印旛日本医大駅【千葉県】(北総鉄道北総線、京成成田スカイアクセス線。2020年訪問) | 『乗り鉄』中心ブログ(踏破編)

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今回の【駅】コーナーは、
千葉県印西市東部に開発された千葉ニュータウン(いには野地区)に位置する北総鉄道北総線の終着駅かつ京成成田スカイアクセス線の中間駅で、当駅を境に成田空港方は京成の単独路線へと変わり、また駅名とは裏腹に日本医科大学のキャンパスは駅周辺には存在せず、附属病院である日本医科大学千葉北総病院が立地する事が駅名の由来となった、
印旛日本医大駅 (いんばにほんいだいえき。Imba Nihon-idai Station) です。
 
  
駅名  
印旛日本医大駅 【副駅名:松虫姫】 (北総の管理駅。北総・京成とも駅番号は「HS 14」)  
 
所在地  
千葉県印西市 (旧・印旛郡印旛村)   
  
乗車可能路線  
北総鉄道:北総線  
京成電鉄:成田空港線 【愛称:成田スカイアクセス線】   
(※) 小室駅~印旛日本医大駅の設備は千葉ニュータウン鉄道が所有(運営は北総と京成)。     
 
隣の駅  
北総鉄道北総線  
京成高砂方…………印西牧の原駅  
(※) 北総線は印旛日本医大駅が終着駅です。   
  
京成成田空港線 【成田スカイアクセス線】  
京成高砂方…………千葉ニュータウン中央駅  
成田空港方…………成田湯川駅  
 
訪問・撮影時  
2020年9月   
 
 

 

  

印旛日本医大駅は幅が広い掘割の中にある地平駅で、橋上駅舎を有しています。
駅施設は北総鉄道ではなく千葉ニュータウン鉄道が所有していますが、管理は北総鉄道が行っていると思われます。
ホームが1階、改札口・コンコース、そして出入口が2階です。北総鉄道が所有する多くの駅とは違い、改札口と出入口が同一フロアにあります。
駅舎は凝ったデザインで、ゴージャス感があります。中写真の左側(改札内コンコース側)の塔の上は展望台になっています。普段は非公開だそうですが…。
出入口は東側、線路や掘割を覆う人工地盤上に設置された駅前広場ロータリーの西寄りに面して設けられています。橋上駅舎ですが出入口と駅前広場は同じレベルの高さで段差がなく、印旛日本医大駅はバリアフリーに対応しています。
駅前広場は南北から容易にアクセス可能です。ロータリー出入口はさらに東を南北方向に延びる幹線道路に面して設けられています。
ロータリー内にはバス停留所とタクシー乗り場が併設されています。
尚、北総線新鎌ヶ谷駅より東で駅前広場・ロータリーが南北に分離されていない駅は印旛日本医大駅だけです(例外として小室駅は北側のみに広場があります)。
  
上写真は北西を、中写真は北を、下写真は南西を向いて撮影。
  
 

駅前です。出入口前より東方向を望む。
前方はロータリーで、直下に駅ホームがあります。ロータリーの先を幹線道路が左右方向に通っています。
また、印旛日本医大駅はニュータウンの一地区の中心になる駅ですが、駅前に商業施設が全くない事に驚きました。駅近くにもショッピングセンタークラスの施設はなく、約500m南にようやくスーパー「ナリタヤ」とドラッグストア「マツモトキヨシ」が出現します。
印旛日本医大駅付近のニュータウンは「いには野地区(『は』の読みは『wa』)」と呼ばれており、駅の南北に形成されていますが、あまり大規模な住宅街ではなく、駅から東西南北へ各1km離れると田畑や雑木林主体の農村風景が広がっています。
 
 

 

駅前(南側)です。
上写真は駅舎出入口前より南東を、下写真はロータリー出入口前より南を望む。
駅南側は住宅街ですが、マンションは少なく、一戸建て住宅の比率が高くなっています。
駅前に商店は少ないですが、約500m南の県道65号線沿いに前述の「ナリタヤ」「マツキヨ」など店舗が点在しています。
各写真右端にはホテル「東横イン」が写っていますが、その周辺は空地が多いです。
約1km南西の丘陵地には、駅名の由来ともなった日本医科大学千葉北総病院があります。駅前から路線バスでアクセスできるほか、駅前~病院間には毎時3本無料送迎バスが運行されています。病院の東隣には日本医科大学看護専門学校があります。
また、駅の約200m南東、線路南側には松虫姫公園があります。
 
 

 

駅前(北側)です。
上写真は駅舎出入口前より北東を、下写真は駅前広場北東端より北を望む。
駅北側も住宅街ですが、やはり戸建住宅の割合が高いです。商店は少ないです。
約1.3km東北東の山林の中には松虫寺があり、寺から500mほど南へ離れた線路沿いには松虫城跡があります。
ちなみに、印旛日本医大駅の副駅名は「松虫姫」ですが、「松虫姫」とは奈良時代に即位していた聖武天皇の皇女であった不破内親王の幼名です。
Wikipediaによると、松虫姫はハンセン病を患っていたものの、印旛地区の薬師堂で祈りを捧げたところ全快したとの事です。聖武天皇はこれを喜び、行基に命じて現在の松虫寺を建立させたとの事です。以上、簡潔に説明いたしましたが、詳細は各自で調べて下さいw
 
 

駅前広場西側に面して設けられている印旛日本医大駅の出入口です。西を望む。後方が駅前広場です。
もはや駅ではなく宮殿に入るような感覚ですww
奥に改札口があります。また左側の側壁沿いには飲料自動販売機が設置されています。
 
 

こちらは駅舎内の改札外コンコースより東(出入口・駅前広場方)を望む。
駅舎内の改札外コンコースは天井がとても高く、ドーム状になっています。東京駅丸の内駅舎を思い出させる造りです。
この駅舎を見ると、「こんなに豪華な駅舎を作る金があったら、元から貧相な駅舎にしておいて運賃を……」と思う北総線ユーザーもいるかもしれません…。
 
 

 

橋上駅舎2階にある改札口です。西北西を望む。後方に出入口があります。
印旛日本医大駅は有人駅で、おそらくインターホンは未設置です。
交通系ICカード『PASMO』などに対応の自動改札機が3通路ありますが、幅広通路はありません。窓口に面した右端には車いす対応幅で点字ブロック設置の有人通路があります。
改札口から離れた右手前には自動券売機(ICチャージ可)があり、北総線用が2台、京成線用が1台あります。改札内には自動精算機(ICチャージ可)、トイレ・多機能トイレ、待合所(ベンチ有)があります。
また、自動改札機の左手前(改札外)にはAED、宅配便ロッカー、公衆電話、飲料自販機があります。
そして下層の1階にあるホームとの間には階段2ヶ所、上下方向エスカレーターとエレベーターが各1基、設置されています。
尚、駅構内および駅前に売店・コンビニはありません。最寄りのコンビニは約600m南にある「セブン-イレブン」になります。
 
 

こちらは改札内コンコースです。西北西を望む。後方に改札口があります。
ここは「塔」の部分の真下で、エレベーター上に延びているのは展望台への階段です。扉の先は非公開で、立入禁止です。
 
 

下り2番線ホームに設置されている、時刻表や路線図と一体になった建植式駅名標です。駅名標のみ電照式です。
千葉ニュータウン鉄道が所有する駅ですが、デザインは北総鉄道仕様になっています。ラインには北総鉄道のコーポレートカラーである青が使用されています。以前は千葉ニュータウン鉄道仕様でした。
自駅・隣駅とも漢字・ひらがな・ローマ字(英語)の表記があります。括弧書きで副駅名の(松虫姫)が併記されていますが、こちらは漢字表記のみです。
自駅名は多国語が併記されており、左上には京成グループのロゴマークがあります。
また、駅ナンバリングも併記されています (HS 14)。
ちなみに当駅には京成成田スカイアクセス線の電車も停車しますが、駅名標においては隣駅の「なりたゆかわ」を除き京成線の駅であることを見出せません。
 
 

印旛日本医大駅は島式ホーム1面2線の地平構造(正確には掘割構造)で、西北西~東南東方向にホームが延びています。国道464号線(北千葉道路)の広い中央分離帯上に駅があります。
左(南)が1番線で北総線および京成成田スカイアクセス線の上り京成高砂・押上・都営浅草線方面、右(北)が2番線で京成成田スカイアクセス線下り印旛日本医大・成田空港方面です。北総線は当駅まで、成田空港方面には乗り入れません。
ホーム有効長は8両分で、2020年9月時点においてホームドアは未設置でした。京成成田スカイアクセス線の『スカイライナー』が高速で通過しますのでご注意下さい。
ホーム幅は全長に渡り広いですが、階段部分など狭い箇所もあります。
上屋は全8両分に設置されていて、大半が橋上駅舎、交差道路の陸橋、駅前広場の人工地盤に覆われていて、半地下駅並の薄暗さになっています。
ホーム上にはベンチ、飲料自動販売機、空調完備と思われる待合室があります。
写真は2番線より北総線・京成高砂方、京成成田空港線・京成高砂方を望む。
 
 

2番線より北総線・終端方、京成成田空港線・成田空港方を望む。右から1番線・2番線の順です。
当駅は北総線の終着駅で列車が折り返しますが、1面2線と貧弱です。北総線列車はホームではなく終端方にある引上線を利用して折り返します。
また、2番線左側にはスペースがありますが、その場所を利用した2面4線化などの計画は存在しないと思われます。
 
 

1番線側より北総線・京成高砂方、京成成田空港線・京成高砂方を望む。
前方に上り線から下り線への片渡り線がありますが、京成成田スカイアクセス線が開業して中間駅構造になってからはほぼ使用していないと思われます。
この先、すぐに千葉ニュータウンの住宅街(いには野地区)を抜けて農村部に入り、千葉ニュータウン内を通る国道464号(北千葉道路)の広い中央分離帯上を右へカーブしながら走ります。地形の関係で掘割主体ですが、谷を越える区間は高架になります。その後は左手の掘割上に印旛車両基地が見えてきて、進路を北西に変えてしばらく進むと印旛車両基地の出入庫線が本線に合流します。最後は左へカーブして進路を西寄りに変え、千葉ニュータウンの住宅街(西の原・滝野地区)に入ると印西牧の原駅へと至ります。京成成田スカイアクセス線のアクセス特急は印西牧の原駅を通過し、その次の千葉ニュータウン中央駅に停車します。
 
 

 

 

上写真は2番線に停車中の列車内より、中写真は1番線より、そして下写真は駅東側の幹線道路陸橋より、いずれも北総線・終端方、京成成田空港線・成田空港方を望む。
北総線は印旛日本医大駅までで、これより先は京成成田空港線【愛称:成田スカイアクセス線】の単独区間になります。
ホーム終端部の先、京成成田スカイアクセス線の上下線間には北総線列車が折り返すための引上線が2線あります。
この先、掘割区間で千葉ニュータウン内を通る国道464号(北千葉道路)の広い中央分離帯上を左へカーブしながら走りますが、北総線の引上線が途切れるとほどなくして住宅街も途切れ、田畑と雑木林が混在した丘陵地帯の農村風景の中を東へ走ります。掘割と高架が入り交じっています。やがて左カーブが始まると高架区間になり、田園が広がる低地を走るようになります。そして進路を東北東に変えると北印旛沼と西印旛沼を結ぶ水路である印旛捷水路を渡り、さらに北印旛沼の狭い部分を渡って成田市に入ります。その後は左手に北印旛沼を見ながら高架区間のまま右へカーブして、広大な田園風景の中を走りますが、やがて前方に丘陵地が接近してくると進路を東に変え、短いトンネルで丘陵地を抜けると成田湯川駅へと至ります。成田湯川駅は高架駅で、東寄りでJR成田線我孫子支線をオーバークロスしますが、成田線の駅はこの地に存在しません。まぁ、JRにも駅ができると京成の空港輸送をアシストする形になってしまうので、意地でも駅を設置しないでしょうが、利用者の立場としては、ここで成田線我孫子支線と乗り換えられれば便利になるのに…と思ってしまいます(特に千葉ニュータウン方面~成田駅方面。現状は空港第2ビル駅まで行って、京成本線に乗り換えて京成成田駅へと戻る形になってしまうので…)。

 
 
あとがき  
私が印旛日本医大駅で下車(乗車)したのは2006年、2011年、2020年の計3度です。2006年は北総線の乗りつぶしの際、2011年は北総線の車窓風景撮影の際、そして2020年は東京都の全駅を訪問する目的の一環とは別に、都内に近い駅なので下車しました。北総線としての終着駅で、2006年当時は実際にレールが当駅で途切れていましたが、2010年に京成成田スカイアクセス線が開業したため、見た目は中間駅になりました。周辺駅と同じく巨大掘割にある駅で、橋上駅舎を構えており、南北から出入可能です。そして駅前は千葉ニュータウンとして開発されていますが、規模はさほど大きくなく、駅から離れると畑や雑木林を普通に見られます。
 
新宿からですと都営新宿線の急行or各停に乗り馬喰横山駅で下車。改札を出て連絡通路を通り東日本橋駅へと移動し、都営浅草線の京成押上線~北総線直通普通電車(印旛日本医大行きのみ)または京成成田スカイアクセス線経由の成田空港行きアクセス特急に乗車して当駅下車です。北総線の電車は途中でアクセス特急を待避する場合がありますので、事前に時刻を確認しておいて下さい。尚、北総線の普通に乗っても京成のアクセス特急に乗っても運賃は同額です。余裕で日帰り訪問可能です。
一方、大阪からですと東海道新幹線に乗り品川駅で下車、隣接する京急駅から都営浅草線~京成押上線~北総線直通普通電車(印旛日本医大行きのみ)または京成成田スカイアクセス線経由のアクセス特急に乗り当駅下車です(北総線直通普通は途中でアクセス特急を待避する場合あり)。運賃は高くなりますが品川駅から乗換なしで到達可能です。あるいは新幹線を東京駅まで乗り通してから山手線経由で日暮里駅まで行き、京成本線下りに乗り換えます。アクセス特急であれば当駅まで乗換なしで行けますが、そうでない場合は京成高砂駅で北総線の普通電車or京成成田スカイアクセス線のアクセス特急に乗り継ぐ必要があります。さらには京葉線~武蔵野線直通列車で東松戸駅まで行き、北総線下り普通または京成の下りアクセス特急に乗り換えて当駅下車のルートもあります。じゅうぶん日帰り訪問可能です。
 
食料・飲料について、ニュータウンの一地区の中心にある駅でありながら、駅構内および駅前にコンビニ、気軽に入れる商店・飲食店は一切ありません。最寄りのコンビニは約600m南にある「セブン-イレブン」、最寄りの飲食チェーン店は約1km南の日本医科大学千葉北総病院内にある「ドトールコーヒーショップ」になりますが、ドトールは病院内にあるためコロナ禍においては飲食のみで病院内に入れない可能性がありますのでご注意下さい。まぁ事前に用意しておいた方が無難です。
 
大阪からの到達難易度はやや高いですが、北総線および成田スカイアクセス線を乗り鉄の際は、ぜひ一度は印旛日本医大駅でも途中下車してみて下さい!
 
(参考:北総鉄道のHP、地理院地図、Google地図、Wikipedia)