箱根登山鉄道線(その2・箱根湯本~強羅【箱根登山電車】) | 『乗り鉄』中心ブログ(踏破編)

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箱根湯本駅にて。2000系電車(サンモリッツ号)です。

  

今回は小田原から箱根へ登る箱根登山鉄道線の路線のうち、本格的な登山電車区間である、
箱根湯本~強羅を紹介します。

  

今回紹介の区間では、狭軌の小田急からの乗り入れ列車は入線できず、標準軌対応で特殊な仕様の登山電車のみの運用になっています。

  

尚、今回は駅間の風景の車窓がほとんどなく、駅部の写真のみですが、ご了承願います。

  
  

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(Yahoo!地図を使用)  

  

  

路線名   区間   営業キロ  備考  
箱根登山鉄道:鉄道線  小田原~強羅  15.0km   箱根湯本を境に系統が分割されています  
  
  
今回紹介の区間  
路線名   区間   営業キロ  備考  
鉄道線【箱根登山線】  箱根湯本~強羅  8.9km   全線単線。直流750V電化  
(軌間1,435mm)     

  

  

踏破達成時・撮影時   2007年12月  
撮影時   2007年12月ほか  

  

  

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箱根湯本駅にて。小田原方面の【平坦線】へは乗換が必要です。
【平坦線】の電車はすべて小田急の車両による運行で、特急『ロマンスカー』も乗り入れてきます。
かつては登山電車も小田原まで運行されていましたが、2006年に全廃されてました。
名物の三線軌条もほとんどが撤去され、今では車庫のある入生田までが三線軌条で残っています。
また、登山電車区間の架線電圧は750Vで、【平坦線】区間の1500Vとは異なります。
しかし、入生田検車区は【平坦線】部分にあるので、登山電車の車両はすべて両方の架線電圧に対応可能な複電圧車となっています。

  

箱根湯本(標高108m→96m。以下、数値のみを掲載)を発車すると、箱根湯本駅舎の裏手を通り、早くも80‰の急勾配で山を登ります。左手には箱根湯本温泉街を見渡せます。そしてカーブしながら登って行くと、まずは短いトンネルを抜け、その後にやや長いトンネルを2本くぐります。そして2本目のトンネルを出るとすぐに塔ノ沢(165m→153m)に着きます。

  
  

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塔ノ沢駅にて。両側のトンネルに挟まれた狭いスペースに駅があります。

  

塔ノ沢を発車するとすぐにトンネルへと入ります。そしてトンネルを2本抜けると早川と国道1号線を鉄橋で渡ります(早川橋梁。通称:出山の鉄橋)。早川橋梁を渡り終えると左へ約180度カーブしながら2つのトンネルをくぐり、やがて強羅から下ってきた線路が右から合流して、1つ目のスイッチバックとなる出山信号場(234m→222m)に着きます。ここは駅ではなく、乗降はできません。

  
  

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出山信号場にて。行き違い待ちをしているのは旧型のモハ1形電車です。

  

出山信号場を発車すると箱根湯本方面へ下る線路と分かれ、カーブしながらトンネルを2つくぐり、その後は森の中を走ってさらに山を登ります。しばらく走るともう1本トンネルを抜け、蛇行しながらさらに勾配を登ると強羅から下ってきた線路が左から合流し、2つ目のスイッチバックとなる大平台(349m→337m)に到着します。今回は駅なので乗降が可能ですw

  
  

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大平台駅にて。右は強羅方面へ向かう線路、左は箱根湯本方面へ向かう線路です。

  

大平台を発車すると箱根湯本方面へ下る線路が分かれ、大平台温泉街の裏手を登って行きます。やがて強羅から下ってきた線路が右から合流して、最終3つ目のスイッチバックとなる上大平台信号場(359m→346m)に着きます。こちらも出山信号場と同じく乗降は不可能です。

  
  

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上大平台信号場にて。山の中にあります。
右側は強羅方面へ登る線路です。

  

上大平台信号場を発車後は箱根湯本方面へ下る線路と分かれ、再び大平台温泉街の裏手を進むと大平台トンネルに入ります。トンネルを出て80‰の急勾配を登ると、仙人台信号場(410m→398m)に着きます。その後は国道1号線と並走し、蛇行しながら断崖を登り続け、宮ノ下(448m→436m)に着きます。当駅からは宮ノ下温泉のほか、私設のケーブルカーやロープウェイで旅館へアクセスする堂ヶ島温泉もあります。

  

宮ノ下を発車すると右手に宮ノ下の集落や温泉街を見ながら走り、その後は右へ左へ大きくカーブして、箱根駅伝開催時には電車を止めることで有名な小涌谷踏切を通過すると小涌谷(こわきだに。535m→523m)に到着します。

  
  

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小涌谷駅にて。駅周辺には小涌谷(こわくだに)温泉や、「ワシントンホテル」の約半数の店舗を運営している藤田観光が運営する箱根小涌園があります。

  

小涌谷を発車すると蛇行しながら小さな川を渡り、ようやく(?)平坦な場所を走るようになります。そして、箱根 彫刻の森美術館を見ながら走ると彫刻の森(551m→539m)に着きます。
左へカーブしながら彫刻の森を発車すると、今度は右へ急カーブして須沢を渡ります。そして温泉街をしばらく北上すると、ほどなくして終点の強羅(553m→541m)に到着します。

  
  

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強羅駅はホーム2面2線の構造で、右側に留置線が分岐しています。
手前の切り欠き部が1番線ホーム、奥が2番線ホームですが、駅舎が1番線ホームの終端部すぐの所にある関係で1番線と2番線を改札内で行き来することができません。この構造は、かつて1番線を降車ホーム、2番線を乗車ホームとして使い分けていた名残かもしれません(現在はどちらのホームも発車・到着の両方で使用しています)

  
  

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強羅駅は標高541mで、神奈川県にある普通鉄道の駅の中では最も高いところにあります。
早雲山や大涌谷・芦ノ湖方面へは、強羅駅で接続している鋼索線【箱根登山ケーブルカー】に乗換です。
また、駅周辺には強羅温泉があり、また付近には別荘も多いです。

  

  

乗り鉄の注意点  

今回の区間は、すべて各駅停車のみの運転で、また運転区間も全列車、箱根湯本~強羅を通しで運転します。
列車は早朝と夜間を除き毎時4本の運転で、箱根湯本では新宿とを結ぶ小田急の特急『ロマンスカー』や、小田原~箱根湯本間の【平坦線】電車(すべて小田急車両による運用)と短い乗り換え時間で連絡しています。

  

車両は新旧様々の各形式が使用され、セミクロスシート車とロングシート車が区別なく運用されています。

  

箱根湯本~強羅の所要時間は概ね40分前後で、登山電車ゆえに勾配やカーブがきつく、途中にスイッチバックが3か所存在していることから、速度は上がりません。箱根駅伝のランナーより遅いかもしれないです…。

  

  

のりかえ  

乗換駅   乗換路線
箱根湯本駅   箱根登山鉄道:鉄道線【平坦線】 (小田原、小田急線方面)  
強羅駅   箱根登山鉄道:鋼索線【箱根登山ケーブルカー】 (箱根ロープウェイ方面)  
  
(参考:Wikipedia)