泳ぐ写真家龍之介 -129ページ目

「せっ先生!ごっゴキブリが!」

ある日、

私のアシスタントをやってくれていた
N大芸術学部のK君が、

「龍之介さん!怖い話を聞きましたよ!」と、

ある撮影にまつわる話をしてくれました。


その撮影とは車のスタジオ撮影。

最も、規模が大きく、予算を食う撮影の一つです。

現在は車のスタジオ撮影は大型のストロボで撮っていますが、

当時は、タングステンライトでした。


ストロボは一瞬にして撮れますが、

タングステンのライトの場合は、

シャッターを開いた状態で、数秒~数十秒露光します。

露光の間にほこりでも振ってきて写ったら大変です。

現在のようにデジタル処理で

ゴミを除去することなんてできなかった時代です。

最悪、再撮影で、

予算は+100万円なんてことになります。


そのときもタングステンライトで長時間露光する撮影でした。

双眼鏡で、ほこりをチェックした後、ポラロイドでチェック。

撮影は無事終了しました。

そして、

現像されたポジフィルムをチェックしていた

アシスタント氏が叫びました。

「あっ!先生、車のドアの下に黒い線が写っています」

事態がまだ把握できていない先生。

「なんで、黒い線があるんだ?」

しばらくルーペを覗いていたアシスタント氏。

「先生!黒い線の先にゴキブリがいます!」


ことの真相はこうだったそうです。


シャッターを切った直後に

車の陰からゴキブリが這い出してきて、

ちょうど露光している間に、

ドアの下部を横切っていたらしいのです。

露光しているときに黒いゴキブリが動くと

黒い軌跡(線)になってフィルムに写ります。

あまりに短時間のできごとで、場所も暗かったので、

誰も気がつくこともなく撮影は終了したというわけです。


その後の先生と広告代理店の担当者のことを思うと、

本当に気の毒です。

一発勝負のフィルム撮影の時代にはこういう悲劇をよく耳にしたものです。

「カメラマンと車」





カメラマンには車が必需品です。

そのせいか、結構、車にこだわる人が多いと思います。


私は元来、オートバイ、自転車小僧で、

車にはあまり興味がなかったので、

車は実用一点張り。

ただ、長距離のロケが多かったので、

ある程度排気量があって楽な車を選んでいました。

写真のレガシーは3台目。現行の3.0Rタイプです。

ロケでは一ヶ月で6000km走ったこともありますが、

この車は疲れません。


ヨーロッパロケでは、メルセデスやオペルのセダンをレンタルして、

アウトバーンやドナウ渓谷のワインディングロードを走った経験もありますが、

レガシーの長距離の強さは、これらの車と比べても遜色ありません。


最近ガソリンが高騰。車自体の価格も、素材金属等の高騰で

アップしてきました。

今まで、3年~5年(10万キロ)で、買い換えていましたが、

今度は、10年以上2~30万キロ走ってみようと思っています。

私の周りには20万キロちかく乗っている人がちらほら。

今の車は故障しないので、

うまくメンテすれば結構走れるようです。


昨日は快晴で、暇だったので久々に洗車して、

掃除をしてあげました。

車も気持ちよさそうです。







「いのちのたべかた」

23歳のころ、ふとしたことで知り合ったヨガの先生の薦めで

ヨガを始めました。

まだ、ヨガがほとんど知られていなかったころです。

それから、中断した時期を含めると、約30年ヨガを続け、

生活の一部になっています。


オーム真理教の時代には、肩身の狭い思いをしましたが、

最近、またヨガが復興してきたのは喜ばしいことです。


ヨガを実践していくと、体が本来持っている感覚を取り戻してきます。

食欲や食性についても同様です。

ヨガでは、食べ物について「あれを食べろ、これを食べるな」とは一切教えません。


体が本能的に食べるものを選択してくれるようになるからです。


例えば、ヨガを続けていると、喫煙、肉食をしていたひとたちは、

その習慣を自然にやめるようになります。

なぜなら、人間の体は、生物学的に肉食や喫煙をするようにはできていないからです。


私も、おつきあいで月1~2回ほど肉食をする以外は、ほとんど菜食でしたが

とうとう、完全に肉食を止めてしまいました。

肉を食べた翌日の不快さと体のだるさがたまらなくなったからです。

ただ、魚とチーズは時々食べています。

だからヴィーガンではないですね。


11月に「いのちのたべかた」という映画が封切られました。食の流通の裏側をレポートしています。牛や豚の大量と殺シーンが登場します。本来人間が食べる必要のない生命が、機械的、無機的に殺されていく様子を是非見て欲しいと思います。