「プールの水」
私の実弟は電気関係の会社に勤めていて、
気象用のレーダーを世界中に売っています。
あるとき、インド政府に売り込むことに成功。
現地を訪れた際に、
担当の政府高官のご自宅に招かれたそうです。
その高官は、マハラジャの出身で、
それはそれは広大なお屋敷に住んでおられたそうです。
弟が到着するなり、マハラジャ氏
「○○さん。お疲れでしょう?プールにでも浸かってリラックスしてください」
と、
これまたすばらしい室内プールに案内されたそうです。
プールでリラックスしている弟に、
マハラジャ氏
「あ、そうそう、このプールの水はすべてEVIANですから飲んでも構いませんよ」
弟が、恐る恐るプールの水を口に含んだら、
それはまぎれもなくEVIANだったそうです。
究極のおもてなしとでも申しましょうか?
マハラジャ恐るべし!
「私は、ぼ~っとしているのが好き」
なので、
暇なときは、よく多摩川にジョギングにでかけては
空を見上げてぼ~っとしています。
ちょっと前のこと、ふと空を見上げると、
上空をひばりが飛んでいました。
飛んでいるというよりはホバリングして
一カ所に静止している状態です。
ちいさな体に似合わない大きな声で
「ピイチクパーチク」と
元気よくさえずっています。
こどものころ、春になると、見渡す限り広がる麦畑に
昼寝にでかけました。
あおむけになって、麦に囲まれた視界から空を見上げると、
暖かい春の空に元気にさえずるひばりがいました。
ホバリングしているひばりを見ていると、
何か、ひばりの方もこちらを見下ろしているようで、
不思議な気持ちになったものです。
そのうち眠くなって、夢見心地の中にひばりの声だけが
響いていました。
そのときのひばりのさえずり声と、麦畑の香りが
一瞬、感覚に蘇ってきました。
音とか臭覚というものは、はっきりと記憶に残っているものです。
ふと耳にしたひばりの声が、
さまざまな子供の頃の記憶を呼び覚ましてくれました。
本日は練習はおやすみで
ぼ~っとしていました。
「日体大の宮嶋選手が亡くなった」
というニュースを今年3月に聞いたときは、ショックでした。
彼は1500mのホープだったので注目していたのですが、
中国の昆明で高地トレーニングの最中に亡くなりました。
原因ははっきと公表されていません。
私の周りの日体大関係者の話によると
潜水の最中に意識不明になったとか。
潜水のトレーニングというと正式なトレーニングではないでしょうし、
仲間と遊びで潜水していたのでしょうか?
そのあたりは詳しくは分かりません。
しかし、タフな若い選手が急死するというのは
50をすぎてトレーニングを再開した私には、
明日は我が身という感じがしないでもありません。
実は、
私は小学時代、水泳の激しい練習が祟って、
スポーツ心臓になりました。
心臓の大きさは成人男性標準の倍あります。
肺をおしのけて広がっているため
いつもレントゲン検査で異常だと言われています。
医者からは、通常の心臓とは違うので
常に注意を払うように、
スポーツは適度に続けていたほうが良いだろうと
アドバイスされています。
自分の感覚としては、
時限爆弾をかかえているような気がしないでもなく、
ちょっと不気味で嫌な感じです。
私は、50まで生き残りましたが、
宮嶋選手は20歳で亡くなりました。
こういう事故がおこると、
人間の命のこと、運のこと、
いろいろと考えてしまいます。