泳ぐ写真家龍之介 -56ページ目

『冷暖人間』

よその国に行って、ホテルに滞在していると
深夜、早朝に目が覚めることがあって、
仕方ないから、テレビのスイッチを入れて、
ドラマを見たりします。
そうすると、
日本から輸入されたテレビドラマやアニメが放送されていて
びっくりすることがあります。
イタリアでは、「ど根性ガエル」をやっていました。
花の都フィレンツェで「ど根性ガエル」にお目にかかるとは思ってもいませんでした。

今回の北京オリンピックで、当地のホテルに滞在したジャーナリストが
やはり、夜、ホテルでテレビを観ていて、
ある日本のドラマが、大人気であることを知ったそうです。

その中国名のタイトルは、『冷暖人間』。
オリジナルの日本のタイトルは、『渡る世間は鬼ばかり』です。

人口も10倍以上、暖かい人間も10倍いれば、冷たい人間も10倍いるのでしょう。
日本以上に、悲喜交々な世知辛い社会に住んでいる悲哀が
「冷暖」という言葉に現れています。

しかし、さすが漢字と故事成語の国。
名タイトルだと思います。

「ブラックサンダー」

「ブラックサンダー」という、おどろおどろしいネーミングは、
どこか、兵器、例えば、ステルス戦闘機の時期最新機種をイメージさせそうですが、
これは、一個31円(税込)のお菓子だそうです。



以下毎日新聞から引用
「北京五輪・体操男子で二つの銀メダルに輝いた内村航平選手(19)が
好物というチョコ菓子「ブラックサンダー」が爆発的人気を呼び始めている。



内村選手はこのお菓子だ大好きだそうで、
それを聞いた、製造会社が、大量に寄贈したそうです。
ところが、内村選手が個人総合2位に輝いたため、
売り切れ続出だとか。

私は、このお菓子を知りませんが、早速探してみたいと思っています。
どこか、昔駄菓子屋さんで売っていたような、雰囲気があります。
ちょっと「3丁目の夕日」のような感じもします。
それから、
この「ブラックサンダー」というネーミングが素晴らしい。
最新兵器か、仮面ライダーに登場する悪役か?
と思いきや、
一個31円のお菓子だというところが、すごい!

パッケージのコピーは、
「黒い雷神! 美味しさイナズマ級」
と、これまたすごい!

きっと、私よりずっと年上のワンマン社長が
「真面目に真剣に」考えた末のコピーだと思います。

「思い入れイナズマ級!」という感じですね。




「エーリッヒ・フロム」

昨日、ふと読んだ本の中に、
心理学者エーリッヒ・フロムの
「人間は、自分の意志とはかかわりなく生まれてきて、
自分の意志に反して死んでゆく」
という一節がありました。
はっとして、一瞬暗澹たる気持ちになりましたが、

この言葉は、重いと感じました。
この言葉ほど、
人間がいとおしくなる言葉はないと思います。
また、
この言葉ほど、人生がかけがえのないものだと
感じさせるものはないと思いました。

書物は死せる知識かも知れませんが、
タイミングを見計らって、蘇生し、
その重いメッセージを投げかけて来ます。