尾上の松駅【兵庫県】(山陽電鉄本線。2019年訪問)     | 『乗り鉄』中心ブログ(踏破編)

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今回の【駅】シリーズは、
兵庫県加古川市南部、加古川左岸かつ播磨灘近くに広がる住宅地に位置する山陽電気鉄道本線(山陽電車)の駅で、近くに鎮座する尾上神社の境内にある相生の松・「尾上の松」が駅名の由来であり、また加古川市内の観光スポットである鶴林寺(かくりんじ)への最寄駅であることから、「鶴林寺」が副駅名になっている、
尾上の松駅 (おのえのまつえき。Onoenomatsu Station) です。
  
  
駅名  
尾上の松駅 【副駅名:鶴林寺】 (SY 30)    
 
所在地  
兵庫県加古川市  
 
乗車可能路線  
山陽電気鉄道:本線   
 
隣の駅  
西代方…………浜の宮駅   
山陽姫路方……高砂駅  
 
訪問・撮影時  
2019年6月  
 
 

 

 

尾上の松駅は地平駅で、西代方(東)の北側(山側)に駅舎が設置されています。
南側(海側)には駅舎・改札口が設置されておらず、南から駅舎へアクセスするには約80m東の踏切や約360m西の陸橋などを渡って北側へ回る必要があります(陸橋は車いすも通行可能です)。
駅舎は2019年時点で古い平屋建てで、ロータリーから南へ延びる路地裏沿いにありますが、ロータリーに面していないため分かりづらいです。尾上の松駅は無人駅です。
出入口には段差がなく、各ホームまではエレベーターで結ばれているため、尾上の松駅はバリアフリーに対応しています。点字ブロックは駅舎出入口~各ホーム間に設置済みです。
そして、駅舎前には駅前広場がありませんが、上写真後方、中写真・下写真右手の離れた場所にはロータリーを有する駅前広場が整備されており、バス停留所が併設されています。タクシーも待機している事があります。
上写真は南西を、中写真は西を、下写真は北西を望む。
 
 

駅前です。北東を望む。
左手に駅舎が、後方にホームがあり、前方には駅前広場があります。
駅周辺は整然とした住宅街で、1965年の駅移転後に宅地化されました。駅前には商店が点在しています。
駅名の由来となった、「尾上の松」がある尾上神社は約900m南東の集落内に鎮座しています。
また、約1.2km北東には副駅名にもなっている加古川市の観光名所・鶴林寺があります。但し、歩道のある道路を経由するとなると迂回が必要になります。
そして、尾上の松駅に対応するJR神戸線の駅は加古川駅ですが、3km以上離れており、徒歩での連絡は非現実的です。両駅間は加古川市コミュニティバス「かこバス」で結ばれており、比較的本数が多いです(時刻は要確認)。
 
一方、駅南側も住宅地が広がっていますが、田園も残っています。
約1.2km西を加古川が南へ流れており、対岸は高砂市です。ちなみに播磨灘は2.5kmほど南ですが、一帯の海岸は埋め立てられて神戸製鋼所加古川製鉄所になっているため、海が見える場所が極めて少ないです。松風公園西側の加古川堤防(約2.5km南)から、加古川の河口越しに播磨灘を遠望できるくらいです。
また、山電の線路の南側には国鉄高砂線の廃線跡を転用した道路が並行しており、駅の南東約300mの場所には尾上駅跡があります。駅跡の西端部(尾上の松駅寄り)には駅跡を示す石碑と車輪のモニュメントが設置されています。尾上駅跡の東方で高砂線跡を山電が乗り越していて、この立体交差は現在も残っています。
尚、尾上の松駅は1965年に現在地へと移転しましたが、旧駅は高砂線を乗り越す築堤上に設けられていたと思われ、高砂線との乗換は便利だったはずです。まぁ、高砂線は本数が少なかったのですが…。
 
 

こちらは駅前広場より北を望む。後方左側に駅舎があります。
駅前は昭和50年代に多くの商店が立ち並ぶようになりましたが、モータリゼーション、ロードサイド店の隆盛などが要因で衰退してしまい、今では駅前に廃店舗が目立ち、シャッター前に自動販売機が置かれている店も多いです。もちろん営業している店舗も一定数ありますが…。
写真奥の駅前広場北側には「公認 尾上の松駅前綜合市場」がありましたが閉鎖され、駅前広場に面した建屋の商店だけが営業している状態です。閉鎖されたエリアは廃墟状態です。
尾上の松駅前は昭和レトロな雰囲気を味わえる空間です。
 
 

改札口です。北西を望む。出入口部分に改札口があります。
尾上の松駅は無人駅で、窓口はシャッターが下ろされています。
改札内外にインターホンおよびきっぷ確認用カメラ搭載のインターホンが設置されています。
交通系ICカード『PiTaPa』などに対応の自動改札機が3通路あり、左端が幅広通路、中央が点字ブロック設置通路です。右端通路が有人通路(インターホン対応通路)を兼ねています。
改札口の右手前には自動券売機2台とカメラ搭載インターホンがあり、改札内には自動精算機とカメラ搭載インターホンがあります。券売機・精算機でICカードのチャージが可能です。
トイレ・多機能トイレは改札内コンコースにあります。
尚、尾上の松駅構内に売店・コンビニはありません。最寄りのコンビニは約650m東の「セブンイレブン」になります。
そして、改札を通って左手には、手前から順に上下線ホームおよび跨線橋へ上がるエレベーター、下り線ホームとを結ぶ地下道(階段のみ設置)、上り線ホームとを結ぶ階段、の順に設置されています。車いすの場合、反対側の下り線ホームのみならず駅舎に隣接する上り線ホームへ行くにもエレベーターを使用する形になります(コンコース~上り線ホーム間にスロープ未設置)。
 
 

下り線ホーム側壁に設置の駅名標です。非電照式です。
素材はアクリルと思われ、縁がむき出しです。かつて電照式の駅名標で使用されていたものを転用したと思われます。
山陽電鉄の標準デザインですが、書体が古いです。
隣駅を含めて駅ナンバリングが併記されていて、尾上の松駅の駅番号は「SY 30」です。
駅名の漢字表記の右側には副駅名の「鶴林寺」が括弧書きされています。
 
 

こちらは下り線ホームに設置されている建植式駅名標です。非電照式です。
書体が新しくなっています。
尚、前駅の「はまのみや」ですが、おそらく昔はスペース一杯に文字が書かれていて、駅ナンバリングを入れるスペースがなかったことから、文字を右寄せにして左端に駅番号を入れたものをシール貼りしています。
 
 

 

尾上の松駅は相対式ホーム2面2線の地平構造で、南東~北西方向にホームが延びています。ホームは若干カーブを描いています。
番線は設定されていません。
駅舎に面した左(北)のホームが上り西代方面・神戸方面で、反対側にある右(南)のホームが下り山陽姫路方面です。下り線ホームから見て上り線ホームは若干山陽姫路方(手前側)にずれています。
普通車(普通列車)しか停車しないため、ホーム有効長は4両分です。ホームドアはありません。ホーム幅は周辺の駅と同じく、規模に対して広いです。
上屋は上下線ホームとも西代寄り(奥側)の約2両分に設置されています(上り線ホームの方は若干手前側にずれています)、雨ざらしの部分が多いので、雨天時の乗降は要注意です(西代・神戸寄りの車両にご乗車になって下さい。但し、上り列車は先頭車両一番前の扉が上屋からはみ出しますので気をつけて下さい)。
各ホームともベンチが設置されています。
そして、上り線ホームの西代寄り(左前方)には駅舎・改札口があり、西代寄りには両ホームを結ぶ地下道(階段のみ)と跨線橋(エレベーターのみ)があります。
写真は2枚とも下り線ホームより西代方・神戸三宮方を望む。
 
 

また、下り線ホームの反対側(南側)には保線基地が併設されています。
下り線ホームより西代方・神戸三宮方を望む。
 
 

こちらは下り線ホームより山陽姫路方を望む。
上下線ホームとも以前は上屋が少ししかありませんでしたが、バリアフリー化を伴う駅改良工事により、上屋が改築され、大幅に延伸されました。まぁそれでも雨ざらしの部分が多く残っていますが…。
手前上空にはエレベーター跨線橋が写っています。
 
 

上り線ホームより西代方・神戸方・大阪梅田方を望む。
この先、上り勾配で住宅地の中を南東へ走ると築堤区間になり、高砂線跡(現在は道路)をオーバークロスします。この立体交差は高砂線現役時代のままで、道路は単線分の幅です。また、この立体交差部分(またはその前後の築堤区間)には移転前の尾上の松駅が存在したと思われます。高砂線跡を乗り越すと下り勾配で地平区間に戻り、田園も混在する住宅地の中を引き続き南東へ走り、浜の宮駅へと至ります。道中、左手には所々で山陽新幹線の高架橋が見えます。
 
 

下り線ホームより山陽姫路方を望む。
左の非電化線路は、左後方にある保線基地への引込線です。山陽姫路方から出入庫する形です。
この先、右へカーブして左手に高砂線の廃線跡を転用した道路と並走するようになると県道19号線の陸橋をくぐります。その後は住宅地の中を北西へ走り、やがて並走する高砂線跡の道路が途切れて未整備区間になり、橋梁跡などの遺構を確認できます。そして高砂線跡と並走状態で上り勾配で左へカーブしながら走ると築堤区間になり、進路を西寄りに変えると加古川を渡って高砂市に入ります。高砂線の加古川橋梁は撤去されており、跡形もありません。加古川を渡り終えると下り勾配で工場地帯の中を走り、地平区間に戻ると市街地に入ります。最後は高砂線跡が左へ分かれて、その直後に右カーブが始まると直通特急停車駅である高砂駅へと至ります。
 
 
あとがき  
私が尾上の松駅で下車(乗車)したのは2007年と2019年6月の計2度です。2007年は駅東側で交差していた高砂線の廃線跡を確認するため、そして2019年は兵庫県の全駅を訪問する目的の一環で下車しました(2019年7月全駅制覇)。相対式ホーム2面2線の駅で、南側(海側)に保線基地が併設されています。北側(山側)には平屋建ての古い駅舎があります。駅前は整然とした住宅地で、昭和中期の雰囲気を感じるレトロな街並みが広がっています。一方、駅南側も住宅地ですが、田園も残っています。かつては南側に高砂線の尾上駅がありました。
 
東京からですと東海道新幹線で新大阪駅まで行き、JR神戸線方面の下り新快速に乗り換えて明石駅で下車します。そして隣接する山陽明石駅から山陽電鉄本線の下り直通特急に乗車して東二見駅まで行き、接続する普通車に乗り換えて当駅下車です(直通特急は通過します)。また、新幹線を西明石駅で下車し、JR神戸線を1駅戻って明石駅乗換でもOKで、さらに新神戸駅~神戸市営地下鉄西神・山手線~三宮駅/三ノ宮駅~JR神戸線~明石駅経由のルートでもOKです。尚、姫路経由ですと戻る距離が長くなるため時間を要してしまい、しかも運賃が割高になります。じゅうぶん日帰り訪問可能です。
一方、大阪からですと大阪駅からJR神戸線の新快速に乗り明石駅まで行き、以降は上記のルートで到達できます。あるいは阪神の大阪梅田駅から直通特急(山陽姫路行き)に乗車し、東二見駅で普通車に乗り継いでも到達できます。こちらの方がJR経由より運賃が安く、フリーきっぷの「阪神・山陽 シーサイド1dayチケット」を使えば大人2,200円で往復可能です(正規の往復運賃:2,360円)。余裕で日帰り訪問可能です。
 
食料・飲料について、駅前にコンビニ、気軽に入れる飲食店はありません。最寄りのコンビニは約650m東の「セブンイレブン」、最寄りのスーパーは約250m東の「マルアイ」になります。事前に用意しておいた方が無難です。
 
東京からの到達難易度はやや高いですが、山陽電鉄本線を乗り鉄の際は、ぜひ一度は尾上の松駅でも途中下車してみて下さい!
 
(参考:山陽電気鉄道のHP、Google地図、Wikipedia)