西武鉄道『西武秩父線』(埼玉県。2010年訪問) | 『乗り鉄』中心ブログ(踏破編)

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西武秩父駅にて。2扉セミクロスシートの4000系電車です。

  

今回は、西武鉄道の路線の内、埼玉県飯能市の吾野(あがの)駅から秩父市の西武秩父(せいぶちちぶ)駅へ至る山岳路線で、これからの時期は美しい紅葉を楽しめる路線でもある
西武秩父線を紹介します。

  

ちなみに西武秩父線の開業は秩父への観光輸送、将来の軽井沢延長をにらんだ目的よりも、秩父で採れる
石灰石の貨物輸送が目的だったようですね。開業後は貨物列車も運転されていましたが、現在では貨物輸送は廃止されています。

  

なお、今回の路線の正式名称は『西武秩父線』で、西武が路線名に含まれています。
また、西武秩父線の区間は吾野~西武秩父間で、飯能~西武秩父ではありません。
2点とも間違えやすいので、ご注意を。

  
  

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(Yahoo!地図を使用)  

  

  

路線名   区間   営業キロ  備考  
西武鉄道:西武秩父線  吾野~西武秩父  19.0km   全線単線。直流1,500V電化  
(※)軌間1,067mm。        

  

  

踏破達成時   2005年12月  
撮影時   2010年3月  

  

  

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吾野駅にて。島式ホーム1面2線で、山の中にある閑散とした雰囲気の駅です。
池袋線との境界駅ですが、実質的に中間駅となっています。
写真の特急(レッドアロー)は当駅には停車しません。

  

吾野(あがの)を発車すると、引き続き荒川の支流である高麗川の谷を国道299号線と並走しながら北西へさかのぼって行きます。高麗川を5度渡り、トンネルを4つ抜けると高麗川と離れ支流の北川沿いを走り西吾野(にしあがの)に着きます。

  
  

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西吾野を発車後も北川に沿って山間部を走りますが、やがてやや長いトンネルを抜けると再び高麗川沿いに出て正丸(しょうまる)に到着します。

  

正丸を発車するとすぐに全長4,811mの正丸トンネルへと入ります。このトンネルは開業当時、日本の私鉄で最長の山岳トンネルでしたが、後に近鉄大阪線の新青山トンネルに1位の座を明け渡しました。
そしてトンネルの途中で埼玉県飯能市から横瀬町へと変わり、トンネル内にある正丸トンネル信号場へと差し掛かります。信号場を過ぎてしばらくするとトンネルを出て、こちらも荒川の支流である横瀬川の谷を下り、芦ヶ久保(あしがくぼ)に到着します。

  
  

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芦ヶ久保駅にて。山間部にあり、ひっそりとした雰囲気の駅です。
かつては特急停車駅でしたが、利用客が少ないのか現在はゴールデンウィークや夏休みなどを除き全列車通過しています。

  

芦ヶ久保を発車すると引き続き山間部を走りますが、やがて山間部から出て丘陵地へと移り、右手に三菱マテリアル横瀬工場を見ながら走ると左右に複数の側線が現れ、横瀬(よこぜ)に着きます。

  

横瀬を発車後は右手に田園を見ながら走りますが、やがて左へカーブして丘陵地の中へと入り、秩父市へと変わります。そして羊山公園の下を通るトンネルへ入ると今度は右カーブし、そのトンネルを抜けて平地へ出ても右カーブが続き、高架線で市街地を走ります。

  
  

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横瀬~西武秩父にて。秩父の市街地を望みながら高架線を走ります。

  

そして国道140号線をオーバーパスすると左側を走る秩父鉄道秩父本線に寄り添い、秩父鉄道線の三峰口・影森方からの連絡線が合流します。

  
  

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そして同時に秩父鉄道線の御花畑・秩父・長瀞・寄居・羽生方への連絡線が分岐し勾配を下るのを見ると、ほどなくして終点の西武秩父に到着します。

  
  

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西武秩父駅は島式ホームと単式ホームが1面ずつ、計2面3線を持つ終着駅です。
特急車両のニューレッドアロー・10000系が停車しているのは特急『ちちぶ』専用で駅舎に面した単式1番線です。
各駅停車と快速急行は島式ホームである2、3番線より発着します。

  
  

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西武秩父駅にて終端部を望む。左側には秩父鉄道秩父本線の線路が見え、御花畑駅もわずかに見えます。
島式ホームと単式ホームは通路で繋がっていますが、車椅子専用のバリアフリー設備であり、一般客は通ることができません。

  

また、西武秩父駅が頭端式ではなく中間駅の構造になっているのは、建設当初には西武グループが開発した観光地である軽井沢(長野県)までの延伸構想があり、その名残です。長野新幹線で東京から軽井沢まで最速63分でアクセスできる現状では、延伸の可能性は皆無に等しいかと思います。

  
  

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西武秩父駅は立派な駅舎と駅前広場を持っています。
駅舎内には秩父の名産品を扱う店舗などが並ぶ「西武秩父仲見世通り」があり、多くの観光客で賑わっています。

  

また、秩父鉄道の御花畑駅へは北へ徒歩5分で、前述の「西武秩父仲見世通り」を経由してアクセスできます。

  

  
乗り鉄の注意点   

西武秩父線では特急(レッドアロー)の『ちちぶ』(池袋~西武秩父。土休日の下り1本のみ所沢→西武秩父)が概ね毎時1本運転されていますが、特急料金が必要です。
また、各駅停車と池袋直通の快速急行(一部。飯能以西各駅停車)が池袋線の飯能~西武秩父間で運転されていて、この池袋線と一体となった系統ゆえに飯能~吾野間も西武秩父線であると誤解されやすいです。各駅停車は概ね毎時2本の運転で、平日朝ラッシュ時は増発されます。
さらに、平日は各駅停車2往復が、土休日は快速急行2往復が、秩父鉄道の長瀞と三峰口まで乗り入れています。なお、三峰口直通列車は西武秩父駅を経由して秩父鉄道と直通運転しますが、長瀞系統は横瀬~秩父鉄道・御花畑駅の間にある連絡線を通り西武秩父駅を経由しないのでご注意下さい(御花畑駅も運賃計算上は西武秩父駅と同一扱い)。また、この秩父鉄道直通列車は、横瀬以東では4連2編成での併結運転となっていて、横瀬にて三峰口系統と長瀞系統の分割・併合作業が実施されています。

  

使用車両は、特急『ちちぶ』が10000系7連(車両愛称:ニューレッドアロー)で、各停と快速急行は4000系電車を主体に一部は新2000系や20000系といった通勤形車両が使用されています。

  

吾野(特急は通過)~西武秩父の各停での所要時間は30分前後ですが、単線ゆえに途中駅での行き違いや待避があり、時間にばらつきがあります。

  

  
のりかえ   

乗換駅   乗換路線  
吾野駅   西武鉄道:池袋線(直通運転)  
横瀬駅   秩父鉄道:秩父本線・羽生方への連絡線  
西武秩父駅   秩父鉄道:秩父本線 (御花畑駅まで徒歩5分)  
西武秩父駅   秩父鉄道:秩父本線・三峰口方への連絡線  
  
(参考:Wikipedia)