【肩甲骨は寄る、けれども寄せない】 | 高橋龍三オフィシャルブログ Powered by Ameba

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肩甲骨を寄せてみてください。
胸が張って、反ってきますよね。
 
さらに、もっともっと反ってみてください。
首や腰が辛くなる方がいるかと思います。
 
胸を反る(伸展させる)時、
・肩甲骨が寄る。
・肩甲骨を寄せる。
この2つは似ているようですが、身体の使い方は大きく変わります。
 
なぜなら、身体を固めながら動かしているからです。
 
わかりにくく感じる人もいると思うので、じっくりいっしょに考えてみましょう。
今回は2つの視点から見ていきます。
 
(1)[筋収縮の観点]
 
まず、筋収縮の観点から見てみると、肩甲骨を寄せる動作では菱形筋と僧帽筋中部繊維が関係します。
これらは肩甲骨から胸椎に付着し、この筋肉が収縮し緊張すると、胸椎は筋肉によって固定されます。
 
肩甲骨を寄せると、胸郭前方が開きながら胸椎の伸展動作を行いますが、胸椎の動きだけはある程度確保されます。
しかし、上下の頚椎や腰椎といった脊柱全体の連動性はなくなるため、脊柱を伸展し続けると胸椎の負担を首や腰で補うことで辛くなります。
 
 
(2)[筋連鎖の観点]
 
次に、筋連鎖の観点から見ると、僧帽筋中部繊維は肩甲骨を介して僧帽筋上部繊維・三角筋に筋連結します。その結果、肩関節が挙上された状態になり、肩首が凝りやすくなります。
 
実際、多くのヨガユーザーで、肩甲骨を寄せる指導を受けている方は、肩がすくんだ姿勢になり、伸展動作の時は首を中心に動かしています。
 
 
このように、肩甲骨を寄せて身体を動かすことは、怪我やパフォーマンスの低下につながります。
 
しかし、肩甲骨が寄るシチュエーションは日常の中にもあると思います。
その時にどのように使えばいいのでしょうか?
 
 
[脇を効かせながら肩甲骨を動かす]
 
脇が効いた状態を解剖学的に言うと、前鋸筋が働いている状態です。
前鋸筋は肩甲骨から肋骨にかけて付着し、肩関節の運動を体幹と連動させて動かすことができます。
 
筋連鎖を見ても、前鋸筋・外腹斜筋・腹横筋・横隔膜・大腰筋といったように、体幹の主要となる筋肉と連動することで、身体が安定しつつ高い筋出力を出すことができます。
 
 
[前鋸筋を優位に収縮させるワーク]
1. 正座に座り、腕を床に降ろした状態から肘を90度に曲げる。
2. 曲げた肘を床に近づけるように肩を下げる。
3. 肩を下げたまま、腕を前方に伸ばす(前ならえの状態)。 *肩が挙がらないように注意する。
2、3を何度か繰り返す。
 
前鋸筋が優位に使えるようになると、体幹からの筋連鎖によって部分的な負担を逃しつつ、肩の動きを機能的に動かせるようになります。
 
ですので、肩(肩甲骨)を動かす際は、前鋸筋を常に優位に収縮させながら動かしましょう。
 
ぜひ、お友達にも教えてあげてください。
 
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