【頸椎疾患の評価を再考する】 | 高橋龍三オフィシャルブログ Powered by Ameba

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頸椎疾患の方の治療をやっても、全然治らないときってありますよね。
 
よくなって欲しいのに、なかなか治らないとき、患者さんに対して申し訳なく思ったり、自分に無力感を感じてしまいます。
 
頸椎疾患に限らず、症状が治らないときに評価の際に見落としがあったり、診断がずれていたときだと思います。
今回は頸椎疾患の治療法について、見落としがちな点をいっしょに確認してみましょう。
 
頸椎疾患の症状を診るとき、

・僧帽筋
・肩甲挙筋
・斜角筋
・板状筋
 
といった、筋肉に着眼すると思います。
 
実際に、上記筋肉のどこかが緊張すると連鎖して全体が緊張してしまいます。
 
例えば、僧帽筋の緊張が高まると、肩甲骨が脊椎に引き寄せられて、挙がってしまいます。
それによって、肩甲挙筋と菱形筋が短縮位で活動しやすくなり、同時に緊張が高まります。
菱形筋と筋連結する板状筋の緊張も同時に高まります。
 
先に板状筋や、菱形筋、肩甲挙筋が緊張することで、同様に上記筋肉は連鎖して緊張していきます。
これらの筋肉のどれかにアプローチすると、一発で治るときもありますが、なかなか症状が改善されないケースが多いです。
 
症状を引き起こす骨格の評価と調整ができていないと、筋肉だけを調整しても、なかなか一発では改善されません。
 
頸椎疾患に関係の深い肩甲骨の評価を見落としているかもしれません。

肩甲骨を脊柱から離れた位置に収めることができると、頸椎疾患を効率的に改善させることができます。
 
その際に働かせるべき筋肉は、

『前鋸筋』

です。
しかし、単純に前鋸筋を収縮させたり、前鋸筋の収縮をさせる運動療法を処方するだけでは、不十分です。
 
一時的に、脊柱から肩甲骨を引き離すことができても、前鋸筋単独の活動では、拮抗関係にある僧帽筋・菱形筋・肩甲挙筋の活動を抑えきることができず、首回りの筋緊張がすぐにぶり返してしまいます。
 
しかし、筋連鎖を利用することで、前鋸筋の活動をより強力に引き出すことができます。
そのために、以下の3つのワークを使ってみてください。
 
①股関節スクワット
動画:https://goo.gl/qCVHRj
 
②みぞおちのワーク
深呼吸をし、吐きながらみぞおちをギューっと押す。
次に、みぞおちの前後(へそから指4本上と胸椎12番)を触って、そこを前後・左右・回旋の動きをそれぞれ数回行う。
 
③前鋸筋を優位に働かせるワーク
「前に倣え」をし、肩が挙がらないように脇を軽く締めて、肩甲骨同士を大きく離すように手を奥に突き出して、戻す動きをする。これを10回ほど繰り返す。
 
これらのワークによって、筋連鎖を積極的に利用して、前鋸筋を働かせることができます。
 
まず、①股関節スクワットでは、大腰筋とハムストリングス、骨盤底筋群といった股関節周りの筋肉を優位に働かせられます。
 
次に、②みぞおちのワークでは、みぞおちの力みを取ることで大腰筋と横隔膜の筋連鎖を誘導し、その後、③前鋸筋を優位に働かせることで、腹斜筋との筋連鎖を誘導しました。
 
「股関節」「みぞおち」「脇」
 
これらのポイントに関する積極的に使いたい筋連鎖が
『大腰筋~横隔膜~腹横筋~腹斜筋~前鋸筋』です。
 
この筋連鎖を優位に働かせると、肩甲骨が脊柱に寄る力を打ち消す働きを作ることができます。
 
それによって、肩甲骨が脊柱から離れると、僧帽筋・菱形筋・肩甲挙筋が引き伸ばされます。
菱形筋の緊張が抜けると筋連結する板状筋も連鎖して緊張が抜けてきます。
 
以上のような状態が体幹を使うということではないでしょうか。
 
頸椎疾患の症状を改善させる際、首回りの筋肉の調整だけでなく、
その筋肉の状態を作る骨格(肩甲骨)の評価と調整をすることで、より効率的に症状を改善することができます。
 
ぜひ、お試しください。
 
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