泳ぐ写真家龍之介 -58ページ目

「修道院の食事」




その昔、目黒駅の近く、杉野ドレメ学園のとなりに、
ローマカトリック・ベネディクト会の修道院がありました。
ベネディクト会は、カトリック最古のイタリアの修道会ですが、
フランスのブルゴーニュやボルドー、シャンパーニュに修道院を設立、
ぶどう畑を開墾し、ワインの生産を始めた修道会としても有名です。
そう。
ワイン文化の母とも言われる修道会です。

有名なドン・ペリニョンもベネディクト会の修道士です。
今では、銀座の酒場などで、「ドン・ペリ」なんて軽々しく呼ばれていて、ちょっと気の毒ですが、
その価格を見ると、敬意が感じられないこともない?と思います。

話が横道に逸れましたが、ベネディクト会の修道院は通常、
僻地や山岳地帯にあります。
都会に建てられている例はありません。

なのに、なぜ目黒に?

と思って、古参の修道士にその理由を尋ねてみると、
修道院が建てられた昭和20年は、
東京は、空襲で、焼け野が原で、目黒は、人気のない寂しい丘陵地帯だったそうです。
だから修道院に最適だと思って建てたら、
あれよあれよと、大都会になって困ってしまったと説明してくれました。

ベネディクト会のモットーは「祈れ、働け」です。
記録によると、中世のベネディクト会の修道院では、
一日の農作業が終わると、ささやかな夕食と、ワイン500ccが支給されたとか。
このワイン500ccというのが魅力的で、修道士も悪くないな。と思っていた時期があります。

ある日、ポーランド人の修道士兼司祭が、私を、修道院の夕食に誘ってくれました。

修道士は日本人が一名だけで、他は、アメリカ人、ドイツ人、イタリア人、ポーランド人。
私は、本で読んだ、中世のベネディクト会の夕食に、今からごちそうになる夕食を重ね合わせ、
どんなパンがでてくるのだろう?メインは何だろうとイメージを膨らませました。

で、

修道院の食堂で夕食のメインに出てきたのは、
「焼きそば」(ノ゚ο゚)ノ。
多分、マルちゃんのソース焼きそば(生麺)だったと思います。
修道士の中で最も人気がある夕食が焼きそば。
週に何度か、外部から日本人のシスターが食事の準備にくると、
必ず、焼きそばがオーダーされるそうです。

修道士は、「こんなに美味しい料理はない!焼きそばサイコーデス」と、
少し興奮気味に語ってくれました。
しかし、
洋風の前菜がちゃんとあって、メインが焼きそば+ワイン、デザートがケーキという、
変則タッグマッチ的なディナーでした。
時代と場所が変われば、修道院の食事も変わるんですね。
本日、夕方、オリンピックを見ながら、焼きそば+ワインの夕食をとっていたら、
修道院の食事がフラッシュバックのように蘇りました。
目黒にあったベネディクト会修道院は、引っ越して、
現在、長野県の富士見にあります。
機会があったら、夕飯をごちそうになりたいと思っています。また焼きそばだったりして。

「本物の格闘家」

は、分裂症気味の人や変人が多いと
「明日のジョー」や「空手バカ一代」の原作者、梶原一騎は指摘していました。
私も、小学~35歳まで、格闘技人生を送ってきて、
根っからの格闘家を身近で見てきましたが、
私見として、バランスのとれた人格者に
強い格闘家はいないというのが正直な感想です。
強い格闘家は、みな変人でした。

男子柔道100kg超級で金メダルを取った
石井慧選手は、
他の日本人選手が負けて行くのを見てどう思ったのか?
との問いに。
「自分は、なんと幸せな人間なのだろう!と思った。」
と答えていました。
なぜ、そう思ったのか?との問いに、
「それだけ自分に注目が集まってくるからだ」
とあっけらかんと答えています。
尊敬する格闘家は?との問いに、
「朝青龍と亀田選手」という返事。

なんと私と波長が合うんだと、感動しました。

私は、こういう格闘家が大好きです。
久々に見る、本物の格闘家です。



「印税」

基本的に、わたしのようなカメラマンの場合、
まるごと1冊、書籍の仕事をした場合、
ギャラは、制作費(原稿料扱い)として支払われます。

しかし、その本が売れそうな場合、一応、
「印税支払いにできないの?」
と聞いてみる事にしています。

「ああ、いいよ。」とOKがでることがあるのです。

もし、印税扱いの場合、1500円の本が、
10万部売れたとして、
仮に印税が5%だったら、
750万円もらえることにになります。

しかし、売れない場合もあるので、
宝くじみたいなところがあります。

広告の場合も、作品として撮っておいた写真が
新聞広告に年間を通して使われる場合等、
印税支払いにしてもらうことがあります。
結構、それで、一年分の生活費が稼げたりすることもあります。

だから、印税の取れる本や広告を数本抱えていると、
それだけで、相当な稼ぎになり、仕事をせずに済みます。
そうなると、
売れっ子作家や、作曲家はちょろい商売だな~。
なんて、作家の苦労も知らずに、
羨んでしまいます。

しかし、

そういうおいしい話は、
こちらの意思とは関係なく、
忘れた頃にやってくるのです。
それは神様からのご褒美なのです。

だから、普段からまじめにこつこつと仕事を続けていくしかないと思います。
自分の仕事は、どこかで、誰かに、必ず、見られています。

みなさん。私から言うのもなんですが、
まじめに、誠実に仕事をしましょう。