高砂駅【兵庫県】(山陽電鉄本線。2019年訪問)     | 『乗り鉄』中心ブログ(踏破編)

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今回の【駅】コーナーは、
兵庫県高砂市南東部、加古川沿いに広がる高砂市の中心市街地に位置する山陽電気鉄道本線(山陽電車)の直通特急停車駅で、かつては駅南側に国鉄高砂線の高砂北口駅があり、乗換が可能だった、
高砂駅 (たかさごえき。Takasago Station) です。
  
 
駅名  
高砂駅 (SY 31)  
 
所在地  
兵庫県高砂市  
 
乗車可能路線  
山陽電気鉄道:本線   
 
隣の駅  
西代方…………尾上の松駅   
山陽姫路方……荒井駅  
 
訪問・撮影時  
2019年4月  
 
 

 

 

高砂駅は地平駅で、西代方(東)の南側(海側)に駅舎が設置されています。
北側(山側)には駅舎・改札口が設置されておらず、駅舎へアクセスするにはすぐ西にある地下道をくぐって南側へ回る必要があります(地下道はバリアフリー対応と思われます)。
駅舎は3棟の建屋をつなぎ合わせたもので、中央と右側(東)が平屋建てで古く、左側(西)は2階建ての高砂駅ビルになっています。中央に改札が、右に駅事務室と自動券売機があります。左の駅ビルは1階に定期券発売所とテナント店舗があり、2階は駅事務室と思われます。
改札口は出入口直結のオープン構造で、出入口に段差はありません。高砂駅はバリアフリー対応です。
また、ロータリーを有する駅前広場がありますが、旧態依然としています。タクシー乗り場が併設されていますが、駅前が手狭なため、バス停留所は北側にあるロータリーに設けられています(後述)。
上写真と下写真は北方向を、中写真は北西方向を望む。
 
 

駅前です。南西を望む。右手に駅舎があります。
高砂駅は高砂市の中心市街地北端部にあり、市街地は南方向に広がっています。
駅前には商店、オフィス、マンションが混在していますが、再開発が行われておらず道路も狭く、雑然とした印象です。結果としてレトロな町並みが残っている状況です。
左手の古い建物群の裏手(左・南)には旧国鉄高砂線の高砂北口駅があり、乗換が可能でした。もし高砂線が今もあれば高砂と加古川の移動が楽だったのですが…。
また、約200m南にはショッピングセンター「サンモール高砂」がありましたが、来店客の減少に伴いキーテナントの「西友」が2015年に撤退し、残った専門店も建物の老朽化により2017年に完全閉店となり、後に一部の建屋が解体されました。現在、高砂市の中心市街地にはスーパーマーケットが存在せず、高齢化が進行している当地域では買い物難民も発生しているとの事で、市街地の空洞化が深刻です。
そして、山電の南側を並行する高砂線廃線跡の遊歩道を350mほど東へ進むと加古川(河川名)に到達します。
約1.2km南には高砂神社が鎮座しており、約2.2km南の加古川河口付近に向島公園・高砂海浜公園があります。
さらに約850m南西には兵庫県立高砂南高等学校があり、陣内智則さん、SOPHIAの松岡充さん、花*花のこじまいづみさんなど複数の有名人を輩出しています。
 
 

分かりづらいですが、駅北側の様子です。ホームより北を望む。
北側には正式な出入口がありませんが、将来の橋上駅舎化を見越してか(そんな話すらないかもしれませんが)、ロータリーを有する駅前広場が設置されています(バス停留所あり)。広場前には地下道の出入口があり、駅西側の出入口に通じています。駅舎側の出入口は駅ビル西側の「セブン-イレブン」が入居するマンションのさらに西側にあります。
駅北側は「駅裏」ゆえ商店が少ないですが、マンションが多く住宅街になっています。
また、約500m北には兵庫県立高砂高等学校があり、その東側の加古川沿いには高砂市文化会館があります。
尚、高砂市役所は伊保駅の近くにあります。
 
 

 

改札口です。2枚とも出入口より北方向を望む。
高砂駅は有人駅ですが、駅員不在時に対応するため、改札内外にインターホンが設置されています。きっぷ確認用カメラ搭載のインターホンもあります。
交通系ICカード『PiTaPa』などに対応の自動改札機が4通路あり、左から2番目が幅広通路、一番右の自動改札通路が点字ブロック設置通路です。窓口に面した右端は有人通路です。
改札口の右手前には自動券売機があり、改札内には自動精算機があります。いずれもICカードのチャージが可能です。また、改札外左側の高砂駅ビル1階には定期券販売所があります。
トイレと多機能トイレは改札内にあります。
そして、改札口を通って左へ曲がると各ホームに通じる階段(地下道)とエレベーター(跨線橋)があります。高砂駅はバリアフリー化されています。
尚、高砂駅構内に売店・コンビニはなく、改札口の左手前にあった売店跡は自動販売機コーナー(飲料・アイス・たばこ)になっています。ちなみに、最寄りのコンビニは高砂駅ビル西側のマンション1階にある「セブンイレブン」になります。
 
 

2番線に設置されている吊下式駅名標です。電照式と思われます。
山陽電鉄の標準デザインですが、書体が古いです。
駅ナンバリングも併記されています (SY 31)。
ちなみに、1923年の開業当初の駅名は「高砂町駅」でしたが、翌1924年に「電鉄高砂駅」へと改称され、長らく変更されませんでしたが、国鉄が分割民営化された後の1991年に現在の「高砂駅」へと改称されました。国鉄が存在した頃、各私鉄は国鉄と駅名の重複を避けるために社名・旧国名などの冠名を付けるケースが多かったです。
 
 

こちらは2番線に設置されているイラスト入り駅名標です。
高砂のレトロな町並みや高砂のB級グルメ「にくてん」などが描かれています。
「にくてん」はお好み焼きと類似していますが、生地が薄いです。高砂市のものは「おでん」の具材も入っています。
 
 

こちらは1番線に設置されている名所案内です。電照式と思われます。
駅南側の中心市街地には神社仏閣が多く、旧国鉄高砂線の高砂駅跡西側には十輪寺があります(南西約650m)。
また、ここに記載されている距離は実際の距離よりも少々短いです。
 
 

高砂駅は島式ホーム2面4線の地平構造で、概ね東西方向にホームが延びています。カーブ地点に駅ホームがあります。
左ホーム(南)は左から1番線・2番線の順でともに下り山陽姫路方面で、右ホーム(北)は左から3番線・4番線の順でともに上り西代方面・神戸方面です。
内側の2線が主本線、外側の2線が副本線(待避線)です。
尚、1番線と2番線は上り方向への発車も可能で、朝の当駅始発S特急が1・2番線から発車します。ちなみに3・4番線から下り方向への発車は不可能となっています。
ホーム有効長は6両分で、ホームドアは未設置です。ホーム幅は標準レベルですが、各ホームのEV部分は狭くなっており、3・4番線の山陽姫路方(奥)は両側の線路により幅が絞られて狭くなっています。
上屋(屋根)は各ホームとも西代方(手前側)の約4両分に設置されています。雨天時に直通特急に乗って高砂駅で下車される場合は西代方(大阪梅田方)の4両にご乗車になって下さい。
各ホームにはベンチ・飲料自動販売機・冷暖房完備の待合室が設置されており、液晶モニター式の発車標もあります。
そして各ホームの西代方の端近くには改札口行きエレベーター乗り場と跨線橋があり、各ホームの西代方の端(後方)には改札口行き階段と地下道があります。
駅舎・改札口は1番線左側の西代方(左後方)にあります。
写真は2番線より山陽姫路方を望む。
 
 

こちらは2番線より西代方・神戸方・大阪梅田方を望む。右から1番線~4番線の順です。
手前の山陽姫路方は雨ざらしになっています。
また、高砂駅には側線が存在しません。
 
 

 

 

3枚とも西代方・神戸三宮方を望む。
各ホームの西代方の端近くには改札口行きエレベーター乗り場と跨線橋があり、各ホームの西代方の端(後方)には改札口行き階段と地下道があります。
駅舎・改札口は1番線右側にあります。
また前方で副本線が主本線に合流した先に踏切があり、本町通から続く高砂市道との踏切があり、その先には下り線から上り線への片渡り線があります。1・2番線から発車する神戸方面列車はこの片渡り線を通過して上り線へと入っていきます。
 
この先、上り勾配になって築堤区間になりますが、踏切付近から右手に高砂線の廃線跡を転用した遊歩道が並走するようになります。その後は県道718号線(旧国道250号。旧浜国)を跨いで加古川を渡り、加古川市に変わりますが、以前右側にあった高砂線の橋梁は跡形もなく撤去されています。また、遊歩道は川の手前で途切れ、この先(加古川の対岸)も高砂線廃線跡を歩くには約500m南にある旧浜国の相生橋まで迂回せねばなりません。加古川を渡り終えると右へカーブしながら住宅地の中を走り、地平区間へと戻りますが。右手には高砂線の廃線跡が現れます。こちらは遊歩道化されておらず、レールとバラストこそ撤去されているものの往時の雰囲気が色濃く残っています。そして進路を南東に変えると右手の高砂線跡は2車線道路へと変わり、引き続き住宅地の中を走り県道19号線の陸橋をくぐると尾上の松駅へと至ります。南東約200mには高砂線の尾上駅がありましたが、面影は残っていません。
 
 

2番線より山陽姫路方を望む。
この先、右へカーブしながら住宅街の中を走りますが、途中で左手に国鉄高砂線から分岐していた国鉄高砂工場への引込線跡(廃線跡は道路に転用)が並走するようになります。そして進路を北西に変えると引込線跡は左へ分かれましたが、その後の廃線跡は私有地に取り込まれて面影はありません。代わりに引込線から分岐したキッコーマン高砂工場の専用線跡が引き続き左側を並走し続け(現在は道路に転用)、4車線の幹線道路の陸橋をくぐって左側に工場が見えてくると荒井駅へと至ります。荒井駅は南側にある工場群への通勤利用が多く、乗車人員は高砂駅の2倍ほどの多さです。
 
 
あとがき  
私が高砂駅で下車(乗車)したのは1996年以来何度かあります。用事での利用が多いのですが、乗り鉄関連では2015年と2019年に利用しています。中でも2019年は兵庫県の全駅を訪問する目的の一環で下車しました(2019年7月全駅制覇)。島式ホーム2面4線かつ有人駅で、設備面では高砂市の中心駅としての面目を保っていますが、乗車人員で見ると隣の荒井駅の約半分、さらには市北部にある宝殿駅の約1/3と、市内で第3位に甘んじています(2017年時点で約3,200人/日)。駅前は高砂市の中心市街地北端部ですが、再開発が一部しか進んでおらず、昔ながらの町並みが残っています。
 
東京からですと東海道新幹線で新大阪駅まで行き、JR神戸線方面の下り新快速に乗り換えて明石駅で下車します。そして隣接する山陽明石駅から山陽電鉄本線の下り直通特急に乗車して当駅下車です。新幹線を西明石駅で下車し、JR神戸線を1駅戻って明石駅乗換でもOKで、さらに新神戸駅~神戸市営地下鉄西神・山手線~三宮駅/三ノ宮駅~JR神戸線~明石駅経由のルートでもOKです。じゅうぶん日帰り訪問可能です。
一方、大阪からですと大阪駅からJR神戸線の新快速に乗り明石駅まで行き、山陽電車の下り直通特急に乗り換えれば到達できます。あるいは阪神の大阪梅田駅から直通特急(山陽姫路行き)に乗れば乗換なしで到達できます。こちらの方がJR経由より運賃が安く、フリーきっぷの「阪神・山陽 シーサイド1dayチケット」を使えば大人2,200円で往復可能です(正規の往復運賃:2,360円)。余裕で日帰り訪問可能です。
 
食料・飲料について、駅前にコンビニはありますが、気軽に入れる飲食店はありません(駅北側に地元の喫茶チェーン店「明日香」があります)。心配な場合は事前に用意しておきましょう。
 
東京からの到達難易度はやや高いですが、山陽電鉄本線を乗り鉄の際は、ぜひ一度は高砂駅でも途中下車してみて下さい!
 
(参考:山陽電気鉄道のHP、Google地図、Wikipedia)