「マック残業」 | 泳ぐ写真家龍之介

「マック残業」


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マック残業と言えば、
マックの店長さんが、時間外労働賃金の不払いを訴えて
問題になりました。しかし、ここでは、マックは、
マクドナルドではなくマッキントッシュ(コンピュータ)です。
1980年代後半のアメリカでの話ですが、
実は、アメリカではこの頃、ビジネスの世界でもマックが結構使われていたのです。
ウィンドウズはまだなく、マイクロソフトには、
MSDOSというマックOSより遥かに遅れたOSしかありませんでした。

仕事の効率化を目的にして、マックを導入したは良いが、
皮肉にも、仕事が増えて、残業の日が多くなったことを皮肉って
アメリカ、特に、西海岸で流行った言葉です。
当時UCLAで学んでいた弟が教えてくれました。

弟曰く。
「コンピュータは、仕事を増やすだけだよ。皆そう言っている」。
そして、それは現実になりました。
弟は、SE出身のセールスマネージャーとして、
世界中のビジネス最前線を歩んできましたが、
コンピュータの使用に関しては、冷ややかで、
最低限必要な事以外には、触らないというポリシーです。
どちらかというと触らないで済むのだったら、それにこしたことはない。
というスタンスのようです。

幸いにして、私の業界では、
コンピュータは、今のところ、時間の節約に役に立っています。
現像所を往復する時間や、再撮影のリスクから解放されたからです。
ただ、本来、レタッチャーや、製版技術者が行うべき画像処理を受けるようになると、
泥沼です。
カメラマンは、写真を撮るのが商売なのです。
仕事が欲しいあまり、線引きをシビアにしないと、
「マック残業」が待っています。