安善駅【神奈川県】(鶴見線本線、鶴見線大川支線。2020年訪問) | 『乗り鉄』中心ブログ(踏破編)

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今回の【駅】コーナーは、
神奈川県横浜市鶴見区東部の港湾地区に位置する鶴見線本線と大川支線の分岐駅で、旧・浜安善駅への貨物側線(構内側線)が分岐している駅、
安善駅 (あんぜんえき。Anzen Station) です。
 
 
駅名  
安善駅 (JI 06)  
 
所在地  
神奈川県横浜市鶴見区  
 
乗車可能路線  
JR東日本:鶴見線 (本線)大川支線  
 
隣の駅  
鶴見線本線  
鶴見方……浅野駅    
扇町方……武蔵白石駅   
  
鶴見線大川支線  
大川方……大川駅  
 
訪問・撮影時  
2020年11月  
 
 

 

安善駅は地平駅で、鶴見方(西)の北側(山側)に駅舎があります。
南側に駅舎や出入口はありません。南側から駅へアクセスする場合はすぐ西にある踏切を渡って北側へ回る必要があります。
旅客駅としての開業前年の1929年(昭和4年)に完成の古びた木造駅舎が今も使用されていますが、武蔵白石駅など他駅の例からして、遠からず改築される可能性があります。
駅舎へは段差無く入れますが(右側に段差なし部分あり)、構内踏切とホームの間には階段しかなく、安善駅はバリアフリー非対応です。の間に改札口の通路(屋根付き)がある構造です。車いすで安善駅をご利用の場合は事前にJR東日本へお問い合わせ下さい。
出入口前には飲料自動販売機があります。
尚、安善駅には駅前広場がありません。右側はJR東日本の巡回用などの自動車駐車スペースで、駐輪禁止ですが、駐輪している自転車が見受けられました、
バス停留所は駅西側を南北方向に延びる安善通り上に設けられています。
上写真は東を、下写真は南方向を望む。
 
 

駅前です。西方向を望む。左手に駅舎があります。
すぐ先が突き当たりで、左右方向に安善通り(横浜市道)が延びています。突き当たりの先は東芝ジーイー・タービンサービスの工場です。
左に踏切があり、駅南側へアクセスできます。
 
 

駅前です。北西を望む。右後方に駅舎があり、右手にバス停があります。
奥に延びる道路は安善通りで、後方に踏切があります。左手は東芝ジーイー・タービンサービスの工場です。
道路右側には下町の住宅街が形成されています。戸建住宅が多く、商店も点在しています。
約300m北には神奈川県立東部総合職業技術校(愛称:かなテクカレッジ)があります。
そして安善通りを330mほど北西を進むと産業道路(高架部を首都高速神奈川1号横羽線が並走)に出ます。
 
 

駅前です。南東を望む。左前方に駅舎があり、後方にバス停があります。
奥に延びる道路は安善通りで、前方に踏切があります。踏切を渡って左手にはJR貨物の安善駅舎があります。
踏切の先の駅南側は臨港部の工業地帯が広がっています。民家は少ないです(ゼロではありません)。
安善通りをしばらく進むと左側に安善駅構内側線(貨物線。旧・浜安善支線)が並走するようになります。運河を渡って人工島に入ると安善駅から1kmほどで旧・浜安善駅に到達します(現在は旧浜安善駅も安善駅構内扱いです)。最近まで古びた木造駅舎が残っていましたが、解体されています。
 
 

改札口です。出入口より南方向を望む。
安善駅は無人駅で、インターホンは未設置です。
磁気券用の自動改札機は存在せず、交通系ICカード『Suica』などに対応の簡易Suica改札機が設置されています。平日朝に通勤客が殺到するため、入場用が1台のみなのに対し、出場用は2台あります。点字ブロックはありますが、車いすも通行可能な幅です。入場用簡易改札機の裏にはきっぷ回収箱があります。
改札口の左手前には自動券売機(ICカードのチャージ可能)と乗車駅証明書発行機があります。長距離きっぷが必要な場合や自動券売機が稼働していない場合(その結果、ICカードにチャージできない場合を含む)は乗車駅証明書を受け取り、乗車列車の車掌または途中駅・下車駅にて証明書を提示の上できっぷをお買い求め下さい。尚、自動券売機は2022年3月1日をもって営業を終了し、撤去されたため、ICカード残高不足の場合も乗車駅証明書を取得した上で精算をして下さい。  
また、写真右の壁面にはAEDがあります。
ちなみに、安善駅にトイレ・多機能トイレはありませんのでご注意下さい。
尚、安善駅構内および駅前に売店・コンビニはありません。
最寄りのコンビニは約500m北の「ファミリーマート」、および約500m北西の「セブンイレブン」になります。
 
 

そして、改札を通ると構内踏切に差し掛かります。遮断機・警報音付きですが、目に見える警報機はありません。
構内踏切を渡って左の階段を登るとホームに到達します。点字ブロックはありますが、スロープがありませんのでバリアフリー非対応です。
 
 

1番線ホームにある吊下式駅名標です。非電照式です。
JR東日本の標準デザインで、矢印の中央には鶴見線のラインカラーである黄色が表示されています。
安善駅が大川支線の分岐駅であるため、扇町方の矢印は武蔵白石駅と大川駅の二手に分かれています。
駅ナンバリングも併記されています (JI 06)。
尚、安善駅は特定都区市内制度における横浜市内駅として扱われているため、右上に「浜」マークがあります。
本線の武蔵白石駅以東および大川支線の大川駅は川崎市内にある駅ですが、特定都区市内制度における横浜市内駅として安善駅以西と同様に扱われています。鶴見線を一括にして運賃計算の合理化を図りたかったのでしょう。
また、浜川崎・扇町方面から大川駅へ向かわれる際は安善駅にて乗換になりますが、前述の経緯から現在は武蔵白石駅で乗換できないため、武蔵白石~安善の区間外乗車が認められています。その場合、ルール上は安善駅で駅の外に出ることはできませんが、安善駅は無人駅で、ゲート付きの自動改札機が存在しないため、事実上途中下車が可能です。
 
そして、安善駅の「安善」は、安田財閥の創始者で、付近の埋立や開発を行った安田善次郎の名前から取られています。
安善駅の旅客駅は1926年に貨物線の「安善町駅」が開業、4年後の1930年に旅客駅の「安善通駅」が開業し、1943年の国有化時に両駅を併合して「安善駅」としました。
 
 

 

安善駅は島式ホーム1面2線の地平構造で、西南西~東北東方向にホームが延びています。
大川支線との分岐駅の割にコンパクトな構造ですが、つい最近まで大川支線との分岐駅が武蔵白石駅だったからです。
左(北)は1番線で本線下り浜川崎・扇町方面および大川支線下り大川方面、右(南)は2番線で本線・大川支線とも上り鶴見方面です。大川支線の列車は全て鶴見駅発着です。ちなみに海芝浦方面は浅野駅で乗換です。
ホーム有効長は3両分で(ギリギリ4両分あるかも)、ホームドアはありません。ホーム幅はご覧の通り狭いです。
上屋は鶴見方約2両分に設置されています。雨天時に当駅で下車される場合は鶴見寄りの2両にご乗車になって下さい。ちなみに鶴見線の運用車両は全て3両編成です。
ホームにはベンチと時計がありますが、時計はJR東日本の方針により撤去されている可能性があります。
そしてホームの鶴見方の端(下写真後方)には階段と構内踏切があり、その左側(北。1番線側)には駅舎・改札口があります。
上写真は構内踏切より、下写真は2番線より、いずれも扇町方を望む。
 
 

こちらは2番線より鶴見方を望む。右が1番線、左が2番線です。
2番線の左(南)には貨物側線と操車場があり、左後方の扇町方で行き止まりになっています。鶴見方、扇町方の双方から入線が可能ですが、扇町方からは1回、鶴見方からは2回、スイッチバックが必要です。
そして操車場左側からは構内側線(旧・浜安善支線)が左(南)へ分岐しています。
 
 

また、ホームからは操車場南側にあるJR貨物の安善駅舎を見ることができます。
安善駅は旅客駅と貨物駅が併設されていますが、実は貨物駅の歴史の方が長いです(1926年開業。旅客駅は1930年開業)。
駅舎と左手にあるプレハブの事務所棟の裏手を、浜安善へ向かう構内側線が通っています。
 
 

2番線より本線・鶴見方を望む。ホーム端に階段と構内踏切があり、右手に駅舎・改札口があります。
また、すぐ先に安善通りとの踏切があります。
この先、左側を通る単線の貨物側線との三線区間で工業地帯の中を西南西へ走り、運河を渡って左から海芝浦支線が接近すると浅野駅へと至ります。海芝浦支線との乗換駅です。
 
 

2番線より本線・鶴見方、大川支線・大川方を望む。
大川支線の電車は武蔵白石駅の手前まで本線上を走行します。また、右手には3本の貨物側線が前方へ延びていて、鶴見線と並走します。貨物側線の右手には操車場があります。
 
本線はこの先、貨物側線と並行して、右手に操車場を、左手に住宅街を見て東北東へ走ります。そして操車場が途切れると貨物側線が次第に収束し、運河を渡ると川崎市川崎区に変わります。その後は貨物側線が1線になって三線区間へと変わりますが、その直後に大川支線の線路が右へ分岐すると武蔵白石駅へと至ります。かつては大川支線にもホームがありましたが、前述の理由でホームが撤去され、乗換駅が安善駅に変更されています。
 
一方、大川支線はこの先、運河の辺りまで本線状を走ると右へ分岐して武蔵白石駅手前で本線と分かれ、左に本線のホームを見ながら武蔵白石駅を通過します。その武蔵白石駅構内では急カーブを切りますが、かつてはここにホームがありました。その後。、武蔵白石駅を過ぎると針路を南南東に変え、工業地帯の中を走ります。そして運河を渡って埋立地に入ると終点の大川駅へと至ります。
 
 
あとがき  
私が安善駅で下車(乗車)したのは2020年の1度きりです。それ以前に大川支線を乗り鉄した際は、全て鶴見方との直通利用で、安善駅で下車しませんでした。東京都の全駅を訪問する目的の一環とは別に、都内に近い駅なので下車(乗車)しました。1面2線の駅で、大川支線との分岐駅とは思えない構造ですが、かつては武蔵白石駅が分岐駅だったのを、やむを得ず安善駅に変更したため仕方ありません。また、構内には貨物側線が複数あり広かったです。駅前は工業地帯ですが、北東側にかけては住宅街も形成されています。
  
新宿駅からですと湘南新宿ラインまたは相鉄・JR直通線で武蔵小杉駅まで行き、南武線上りの各駅停車・川崎行きに乗り換えて尻手駅で下車します。尻手駅では南武支線の浜川崎行きに乗り換えて終点の浜川崎駅で下車、さらに鶴見線の鶴見方面に乗り換えて当駅下車です。南武支線から鶴見線に乗り換える際は、簡易Suica改札機に『Suica』をタッチしないで下さい。尚、浜川崎駅には自動券売機があり、ICカードのチャージが可能です。そして、南武支線、鶴見線とも平日昼間と土休日の列車本数が非常に少ないので事前に時刻を確認しておいて下さい。あるいは新宿から山手線内回り~品川駅から京浜東北線南行~鶴見駅から鶴見線下りのルートでも到達できます。やはり平日昼間と土休日は鶴見線の本数が少ないため注意が必要です。余裕で日帰り訪問可能です。
一方、大阪からですと東海道新幹線に乗り新横浜駅へ。横浜線上り電車(快速もOK)で東神奈川駅まで行き、さらに京浜東北線北行に乗り換えて鶴見駅で下車します。鶴見駅では鶴見線ホームへ移動し、武蔵白石行き、浜川崎行き、扇町行き、大川行き電車に乗って当駅下車です(他の行先の電車には乗らないで下さい。大川行きは少ないです)。じゅうぶん日帰り訪問可能です。
 
食料・飲料について、駅前にコンビニ、気軽に入れる商店・飲食店はありません(飲食店自体はあります)。最寄りのコンビニは約500m北の「ファミリーマート」、約500m北西の「セブンイレブン」になります。事前に用意しておいた方が無難です。
 
大阪からの到達難易度もそう高くありません。鶴見線本線および鶴見線大川支線を乗り鉄の際は、ぜひ一度は安善駅でも途中下車されてみて下さい!  
 
(参考:JR東日本のHP、配線略図.net、Google地図、Wikipedia)