泳ぐ写真家龍之介 -45ページ目

「手乗り」



現在、我が家には、2羽の手乗り文鳥がいます。
普段は籠の中ですが、
犬の散歩といっしょで、一日一度放鳥します。
それはうれしそうに飛び回っていますが、
この2羽は、どうも、いまだに、私のことを親だと思っているようです。
これが、同じ手乗りでも、「つがい」にして飼って
子どもができると、鳥らしさを取り戻して、自然になります。
「つがい」にしない方が、馴つくのですが、
何か、見ていて哀れになることがあります。
ペットにとって何が一番幸せなのか、
パソコン回りで遊んでいる文鳥を見ると、
いつも考えてしまいます。



「マック残業」


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マック残業と言えば、
マックの店長さんが、時間外労働賃金の不払いを訴えて
問題になりました。しかし、ここでは、マックは、
マクドナルドではなくマッキントッシュ(コンピュータ)です。
1980年代後半のアメリカでの話ですが、
実は、アメリカではこの頃、ビジネスの世界でもマックが結構使われていたのです。
ウィンドウズはまだなく、マイクロソフトには、
MSDOSというマックOSより遥かに遅れたOSしかありませんでした。

仕事の効率化を目的にして、マックを導入したは良いが、
皮肉にも、仕事が増えて、残業の日が多くなったことを皮肉って
アメリカ、特に、西海岸で流行った言葉です。
当時UCLAで学んでいた弟が教えてくれました。

弟曰く。
「コンピュータは、仕事を増やすだけだよ。皆そう言っている」。
そして、それは現実になりました。
弟は、SE出身のセールスマネージャーとして、
世界中のビジネス最前線を歩んできましたが、
コンピュータの使用に関しては、冷ややかで、
最低限必要な事以外には、触らないというポリシーです。
どちらかというと触らないで済むのだったら、それにこしたことはない。
というスタンスのようです。

幸いにして、私の業界では、
コンピュータは、今のところ、時間の節約に役に立っています。
現像所を往復する時間や、再撮影のリスクから解放されたからです。
ただ、本来、レタッチャーや、製版技術者が行うべき画像処理を受けるようになると、
泥沼です。
カメラマンは、写真を撮るのが商売なのです。
仕事が欲しいあまり、線引きをシビアにしないと、
「マック残業」が待っています。



「コミュニティ」

リズム&ブルースの古典的映画「ブルースブラザース」の中で、
ブルースブラザースが、
「自分たちの育った孤児院が差し押さえになりそうだ。
それを助けるために、どうしたら、お金が稼げるか?」
と、
キャブ・キャロウェイに聞くシーンがあります。
キャブは、こう言います。
「You get wise? You get church!」
直訳すると、「知恵を得たけりゃ、教会に行け」

これは、どういう事を意味するかというと、

それだけ、多くの、様々な人たちが、
教会というコミュニティに集まっているということです。
アメリカでは、クリスチャンでなくとも、教会に集まる人は結構います。

個人主義が発達して、利己的な人間が多いと見なされているアメリカで、
それを補うような形で、毛細血管のように、張り巡らされているのが
教会組織です。

アメリカの歌手で、
聖歌隊出身でない歌手を見つけるのは、結構大変です。
イギリスでもそうです。
キース・リチャーズ、ジョン・レノン、スティング、エルトン・ジョン、
皆、聖歌隊出身です。

他の分野でもそうです。
科学者や、スポーツ選手、文化人、
すべての分野を網羅していると言っても過言ではありません。

アメリカや欧米の強さ。
それは、教会コミュニティの強さと言っても過言ではありません。
そこには、様々な知恵と出会いが集積しているのです。