産婦まとめ問題
僕の勉強仲間♂が、09卒試の問題を1問1答形式にまとめてくれました。
掲載許可もらったので上げときます。
答えは付いてないので、力試しにやってみるのもよし、答えを調べながら勉強するもよし。
●婦人科
発生
・アンドロゲン不応症を分類し、詳しく説明せよ
・RKHとは?
・性腺異常発生症にはどのようなものがあるか?
・Turner症候群の四徴を述べよ
・真性半陰陽の性腺はどのようになっているか?
・性器の分化異常に関する診断視診を説明せよ
ホルモン、性周期、無月経
ホルモンと性周期
・プロラクチンの血中濃度について述べよ
・プロラクチンの血中濃度と経過粘液の牽糸性との関係を述べよ
・排卵は何日くらいにあるか?
・卵巣を基準に排卵前後の期間の名前を述べよ
・子宮を基準に排卵前後の期間の名前を述べよ
・正常月経周期におけるホルモン(下垂体と卵巣)の状態を述べよ
・卵胞はどのくらいのスピードで発育するか?また、成熟卵胞の大きさは?
月経異常
・頻発月経はどのくらいの月経周期か?
・無排卵周期症はどのようなものか?
・過多月経のサインを述べよ
・過長月経の定義を述べよ
・月経困難症を分類し、それぞれ説明せよ
無月経
・続発性無月経を分類せよ
・原発性無月経の診断手順を説明せよ
・視床下部性無月経、下垂体性無月経、卵巣性無月経、乳汁漏出性無月経、PCOのそれぞれにおける、LH-FSH負荷試験の反応を述べよ
・PCOとは?
・PCOの定義は?
・OHSSの症状を述べよ
症候
・妊娠検査では何を行うか?
・尿失禁を全て挙げよ
・尿失禁のうち膀胱膣脱の老人に多いのは?
・排尿困難と子宮疾患との関連を述べよ
・機能性子宮出血とは?
感染症
・性器ヘルペスの局在の特徴は?
・日本でのHSV1の抗体陽性率は?
・生物学的偽陽性を疑う所見を述べよ。また、それは何の検査か?
・TPの自然感染について述べよ
・性器クラミジアの経過の特徴を述べよ
・バルトリン腺膿瘍の局在の特徴は?
・尖圭コンジローマの原因ウィルスとそのタイプは?
・腟トリコモナスの診断法は?
・腟トリコモナスの治療法は?
子宮外妊娠
・反復子宮外妊娠外妊娠の頻度は?
・子宮外妊娠における血中hCGのdoubling timeは?
・子宮外妊娠におけるDouglas窩穿刺液の特徴は?
・自然排卵による子宮内外同時妊娠率は?
・子宮外妊娠における対処を、破裂と症状の点から述べよ
絨毛性疾患
・日本での胞状奇胎の頻度は?
・全胞状奇胎とは?
・全胞状奇胎の染色体型を述べよ
・部分胞状奇胎の染色体型を述べよ。
・胞状奇胎の染色体は誰に由来するか?
・部分胞状奇胎の症状の特徴は?
・絨毛癌はどのようなものに続発するか?
・侵入奇胎はどのようなものに続発するか?
子宮筋腫、線筋腫、内膜症
内膜症
・内膜症の治療薬を2つあげ、それらの副作用を述べよ
・内膜症に上昇する腫瘍マーカーは
・内膜症の確定診断は?
その他
・頸管粘膜ポリープの特徴は?
・子宮筋腫核出術を行った女性の出産の特徴を述べよ
子宮癌
子宮頚癌
・コルポスコピーで主に観察する部位は?また、それはどのような場所か?
・コルポスコピーにおける異常所見を4つ挙げよ
・子宮頚癌の診断のタイミングとわかりやくいときの対処を述べよ
・子宮頚癌の診断における検査はどのようなものがあるか?
・子宮頚癌の進行病期分類を述べよ
・子宮頚癌の診断に使えない検査を述べよ、またそれらはどのようなことに使うか?
・子宮頚癌の微小浸潤癌とは進行病期分類ではどこか?
・子宮頚癌で経過観察となるのはどのようなときか?
・子宮頚癌における進行病期分類それぞれでの治療を述べよ
・子宮頚癌の放射線治療ではどうするか?
・子宮頚癌の化学療法は?
・子宮頚癌のスクリーニング検査は?また、その染色法は?
また、その所見を述べ、それを説明せよ
・HPVを分類せよ
・子宮頚癌の初期の症状能登区長を述べよ
・子宮頚癌の検診の特徴は?
子宮体癌
・子宮体癌のリスクファクターを挙げよ?
・類内膜腺癌の分化度について述べよ
・子宮体癌のMRI所見を述べよ
・子宮体癌の最も多い初期症状は?また、その頻度は?
・子宮体癌のスクリーニングは?
・子宮体癌の進行病期分類
子宮肉腫
・子宮肉腫の診断
卵巣癌
・卵巣癌のリスクファクターは?
・Krukenbur腫瘍はどのような腫瘍で、組織型はどのようなもので、特徴は?
・成熟嚢胞性奇形腫の特徴は?
・莢膜細胞腫の特徴は?
・セルトリ・間質細胞腫の特徴は?
・ CA19-9が症状する癌を4つ、良性疾患を2つ述べよ
●産科
正常な妊娠・分娩・産褥
正常妊娠
・妊娠反応を述べよ
・超音波におけるGSとは何か?その成長スピードは?
・妊娠初期の出血は正常か?また、それは超音波ではどのように見えるか?
・妊娠週数の数え方と、分娩予定日を述べよ
・妊娠初期と末期の子宮の重さは?
・妊娠週数による子宮の大きさの変化を述べよ
・妊娠における膀胱・尿管の生理的変化を述べよ
・妊婦検診の特徴は?
・妊婦検診で行う検査を4つ挙げよ
・血糖を検査するのはいつか?
・医師の証明が必要な届けは?また、それはいつまでに出さなければならないか?
・周産期死亡率を計算式を述べよ
・早期新生児死亡の原因は?
・人工妊娠中絶の適応は?また、それはどの法律の何条で規定されるか?
正常分娩
・ 正常分娩の内診所見を述べよ
産褥
・悪露について述べよ
・産褥の循環血液量の変化について述べよ
・産褥熱の原因の1・2位を述べよ
・産褥期の血液の特徴は?それは何故か?
・乳腺炎を二つ述べよ。また、その治療を述べよ
胎児
発達・発生
・発生時期の造血部位の変遷を述べよ
・胎児肺サーファクタントの増加する時期は?
・胎児の体重の変遷を述べよ
・先天性心疾患の頻度は?出生後早期治療を必要とする先天性心疾患の頻度は?
・胎児の臍帯ヘルニアについて述べよ
胎児循環、循環の病理、羊水
・胎児心拍の異常について述べよ
・羊水は酸性かアルカリ性か?
・ 胎児循環遺残症を説明せよ。また、そのときの対処を述べよ。
反対の作用をする薬剤を述べよ
・Arantius管とは?
・胎児低酸素症の病態を述べよ
・BPS(biophysical profile score)とはどのようなものか?
また、どのような検査を行うか?
周産期
・新生児の体重について述べよ
・頭血腫とは?その特徴も述べよ
・新生児一過性多呼吸とは?また、その特徴は?
・新生児の免疫系について述べよ
分娩時異常出血
・分娩時異常出血とは?また、その頻度は?
・弛緩出血の頻度は?
・弛緩出血の対処は?
頸管長短縮・前期破水・異常分娩
・子宮頸管長の値について述べよ
・頸管長短縮を二つに分類せよ。それらはどのようにして見分けるか?
・切迫流早産の治療薬を述べよ。また、それはどのような薬か?
・頸管無力症の定義として、どのような時期に起きるか?
・頸管無力症の治療は?
・不整軸進入の原因を述べよ
・遷延横位における分娩の特徴とその対処を述べよ
・正常分娩での産瘤を述べよ
・前期破水で臍帯脱出がおきる条件を2つ挙げよ
・軟産道強靭が原因となる分娩異常は?
胎位・胎勢・胎向・回旋の異常、骨盤位分娩、分娩損傷
・骨盤位分娩における母体の合併症を述べよ
・Erbの麻痺
・骨盤位牽出法とは?また、どのような方法があるか?また、どのようなときに行うか?
・後方後頭位の特徴は?
多胎妊娠
・一卵性と二卵性の鑑別を述べよ
・体外受精による双胎の特徴は?
・羊水過多と双胎の関係を述べよ
・移植胚数と妊娠率について述べよ
・多胎と貧血について述べよ
産科手術
・腰椎麻酔と硬膜外麻酔の違いについて述べよ
・古典的帝王切開とは?
・帝王切開の縦切開はどのようなときに行うか?
・心疾患における分娩ではどのような時期にどのようなことを行うか?
また、それは何故か?
妊娠高血圧
・妊娠高血圧における禁忌薬を5つ述べよ
・妊娠高血圧につかう降圧薬を4つ述べよ
・妊娠高血圧につかう抗けいれん剤を3つ挙げよ
母子感染・妊娠合併症
母子感染
・風疹抗体価について述べよ
・風疹ワクチンはどのようなワクチンか?
また、他にどのようなワクチンがそれにあたるか?それらと妊娠との関係は?
・HBVのキャリア化について述べよ
・HBVキャリア妊婦の児への感染率について述べよ
・妊婦のHBVのスクリーニングでは何を検査するか?
・HBVのスクリーニングで陽性と診断された場合はどのようにしていくか?
・帝王切開でHBVの母児感染を免れることができるか?
妊娠合併症
・妊婦の急性虫垂炎への対処を述べよ
・糖尿病合併妊娠の管理について述べよ
・妊婦のITPの管理について述べよ
症例問題
・羊水過少の診断は?
・羊水過少への対処は?
・人工破膜はどのようなときに行うか?
掲載許可もらったので上げときます。
答えは付いてないので、力試しにやってみるのもよし、答えを調べながら勉強するもよし。
●婦人科
発生
・アンドロゲン不応症を分類し、詳しく説明せよ
・RKHとは?
・性腺異常発生症にはどのようなものがあるか?
・Turner症候群の四徴を述べよ
・真性半陰陽の性腺はどのようになっているか?
・性器の分化異常に関する診断視診を説明せよ
ホルモン、性周期、無月経
ホルモンと性周期
・プロラクチンの血中濃度について述べよ
・プロラクチンの血中濃度と経過粘液の牽糸性との関係を述べよ
・排卵は何日くらいにあるか?
・卵巣を基準に排卵前後の期間の名前を述べよ
・子宮を基準に排卵前後の期間の名前を述べよ
・正常月経周期におけるホルモン(下垂体と卵巣)の状態を述べよ
・卵胞はどのくらいのスピードで発育するか?また、成熟卵胞の大きさは?
月経異常
・頻発月経はどのくらいの月経周期か?
・無排卵周期症はどのようなものか?
・過多月経のサインを述べよ
・過長月経の定義を述べよ
・月経困難症を分類し、それぞれ説明せよ
無月経
・続発性無月経を分類せよ
・原発性無月経の診断手順を説明せよ
・視床下部性無月経、下垂体性無月経、卵巣性無月経、乳汁漏出性無月経、PCOのそれぞれにおける、LH-FSH負荷試験の反応を述べよ
・PCOとは?
・PCOの定義は?
・OHSSの症状を述べよ
症候
・妊娠検査では何を行うか?
・尿失禁を全て挙げよ
・尿失禁のうち膀胱膣脱の老人に多いのは?
・排尿困難と子宮疾患との関連を述べよ
・機能性子宮出血とは?
感染症
・性器ヘルペスの局在の特徴は?
・日本でのHSV1の抗体陽性率は?
・生物学的偽陽性を疑う所見を述べよ。また、それは何の検査か?
・TPの自然感染について述べよ
・性器クラミジアの経過の特徴を述べよ
・バルトリン腺膿瘍の局在の特徴は?
・尖圭コンジローマの原因ウィルスとそのタイプは?
・腟トリコモナスの診断法は?
・腟トリコモナスの治療法は?
子宮外妊娠
・反復子宮外妊娠外妊娠の頻度は?
・子宮外妊娠における血中hCGのdoubling timeは?
・子宮外妊娠におけるDouglas窩穿刺液の特徴は?
・自然排卵による子宮内外同時妊娠率は?
・子宮外妊娠における対処を、破裂と症状の点から述べよ
絨毛性疾患
・日本での胞状奇胎の頻度は?
・全胞状奇胎とは?
・全胞状奇胎の染色体型を述べよ
・部分胞状奇胎の染色体型を述べよ。
・胞状奇胎の染色体は誰に由来するか?
・部分胞状奇胎の症状の特徴は?
・絨毛癌はどのようなものに続発するか?
・侵入奇胎はどのようなものに続発するか?
子宮筋腫、線筋腫、内膜症
内膜症
・内膜症の治療薬を2つあげ、それらの副作用を述べよ
・内膜症に上昇する腫瘍マーカーは
・内膜症の確定診断は?
その他
・頸管粘膜ポリープの特徴は?
・子宮筋腫核出術を行った女性の出産の特徴を述べよ
子宮癌
子宮頚癌
・コルポスコピーで主に観察する部位は?また、それはどのような場所か?
・コルポスコピーにおける異常所見を4つ挙げよ
・子宮頚癌の診断のタイミングとわかりやくいときの対処を述べよ
・子宮頚癌の診断における検査はどのようなものがあるか?
・子宮頚癌の進行病期分類を述べよ
・子宮頚癌の診断に使えない検査を述べよ、またそれらはどのようなことに使うか?
・子宮頚癌の微小浸潤癌とは進行病期分類ではどこか?
・子宮頚癌で経過観察となるのはどのようなときか?
・子宮頚癌における進行病期分類それぞれでの治療を述べよ
・子宮頚癌の放射線治療ではどうするか?
・子宮頚癌の化学療法は?
・子宮頚癌のスクリーニング検査は?また、その染色法は?
また、その所見を述べ、それを説明せよ
・HPVを分類せよ
・子宮頚癌の初期の症状能登区長を述べよ
・子宮頚癌の検診の特徴は?
子宮体癌
・子宮体癌のリスクファクターを挙げよ?
・類内膜腺癌の分化度について述べよ
・子宮体癌のMRI所見を述べよ
・子宮体癌の最も多い初期症状は?また、その頻度は?
・子宮体癌のスクリーニングは?
・子宮体癌の進行病期分類
子宮肉腫
・子宮肉腫の診断
卵巣癌
・卵巣癌のリスクファクターは?
・Krukenbur腫瘍はどのような腫瘍で、組織型はどのようなもので、特徴は?
・成熟嚢胞性奇形腫の特徴は?
・莢膜細胞腫の特徴は?
・セルトリ・間質細胞腫の特徴は?
・ CA19-9が症状する癌を4つ、良性疾患を2つ述べよ
●産科
正常な妊娠・分娩・産褥
正常妊娠
・妊娠反応を述べよ
・超音波におけるGSとは何か?その成長スピードは?
・妊娠初期の出血は正常か?また、それは超音波ではどのように見えるか?
・妊娠週数の数え方と、分娩予定日を述べよ
・妊娠初期と末期の子宮の重さは?
・妊娠週数による子宮の大きさの変化を述べよ
・妊娠における膀胱・尿管の生理的変化を述べよ
・妊婦検診の特徴は?
・妊婦検診で行う検査を4つ挙げよ
・血糖を検査するのはいつか?
・医師の証明が必要な届けは?また、それはいつまでに出さなければならないか?
・周産期死亡率を計算式を述べよ
・早期新生児死亡の原因は?
・人工妊娠中絶の適応は?また、それはどの法律の何条で規定されるか?
正常分娩
・ 正常分娩の内診所見を述べよ
産褥
・悪露について述べよ
・産褥の循環血液量の変化について述べよ
・産褥熱の原因の1・2位を述べよ
・産褥期の血液の特徴は?それは何故か?
・乳腺炎を二つ述べよ。また、その治療を述べよ
胎児
発達・発生
・発生時期の造血部位の変遷を述べよ
・胎児肺サーファクタントの増加する時期は?
・胎児の体重の変遷を述べよ
・先天性心疾患の頻度は?出生後早期治療を必要とする先天性心疾患の頻度は?
・胎児の臍帯ヘルニアについて述べよ
胎児循環、循環の病理、羊水
・胎児心拍の異常について述べよ
・羊水は酸性かアルカリ性か?
・ 胎児循環遺残症を説明せよ。また、そのときの対処を述べよ。
反対の作用をする薬剤を述べよ
・Arantius管とは?
・胎児低酸素症の病態を述べよ
・BPS(biophysical profile score)とはどのようなものか?
また、どのような検査を行うか?
周産期
・新生児の体重について述べよ
・頭血腫とは?その特徴も述べよ
・新生児一過性多呼吸とは?また、その特徴は?
・新生児の免疫系について述べよ
分娩時異常出血
・分娩時異常出血とは?また、その頻度は?
・弛緩出血の頻度は?
・弛緩出血の対処は?
頸管長短縮・前期破水・異常分娩
・子宮頸管長の値について述べよ
・頸管長短縮を二つに分類せよ。それらはどのようにして見分けるか?
・切迫流早産の治療薬を述べよ。また、それはどのような薬か?
・頸管無力症の定義として、どのような時期に起きるか?
・頸管無力症の治療は?
・不整軸進入の原因を述べよ
・遷延横位における分娩の特徴とその対処を述べよ
・正常分娩での産瘤を述べよ
・前期破水で臍帯脱出がおきる条件を2つ挙げよ
・軟産道強靭が原因となる分娩異常は?
胎位・胎勢・胎向・回旋の異常、骨盤位分娩、分娩損傷
・骨盤位分娩における母体の合併症を述べよ
・Erbの麻痺
・骨盤位牽出法とは?また、どのような方法があるか?また、どのようなときに行うか?
・後方後頭位の特徴は?
多胎妊娠
・一卵性と二卵性の鑑別を述べよ
・体外受精による双胎の特徴は?
・羊水過多と双胎の関係を述べよ
・移植胚数と妊娠率について述べよ
・多胎と貧血について述べよ
産科手術
・腰椎麻酔と硬膜外麻酔の違いについて述べよ
・古典的帝王切開とは?
・帝王切開の縦切開はどのようなときに行うか?
・心疾患における分娩ではどのような時期にどのようなことを行うか?
また、それは何故か?
妊娠高血圧
・妊娠高血圧における禁忌薬を5つ述べよ
・妊娠高血圧につかう降圧薬を4つ述べよ
・妊娠高血圧につかう抗けいれん剤を3つ挙げよ
母子感染・妊娠合併症
母子感染
・風疹抗体価について述べよ
・風疹ワクチンはどのようなワクチンか?
また、他にどのようなワクチンがそれにあたるか?それらと妊娠との関係は?
・HBVのキャリア化について述べよ
・HBVキャリア妊婦の児への感染率について述べよ
・妊婦のHBVのスクリーニングでは何を検査するか?
・HBVのスクリーニングで陽性と診断された場合はどのようにしていくか?
・帝王切開でHBVの母児感染を免れることができるか?
妊娠合併症
・妊婦の急性虫垂炎への対処を述べよ
・糖尿病合併妊娠の管理について述べよ
・妊婦のITPの管理について述べよ
症例問題
・羊水過少の診断は?
・羊水過少への対処は?
・人工破膜はどのようなときに行うか?
産婦対策
産婦はr2d2に、'08の問題が上がってるそうです。
テキストに大体載ってるんですが、探すのが大変。
とにかくテキストを隅から隅まで読んでおくのが合格の鍵なんじゃないかと思います。
とりあえず、テキストになかったトコを調べてみました。
【女性器の解剖学】追加しました!(1/27)
■腺組織
● Bartholin腺(大前庭腺): 膣前庭に開口。性的興奮で粘液分泌。男性のCowper腺
● Skene腺(小前庭腺): 外尿道口の両側に開口。生理的機能はない。男性の前立腺。
■腟
● 長さ:7~8cm
● 腟円蓋:前腟円蓋は後腟円蓋より浅い(←子宮の前傾)。後腟円蓋の上方にダグラス窩。
● 3層構造(粘膜、筋層、外膜):粘膜は重層扁平上皮
■子宮
● 子宮腔長:7cm ●子宮体部:単層立方上皮 ●子宮頸部:腟上部と子宮腟部
● 3層構造:粘膜(内膜)、筋層(縦走、輪状、斜走)、外膜(腹膜;子宮広間膜)
● 子宮峡部:解剖学的内子宮口と組織学的内子宮口の間。分娩時に通過管の一部を形成。
■子宮支持組織
● 膀胱子宮靭帯:尿管は膀胱子宮靭帯の前層と後層の間の尿管トンネルを通って膀胱に到達
● 基靭帯:両側子宮頸部より骨盤側へ向かい子宮動脈が上縁を走行する。
● 仙骨子宮靭帯:ダグラス窩の側壁を構成する
● 子宮円索: 子宮底卵管付着部のやや前下方から出て鼠径管を通過し恥骨上縁に付着。子宮の前傾を保つ。
● 子宮広間膜:子宮を下方に固定。前後の子宮広間膜が左右に合わさることで側方固定。
■卵管
● 長さ:約12cm
● 腹腔に直接開口
● 卵管間質部
● 卵管峡部
● 卵管膨大部
● 卵管采:子宮広間膜(卵管間膜)には覆われていない
● 3層構造:粘膜(単層円柱上皮;線毛細胞と粘液分泌細胞)、筋層、外膜(腹
● 子宮広間膜(卵管間膜))
■卵巣
● 外側から表層上皮、卵巣白膜、皮質、髄質
● 卵巣門:子宮広間膜(卵巣間膜)に付着。卵巣動脈の卵巣枝が通る。
● 卵巣支持組織:緩やかに固定されている
● 卵巣間膜:子宮広間膜の一部で、卵巣固有靱帯が中を走行している。
● 固有卵巣索(子宮卵巣索):卵巣下端と子宮底を結ぶ
● 卵巣提索:卵巣上端と骨盤側壁を結ぶ。卵巣動静脈が走る。
■骨盤底
● 尿生殖三角:尿生殖隔膜によって裏打ちされている
● 肛門三角:肛門挙筋と尾骨筋により裏打ちされている
■血管
● 卵巣動脈:腹大動脈から直接分岐し、卵巣提索内を走り、卵巣枝と卵管枝に分かれる。卵巣枝は卵巣門から入り卵巣に分布。卵管枝は子宮動脈の卵管枝と吻合。
● 子宮動脈:内腸骨動脈の臓側枝から分岐し基靭帯に沿って子宮に到達
● 腟動脈:子宮動脈の下行枝から潅流されるのが一般的
● 内陰部動脈:内腸骨動脈壁側枝の終枝。外陰部、直腸下部、肛門を支配。
● 内腸骨腸脈は、内陰部動脈、子宮動脈、上膀胱動脈を分岐した後、索状物(側臍靭帯;胎生期は臍動脈)となる
● モリソン窩:肝臓と腎臓の間の腹膜ポケットで腹水溜まりやすい
● 閉鎖孔:閉鎖神経と閉鎖静脈が通る
<産科>
【妊娠による母体変化】
●クレアチニンクリアランス上昇
●血中フィブリノーゲン上昇
●ピスカチェック徴候・・・妊娠6~12週に顕著
【出生前診断】
●絨毛検査・・・妊娠10週前後
●Rh不適合妊娠・・・羊水中ビリルビン様物質測定、母体間接クームス(クームス試薬には抗ヒトIgG抗体が入っている)
●二分脊椎・・・AFP
●胎児貧血・・・臍帯穿刺
●代謝異常児の出産既往者に対して適応は無い。(新生児の代謝異常検査は生後4~7日の血液を用いる)
【Rh不適合妊娠】
●母体の抗D抗体が胎児に移行し、胎児に溶血や低アルブミン血症(造血で肝に負担)が見られる。
【妊娠高血圧症候群】
●妊娠28週以降で胎児の発育が2週間以上見られない場合は分娩を考慮する。
●高血圧や蛋白尿は胎児の予後に関わる。
●浮腫と蛋白尿は重症のサインであるが、胎児発育遅延の主たる誘因とはならない。
●妊娠高血圧症における妊娠終了の適応指針
a 母体側因子
① 治療に抵抗して症状が不変または,増悪する場合
② 子癇,常位胎盤早期剥離,眼底出血,胸・腹水貯留,肺水腫,頭蓋内出血,HELLP症候群などの併発
③ 腎機能の悪化
④ 血液凝固異常の出現(血小板数10×10^4μl未満,DICのスコア上昇)
b 胎児側因子
① 胎児発育停止(妊娠28週以降,2週間以上)
② 胎児心拍数陣痛図(NST,CST)異常所見:non reactive,一過性徐脈,頻脈,徐脈,基線細変動の減少など
③ 羊水量減少,biophysical profile score(BPS)の低下
【心疾患合併妊娠】
●肺高血圧では妊産婦死亡の危険性が高まる。
【糖尿病合併妊娠】
●Whiteの分類
class A・・・食餌療法のみでコントロールされる。発症年齢,罹病期間をとわない
class B・・・20歳以上で表症し,罹病期間がlo年末満のもの
class C・・・10~19歳で発症, もしくは罹病期間が10~19年のもの
class D・・・10歳未満で発症,罹病期間20年以上,非増殖性網膜症,高血圧のいずれかの条件をみたすもの
class R・・・増殖性網膜症あるいは硝子体出血をもつもの
class F・・・500mg/日以上の蛋白尿を伴った腎症をもつもの
class RF・・・RとFの基準が共存するもの
class H・・・臨床的に明瞭な動脈梗化性心疾患をもつもの
class T・・・腎移植の既往を有するもの
【胎盤通過性】
●フェニトイン・・・胎児に奇形を生じうるが、治療上の有益性が上回れば単独投与してもよい。
【胎児発育】
●生殖索・・・男児ではライディヒ細胞に分化
●肺サーファクタントはⅡ型細胞が産生
●胎児が重症筋無力症のとき、羊水過多となる。
●臍帯動脈に静脈血が流れる。
【胎児機能不全】
●OCT(CST)・・・胎児ジストレスが確定した症例は禁忌
●一般に高度徐脈は100bpm以下
●第1度新生児仮死・・・アプガースコア7~4点
●第2度新生児仮死・・・アプガースコア3点以下
●早期一過性頻脈(Early deceleration)・・・頭位分娩第1~2期において生理的。
●遅発一過性徐脈・・・胎児低酸素症の初期サイン
●極小未熟児=極低出生体重児
●胎児低酸素症では羊水量が減少する。
【回旋】
●児頭の第3回旋時、肩甲は骨盤入口に位置する。
●正常分娩における児頭の矢状縫合は、骨盤入口部では横径に一致する。
●横位・・・子宮長軸と胎児長軸が直行する。児頭が左なら第1頭位。分娩中放置すると病的収縮輪の上昇が見られる。
【骨盤位】
●先進部固定以後の胎便排出は腹部圧迫のためで、胎児ジストレスの徴候ではない。
●後続児頭娩出法・・・Veit-Smelie法、Bracht法
●膝胸位・・・矯正法。28~30週に行う。
●頭位分娩に比べ遷延しやすい
【骨盤X線撮影】
●Guthmann法で計測可能・・・産科的真結合線、骨盤傾斜角、最短前後径、児頭の下行度、扁平仙骨、反屈位、高在絨定位
●Martius法で計測可能・・・骨盤入口の形、骨盤入口と児頭の大きさの比較、骨盤入口前後径、横径、坐骨棘間径
●Martius法の切り抜き法で入り口面を児頭が通過しないものはCPD、接するものは境界として試験分娩。通過しないと判断したものも実際は30%くらいが経膣分娩が可能。
●適応
*Seitz法陽性
*児頭浮動・先進部未固定(sp-3以下)
*狭骨盤が疑われる場合(外結合線17cmなど)
*身長150cm以下
*尖腹(CPDの疑い所見)
*児推定体重> 3,800g,子宮底長> 36cm
●産科的真結合線は11cmよりわずかに小さいのが平均的、外結合線は19cmが平均
●産科的真結合線とBPD(児頭大横径)の差が1~1.5cmならCPD
【児頭骨盤不均衡 cephalopelvic disproportion,fetopelvic disproportion,CPD】
●診断
①レオポルド触診法・・・初産婦の妊娠末期において児頭浮動を認める場合や子宮底長が35cmを越える場合は本症を疑う。
なお子宮底長は恥骨結合上縁と子宮底までの長さをいう。
②X線骨盤計測
マルチウス法 Martius ・・・骨盤入口と児頭の大きさとの比較ができるが、産科的真結合線は計測できない。
グスマン法 Guthman・・・産科的真結合線を計測し、産科的真結合線 - BPD が1cm以下で本症と診断され、帝王切開の適応となる。
産科的真結合線 - BPD が1~1.5cmの場合はCPD疑いとして試験分娩がなされることが多い。
③ザイツ法 Seitz ・・・分娩開始後において触診をなし、母体恥骨結合よりも児頭のほうが高位にあるときは本症を疑う。
●治療
①試験分娩 trial of labor・・・CPD疑いの症例が適応となる。なおCPDには陣痛促進薬は禁忌である。
試験分娩にて子宮口全開大の前で分娩の進行が停止した場合は帝王切開の適応となる。
②帝王切開・・・CPDの確定診断がつけば帝王切開の適応となる。
CPD疑いの症例でも試験分娩によって児頭の下降が認められない場合には適応となる。
【多胎】
●双胎頻度:1/80、三胎頻度:1/6400
●多胎妊娠の原因・・・クロミフェンなどの排卵誘発薬
【陣痛】
●メテルギン(マレイン酸メチルエルゴメトリン)・・・子宮収縮薬の一つ。陣痛促進には使用せず、弛緩出血の止血などに用いる。
●メトロイリーゼ・・・頚管拡張させるために使う。ゴムを子宮内に入れる。前置胎盤では禁忌。
【早産】
●前回妊娠の子宮頚管裂傷の既往は、早産の原因となる
●インドメタシン・・・PG阻害作用により子宮を弛緩させる。第1選択とはならないが、リトドリンの補助として使う。
【前置胎盤】
●診断・・・胎盤は移動するため、妊娠後期に診断する。超音波断層法、膣鏡診で凝血塊、内診は禁忌。
●症状・・・警告出血(就寝中の無痛性の出血)ショック、播種性血管内凝固症候群、陣痛発作時の出血、妊娠高血圧症候群の合併は無い。
●治療・・・帝王切開、出血時のDICの処置。
●緊急的な帝王切開の適応は、① 大量出血 ② 高度貧血 ③ 胎児仮死
●禁忌・・・内診、オキシトシン負荷試験、経膣走査超音波法。コルポイリーゼ(膣内にゴムを挿入、子宮頚管拡張)メトロイリーゼ(子宮内にゴムを挿入、子宮頚管拡張)
【常位胎盤早期剥離】
●妊娠高血圧症は発症因子として重要(浮腫や蛋白尿を伴う)
●初発症状:突発性の腹痛、出血、子宮硬直
●DICをきたしやすい
●陣痛間歇時に出血
●胎盤後血腫がある
【前期破水】
●妊娠30週の破水・・・母体CPR、hPLの測定
●胎位異常に合併しやすく、変動一過性徐脈を生じやすい。
【子宮破裂】
●胎児圧出術は禁忌。
●自然子宮破裂には2つの発症機転が知られている。
①通常、正常分娩では、生理的収縮輪は恥骨上縁約6cmの高さに達すると、子宮口は全開大し胎児は前進をはじめ、子宮下部の伸展は止み、収縮輪の上昇は停止する。
しかし、母体側あるいは胎児側の異常により、胎児の進行が停止した場合、子宮上部が強力に収縮、肥厚する結果、子宮下部の伸展は進み、胎児はほとんど子宮下部腔内に圧入され、収縮輪も次第に上昇し病的収縮輪となる。
さらに、この状態で過強な陣痛が起こると病的収縮輪は臍高をこえ、子宮下部の最も菲薄な部分で破裂が発生し、分娩は停止する(定型的破裂)。
②もうひとつの発症機転は子宮筋の解剖学的変化による破裂で、帝王切開瘢痕、楔入胎盤等の誘因により発症する。
また、これらの状態に加え、打撲や転倒などの外傷や可動により誘発される場合もある。
●切迫子宮破裂徴候・・・帝王切開による急速遂娩を行なう。鉗子・吸引分娩や圧出術などを施行することは禁忌である。
手術までは子宮収縮抑制剤を用いるが、場合によっては鎮静作用の強い塩酸モルヒネ、ペチロルファンなどが必要となる。
【産褥】
●子宮底・・・出産直後:臍恥中央部、産褥1~2日目:臍下1~2横指、5日目:臍恥中央部
●血栓性静脈炎・・・妊娠高血圧症候群や帝王切開後
【母子感染】
●HBs抗原陽性母体児は生直後(48時間以内)にHIBGを筋注。
●第2回目のHBIG投与は、母親がHBe抗原陽性の場合には必ず行うが、HBe抗原陰性の場合には省略することができる。生後2ヶ月に行う。
●性器ヘルペス初感染はC/S適応
●風疹感染:妊娠12週未満なら先天性風疹症候群は80~90%、妊娠18週以降なら40%の胎児に感染するがほとんどが不顕性となる。
【母子保健】
●母子保健法人では訪問指導が奨励されている。
<婦人科>
【無月経】
●ロキタンスキー症候群・・・子宮や膣が欠損しているが卵巣は機能しているため高ゴナドトロピンとはならない。
●月経困難症の患者ではプロスタグランジンが一般より多いと考えられている。
●アッシャーマン症候群・・・エストロゲン・プロゲステロン投与で出血は生じず、体温は2相性を示す。
●視床下部性無月経・・・GnRH律動投与、ゴナドトロピン(FSH,LH)療法、hMG-hCG療法などを行い、hCG治療は行わない。
●黄体機能不全・・・hCG治療を行う。
●子宮放射状動脈のらせん状動脈はホルモン感受性があるが、直線状動脈にはない。
●第一度無月経(卵巣性無月経)に対してクロミフェンが用いられる。
●LH-RH負荷試験で正常なら、下垂体以降のシステムは正常
【性器脱】
●子宮円索・・・子宮体部・膣に付着
【STD】
●クラミジアは子宮外妊娠の原因となる。
●淋菌感染は卵管閉塞の原因となる。
●膣分泌物が黄~黄緑色・・・淋菌、トリコモナス
●膣トリコモナス症ではアミン臭(魚臭、するめの匂い)がしばしばある。
●性器ヘルペス初感染はC/S適応
【子宮内膜症】
●GnRHアゴニストは、骨量低下の不利益を上回る利益がある場合のみ休薬期間後の再投与を行う。初回投与は必ず月経中に行う。投与中は一般に月経を認めない。
●腹膜病変は、腹腔鏡でのみ診断可能
【子宮腺筋症】
●鵞卵大~超手拳大となることが多い。
●治療薬はGnRHアゴニストや黄体ホルモン、ダナゾールが使われる。GnRHアンタゴニストは現在治験中。
【卵巣チョコレート嚢胞】
●癒着が多いため、腹腔鏡下手術では体外法(嚢胞を体外に出して処置する方法)をすることは少ない。しかし、体内法でも縫合などが難しいことが多い。
●MRIではT1 high,T2 high
【黄体嚢胞】
●通常片側性
●卵巣嚢腫は通常妊娠12週ごろまでに縮小する。よって12週以降も大きさが変わらなければ精査の必要がある。
【皮様嚢腫】
●MRIでT1 high,T2 high
●超音波で、hair ballによる高輝度エコー、アコースティックシャドウ
【Meigs症候群】
●良性卵巣腫瘍に胸腹水を伴う時、腫瘍の摘出により消失する
【不妊治療】
●IVH-ET(体外受精-胚移植法)・・・採取した卵子と精子を混合して受精させ、胚を子宮内に戻す方法。平均で30%程度の妊娠率。
●ICSC・・・採取した精子の数が少ないときや、良質な精子が少ない時に行う方法。
【経口避妊薬】
●メストラノール・・・体内で代謝されてエストロゲンになる。
●低用量・・・エストロゲン50μg以下
●良性乳房疾患の発生頻度を減少させる
【LAVH(腹腔鏡下膣式子宮摘出術)】
●経膣でできる操作は経膣で行い、それ以外を腹腔鏡下で行う術式
●子宮動脈の処理は経膣でできる。
【造膣術】
●フランク法・・・腟前庭をヘガールなどで圧伸して腟腔を形成したのち、その腟腔を拡張する方法
●マッキンドー法・・・観血的に腟腔を形成したのち、皮膚移植により腟壁を形成する方法
●ダビドフ法・・・観血的に腟腔を形成したのち、骨盤腹膜を利用して腟壁を形成する方法
●ルーゲ法・・・観血的に腟腔を形成したのち、開腹してS状結腸を切り離し、腟管として利用する方法
【子宮形成術】
●Strassmann 手術:主に双角子宮に対する形成手術であり,子宮底部に横切開を入れ,これを縦方向に縫合する.
●Jones and Jones 手術:主に中隔子宮に対して施行される術式であり,子宮底部に縦切開を入れ,中隔を除去する.
●Tompkins 手術:子宮底部正中に縦切開を入れ,その後 Strassmann 手術と同様の術式を行う.
●子宮鏡下中隔切除術(Hys-teroscopic metroplasty):中隔子宮に対する手術で,子宮鏡下に中隔子宮を切除する術式。手術侵襲が少ない。
【子宮頸癌】
●臨床予後因子・・・1.傍大動脈リンパ節転移 2.骨盤リンパ節転移 3.傍組織への転移 4.腫瘍径 5.組織型
●ハイリスクHPV・・・16,18,31,33,35,39,45,51,52,56,58,59,68
●ローリスクHPV・・・6,11
●子宮広汎全摘術には骨盤内リンパ節郭清が含まれる。傍大動脈リンパ節郭清と組み合わせることもある。
●コルポスコピー・・・閉経後高齢者はSCJが退行し、検査不適当。
●高度肥満では手術操作が困難になるため放射線療法を選択することがある。
●Ⅳb期、手術療法と化学療法・放射線療法などを組み合わせるNAC治療が行われるが、手術をメインとするNACは効果があるかどうかはっきりしていない。
【子宮体癌】
●高エストロゲン状態から発症するものは予後良好
●発症リスク・・・遺伝性非ポリポーシス大腸癌(HNPCC/リンチ症候群)、タモキシフェン
●臨床進行期は手術進行期分類が採用
●子宮体癌ステージ別治療
(1)単純子宮全摘出術と両側付属器(卵巣・卵管)切除術
0期の場合には標準的にはこの手術が行われる。手術前の診断でI期以上の場合には、これに加えて、骨盤内や腹部大動脈周囲のリンパ節郭清を行う場合がある。
(2)広汎性子宮全摘出術
II期、及びIII期の一部などに選択される。普通、広汎性子宮全摘出術の場合は、骨盤内リンパ節郭清を行う。同時に腹部大動脈周囲のリンパ節郭清を行う場合もある。
手術障害は、単純子宮全摘出術ではほとんどないが、広汎性子宮全摘出術では、排尿・排便障害がある。
卵巣切除は、女性ホルモンがなくなることによる卵巣欠落症状(更年期障害)をおこす。骨盤内リンパ節郭清は下肢の浮腫をおこす。
2)放射線療法
外照射法と、腔内照射法がある。単独または手術療法と組み合わせて、術後に行われる。
放射線単独の治療は、患者の希望や、高年齢あるいは他の病気のために手術が行えない場合、III期/IV期の一部などに用いられる。
手術後に放射線療法を行うのは、リンパ節転移を認めた場合、病変が子宮の壁に深く浸潤していた場合、腟壁に浸潤していた場合など。
3)化学療法
化学療法を単独で行うのは、IV期の一部など。手術後に化学療法を行うのはIII期/IV期です。
4)ホルモン療法
手術をしない段階の診断で、0期もしくはI期で、子宮を摘出しないで残したいと希望する若年の女性の場合に選択される。その場合、掻爬治療と組み合わせて行う。
また、再発の危険性の高い症例に対する補助的な治療として、あるいは化学療法の効果が不十分な場合や全身状態が不良で化学療法を行うことができない場合に、化学療法にかわる全身的治療として行われる。
【卵巣癌】
●CAP療法・・・Cはシクロフォスファミド、Pがプラチナ製剤(CDDP)
●FIGO進行期分類
Ⅰ期:卵巣内限局発育
Ⅰa:腫瘍が一側の卵巣に限局し、癌性腹水がなく、被膜表面への浸潤や被膜破綻の認められないもの。
Ⅰb:腫瘍が両側の卵巣に限局し、癌性腹水がなく、被膜表面への浸潤や被膜破綻の認められないもの。
Ⅰc:腫瘍は一側または両側の卵巣に限局するが、被膜表面への浸潤や被膜破綻が認められたり、腹水または洗浄の細胞診にて悪性細胞の認められるもの。
【注】 腫瘍表面の擦過細胞診にて腫瘍細胞陽性の場合はⅠcとする。
Ⅱ期:腫瘍が一側または両側の卵巣に存在し、さらに骨盤内への進展を認めるもの
Ⅱa:進展ならびに/あるいは転移が、子宮ならびに/あるいは卵管に及ぶもの。
Ⅱb:他の骨盤内臓器に進展するもの。
Ⅱc:腫瘍発育がⅡaまたはⅡbで、被膜表面への浸潤や被膜破綻が認められたり、腹水または洗浄の細胞診にて悪性細胞の認められるもの。
【注1】 ⅠcおよびⅡc症例において予後因子としての関連を評価するために、下記のごとく分類・表記することが望ましい。
Ⅰc(a):自然被膜破綻
Ⅰc(b):手術操作による被膜破綻
Ⅰc(1):腹腔洗浄液細胞診陽性
Ⅰc(2):腹水細胞診陽性
Ⅱcも同様とする。
【注2】 他臓器への進展、転移などは組織学的に検索されることが望ましい。
Ⅲ期:腫瘍が一側または両側の卵巣に存在し、さらに骨盤外の腹膜播種ならびに/あるいは後腹膜、または鼠径部のリンパ節転移を認めるもの。
また腫瘍は小骨盤に限局しているが小腸や大網に組織学的転移を認めるものや、肝表面への転移の認められたものもⅢ期とする。
Ⅲa:リンパ節転移陰性で腫瘍は肉眼的には小骨盤に限局しているが、腹膜表面に顕微鏡的播種を認めるもの。
Ⅲb:リンパ節転移陰性で、組織学的に確認された直径2cm以下の腹腔内播種を認めるもの。
Ⅲc:直径2cmをこえる腹腔内播種ならびに/あるいは後腹膜または鼠径リンパ節に転移の認められるもの。
【注1】 腹腔内病変の大きさは最大のものの径で示す。すなわち、2cm以下のものが多数認められてもⅢbとする。
【注2】 リンパ節郭清が行われなかった場合、触診その他できうるかぎりの検索で知りえた範囲で転移の有無を判断し進行期を決定する。
Ⅳ期:腫瘍が一側または両側の卵巣に存在し、遠隔転移を伴うもの
胸水の存在によりⅣ期とする場合には、胸水中に悪性細胞を認めなければならない。また肝実質への転移はⅣ期とする。
【注】 肝実質転移は組織学的(細胞学的)に証明されることが望ましいが、画像診断で転移と診断されたものもⅣ期とする。
*ステージIa期の卵巣がんの患者が、手術後に妊娠、出産をする可能性がある場合には、腫瘍のある部分の卵巣、卵管、大網を切除し子宮は残す。
*大網は一見転移が認められない場合でも切除手術を行う。手術後の検査で、切除した大網に転移が発見されることがある。大網への転移が認められれば、ステージはIII期。
*手術の際、後腹膜リンパ節への転移の可能性が認められた場合は、リンパ節のサンプリングを行い、迅速病理検査を行う。
*リンパ節の病理検査の結果、転移が判明すれば、リンパ管から他の部位への転移を防止するためリンパ節を郭清する。リンパ節からの転移が発見された場合には、卵巣がんのステージはI期ではなくIII期。
【絨毛癌】
●MMC(マイトマイシンC)は用いない
【子宮平滑筋肉腫】
●後腹膜・腸間膜型は予後不良
【化学療法】
●代謝拮抗薬・・・細胞周期特異的(S期)
●効果判定・・・
*CR(Complete Response):完全寛解・著効・・・すべての病変の100%縮小(消失)が4週間以上持続。
*PR(Partial Response):部分寛解・有効・・・病変の50%以上の縮小が4週間以上持続。
*MR(Minor Response):49~25%縮小
*NC(No Change):不変・・・病変の50%未満の縮小または、25%未満の増大が4週間以上持続。
*SD(Stable Disease):不変・・・病変の縮小率が30%未満、または20%以内の増加で、二次的病変が増悪せず、かつ新病変の出現のない状態が4週間以上持続。
*PD(Progressive Disease):進行・増悪・・・最も縮小した時点から、25%以上の増大または、新病巣の出現。
●タモキシフェン副作用:子宮筋腫、子宮内膜症、子宮内膜ポリープ
テキストに大体載ってるんですが、探すのが大変。
とにかくテキストを隅から隅まで読んでおくのが合格の鍵なんじゃないかと思います。
とりあえず、テキストになかったトコを調べてみました。
【女性器の解剖学】追加しました!(1/27)
■腺組織
● Bartholin腺(大前庭腺): 膣前庭に開口。性的興奮で粘液分泌。男性のCowper腺
● Skene腺(小前庭腺): 外尿道口の両側に開口。生理的機能はない。男性の前立腺。
■腟
● 長さ:7~8cm
● 腟円蓋:前腟円蓋は後腟円蓋より浅い(←子宮の前傾)。後腟円蓋の上方にダグラス窩。
● 3層構造(粘膜、筋層、外膜):粘膜は重層扁平上皮
■子宮
● 子宮腔長:7cm ●子宮体部:単層立方上皮 ●子宮頸部:腟上部と子宮腟部
● 3層構造:粘膜(内膜)、筋層(縦走、輪状、斜走)、外膜(腹膜;子宮広間膜)
● 子宮峡部:解剖学的内子宮口と組織学的内子宮口の間。分娩時に通過管の一部を形成。
■子宮支持組織
● 膀胱子宮靭帯:尿管は膀胱子宮靭帯の前層と後層の間の尿管トンネルを通って膀胱に到達
● 基靭帯:両側子宮頸部より骨盤側へ向かい子宮動脈が上縁を走行する。
● 仙骨子宮靭帯:ダグラス窩の側壁を構成する
● 子宮円索: 子宮底卵管付着部のやや前下方から出て鼠径管を通過し恥骨上縁に付着。子宮の前傾を保つ。
● 子宮広間膜:子宮を下方に固定。前後の子宮広間膜が左右に合わさることで側方固定。
■卵管
● 長さ:約12cm
● 腹腔に直接開口
● 卵管間質部
● 卵管峡部
● 卵管膨大部
● 卵管采:子宮広間膜(卵管間膜)には覆われていない
● 3層構造:粘膜(単層円柱上皮;線毛細胞と粘液分泌細胞)、筋層、外膜(腹
● 子宮広間膜(卵管間膜))
■卵巣
● 外側から表層上皮、卵巣白膜、皮質、髄質
● 卵巣門:子宮広間膜(卵巣間膜)に付着。卵巣動脈の卵巣枝が通る。
● 卵巣支持組織:緩やかに固定されている
● 卵巣間膜:子宮広間膜の一部で、卵巣固有靱帯が中を走行している。
● 固有卵巣索(子宮卵巣索):卵巣下端と子宮底を結ぶ
● 卵巣提索:卵巣上端と骨盤側壁を結ぶ。卵巣動静脈が走る。
■骨盤底
● 尿生殖三角:尿生殖隔膜によって裏打ちされている
● 肛門三角:肛門挙筋と尾骨筋により裏打ちされている
■血管
● 卵巣動脈:腹大動脈から直接分岐し、卵巣提索内を走り、卵巣枝と卵管枝に分かれる。卵巣枝は卵巣門から入り卵巣に分布。卵管枝は子宮動脈の卵管枝と吻合。
● 子宮動脈:内腸骨動脈の臓側枝から分岐し基靭帯に沿って子宮に到達
● 腟動脈:子宮動脈の下行枝から潅流されるのが一般的
● 内陰部動脈:内腸骨動脈壁側枝の終枝。外陰部、直腸下部、肛門を支配。
● 内腸骨腸脈は、内陰部動脈、子宮動脈、上膀胱動脈を分岐した後、索状物(側臍靭帯;胎生期は臍動脈)となる
● モリソン窩:肝臓と腎臓の間の腹膜ポケットで腹水溜まりやすい
● 閉鎖孔:閉鎖神経と閉鎖静脈が通る
<産科>
【妊娠による母体変化】
●クレアチニンクリアランス上昇
●血中フィブリノーゲン上昇
●ピスカチェック徴候・・・妊娠6~12週に顕著
【出生前診断】
●絨毛検査・・・妊娠10週前後
●Rh不適合妊娠・・・羊水中ビリルビン様物質測定、母体間接クームス(クームス試薬には抗ヒトIgG抗体が入っている)
●二分脊椎・・・AFP
●胎児貧血・・・臍帯穿刺
●代謝異常児の出産既往者に対して適応は無い。(新生児の代謝異常検査は生後4~7日の血液を用いる)
【Rh不適合妊娠】
●母体の抗D抗体が胎児に移行し、胎児に溶血や低アルブミン血症(造血で肝に負担)が見られる。
【妊娠高血圧症候群】
●妊娠28週以降で胎児の発育が2週間以上見られない場合は分娩を考慮する。
●高血圧や蛋白尿は胎児の予後に関わる。
●浮腫と蛋白尿は重症のサインであるが、胎児発育遅延の主たる誘因とはならない。
●妊娠高血圧症における妊娠終了の適応指針
a 母体側因子
① 治療に抵抗して症状が不変または,増悪する場合
② 子癇,常位胎盤早期剥離,眼底出血,胸・腹水貯留,肺水腫,頭蓋内出血,HELLP症候群などの併発
③ 腎機能の悪化
④ 血液凝固異常の出現(血小板数10×10^4μl未満,DICのスコア上昇)
b 胎児側因子
① 胎児発育停止(妊娠28週以降,2週間以上)
② 胎児心拍数陣痛図(NST,CST)異常所見:non reactive,一過性徐脈,頻脈,徐脈,基線細変動の減少など
③ 羊水量減少,biophysical profile score(BPS)の低下
【心疾患合併妊娠】
●肺高血圧では妊産婦死亡の危険性が高まる。
【糖尿病合併妊娠】
●Whiteの分類
class A・・・食餌療法のみでコントロールされる。発症年齢,罹病期間をとわない
class B・・・20歳以上で表症し,罹病期間がlo年末満のもの
class C・・・10~19歳で発症, もしくは罹病期間が10~19年のもの
class D・・・10歳未満で発症,罹病期間20年以上,非増殖性網膜症,高血圧のいずれかの条件をみたすもの
class R・・・増殖性網膜症あるいは硝子体出血をもつもの
class F・・・500mg/日以上の蛋白尿を伴った腎症をもつもの
class RF・・・RとFの基準が共存するもの
class H・・・臨床的に明瞭な動脈梗化性心疾患をもつもの
class T・・・腎移植の既往を有するもの
【胎盤通過性】
●フェニトイン・・・胎児に奇形を生じうるが、治療上の有益性が上回れば単独投与してもよい。
【胎児発育】
●生殖索・・・男児ではライディヒ細胞に分化
●肺サーファクタントはⅡ型細胞が産生
●胎児が重症筋無力症のとき、羊水過多となる。
●臍帯動脈に静脈血が流れる。
【胎児機能不全】
●OCT(CST)・・・胎児ジストレスが確定した症例は禁忌
●一般に高度徐脈は100bpm以下
●第1度新生児仮死・・・アプガースコア7~4点
●第2度新生児仮死・・・アプガースコア3点以下
●早期一過性頻脈(Early deceleration)・・・頭位分娩第1~2期において生理的。
●遅発一過性徐脈・・・胎児低酸素症の初期サイン
●極小未熟児=極低出生体重児
●胎児低酸素症では羊水量が減少する。
【回旋】
●児頭の第3回旋時、肩甲は骨盤入口に位置する。
●正常分娩における児頭の矢状縫合は、骨盤入口部では横径に一致する。
●横位・・・子宮長軸と胎児長軸が直行する。児頭が左なら第1頭位。分娩中放置すると病的収縮輪の上昇が見られる。
【骨盤位】
●先進部固定以後の胎便排出は腹部圧迫のためで、胎児ジストレスの徴候ではない。
●後続児頭娩出法・・・Veit-Smelie法、Bracht法
●膝胸位・・・矯正法。28~30週に行う。
●頭位分娩に比べ遷延しやすい
【骨盤X線撮影】
●Guthmann法で計測可能・・・産科的真結合線、骨盤傾斜角、最短前後径、児頭の下行度、扁平仙骨、反屈位、高在絨定位
●Martius法で計測可能・・・骨盤入口の形、骨盤入口と児頭の大きさの比較、骨盤入口前後径、横径、坐骨棘間径
●Martius法の切り抜き法で入り口面を児頭が通過しないものはCPD、接するものは境界として試験分娩。通過しないと判断したものも実際は30%くらいが経膣分娩が可能。
●適応
*Seitz法陽性
*児頭浮動・先進部未固定(sp-3以下)
*狭骨盤が疑われる場合(外結合線17cmなど)
*身長150cm以下
*尖腹(CPDの疑い所見)
*児推定体重> 3,800g,子宮底長> 36cm
●産科的真結合線は11cmよりわずかに小さいのが平均的、外結合線は19cmが平均
●産科的真結合線とBPD(児頭大横径)の差が1~1.5cmならCPD
【児頭骨盤不均衡 cephalopelvic disproportion,fetopelvic disproportion,CPD】
●診断
①レオポルド触診法・・・初産婦の妊娠末期において児頭浮動を認める場合や子宮底長が35cmを越える場合は本症を疑う。
なお子宮底長は恥骨結合上縁と子宮底までの長さをいう。
②X線骨盤計測
マルチウス法 Martius ・・・骨盤入口と児頭の大きさとの比較ができるが、産科的真結合線は計測できない。
グスマン法 Guthman・・・産科的真結合線を計測し、産科的真結合線 - BPD が1cm以下で本症と診断され、帝王切開の適応となる。
産科的真結合線 - BPD が1~1.5cmの場合はCPD疑いとして試験分娩がなされることが多い。
③ザイツ法 Seitz ・・・分娩開始後において触診をなし、母体恥骨結合よりも児頭のほうが高位にあるときは本症を疑う。
●治療
①試験分娩 trial of labor・・・CPD疑いの症例が適応となる。なおCPDには陣痛促進薬は禁忌である。
試験分娩にて子宮口全開大の前で分娩の進行が停止した場合は帝王切開の適応となる。
②帝王切開・・・CPDの確定診断がつけば帝王切開の適応となる。
CPD疑いの症例でも試験分娩によって児頭の下降が認められない場合には適応となる。
【多胎】
●双胎頻度:1/80、三胎頻度:1/6400
●多胎妊娠の原因・・・クロミフェンなどの排卵誘発薬
【陣痛】
●メテルギン(マレイン酸メチルエルゴメトリン)・・・子宮収縮薬の一つ。陣痛促進には使用せず、弛緩出血の止血などに用いる。
●メトロイリーゼ・・・頚管拡張させるために使う。ゴムを子宮内に入れる。前置胎盤では禁忌。
【早産】
●前回妊娠の子宮頚管裂傷の既往は、早産の原因となる
●インドメタシン・・・PG阻害作用により子宮を弛緩させる。第1選択とはならないが、リトドリンの補助として使う。
【前置胎盤】
●診断・・・胎盤は移動するため、妊娠後期に診断する。超音波断層法、膣鏡診で凝血塊、内診は禁忌。
●症状・・・警告出血(就寝中の無痛性の出血)ショック、播種性血管内凝固症候群、陣痛発作時の出血、妊娠高血圧症候群の合併は無い。
●治療・・・帝王切開、出血時のDICの処置。
●緊急的な帝王切開の適応は、① 大量出血 ② 高度貧血 ③ 胎児仮死
●禁忌・・・内診、オキシトシン負荷試験、経膣走査超音波法。コルポイリーゼ(膣内にゴムを挿入、子宮頚管拡張)メトロイリーゼ(子宮内にゴムを挿入、子宮頚管拡張)
【常位胎盤早期剥離】
●妊娠高血圧症は発症因子として重要(浮腫や蛋白尿を伴う)
●初発症状:突発性の腹痛、出血、子宮硬直
●DICをきたしやすい
●陣痛間歇時に出血
●胎盤後血腫がある
【前期破水】
●妊娠30週の破水・・・母体CPR、hPLの測定
●胎位異常に合併しやすく、変動一過性徐脈を生じやすい。
【子宮破裂】
●胎児圧出術は禁忌。
●自然子宮破裂には2つの発症機転が知られている。
①通常、正常分娩では、生理的収縮輪は恥骨上縁約6cmの高さに達すると、子宮口は全開大し胎児は前進をはじめ、子宮下部の伸展は止み、収縮輪の上昇は停止する。
しかし、母体側あるいは胎児側の異常により、胎児の進行が停止した場合、子宮上部が強力に収縮、肥厚する結果、子宮下部の伸展は進み、胎児はほとんど子宮下部腔内に圧入され、収縮輪も次第に上昇し病的収縮輪となる。
さらに、この状態で過強な陣痛が起こると病的収縮輪は臍高をこえ、子宮下部の最も菲薄な部分で破裂が発生し、分娩は停止する(定型的破裂)。
②もうひとつの発症機転は子宮筋の解剖学的変化による破裂で、帝王切開瘢痕、楔入胎盤等の誘因により発症する。
また、これらの状態に加え、打撲や転倒などの外傷や可動により誘発される場合もある。
●切迫子宮破裂徴候・・・帝王切開による急速遂娩を行なう。鉗子・吸引分娩や圧出術などを施行することは禁忌である。
手術までは子宮収縮抑制剤を用いるが、場合によっては鎮静作用の強い塩酸モルヒネ、ペチロルファンなどが必要となる。
【産褥】
●子宮底・・・出産直後:臍恥中央部、産褥1~2日目:臍下1~2横指、5日目:臍恥中央部
●血栓性静脈炎・・・妊娠高血圧症候群や帝王切開後
【母子感染】
●HBs抗原陽性母体児は生直後(48時間以内)にHIBGを筋注。
●第2回目のHBIG投与は、母親がHBe抗原陽性の場合には必ず行うが、HBe抗原陰性の場合には省略することができる。生後2ヶ月に行う。
●性器ヘルペス初感染はC/S適応
●風疹感染:妊娠12週未満なら先天性風疹症候群は80~90%、妊娠18週以降なら40%の胎児に感染するがほとんどが不顕性となる。
【母子保健】
●母子保健法人では訪問指導が奨励されている。
<婦人科>
【無月経】
●ロキタンスキー症候群・・・子宮や膣が欠損しているが卵巣は機能しているため高ゴナドトロピンとはならない。
●月経困難症の患者ではプロスタグランジンが一般より多いと考えられている。
●アッシャーマン症候群・・・エストロゲン・プロゲステロン投与で出血は生じず、体温は2相性を示す。
●視床下部性無月経・・・GnRH律動投与、ゴナドトロピン(FSH,LH)療法、hMG-hCG療法などを行い、hCG治療は行わない。
●黄体機能不全・・・hCG治療を行う。
●子宮放射状動脈のらせん状動脈はホルモン感受性があるが、直線状動脈にはない。
●第一度無月経(卵巣性無月経)に対してクロミフェンが用いられる。
●LH-RH負荷試験で正常なら、下垂体以降のシステムは正常
【性器脱】
●子宮円索・・・子宮体部・膣に付着
【STD】
●クラミジアは子宮外妊娠の原因となる。
●淋菌感染は卵管閉塞の原因となる。
●膣分泌物が黄~黄緑色・・・淋菌、トリコモナス
●膣トリコモナス症ではアミン臭(魚臭、するめの匂い)がしばしばある。
●性器ヘルペス初感染はC/S適応
【子宮内膜症】
●GnRHアゴニストは、骨量低下の不利益を上回る利益がある場合のみ休薬期間後の再投与を行う。初回投与は必ず月経中に行う。投与中は一般に月経を認めない。
●腹膜病変は、腹腔鏡でのみ診断可能
【子宮腺筋症】
●鵞卵大~超手拳大となることが多い。
●治療薬はGnRHアゴニストや黄体ホルモン、ダナゾールが使われる。GnRHアンタゴニストは現在治験中。
【卵巣チョコレート嚢胞】
●癒着が多いため、腹腔鏡下手術では体外法(嚢胞を体外に出して処置する方法)をすることは少ない。しかし、体内法でも縫合などが難しいことが多い。
●MRIではT1 high,T2 high
【黄体嚢胞】
●通常片側性
●卵巣嚢腫は通常妊娠12週ごろまでに縮小する。よって12週以降も大きさが変わらなければ精査の必要がある。
【皮様嚢腫】
●MRIでT1 high,T2 high
●超音波で、hair ballによる高輝度エコー、アコースティックシャドウ
【Meigs症候群】
●良性卵巣腫瘍に胸腹水を伴う時、腫瘍の摘出により消失する
【不妊治療】
●IVH-ET(体外受精-胚移植法)・・・採取した卵子と精子を混合して受精させ、胚を子宮内に戻す方法。平均で30%程度の妊娠率。
●ICSC・・・採取した精子の数が少ないときや、良質な精子が少ない時に行う方法。
【経口避妊薬】
●メストラノール・・・体内で代謝されてエストロゲンになる。
●低用量・・・エストロゲン50μg以下
●良性乳房疾患の発生頻度を減少させる
【LAVH(腹腔鏡下膣式子宮摘出術)】
●経膣でできる操作は経膣で行い、それ以外を腹腔鏡下で行う術式
●子宮動脈の処理は経膣でできる。
【造膣術】
●フランク法・・・腟前庭をヘガールなどで圧伸して腟腔を形成したのち、その腟腔を拡張する方法
●マッキンドー法・・・観血的に腟腔を形成したのち、皮膚移植により腟壁を形成する方法
●ダビドフ法・・・観血的に腟腔を形成したのち、骨盤腹膜を利用して腟壁を形成する方法
●ルーゲ法・・・観血的に腟腔を形成したのち、開腹してS状結腸を切り離し、腟管として利用する方法
【子宮形成術】
●Strassmann 手術:主に双角子宮に対する形成手術であり,子宮底部に横切開を入れ,これを縦方向に縫合する.
●Jones and Jones 手術:主に中隔子宮に対して施行される術式であり,子宮底部に縦切開を入れ,中隔を除去する.
●Tompkins 手術:子宮底部正中に縦切開を入れ,その後 Strassmann 手術と同様の術式を行う.
●子宮鏡下中隔切除術(Hys-teroscopic metroplasty):中隔子宮に対する手術で,子宮鏡下に中隔子宮を切除する術式。手術侵襲が少ない。
【子宮頸癌】
●臨床予後因子・・・1.傍大動脈リンパ節転移 2.骨盤リンパ節転移 3.傍組織への転移 4.腫瘍径 5.組織型
●ハイリスクHPV・・・16,18,31,33,35,39,45,51,52,56,58,59,68
●ローリスクHPV・・・6,11
●子宮広汎全摘術には骨盤内リンパ節郭清が含まれる。傍大動脈リンパ節郭清と組み合わせることもある。
●コルポスコピー・・・閉経後高齢者はSCJが退行し、検査不適当。
●高度肥満では手術操作が困難になるため放射線療法を選択することがある。
●Ⅳb期、手術療法と化学療法・放射線療法などを組み合わせるNAC治療が行われるが、手術をメインとするNACは効果があるかどうかはっきりしていない。
【子宮体癌】
●高エストロゲン状態から発症するものは予後良好
●発症リスク・・・遺伝性非ポリポーシス大腸癌(HNPCC/リンチ症候群)、タモキシフェン
●臨床進行期は手術進行期分類が採用
●子宮体癌ステージ別治療
(1)単純子宮全摘出術と両側付属器(卵巣・卵管)切除術
0期の場合には標準的にはこの手術が行われる。手術前の診断でI期以上の場合には、これに加えて、骨盤内や腹部大動脈周囲のリンパ節郭清を行う場合がある。
(2)広汎性子宮全摘出術
II期、及びIII期の一部などに選択される。普通、広汎性子宮全摘出術の場合は、骨盤内リンパ節郭清を行う。同時に腹部大動脈周囲のリンパ節郭清を行う場合もある。
手術障害は、単純子宮全摘出術ではほとんどないが、広汎性子宮全摘出術では、排尿・排便障害がある。
卵巣切除は、女性ホルモンがなくなることによる卵巣欠落症状(更年期障害)をおこす。骨盤内リンパ節郭清は下肢の浮腫をおこす。
2)放射線療法
外照射法と、腔内照射法がある。単独または手術療法と組み合わせて、術後に行われる。
放射線単独の治療は、患者の希望や、高年齢あるいは他の病気のために手術が行えない場合、III期/IV期の一部などに用いられる。
手術後に放射線療法を行うのは、リンパ節転移を認めた場合、病変が子宮の壁に深く浸潤していた場合、腟壁に浸潤していた場合など。
3)化学療法
化学療法を単独で行うのは、IV期の一部など。手術後に化学療法を行うのはIII期/IV期です。
4)ホルモン療法
手術をしない段階の診断で、0期もしくはI期で、子宮を摘出しないで残したいと希望する若年の女性の場合に選択される。その場合、掻爬治療と組み合わせて行う。
また、再発の危険性の高い症例に対する補助的な治療として、あるいは化学療法の効果が不十分な場合や全身状態が不良で化学療法を行うことができない場合に、化学療法にかわる全身的治療として行われる。
【卵巣癌】
●CAP療法・・・Cはシクロフォスファミド、Pがプラチナ製剤(CDDP)
●FIGO進行期分類
Ⅰ期:卵巣内限局発育
Ⅰa:腫瘍が一側の卵巣に限局し、癌性腹水がなく、被膜表面への浸潤や被膜破綻の認められないもの。
Ⅰb:腫瘍が両側の卵巣に限局し、癌性腹水がなく、被膜表面への浸潤や被膜破綻の認められないもの。
Ⅰc:腫瘍は一側または両側の卵巣に限局するが、被膜表面への浸潤や被膜破綻が認められたり、腹水または洗浄の細胞診にて悪性細胞の認められるもの。
【注】 腫瘍表面の擦過細胞診にて腫瘍細胞陽性の場合はⅠcとする。
Ⅱ期:腫瘍が一側または両側の卵巣に存在し、さらに骨盤内への進展を認めるもの
Ⅱa:進展ならびに/あるいは転移が、子宮ならびに/あるいは卵管に及ぶもの。
Ⅱb:他の骨盤内臓器に進展するもの。
Ⅱc:腫瘍発育がⅡaまたはⅡbで、被膜表面への浸潤や被膜破綻が認められたり、腹水または洗浄の細胞診にて悪性細胞の認められるもの。
【注1】 ⅠcおよびⅡc症例において予後因子としての関連を評価するために、下記のごとく分類・表記することが望ましい。
Ⅰc(a):自然被膜破綻
Ⅰc(b):手術操作による被膜破綻
Ⅰc(1):腹腔洗浄液細胞診陽性
Ⅰc(2):腹水細胞診陽性
Ⅱcも同様とする。
【注2】 他臓器への進展、転移などは組織学的に検索されることが望ましい。
Ⅲ期:腫瘍が一側または両側の卵巣に存在し、さらに骨盤外の腹膜播種ならびに/あるいは後腹膜、または鼠径部のリンパ節転移を認めるもの。
また腫瘍は小骨盤に限局しているが小腸や大網に組織学的転移を認めるものや、肝表面への転移の認められたものもⅢ期とする。
Ⅲa:リンパ節転移陰性で腫瘍は肉眼的には小骨盤に限局しているが、腹膜表面に顕微鏡的播種を認めるもの。
Ⅲb:リンパ節転移陰性で、組織学的に確認された直径2cm以下の腹腔内播種を認めるもの。
Ⅲc:直径2cmをこえる腹腔内播種ならびに/あるいは後腹膜または鼠径リンパ節に転移の認められるもの。
【注1】 腹腔内病変の大きさは最大のものの径で示す。すなわち、2cm以下のものが多数認められてもⅢbとする。
【注2】 リンパ節郭清が行われなかった場合、触診その他できうるかぎりの検索で知りえた範囲で転移の有無を判断し進行期を決定する。
Ⅳ期:腫瘍が一側または両側の卵巣に存在し、遠隔転移を伴うもの
胸水の存在によりⅣ期とする場合には、胸水中に悪性細胞を認めなければならない。また肝実質への転移はⅣ期とする。
【注】 肝実質転移は組織学的(細胞学的)に証明されることが望ましいが、画像診断で転移と診断されたものもⅣ期とする。
*ステージIa期の卵巣がんの患者が、手術後に妊娠、出産をする可能性がある場合には、腫瘍のある部分の卵巣、卵管、大網を切除し子宮は残す。
*大網は一見転移が認められない場合でも切除手術を行う。手術後の検査で、切除した大網に転移が発見されることがある。大網への転移が認められれば、ステージはIII期。
*手術の際、後腹膜リンパ節への転移の可能性が認められた場合は、リンパ節のサンプリングを行い、迅速病理検査を行う。
*リンパ節の病理検査の結果、転移が判明すれば、リンパ管から他の部位への転移を防止するためリンパ節を郭清する。リンパ節からの転移が発見された場合には、卵巣がんのステージはI期ではなくIII期。
【絨毛癌】
●MMC(マイトマイシンC)は用いない
【子宮平滑筋肉腫】
●後腹膜・腸間膜型は予後不良
【化学療法】
●代謝拮抗薬・・・細胞周期特異的(S期)
●効果判定・・・
*CR(Complete Response):完全寛解・著効・・・すべての病変の100%縮小(消失)が4週間以上持続。
*PR(Partial Response):部分寛解・有効・・・病変の50%以上の縮小が4週間以上持続。
*MR(Minor Response):49~25%縮小
*NC(No Change):不変・・・病変の50%未満の縮小または、25%未満の増大が4週間以上持続。
*SD(Stable Disease):不変・・・病変の縮小率が30%未満、または20%以内の増加で、二次的病変が増悪せず、かつ新病変の出現のない状態が4週間以上持続。
*PD(Progressive Disease):進行・増悪・・・最も縮小した時点から、25%以上の増大または、新病巣の出現。
●タモキシフェン副作用:子宮筋腫、子宮内膜症、子宮内膜ポリープ
整形対策
授業プリントにあんまり載ってなかった疾患を調べました。
出題範囲には書いてなかったけど、コンパートメント症候群やモンテジア骨折についても勉強しておいた方がなんとなく良さげ・・・。直感的に。
【転移性骨腫瘍】(metastatic bone tumor)
●病態:体の別の部位にできた腫瘍が骨へ転移したもの。骨悪性腫瘍で最多で癌死亡者の半分は骨転移を合併している。乳腺(18%、約30%は骨形成型)、肺(20%、約15%は骨形成型)、前立腺(7%、約85%は骨形成型)、腎臓(7%)、甲状腺、胃癌(6%、約20%は骨形成型)、子宮癌(5%)、肝癌(4%)などが転移しやすい。どの部位の骨にも転移する可能性があるが、普通は肘や膝より近位に多く、脊椎転移が最も多い。他に骨盤、大腿骨、上腕骨、肋骨などにも多い。多発性骨転移が43%ある。
● 検査:放射性トレーサーを使用した骨スキャン検査、X線検査。生検の病理所見で由来組織の同定。
* X線所見
○溶骨型:浸潤性の骨破壊→骨吸収像、全体の約80%を占める
○ 骨形成型:骨硬化像、前立腺癌の転移で多い
*血液液生化学:ALP高値、高Ca血症、酸ホスファターゼ(造骨型の骨転移に特徴的)
● 症状:原発癌が見つかる前に骨転移症状から発見されることがある。X線で確認される3~8か月前に自覚症状が出現する。症状は、腫瘍によって脆くなった部位の疼痛や病的骨折。
● 治療:目的は安楽に余命を延長させること。骨転移した癌の種類によって異なり、化学療法、放射線療法、併用療法、どちらも無効の場合がある。骨の固定手術を行って骨を安定させることで、病的骨折を防げる。原発癌を切除できて骨転移も1つの骨に限局していれば、外科手術と放射線療法または化学療法との併用、あるいは外科手術と放射線療法と化学療法という3つの併用が、治癒的となることがある。
* 転移性脊椎腫瘍→脊髄圧迫症状の軽減の目的で椎弓切除術、脊椎固定術。
* 生命予後6か月以上→積極的に転移巣の切除と脊椎固定術
【骨肉腫】(osteosarcoma)
●病態:多発性骨髄腫と悪性リンパ腫を除く原発性骨腫瘍のうち、最も発症頻度が高い。いくつもの亜型を含み、その中で最も頻度が高いのが骨内通常型骨肉腫(予後不良)。長幹骨の骨幹端が好発部位で、50%が膝周辺に発生する。7~10万人に1人の発生率で二峰性の分布を持ち、75%が20歳未満の患者で起こる。2番目のピークは初老期にあり、骨パジェット病、骨髄梗塞の様な骨の症状や以前の被曝に関係する事が多い。
● 症状:自覚時点で肺に微小転移巣が存在していると考え治療方針を立てる(転移の90%は肺)。長幹骨、特に脛骨や上腕骨の近位側および大腿骨遠位側の骨幹端に好発。持続する痛みだが、激しいものではない。筋肉痛と間違う場合もある。小児の場合は「痛い」とは言わず、運動を嫌がったり、手足を持たれたり、特定の手足を動かされるのを嫌う場合もある。
● 検査
*X線検査:骨膜反応=骨表面から垂直に外側へ伸びている、濃い不規則な陰影を認める。
*病理組織:腫瘍細胞は多形性の強い核を有し、しばしば巨細胞を交え、異常有糸分裂像に富む。細胞間に、不整な好酸性に染まる骨梁即ち腫瘍骨(好塩基性顆粒状に染まる中心石灰化は、あるときもないときもある)や、類骨基質を形成する。軟骨基質が混在している場合もある。未熟な血管が存在することもあり、この場合血行性転移を起こしやすい。
●治療
*術前化学療法:アドリアマイシン、メトトレキサート、シスプラチンなどを約10週間
*治癒的広範切除術:人工関節置換術、骨移植術など併用
*術後化学療法:定期的な胸部X線撮影を行いながら約1年間継続
*基本的な療法では外科手術と化学療法を骨軟部悪性腫瘍では併用する。骨膜性骨肉腫(比較的予後の良い亜型)等の場合は主に外科手術が中心。
*抗がん剤としては、シスプラチン、ドキソルビシン、 イホスファミド、シクロホスファミド、ブレオマイシンなど。また、カフェイン併用化学療法が、厚生労働省の承認した高度先進医療として、愛大など全国数カ所の施設で行われている。
*カフェイン療法:シスプラチンとアドリアマイシンにカフェインを併用した化学療法(シスプラチン4時間投与後にカフェインを体重60kgの人の場合1.5gを24時間で3日間連続、3週1コース)で、転移がない場合の有効率は特に高い(78%が転移も再発もない)とされる。
*患肢を切断せずに腫瘍を切除することも可能となり、患者のQOLが大幅に改善された。
●予後:5年生存率60~70%、補助療法の併用で最大90%以上(転移のない場合は最大で78%の完全寛解 complete response ・CR)に改善している。
【軟骨肉腫】(chondrosarcoma)
●病態:軟骨細胞に由来し硝子様軟骨を形成する悪性骨腫瘍。原発性軟骨肉腫と続発性軟骨肉腫(軟骨腫、骨軟骨腫が悪性化)がある。骨肉腫に次いで2番目に多い骨原発肉腫で、原因は不明。骨肉腫やユーイング肉腫と比較して30歳以降の年代に発生する。軟骨を作る細胞が悪性化したものだが、悪性度の高いものから低いものまであり、低いものでは良性の軟骨腫との区別がつきにくい。進展速度は比較的遅いが、化学療法や放射線療法の治療効果がなく、結果的に予後は骨肉腫より悪い。続発性軟骨肉腫は年齢がやや若い傾向があり、予後も比較的良好。
●症状:幼少時には痛みを伴わず、比較的緩徐に大きくなるため、痛みが出るときには大きな腫瘤を自覚する。
● 検査
*X線:輪状、斑点状の石灰化像、骨皮質を内部から破壊。年齢とX線像で、骨肉腫との区別はつきやすいが、軟骨組織の診断はMRI検査が有用。
*生検:骨軟骨腫の悪性化徴候である軟骨帽の肥厚を見る。腫瘤が大きくなるのを自覚するにもかかわらず、X線写真では大きくみえない時に手術生検する。
●治療
*分化型には広範切除術(患肢温存)
*未分化型で治癒的切除が不可能な場合は切断、離断術
*きわめて未分化な場合は骨肉腫に準ずる
*手術で周囲の正常組織を含めて切除する。化学療法や放射線療法は無効。
【Ewing肉腫】
●病態:起源、本態は不明。悪性骨腫瘍の5%前後にしかみられない稀な腫瘍で、20歳までに約4分の3の症例が発症し、骨肉腫と同様に若い年代にみられる。骨肉腫と異なる特徴は、①関節部分から遠い骨の中心に病気が起こること、②骨の腫瘍にもかかわらず軟部への進展が速く、周囲の軟部腫瘤が著しいこと。
● 検査
* 病理:組織学的に小型円形細胞が密に増殖
* X線:骨の破壊と骨外への進展を示す骨膜反応
* MRI: X線写真ではっきりしない時期に、すでに軟部の腫瘤がはっきりすることがあり、痛みが続く時には有効。
* PET:骨肉腫に比較してかなり高い活動性を示す。
* 骨肉腫や骨のリンパ肉腫との区別には、ユーイング肉腫に特異的な膜蛋白(MIC2)の検出が有効。
●症状:主に疼痛。病気の進展に伴って、局所の熱感や圧痛がはっきりする。周囲の軟部への拡大が速く、神経刺激症状として現れることもある。骨盤や鎖骨、脊椎などに起こることが多いが、X線検査で見逃されやすい。発熱、白血球増多などの全身症状を合併する。
●治療
*放射線や化学療法に対する反応はよいが、再発しやすく、骨や肺への転移のために5年生存率は5~10%程度。
*原則的に広範切除による患肢温存手術
*手術で、周囲の正常組織で包むように摘出し、術後化学療法と放射線療法。
*転移病巣の予防と治療には化学療法。
【骨髄炎】
●原因:細菌感染によるものがほとんど。原因菌としてはブドウ球菌、緑膿菌、表皮ブドウ球菌、変形菌、MRSAなどがある。化膿性骨髄炎ともいわれる。急性と慢性に分かれる。骨の組織に、細菌などの微生物が感染して化膿するもので、難治性の疾患。骨折、外科手術、骨髄穿刺、銃による外傷などによって、細菌が骨髄に入って増殖して炎症を起こす場合や、血行性感染して骨髄炎となる場合がある。局所の血行障害(糖尿病、褥瘡)によって生じる皮膚の潰瘍では、バリアーである皮膚が破壊されて骨への感染が起こる場合もある。
● 検査:血液検査とX線検査が基本。
* 血液検査:白血球数の増加、赤血球沈降速度の亢進、CRPの陽性、アルカリフォスファターゼ(骨代謝マーカー)
* 急性化膿性骨髄炎の初期段階:X線像では変化が現れにくく、その場合はMRIや骨シンチグラフィによる画像検査が有効。
* 慢性化膿性骨髄炎:X線検査、MRI、骨シンチグラフィ、瘻孔造影 、骨や膿の創培養や血液培養(原因菌の同定)。
■急性化膿性骨髄炎
新生児期や学童期に多くみられるが、外傷性の場合、成人にもみられる。多くは大腿骨や脛骨に起こる。近年、MRSAなどの耐性菌が問題となっている。成長に伴い下肢の変形や短縮などがおこる場合もある。主症状は、悪寒、高熱、局所の疼痛。患部が腫れ、乳幼児では手足を動かそうとすることができなくなる。初期段階では、X線検査をしても変化が現われず、MRIや骨シンチグラフィーによる画像検査が有効とされる。一刻も早く治療開始することが重要。
■慢性化膿性骨髄炎
急性のものが慢性化するものと、最初から慢性型で発病し、骨腫瘍と疑われるようなものがある。慢性型は再発をくり返し、生涯続く場合もある。
●治療の方法
* 一般的には、安静にし、抗生物質を4~8週間、静脈注射をする。
* 抗生物質は原因菌に対する薬剤感受性検査を行い、感受性のある薬剤を使用する。
* 耐性菌(MRSA等)が出現した場合は抗生物質の系統を変更し、投与を続ける。
* 慢性化の場合、高圧酸素治療を行うこともある。
* 外科的治療は、感染部の異物や壊死した皮膚・腐骨組織を掻破、除去する。(デブリドマン)
* 開窓状態にし、患部に対し持続灌流を行うこともある。(持続灌流:生理食塩水を患部に流して洗浄するとともに、壊死に陥った組織を排出する。)
* 感染兆候が収まらない場合、再度、掻破、除去する。
* 骨欠損部が広範囲に渡る場合は、骨を腸骨等から移植したり、変形や短縮が起こった場合にはイリザロフ創外固定術等により骨延長を行う。
【肩関節周囲炎】(肩峰下インビジメント症候群)
● 病態:一般には、四十肩、五十肩と呼ばれている。肩関節の周りにある組織の変化や、炎症などによって、肩に痛みが生じる。肩関節周囲炎は年齢とともに、腱板の炎症や部分的な断裂、また、腱板の上にある肩峰下滑液包の炎症や癒着がおこりやすくなり、肩の痛みや動きの制限をもたらす。上腕二頭筋腱に炎症がおこり、これによって、肩の痛みや動きの制限が現われることもある。
● 症状:肩を動かすと痛みがおこる。腱をあげたり、背中にまわしたりするときにも痛む。初期は痛みが強く、夜間、とくに明け方にに肩の動きが不自由になる。ただし、腱板に石灰が沈着する石灰沈着性腱板炎の場合には、ある日、急に肩に激痛がおこり、まったく腱を動かせなくなる。(この場合は、X線写真で石灰の沈着がはっきりわかり、診断できる。)転んで肩を打った後や重いものを持ち上げたときに、急に肩が痛み、腕をあげることができなくなった場合には、腱板断裂の可能性がある。
● 治療:保存的治療が原則。
*初期の痛みが強い時期:消炎鎖痛剤、関節内にステロイド剤やヒアルロン酸ナトリウムの注射→痛みは軽くなるが肩の動きが悪くなる。
*肩の動きが悪くなる時期:ホットパックなどの温熱療法、運動療法。
*肩の動きが非常に悪く、なかなか改善しないとき→関節包に麻酔剤を注入して、少しずつ広げる、パンピング療法と呼ばれる治療が用いられる。
*関節鏡を用いて、つっぱっている動帯を切除する手術を行うこともある。
出題範囲には書いてなかったけど、コンパートメント症候群やモンテジア骨折についても勉強しておいた方がなんとなく良さげ・・・。直感的に。
【転移性骨腫瘍】(metastatic bone tumor)
●病態:体の別の部位にできた腫瘍が骨へ転移したもの。骨悪性腫瘍で最多で癌死亡者の半分は骨転移を合併している。乳腺(18%、約30%は骨形成型)、肺(20%、約15%は骨形成型)、前立腺(7%、約85%は骨形成型)、腎臓(7%)、甲状腺、胃癌(6%、約20%は骨形成型)、子宮癌(5%)、肝癌(4%)などが転移しやすい。どの部位の骨にも転移する可能性があるが、普通は肘や膝より近位に多く、脊椎転移が最も多い。他に骨盤、大腿骨、上腕骨、肋骨などにも多い。多発性骨転移が43%ある。
● 検査:放射性トレーサーを使用した骨スキャン検査、X線検査。生検の病理所見で由来組織の同定。
* X線所見
○溶骨型:浸潤性の骨破壊→骨吸収像、全体の約80%を占める
○ 骨形成型:骨硬化像、前立腺癌の転移で多い
*血液液生化学:ALP高値、高Ca血症、酸ホスファターゼ(造骨型の骨転移に特徴的)
● 症状:原発癌が見つかる前に骨転移症状から発見されることがある。X線で確認される3~8か月前に自覚症状が出現する。症状は、腫瘍によって脆くなった部位の疼痛や病的骨折。
● 治療:目的は安楽に余命を延長させること。骨転移した癌の種類によって異なり、化学療法、放射線療法、併用療法、どちらも無効の場合がある。骨の固定手術を行って骨を安定させることで、病的骨折を防げる。原発癌を切除できて骨転移も1つの骨に限局していれば、外科手術と放射線療法または化学療法との併用、あるいは外科手術と放射線療法と化学療法という3つの併用が、治癒的となることがある。
* 転移性脊椎腫瘍→脊髄圧迫症状の軽減の目的で椎弓切除術、脊椎固定術。
* 生命予後6か月以上→積極的に転移巣の切除と脊椎固定術
【骨肉腫】(osteosarcoma)
●病態:多発性骨髄腫と悪性リンパ腫を除く原発性骨腫瘍のうち、最も発症頻度が高い。いくつもの亜型を含み、その中で最も頻度が高いのが骨内通常型骨肉腫(予後不良)。長幹骨の骨幹端が好発部位で、50%が膝周辺に発生する。7~10万人に1人の発生率で二峰性の分布を持ち、75%が20歳未満の患者で起こる。2番目のピークは初老期にあり、骨パジェット病、骨髄梗塞の様な骨の症状や以前の被曝に関係する事が多い。
● 症状:自覚時点で肺に微小転移巣が存在していると考え治療方針を立てる(転移の90%は肺)。長幹骨、特に脛骨や上腕骨の近位側および大腿骨遠位側の骨幹端に好発。持続する痛みだが、激しいものではない。筋肉痛と間違う場合もある。小児の場合は「痛い」とは言わず、運動を嫌がったり、手足を持たれたり、特定の手足を動かされるのを嫌う場合もある。
● 検査
*X線検査:骨膜反応=骨表面から垂直に外側へ伸びている、濃い不規則な陰影を認める。
*病理組織:腫瘍細胞は多形性の強い核を有し、しばしば巨細胞を交え、異常有糸分裂像に富む。細胞間に、不整な好酸性に染まる骨梁即ち腫瘍骨(好塩基性顆粒状に染まる中心石灰化は、あるときもないときもある)や、類骨基質を形成する。軟骨基質が混在している場合もある。未熟な血管が存在することもあり、この場合血行性転移を起こしやすい。
●治療
*術前化学療法:アドリアマイシン、メトトレキサート、シスプラチンなどを約10週間
*治癒的広範切除術:人工関節置換術、骨移植術など併用
*術後化学療法:定期的な胸部X線撮影を行いながら約1年間継続
*基本的な療法では外科手術と化学療法を骨軟部悪性腫瘍では併用する。骨膜性骨肉腫(比較的予後の良い亜型)等の場合は主に外科手術が中心。
*抗がん剤としては、シスプラチン、ドキソルビシン、 イホスファミド、シクロホスファミド、ブレオマイシンなど。また、カフェイン併用化学療法が、厚生労働省の承認した高度先進医療として、愛大など全国数カ所の施設で行われている。
*カフェイン療法:シスプラチンとアドリアマイシンにカフェインを併用した化学療法(シスプラチン4時間投与後にカフェインを体重60kgの人の場合1.5gを24時間で3日間連続、3週1コース)で、転移がない場合の有効率は特に高い(78%が転移も再発もない)とされる。
*患肢を切断せずに腫瘍を切除することも可能となり、患者のQOLが大幅に改善された。
●予後:5年生存率60~70%、補助療法の併用で最大90%以上(転移のない場合は最大で78%の完全寛解 complete response ・CR)に改善している。
【軟骨肉腫】(chondrosarcoma)
●病態:軟骨細胞に由来し硝子様軟骨を形成する悪性骨腫瘍。原発性軟骨肉腫と続発性軟骨肉腫(軟骨腫、骨軟骨腫が悪性化)がある。骨肉腫に次いで2番目に多い骨原発肉腫で、原因は不明。骨肉腫やユーイング肉腫と比較して30歳以降の年代に発生する。軟骨を作る細胞が悪性化したものだが、悪性度の高いものから低いものまであり、低いものでは良性の軟骨腫との区別がつきにくい。進展速度は比較的遅いが、化学療法や放射線療法の治療効果がなく、結果的に予後は骨肉腫より悪い。続発性軟骨肉腫は年齢がやや若い傾向があり、予後も比較的良好。
●症状:幼少時には痛みを伴わず、比較的緩徐に大きくなるため、痛みが出るときには大きな腫瘤を自覚する。
● 検査
*X線:輪状、斑点状の石灰化像、骨皮質を内部から破壊。年齢とX線像で、骨肉腫との区別はつきやすいが、軟骨組織の診断はMRI検査が有用。
*生検:骨軟骨腫の悪性化徴候である軟骨帽の肥厚を見る。腫瘤が大きくなるのを自覚するにもかかわらず、X線写真では大きくみえない時に手術生検する。
●治療
*分化型には広範切除術(患肢温存)
*未分化型で治癒的切除が不可能な場合は切断、離断術
*きわめて未分化な場合は骨肉腫に準ずる
*手術で周囲の正常組織を含めて切除する。化学療法や放射線療法は無効。
【Ewing肉腫】
●病態:起源、本態は不明。悪性骨腫瘍の5%前後にしかみられない稀な腫瘍で、20歳までに約4分の3の症例が発症し、骨肉腫と同様に若い年代にみられる。骨肉腫と異なる特徴は、①関節部分から遠い骨の中心に病気が起こること、②骨の腫瘍にもかかわらず軟部への進展が速く、周囲の軟部腫瘤が著しいこと。
● 検査
* 病理:組織学的に小型円形細胞が密に増殖
* X線:骨の破壊と骨外への進展を示す骨膜反応
* MRI: X線写真ではっきりしない時期に、すでに軟部の腫瘤がはっきりすることがあり、痛みが続く時には有効。
* PET:骨肉腫に比較してかなり高い活動性を示す。
* 骨肉腫や骨のリンパ肉腫との区別には、ユーイング肉腫に特異的な膜蛋白(MIC2)の検出が有効。
●症状:主に疼痛。病気の進展に伴って、局所の熱感や圧痛がはっきりする。周囲の軟部への拡大が速く、神経刺激症状として現れることもある。骨盤や鎖骨、脊椎などに起こることが多いが、X線検査で見逃されやすい。発熱、白血球増多などの全身症状を合併する。
●治療
*放射線や化学療法に対する反応はよいが、再発しやすく、骨や肺への転移のために5年生存率は5~10%程度。
*原則的に広範切除による患肢温存手術
*手術で、周囲の正常組織で包むように摘出し、術後化学療法と放射線療法。
*転移病巣の予防と治療には化学療法。
【骨髄炎】
●原因:細菌感染によるものがほとんど。原因菌としてはブドウ球菌、緑膿菌、表皮ブドウ球菌、変形菌、MRSAなどがある。化膿性骨髄炎ともいわれる。急性と慢性に分かれる。骨の組織に、細菌などの微生物が感染して化膿するもので、難治性の疾患。骨折、外科手術、骨髄穿刺、銃による外傷などによって、細菌が骨髄に入って増殖して炎症を起こす場合や、血行性感染して骨髄炎となる場合がある。局所の血行障害(糖尿病、褥瘡)によって生じる皮膚の潰瘍では、バリアーである皮膚が破壊されて骨への感染が起こる場合もある。
● 検査:血液検査とX線検査が基本。
* 血液検査:白血球数の増加、赤血球沈降速度の亢進、CRPの陽性、アルカリフォスファターゼ(骨代謝マーカー)
* 急性化膿性骨髄炎の初期段階:X線像では変化が現れにくく、その場合はMRIや骨シンチグラフィによる画像検査が有効。
* 慢性化膿性骨髄炎:X線検査、MRI、骨シンチグラフィ、瘻孔造影 、骨や膿の創培養や血液培養(原因菌の同定)。
■急性化膿性骨髄炎
新生児期や学童期に多くみられるが、外傷性の場合、成人にもみられる。多くは大腿骨や脛骨に起こる。近年、MRSAなどの耐性菌が問題となっている。成長に伴い下肢の変形や短縮などがおこる場合もある。主症状は、悪寒、高熱、局所の疼痛。患部が腫れ、乳幼児では手足を動かそうとすることができなくなる。初期段階では、X線検査をしても変化が現われず、MRIや骨シンチグラフィーによる画像検査が有効とされる。一刻も早く治療開始することが重要。
■慢性化膿性骨髄炎
急性のものが慢性化するものと、最初から慢性型で発病し、骨腫瘍と疑われるようなものがある。慢性型は再発をくり返し、生涯続く場合もある。
●治療の方法
* 一般的には、安静にし、抗生物質を4~8週間、静脈注射をする。
* 抗生物質は原因菌に対する薬剤感受性検査を行い、感受性のある薬剤を使用する。
* 耐性菌(MRSA等)が出現した場合は抗生物質の系統を変更し、投与を続ける。
* 慢性化の場合、高圧酸素治療を行うこともある。
* 外科的治療は、感染部の異物や壊死した皮膚・腐骨組織を掻破、除去する。(デブリドマン)
* 開窓状態にし、患部に対し持続灌流を行うこともある。(持続灌流:生理食塩水を患部に流して洗浄するとともに、壊死に陥った組織を排出する。)
* 感染兆候が収まらない場合、再度、掻破、除去する。
* 骨欠損部が広範囲に渡る場合は、骨を腸骨等から移植したり、変形や短縮が起こった場合にはイリザロフ創外固定術等により骨延長を行う。
【肩関節周囲炎】(肩峰下インビジメント症候群)
● 病態:一般には、四十肩、五十肩と呼ばれている。肩関節の周りにある組織の変化や、炎症などによって、肩に痛みが生じる。肩関節周囲炎は年齢とともに、腱板の炎症や部分的な断裂、また、腱板の上にある肩峰下滑液包の炎症や癒着がおこりやすくなり、肩の痛みや動きの制限をもたらす。上腕二頭筋腱に炎症がおこり、これによって、肩の痛みや動きの制限が現われることもある。
● 症状:肩を動かすと痛みがおこる。腱をあげたり、背中にまわしたりするときにも痛む。初期は痛みが強く、夜間、とくに明け方にに肩の動きが不自由になる。ただし、腱板に石灰が沈着する石灰沈着性腱板炎の場合には、ある日、急に肩に激痛がおこり、まったく腱を動かせなくなる。(この場合は、X線写真で石灰の沈着がはっきりわかり、診断できる。)転んで肩を打った後や重いものを持ち上げたときに、急に肩が痛み、腕をあげることができなくなった場合には、腱板断裂の可能性がある。
● 治療:保存的治療が原則。
*初期の痛みが強い時期:消炎鎖痛剤、関節内にステロイド剤やヒアルロン酸ナトリウムの注射→痛みは軽くなるが肩の動きが悪くなる。
*肩の動きが悪くなる時期:ホットパックなどの温熱療法、運動療法。
*肩の動きが非常に悪く、なかなか改善しないとき→関節包に麻酔剤を注入して、少しずつ広げる、パンピング療法と呼ばれる治療が用いられる。
*関節鏡を用いて、つっぱっている動帯を切除する手術を行うこともある。