
 
 

西口駅前です。西方向を望む。左手に西口があります。
こちらの西口駅前は区画整理されており、整然とした街並みが広がっています。商店も点在しています。
駅の約500m北西(磯部バスセンターの北側)には旧・磯部町の古くからの中心市街地が広がっています。
旧市街地には佐美長神社(駅から約700m北西)や磯部神社(駅から約900m北西)が鎮座しています。
また、南側にも昔からの大きな集落(穴川地区)が形成されています。
 
 

 

 

橋上化に伴い新設された東口です。上写真は北西方向を、中写真・下写真は西方向を望む。
西口と比較して簡素な造りで、屋根なしの階段のみが設置されてバリアフリーに非対応です。
駅前広場も小さく、利用者も少ないためか、ロータリー内は月極駐車場として利用されています(送迎スペースは少ないです)。
 
 

東口駅前です。2階より東方向を望む。
ロータリー内にはヤシ科の木が植えられており、南国ムードを醸し出しています。
すぐ近くを磯部川が左から右へ流れていることもあり、東口駅前に民家や商店は少ないです。
磯部川の対岸(奥)は下之郷地区で、田園風景が広がっています。
また、「的矢かき」で有名な的矢地区は東へ8kmほど離れています。志摩市コミュニティバスの磯部地域予約運行型バス(愛称・ハッスル号)の「うみルート」でアクセス可能ですが、祝日含む月・水・木のみ運転なので注意が必要です。
 
 

東口駅前です。2階より南東方向を望む。右手が橋上駅舎です。
写真では分からないですが、肉眼ですと写真奥に磯部川の河口および伊雑の浦(海の入り江)が見えます。さらに写真左奥の高台には「志摩スペイン村」のホテルやジェットコースターも見えます。
ちなみに「志摩スペイン村」は志摩磯部駅から東へ6km弱ですが、当駅から公共交通機関(バス)でのアクセスは不可能です(鵜方駅をご利用下さい)。タクシーも当駅前に常駐しておらず、当てにできません(配車が必要になります)。
 
 

 

橋上駅舎2階にある改札口です。上写真は南方向を、下写真は西方向を望む。
西口が上写真右・下写真前方、東口が上写真左・下写真後方です。
 
駅員配置………あり(有人駅。窓口は閉鎖。改札内外にきっぷ確認用カメラ搭載インターホンあり)。
自動改札機……なし(改札ラッチ前後にICカード簡易改札機あり)。
ICカード………利用可能(『PiTaPa』エリア内。交通系ICカード全国相互利用サービスの各種カードもOK)。
有人通路………2通路(改札ラッチ設置。右側のみ点字ブロック設置)。
幅広通路………△(駅員に申し出て下さい。左端の業務用通路を使用すると思われます)。
窓口……………あり(改札窓口、特急券・定期券も発売している出札窓口、改札内の精算窓口)。
自動券売機……あり(改札口の右手前。ICチャージ可。特急券は窓口まで)。
自動精算機……なし(精算窓口へ申し出て下さい)。
トイレ…………改札内(車いす対応トイレ併設)。 
付帯設備………飲料自動販売機(改札外)。  
売店……………なし。 
コンビニ………なし(最寄りのコンビニは約300m北西の「ファミリーマート」)。
 
改札ラッチは左側にもう2通路ありますが現在は使用されておらず、手前に掲示板のパネルが置かれています。
1階にある各ホームとの間は階段・エレベーターで結ばれていて、バリアフリーに対応しています。こちらも上りエスカレーターが使用停止になっていて、設備が覆い隠されています。
 
 

 

いずれも1番線に設置されている、上写真は建植式駅名標、下写真は側壁設置型駅名標です。非電照式と思われます。
近鉄の新デザインで、右上には駅ナンバリング「M 88」が大きく書かれています。ちなみにウルトラマンの故郷は「M78星雲」ですw
 
尚、当駅は1929年、志摩電気鉄道(狭軌路線)により地元の地名由来の「迫間駅(はさまえき)」として開業しましたが、近鉄に合併後の1970年、標準軌化と同時に南へ約0.2km移転し、当時の町名に合わせて現在の「志摩磯部駅」へと改称されました。
 
 

 

駅構造……地平駅。ホームは北北西~南南東方向。
配線………単式ホーム・島式ホームとも各1面、計2面3線(鳥羽方は交換可能駅、賢島方は複線区間)。
 
左の単式ホーム(西)は2番線で上り鳥羽・名古屋・大阪難波・京都方面、右(東)の島式ホーム左側は1番線で下り鵜方・賢島方面です。
島式ホームの右側は3番線で手前の鳥羽方が行き止まりになっており、営業列車が発着することはなく、回送列車の留置に使用されています。
 
ホーム有効長……8両分(特急の停車に対応)。3番線は6両分。
ホームドア………なし。
ホーム幅…………標準レベルですが、鳥羽方(奥)は狭いです。1・3番線の賢島方(右手前)もやや狭いです。
上屋(屋根)………中ほどの約6両分(3番線は鳥羽方の約4両分)。ホーム中ほど鳥羽寄りは橋上駅舎に覆われています。
ホーム上設備……ベンチ、係員詰所。
   
写真は2枚とも2番線より鳥羽方を望む。
 
 

 

2枚とも2番線より賢島方を望む。右から2番線、1番線、3番線の順です。
2020年はパタパタ式(反転フラップ式、ソラリー式)の発車標がありましたが、今も残っているでしょうか?
 
 

こちらは3番線です。東口駅前広場より賢島方(南)を望む。
右手前の鳥羽方で行き止まりとなっていますが、鳥羽方も本線と繋がっていれば柔軟な運用が可能だったと思います…。
まぁ、賢島発着列車の引上線として設置されたのでしょうね…。ホームに面しているので、臨時列車や団体列車の入線・客扱いなどには対応可能ですが。
 
 

2番線より鳥羽方を望む。
1駅先の上之郷駅まで単線区間で、2番線(左)の延長上は安全側線(?)になっています。
この先、狭軌時代の面影を残す連続カーブの線形で、右手の磯部川と左手の磯部市街の間を北上します。磯部川を渡って右側を並走する川が支流の野川になっても北上を続け、上之郷駅へと至ります。伊雑宮(いざわのみや)への最寄駅です。

 

 


こちらは3番線の終端方(鳥羽方)を望む。

車止めの先に建物があります。当初よりスルー構造にするつもりがなかったと思われます。

 
 

2番線より賢島方を望む。終点・賢島駅まで複線区間が続きます。
この先、磯部川が左へ離れ、右の穴川集落と左の田園地帯の間を南東へ走ります。そして池田川を渡ると右側車窓も田園に変わります。その後は旧線跡が左へ分かれると、こちらの現在線は右へカーブしながら高架区間になり、穴川駅へと至ります。
 
 
あとがき  
私が志摩磯部駅で下車(乗車)したのは2016年と2020年の計2度です。2016年は志摩半島をバス旅した際にバスへ乗り換えるため下車し、2020年は近鉄志摩線を降りつぶしした際に下車しました。2面
3線の地平駅で、志摩スペイン村の玄関口にふさわしい南欧風デザインの立派な橋上駅舎を有していますが、スペイン村への連絡バスが鵜方駅発着へ変更されたことから、今は観光客の利用が激減して駅が閑散としてしまっています。駅西側は北方向へ旧・磯部町の中心市街地が広がっていて、駅前は整然とした街並みです。一方、駅東側はすぐ近くを磯部川が流れており、民家も少なく閑散としています。
 
東京からですと東海道新幹線で名古屋駅まで行き、隣接する近鉄名古屋駅から名伊特急の賢島行きに乗車して、当駅下車です。観光特急『しまかぜ』や観光列車『つどい』は当駅を通過しますのでご注意下さい。じゅうぶん日帰り訪問可能です(最大滞在時間:10時間弱)。
一方、大阪からですと大阪難波・大阪上本町・鶴橋のいずれかの駅から近鉄大阪線の阪伊特急・賢島行きに乗車して当駅下車です。やはり『しまかぜ』や『つどい』は通過します。特急料金が惜しい場合は快速急行以下の一般列車の乗り継ぎでも到達可能ですが、特急利用より大幅に時間を要してしまいます。こちらもじゅうぶん日帰り訪問可能です(最大滞在時間:12時間弱)。
 
食料・飲料について、駅前にコンビニ、気軽に入れる商店・飲食店はありません。最寄りのコンビニは西口の約300m北西、三重交通の磯部バスセンター前にある「ファミリーマート」です。事前に用意しておいた方が無難です。
 
東京からの到達難易度がやや高いですが、
近鉄志摩線を乗り鉄の際は、ぜひ一度は志摩磯部駅でも途中下車してみて下さい!
志摩スペイン村は鵜方駅下車です。間違えないようにして下さい。
   
(参考:近畿日本鉄道のHP、Google地図、Wikipedia)