飛鳥山停留場 (飛鳥山駅)【東京都】(都電荒川線。2019年訪問) | 『乗り鉄』中心ブログ(踏破編)

『乗り鉄』中心ブログ(踏破編)

当ブログでは、私の鉄道乗りつぶしの過程や、最近の乗り鉄のレポート等を中心に紹介いたします。


今回の【駅】コーナーは、
東京都北区南部の、飛鳥山公園西側の住宅街に位置する路面電車・都電荒川線【愛称:東京さくらトラム】の電停・駅、
飛鳥山停留場 (あすかやまていりゅうじょう。Asukayama Station) です。
 
 
電停名 (駅名)
飛鳥山停留場 (SA 17)
(※) 記事内では「飛鳥山駅」「飛鳥山電停」と表記する場合があります。
 
所在地
東京都北区
 
乗車可能路線
東京都交通局:都電荒川線【愛称:東京さくらトラム】
 
隣の停留場 (電停・駅)
三ノ輪橋方……王子駅前停留場
早稲田方………滝野川一丁目停留場
 
訪問・撮影時
2019年11月
 
 

三ノ輪橋方にある北側出入口です。南南西(早稲田方)を望む。
飛鳥山駅は専用軌道区間上に、北北東~南南西方向にホームが設けられています。
北側出入口は千代田区神田橋と飛鳥山を結ぶ本郷通り(都道455号線)の西側歩道に面して設置されていて、ホームまでの通路は緩やかなスロープ状になっており、段差はありません。
左(東)が早稲田方面ホーム、右(西)が三ノ輪橋方面ホームです。
ちなみに、手前の本郷通り歩道の都電を渡る箇所には踏切がありません。しかも歩行者用の信号がありませんので要注意です。
ここから王子駅前駅(手前側)にかけて都電は道路の中央を走る併用軌道区間になります。この箇所に自動車用の信号は存在します。
尚、飛鳥山駅に駅舎・改札口はなく、当停留場への出入りは自由ですが、電停内にトイレはありません。ご注意下さい。
そして駅前広場も存在しません。駅南側(写真左外)の本郷通り沿いにバス停留所が設けられています。
 
 

北側出入口前より北を望む。都電はここから王子駅前駅の手前まで併用軌道区間となります。
手前からすぐ先の信号までが本郷通りで、交差点の左~前方が明治通りです。
都電の電車は三ノ輪橋方面行きが併用軌道区間に入る手前、早稲田方面行きが交差点前(写真奥)で信号待ち停車する場面が多く見られます。この交差点から併用軌道区間を経由して王子駅前駅手前の専用軌道区間に入る信号までの間は信号待ちや軌道敷に進入する自動車の影響で特に時間を要し、ダイヤ上のネックとなっています。そのため、王子駅前駅(三ノ輪橋方面)と西ケ原四丁目駅(早稲田方面)で時間調整が行われ、遅れの少ない電車ほどこれらの駅での停車時間が長くなります。
 
本郷通りや明治通りの東側一帯(右)は飛鳥山公園になっています。飛鳥山駅周辺は台地上に位置するため、公園との高低差は少ないですが、王子駅から見ると文字通り山の上にある公園となっています。公園の前(写真右)にある家屋のような建物は交番です。
また、本郷通りや明治通りの西側(左)はビルやマンションが立ち並んでいますが、商店は少ないです。
駅の北側一帯は住宅街になっています。北区役所も徒歩圏内です(約400m北)。
そして約200m西には日本醸造協会会館があり、その西側には明治時代に建設された旧大蔵省醸造試験所第一工場があり、今も煉瓦造りの建物が残る赤レンガ酒造工場(酒類総合研究所東京事務所)と、醸造試験所跡地公園で構成されています。
 
 

北側出入口前より南を望む。
右後方には北側出入口があり、後方から右後方にかけて都電が併用軌道区間から専用軌道区間へと入っていきます。
中央の道路は本郷通りで、東側(左側)一帯は飛鳥山公園です。本郷通りを約650m進むと東京メトロ南北線の西ケ原駅や国立印刷局滝野川工場があり、さらに600mほど先には旧古河庭園があります。
また、本郷通りの西側にはビルやマンションが並んでいますが、やはり商店は少な目です。
駅の南側一帯も住宅街で、一戸建て住宅の割合が高いです。
 
 

こちらは早稲田方にある南側出入口です。北北東(三ノ輪橋方)を望む。
南側出入口は駅南側を東西に通る道路に面して設置されていて、こちらもホームまでの通路は緩やかなスロープ状になっており、段差はありません。また、ホームを通って北側(飛鳥山公園方面)へと抜けられます。
左(西)が三ノ輪橋方面ホーム、右(東)が早稲田方面ホームです。
 
 

南側出入口前より西を望む。踏切の右にホームがあります。
奥へ伸びる道路は「競争横町商店会通り」と呼ばれていますが、沿道に商店は少ないです。約100m先で明治通りに出ます。
周辺は住宅街が広がっています。右手にあるコインパーキングの向こう側には本智院(寺院。滝野川不動尊)があり、商店会通りに面して身代地蔵尊が鎮座しています。
 
 

南側出入口前より東を望む。踏切の左にホームがあります。
こちらも「競争横町商店会通り」が東へ伸びており、約70m先で本郷通りに出ます。
沿道に商店は少なく、住宅街が広がっています。
 
 

早稲田方面ホームの駅名標です。
時刻表、路線図、周辺地図、運賃表と一体になっています。
ちなみに現在の都電の運賃は一律大人170円 (IC 168円) 、小人80円 (IC 84円) です。
路線図の部分には「都電荒川線」より「東京さくらトラム」の方が先に書かれています。
また、駅ナンバリングも併記されています (SA 17)。
ナンバリングの英文字も「東京さくらトラム」の「さ (SA)」となっています。
ちなみに都電荒川線で駅ナンバリングが導入されたのは2017年と、都内の路線では相当遅い方です。
そして、「東京さくらトラム」の愛称は浸透しているのでしょうか? 
 
 

飛鳥山駅は相対式ホーム2面2線の構造で、北北東~南南西方向にホームが設置されています。
他の多くの駅とは違い千鳥配置ではありません。
右(東)が早稲田方面ホーム、左(西)が三ノ輪橋方面ホームです。ちなみに番線は設定されていません。
各ホームともかつて主要駅だった関係で有効長は3両分ありますが、実際に使用されているのは中ほどの1両分で、両端の部分は柵が設置されて電車の停車はできるものの客扱いは不可能です。ホーム幅は狭く、扉部分を除きホームには転落防止用の柵が設置されています。
上屋は各ホームとも電車が停車する部分の1両分のみ設置されていて、両側やスロープ部など出入口には屋根がありませんので要注意です。
各ホームにはベンチがあり、ホームまたは出入口とを結ぶ通路上には飲料自動販売機が設置されています。
後方(早稲田方)には南側出入口が、前方(三ノ輪橋方)には北側出入口があり、いずれも段差がなくスロープになっているので車いすで飛鳥山駅ホームを通り抜ける事も可能です。
写真は早稲田方面ホーム南側より三ノ輪橋方(北)を望む。
 
 

三ノ輪橋方を望む。
この先、すぐに本郷通りに出て左へ曲がり、通りの中央部を走る併用軌道区間になります。併用軌道区間は軌道敷に自動車が進入可能なので道路渋滞により電車が思うように進めない状態が多々見られます。その後すぐに明治通りへと入り、右手に飛鳥山公園を見て北西へ進みますが、音無橋交差点を右へカーブしながら進むと右手にスロープカー「あすかパークレール」や飛鳥山公園を見て急な下り勾配になり、北東へ進みます。そして坂を下りきるとJR東北本線(京浜東北線・王子駅など)をくぐり、すぐに右へ曲がって針路を南東へ変え、東北新幹線の高架下沿いに位置する主要駅・王子駅前駅へと至ります。
 
尚、飛鳥山駅では1971年3月18日まで当駅から本郷通りを南下して千代田区の万世橋へと至る19系統(飛鳥山線)が運行されていました。飛鳥山線の飛鳥山駅は本郷通り上にホーム(または停車帯)があったと思われます。現在の都電荒川線と旧・飛鳥山線の線路は写真の左カーブの先で接続していたと思われます。19系統が飛鳥山駅で駒込方面へ折り返していたのか王子駅前方面へ直通していたのか定かではありませんが、その関係で現・都電荒川線の飛鳥山駅構内には早稲田方面への折り返しが可能なように(?)渡り線が存在していたようです。
 
 

早稲田方を望む。遠方に見えるタワーマンションは3駅先の新庚申塚駅前にあります。
この先、住宅街の中を一直線に南南西へ走り、右手にある桜丘中学校・高等学校の脇を走るとほどなくして滝野川一丁目駅へと至ります。
飛鳥山駅と滝野川一丁目駅の距離は約400mと近く、肉眼で滝野川一丁目駅のホームを確認できます。
 
 
あとがき
私が飛鳥山電停で下車(乗車)したのは2019年の1度きりです。実現できるかどうかは未知数ですが東京都の全駅を訪問する目的の一環で下車しました。駅周辺の道路(明治通り、本郷通)は交通量が多く落ち着きがありませんが、飛鳥山駅はその喧騒をよそに静かな雰囲気を醸し出していて、都会の中のローカル駅といった感じでした。
 
新宿駅からですと山手線外回り(池袋方面)に乗車して大塚駅で下車。駅前に発着する都電荒川線の三ノ輪橋行きor荒川車庫前行きに乗車して当電停下車です。余裕で日帰り訪問可能です。
一方、大阪からですと東海道新幹線に乗り東京駅へ。京浜東北線北行(大宮方面)に乗り換えて王子駅まで行き、さらに駅前に発着する都電荒川線の早稲田行きに乗車して当停留場下車です。じゅうぶん日帰り訪問可能です。
 
食料・飲料について、意外にも駅前にコンビニは存在せず、最寄りのコンビニ(明治通り沿いのセブンイレブン)でも西へ約350m離れています。スーパー、気軽に入れる商店・飲食店も駅前には一切ありません。また、多数の飲食店がある王子駅(JR線北口東側)前まで約500m、下り坂なので徒歩8分ほどでたどり着きます(都電で1駅です)。駅に滞在される場合は必ず事前に用意して下さい。
 
大阪からの到達難易度もさほど高くありません。都電荒川線を乗り鉄される際は、ぜひ一度は飛鳥山電停でも途中下車されてみて下さい!
 
(参考:東京都交通局のHP、Google地図、Wikipedia)