単品の進級促進運動 -4ページ目

一応CBT対策

基礎系のまとめ。
臨床事項はやってないです。


◆医学史
アンドレアス・ヴェサリウス:16世紀に正確な解剖図。近代医学の始まり。
ウィリアム・ハーヴェイ:17世紀、血液循環説、科学的医学の発展
アレキサンダー・フレミング:1928ペニシリン
ウィリアム・オスラー:20世紀初頭、医学教育
ジェームズ・ワトソン:1953DNA立体構造

ジェンナー:種痘
ラエネック:聴診器
ベルナール:生理学
パスツール:ワクチン
コッホ:細菌学
ウィルヒョウ:病理学
レントゲン:X線
エールリッヒ:梅毒治療
ビルロート:外科
ハルステッド:外科
バンチング:インスリン発見

丹波康頼:医心方編纂
山脇東洋:日本初医学的死体解剖
杉田玄白:解体新書出版
華岡青洲:世界初全身麻酔で乳癌手術
シーボルト:蘭学教育者
緒方洪庵:適塾
北里柴三郎:破傷風菌純培養、ジフテリア抗血清
鈴木梅太郎:ビタミンB1(オリザニン)発見
山際勝三郎:世界初人工発癌(ウサギ耳コールタール)
高峰譲吉:タカジアスターゼ発見、アドレナリン抽出
志賀潔:赤痢菌発見
利根川進:抗体発現機構、ノーベル賞
田原淳:刺激伝導系
野口英世:脳梅毒と麻痺狂

◆倫理
ヒポクラテスの誓い:患者に益をなす、患者に害をなさない、患者の秘密を守る
ヘルシンキ宣言:実験的治療にはインフォームドコンセントが必要
リスボン宣言:患者の自己決定権
ABCEの4原則:患者の信頼を裏切らない、ケアの倫理

◆医療ミス
フェイルセーフシステム:人的過失を重大にならないように修正・無害化・限局化する

◆必須アミノ酸
トリプトファン
ロイシン
リジン
バリン
スレオニン
フェニルアラニン
メチオニン
イソロイシン

◆DNA修復
①SOS修復:損傷が重大な時、とりあえず何かの塩基を入れる。
②塩基除去修復:変異塩基だけを除去して修復
③組替え修復:2本とも変異があるとき、相同組み換えで修復
④ヌクレオチド除去修復:DNA骨格ごと複数のヌクレオチドを抜き取る。チミンダイマー、色素性乾皮症
⑤光回復:可視光で活性化されるDNAフォトリアーゼが紫外線で生じたチミンダイマーを修復
⑥ミスマッチ修復:複製で生じたミスマッチ塩基対を修復

◆ビタミン
A:かん体視物質レチナール
欠乏→夜盲
過剰→催奇形
B1:炭水化物の代謝に必須
欠乏→代謝性アシドーシス、脚気(全身浮腫・心不全・眼振・眼筋麻痺・運動失調・意識障害・頭痛・嘔吐・錯乱)、コルサコフ症候群(物忘れ)、Wernicke脳症
B12欠乏→巨赤芽球性貧血、亜急性連合性脊髄変性症
C欠乏→壊血症
D:Ca代謝
欠乏→骨軟化症、くる病
過剰→高Ca血症、催奇形
K欠乏→出血傾向
ニコチン酸欠乏→ペラグラ
葉酸欠乏→巨赤芽球性貧血、脊髄髄膜瘤


◆ミネラル
Ca
低Ca→クボステーク徴候(顔面神経叩打+れん縮)、トルーソー徴候(腕圧迫+痙攣)
高Ca→原発性副甲状腺機能亢進症、甲状腺機能亢進症、サルコイドーシス、多発性骨髄腫、ビタミンD中毒

Na、K
高Na・低K→原発性アルドステロン症、クッシング病
高K→代謝性アシドーシス
低Na→高血糖(高浸透圧性低Na血症)

P:PTHが再吸収を抑制
低P→原発性副甲状腺機能亢進症
高P→ビタミンD中毒、慢性腎不全

細胞外液:Na+,Ca2+、Cl-、HCO3-
細胞内液:K+、Mg+、HPO42+

代謝性アシドーシス:一般にCl-高値、アニオンギャップ増大性のケトアシ、乳酸アシではCl-正常~低値

◆反射・徴候
吸引反射:乳幼児・前頭葉障害
ロンベルグ徴候:脊髄後根・後索障害
トレムナー反射:一側性で錐体路障害
把握反射:前頭葉障害
バビンスキー反射:錐体路障害
腹壁反射:消失は錐体路障害
ワルテンベルク反射:錐体路障害

膝蓋腱反射の反射弓:筋紡錘→Ⅰa神経線維→後根→α神経線維→大腿四頭筋

◆発生
体節:脊椎骨、肋骨、体幹部と四肢の全ての骨格筋
肢芽:四肢の原基。胎生4週ごろ形成
前腸:食道、胃、十二指腸口側、肝、胆、膵、呼吸器。胎生4週で気管原基が分かれる。
中腸:十二指腸下部~横行結腸上部2/3
後腸:横行結腸下部1/3~肛門菅
肛門菅最下部:外胚葉由来
神経堤細胞:顔面・頭蓋の結合組織・骨、脊髄神経節、交感神経幹、副交感神経節、副腎髄質、シュワン細胞、グリア、軟膜・くも膜、メラノサイト

◆細胞構造
繊毛・鞭毛:微小管+ダイニン
ミトコンドリア:マトリックス内外にプロトン濃度勾配、内膜にプロトンポンプ・ATP合成酵素
ホスホフルクトキナーゼ:糖代謝
フルクトース1,6ビスホスファターゼ:糖新生

◆細胞障害
電離放射線は波長が短いほどエネルギーが大きい
中性子線は最も危険な放射線
四塩化炭素は肝毒性が強い
芳香族炭化水素は骨髄障害、再生不良性貧血、白血病の誘因
脂溶性の大きい物質は体内半減期が長い

アポトーシス
・カスパーゼ活性化
・ミトコンドリアからのチトクロムC放出
・Fasシグナル
・DNA分解酵素、ラミン分解酵素活性化
・細胞の断片化(アポトーシス小体)

ネクローシス
・細胞膜・ポンプ障害(細胞腫大)
・細胞骨格障害(丸くなる)
・細胞接着分子障害(組織から脱落)
・ミトコンドリアの腫大(細胞内液の流入)
・核:クロマチン凝集、膨化、崩壊

◆組織
強膜:結合組織
結膜円蓋:重層円柱上皮
中皮・血管内皮:単層扁平上皮

◆薬理
βアドレナリン→アデニル酸シクラーゼ活性化
NO→グアニル酸シクラーゼ活性化
成長因子→Ras蛋白活性化
ムスカリン性Ach受容体→ホスホリパーゼC活性化
光+ロドプシン→トランスデューシン活性化
ニコチン性Ach受容体→イオンチャネル

フェニレフリン:α作動薬
モルヒネ:オピオイドμ受容体作動薬
ピロカルピン:ムスカリン受容体作動薬
プロプラノロール:β非選択的拮抗薬
イソプレナリン:β作動薬

CYP450
・肝臓の活性が特に強い
・ミクロソームに局在
・多様な酵素が存在
・脂溶性薬物のみ酸化
・基質特異性が低い
・多くの薬物により特殊なp450が誘導される

酸化酵素複合反応(ミックスドファンクションオキシデースシステム):NADPHやFe2+を必要とする。
①ベンゼン環水酸化→フェノバルビタール
②脂肪族水酸化→ペントバルビタール
③N-脱アルキル化→イミプラミン、モルヒネ
④O-脱アルキル化→コデイン
⑤S-脱アルキル化→メチルチオプリン
⑥脱アミノ化→アンフェタミン
⑦スルフォキサイド化→クロルプロマジン
⑧N-酸化→トリメチルアミン
⑨脱硫化→パラチオン、マラチオン

タキフィラキシー:短時間頻回投与で効果が小さくなる
過感受性:作用部位の作用薬の濃度をあらかじめ低くしておいて投与すると反応性が亢進する
特異体質:ある薬物に対して異常に反応する

◆ウイルス
基本構造
①エンベロープ有正20面体
②エンベロープ無正20面体
③エンベロープ有螺旋型ビリオン
④エンベロープ無螺旋型ビリオン
⑤ポックスウイルス(対称性の無い特殊構造)
⑥バクテリオファージ(おたまじゃくし型)

大きさ:20~450nm
エンベロープのあるものは脂質溶解性溶媒により破壊
赤血球凝集素(スパイク)→インフルエンザ、日本脳炎、風疹

分類
・科と属
・ラテン語による2名法ではなく、英語名を採用
・DNAウイルス6科、RNAウイルス13科
・症状に基づく分類もある

感染様式
①顕性感染:麻疹、痘瘡、狂犬病
②不顕製感染:日本脳炎、ポリオ
③急性感染:インフルエンザ
④持続感染:1.慢性感染;B,C肝、HTLV、2.遅発性感染;進行性多巣性白質脳症、亜急性硬化性全脳炎、AIDS、クールー、CJD、狂牛病
⑤発癌感染:EBV、HPV、HBV,HCV

疾患
・突発性発疹:HHV
・巨細胞封入体症:CMV
・上咽頭癌:EBV
・伝染性紅斑・HPV/B19:パルボウイルス
・進行性多巣性白質脳症:ポリオーマ(JC)ウイルス
・ヘルパンギナ・手足口病:エンテロウイルス(コクサッキー)
・亜急性硬化性全脳炎:麻疹ウイルス
・気管支炎:ライノウイルス
・無菌性髄膜炎:エコーウイルス
・風疹:ルビウイルス

レトロウイルス
①オンコウイルス(HTLV)
②レンチウイルス(HIV)
③スプーマウイルス
基本ゲノム:gag,pol,envの3遺伝子領域

◆細菌
エンドトキシンショック:グラム-菌感染

髄膜炎
成人→肺炎球菌
小児→インフルエンザ桿菌
新生児→大腸菌・B群レンサ球菌
高齢者→リステリア

グラム-球菌:ナイセリア属(髄膜炎菌、淋菌、モラキセラ、ナイセリア)
グラム+桿菌:ジフテリア菌:偽膜性咽頭炎、クロストリジウム属(破傷風菌:開口障害・筋痙攣、ガス壊疽菌:ガス壊疽・下痢、ボツリヌス菌:複視・呼吸筋麻痺、ディフィシル:下痢・偽膜)

ヘリコバクターピロリ:ウレアーゼ産生、尿素をアンモニアに変える
結核菌:肺、リンパ節、胸膜、泌尿生殖器、骨・関節、髄膜

カンジダ:敗血症→播種性カンジダ症→眼内炎
アスペルギルス:菌球、アレルギー性気管支肺アスペルギルス症(気管支喘息・肺浸潤影)
ムコール:血管侵襲、血栓形成、大出血、肺梗塞
クリプトコッカス:髄膜炎

ボレリア:ライム病
トレポネーマ:梅毒
レプトスピラ:ワイル病
クラミジアトラコマティス:性感染症
クラミジアシッタシ:オウム病

◆原虫
4群
①根足虫類:アメーバ類(嚢子経口)
②鞭毛虫類:ランブル鞭毛虫(嚢子経口)、膣トリコモナス、トリパノソーマ、リーシュマニア
③胞子虫類:マラリア原虫、トキソプラズマ(成熟オーシスト・肉内の嚢子経口)、クリプトスポリジウム(オーシスト経口・抗酸染色で赤染)、イソスポーラ
④繊毛虫類:大腸バランチジウム

◆寄生虫

①線虫類
回虫(幼虫形成卵経口・レフレル症候群、幼虫の肺移行)
イヌ回虫(眼トキソカラ症、内蔵トキソカラ症)
ズビニ鉤虫(感染幼虫経口)
アメリカ鉤虫(点状皮膚炎、貧血、下痢、異食症)
アニサキス(海産魚内幼虫経口)
有棘顎口虫(雷魚内幼虫経口・遊走性限局性皮膚腫脹)
旋毛虫(豚肉内幼虫経口)
広東住血線虫(ナメクジ内幼虫経口)

②吸虫類
ウェステルマン肺吸虫(サワガニ内メタセルカリア経口・脳肺吸虫症、ジャクソン型痙攣)
肝吸虫(コイ科淡水魚内メタセルカリア経口)
横河吸虫(アユ内メタセルカリア経口・腸管内寄生)
日本住血吸虫(セルカリア経皮侵入・皮膚炎、粘血便、肝脾腫)
ビルハルツ住血吸虫(血尿)

③条虫類
日本海裂頭条虫(サケ内プレロセルコイド経口・小腸)
有鉤条虫(豚肉内嚢虫・虫卵経口)
無鉤条虫(牛肉内嚢虫経口・小腸)
単包条虫(虫卵経口)
マンソン孤虫(幼虫による組織寄生、外科的プレロセルコイド摘出)

蠕虫:組織に侵入し、末梢血好酸球増加、好酸球性肉芽腫
 イヌ・ネコ・ブタ回虫、旋毛虫、肝蛭、広東住血線虫(髄液中も)、宮崎肺吸虫(胸水中も)

ヒトが固有宿主→ズビニ鉤虫、回虫、糞線虫、鞭虫(幼虫移行症にはならない)

免疫不全で重症化する寄生虫症
・クリプトスポリジウム症:持続性重症下痢症、胆嚢炎
・トキソプラズマ症:脳炎、心筋炎、肺炎
・ジアルジア症・イソスポーラ症:重症下痢症、胆嚢炎
・糞線虫症:重症下痢症、全身播種性糞線虫症
・ノルウェー疥癬

◆リンパ球
NK細胞:大型、腎形核、顆粒(LGL)、IL-2で活性化(LAK)


MHCⅠ:全ての組織細胞表面に存在、MHCⅠ抗原=HLA-A,B,C
MHCⅡ:マクロファージの仲間、B細胞、MHCⅡ抗原=HLA-D

IL-1:単球・マクロファージが産生、発熱物質
IL-2:リンパ球(Th1)が産生、NK活性化
IL-6:CRP誘導
IFN:ウイルス増殖抑制
TNF:腫瘍壊死
ケモカイン:白血球遊走
CSF:コロニー増殖因子

IL-12:Th0→Th1(IL-2、IFN-γ、TNF-β産生→細胞性免疫)
IL-4:Th0→Th2(IL-4,5,6→B細胞分化)

ブルトン型無ガンマグロブリン血症:B細胞分化障害
ディジョージ症候群:T細胞障害(胸腺形成不全)
慢性肉芽腫症:食細胞殺菌能障害
ウィスコットアルドリッチ症候群・毛細血管拡張性運動失調症:T,B細胞機能障害

◆癌
放射線感受性が低い組織:分裂しない組織(脳・脊髄・神経組織、骨、筋)

小児に発症する網膜芽腫→胚細胞レベルでのRB変異(全細胞にRB変異がある)、常染優性

◆遺伝
家族性高コレステロール血症:LDL受容体変異、常染優性、ホモは重症

◆代謝
糖原病:筋の脱力(Ⅱ,Ⅴ、Ⅶ)、低血糖(Ⅰ、Ⅲ、Ⅵ)
低血糖→低栄養でB1が不足している恐れがあるので、ブドウ糖輸液は慎重に。
肝硬変→分枝鎖アミノ酸減少、芳香族アミノ酸増加
甲状腺機能低下症→高コレステロール
レフサム病→フィタン酸α酸化酵素異常、末梢神経障害、小脳失調、網膜色素変性、脂肪肝
ウォルマン病→酸性コレステロールエステラーゼ異常

プリン体→尿酸変換
ピリミジン体→アンモニア、二酸化炭素、水
低尿酸血症→脱水で腎不全
高尿酸血症→慢性間質性腎炎
尿路感染症→アルカリ尿→尿酸結晶は出来難い

マッチング:病院選び

テスト対策用だったこのブログも、もうほぼ役割終了ですが、これからは病院見学・マッチングについての情報を更新していきたいと思います。
情報といっても、僕が使ったもの限定なんですけどね。

もしオススメの情報サイトとか病院口コミ情報なんかがあればコメントなどで教えてくださいね!


今回紹介するのはレジナビ(↓PCオンリー)
http://www.residentnavi.com/index.php
もうご存知の方が多いかもしれませんが、エリアごととかに研修病院探せます。
会員登録(無料)すると、関連フリーペーパーやメルマガも届けてくれるようです。

麻酔対策

お待たせしました。長いので注意です!

要チェック「テスト出るかも!」授業メモより
● 総論:近代麻酔の歴史、麻酔に必要な条件、麻酔器回路
● 救急:現代の心肺蘇生法(EBM,エビデンスレベル、推奨度分類、ウツタイン様式)
● 安全な麻酔のためのモニター指針とそれぞれに関するモニター機器
● ペインクリニック:痛みの分類
● 高齢者麻酔の薬理学的問題
● 産科麻酔:メンデルソン症候群、仰臥位低血圧症候群
● 心臓と麻酔:灌流圧、心室中隔欠損とファロー四徴症の麻酔管理
● 筋弛緩薬:新拮抗薬スガマデックス(ホストーゲスト複合体)、悪性高熱を起こしやすい麻酔薬(悪性高熱にダントロレン静注)
● 局所麻酔薬:歴史(コカイン分離→コカイン臨床応用→プロカイン合成)、精神的緊張・痛みに対する反応、くも膜下腔に到達するまでの組織、脊麻による循環系の生理的反応・適応・禁忌、脊麻後頭痛、硬膜外麻酔の合併症・利点欠点・適応禁忌

以下資料

【麻酔関連偶発症例】
●死亡原因:術前合併症>手術>術中発症の病態>麻酔管理

【術前評価】
● Child-Pugh分類=肝硬変重症度

【麻酔前投与】
● スコポラミンはアトロピンよりも少量で鎮静効果
● アトロピンは副交感神経を遮断するため、交感神経優位となり基礎代謝は上がる
● アトロピン中毒で発熱することがある。

【冠血流量を制御する因子】
● 冠血流量=灌流圧/血管抵抗
● 灌流圧=大動脈拡張気圧-左室拡張気圧
● 血管抵抗
* 血管抵抗上昇因子:高酸素、低二酸化炭素、高pH、α作動薬、バソプレシン、アンギオテンシン
* 血管抵抗低下因子:低酸素、高二酸化炭素、低pH、β作動薬、アデノシン、プロスタサイクリン、

【心臓調節】
● 房室結節:交感神経支配をうける、右冠動脈支配
● 大動脈圧受容体=血圧上昇でインパルス
● 心臓交感神経節前ニューロンは胸髄にある

【狭心症】
● 不安定狭心症=症状が最近3週間以内に出現あるいは発作が増悪している
● 冠疾患ではかならず術前抗凝固療法が行なわれる。

【弁膜疾患の循環管理】
● 閉鎖不全疾患は徐脈を避ける
● 狭窄疾患は頻脈と極度の徐脈を避ける。
● 右房拡張する疾患は肺鬱血になるため、肺血管抵抗を上げないようにする。
● 逆流する疾患(閉鎖不全)は心臓から全身に流すように体血管抵抗を下げる。
● 心拍出量は保ちたいので前負荷を維持する。
● 狭窄症は、体血管抵抗が高いと後負荷が大きくなって負担になるし、低いと拍出量が足りずに低血圧となるので、正常範囲内に保つ。

【α・β作用】
● アドレナリン:低濃度でβ2、中濃度でβ1+2、高濃度でα1
● ノルアド:α1+β1
● ドパミン:低濃度でドパミン作動性、中濃度でβ1+2、高濃度でα1+2

【酸素ボンベ計算】
● ボンベ内酸素(液体)残量=ボンベ全体容積x残圧÷最高充填圧
●ボンベ内ガス残量=ボンベ容量×残圧
●医療用ボンベは容量の規格があって、3.4L は酸素500L、10Lは酸素1500L、46.7Lは酸素7000L入る。

【麻酔薬】
■頭蓋内圧亢進と麻酔薬
● 頭蓋内圧亢進するもの=ケタミン、吸入麻酔薬
● プロポフォール・チオペンタールは頭蓋内圧亢進を起こさない。

■ 吸入麻酔薬
●セボフルレン・イソフルレン
・ セボフルレンは血中遊離フッ素を上昇させるが、臨床的に問題となることはまれ。
・ イソフルレンはハロタンより心筋抑制作用が小さい
・ 気管支拡張作用はセボフルレンがイソフルレンより強い
・ 両方、褐色細胞腫の手術時に適する。
・ 両方、炭酸ガス吸収装置と反応を起こす
・ 両方、悪性高熱を誘発する
・ イソフルレンは刺激臭があり、緩徐導入に不向き
・ イソフルレンはセボフルレンより覚醒が速い
● ハロタン
・ カテコラミンとの併用で不整脈を起こす
・ ハロタン肝炎がある
・体内代謝率20~30%
● 笑気
・ 鎮痛効果
・ 導入・覚醒が速い
・ 体内代謝率0%
・ 術後嘔気
・ 閉鎖腔(気胸、イレウス、空気塞栓)があると、腔内に笑気が拡散して膨張し危険なので用いない
・ 温室効果があるw

■ 静脈麻酔薬
● ケタミン
・ 悪夢
・ 頭蓋内圧亢進、眼圧亢進患者には禁忌
● チオペンタール
・ 喘息、ポルフィリン症には禁忌
・ 交感神経抑制、ポルフィリン代謝阻害、疼痛閾値低下、脳機能低下
● プロポフォール;血管痛

■ オピオイド
●モルヒネ:硬膜外投与後の遅発性呼吸抑制(4~12時間後)が問題
● フェンタニル
・ モルヒネより脂溶性が高く、硬膜外麻酔後遅発性呼吸抑制を生じにくい
・ 副作用に筋強直がある(鉛管現象)
・ 心臓麻酔で愛用される
・ 術後鎮痛にも用いられる
● レミフェンタニル
・ 血中でしか代謝出来ないため、硬膜外・脊麻に使ってはいけない
・ 血漿コリンエステラーゼで代謝

■拮抗薬
● ベクロニウム→ネオスチグミンなどコリンエステラーゼ阻害薬
● ミダゾラムなどベンゾジアゼピン系→フルマゼニル
● モルヒネなどオピオイド→ナロキソン(プラセボ効果≒オピオイド)
● ヘパリン→プロタミン
● アトロピン=ムスカリン受容体拮抗薬
● プロポフォール=GABA受容体活性薬

■ MAC
● MAC awake=0.33MAC(ハロタンのMAC awakeは少し高め)
● 影響を与える因子:体温、年齢(甲状腺機能亢進症は体温が上昇するため影響を与える因子となる)

【癌性疼痛】
● オピオイドで精神依存の形成は稀だが、身体依存の形成がある。
● オピオイド投与を始める時は、継続可能ならNSAIDに追加する形で投与する。
● 骨転移はオピオイド単独では鎮痛不十分
● 定期投与+臨時投与(レスキュードーズ)

【プラシボ鎮痛】
● 施行者の影響を受ける

【麻酔導入時血圧低下】
● 機序:麻酔薬による交感神経遮断→血管拡張→静脈還流量低下→心拍出量低下→低血圧
● 対処:十分な細胞外液の輸液

【脊椎麻酔と硬膜外麻酔】
● 脊椎麻酔=レベル調節が不確実
● 硬膜外麻酔=麻酔効果が不確実
● 硬膜外麻酔では硬膜に穿刺しないため術後の頭痛発生は少ない

【神経ブロック】
● 鈍針を使用する
● 施行時の感覚異常は神経損傷と有意な関連が有る。
● 注入時の抵抗=神経内注入の可能性

【褐色細胞腫】
● 腫瘍剥離操作時は高血圧が起こりやすい。

【脳と酸素】
● 成人安静時酸素消費量・・・3.5ml/100g/分(全身酸素消費量の約20%)
● グルタミン酸が大量放出されると細胞内カルシウムイオン濃度が増す。
● 脳虚血状態→ナトリウムポンプ働き低下→脱分極
● 脳虚血時高血糖は神経細胞障害を増強する
● 虚血再灌流=炎症反応
● エダラボン=フリーラジカル消去
● 脳低体温療法は脳浮腫に効果



【Preoxygenation】
● 100%酸素を6L/minで5分間程度or8回の深呼吸を行なう
● 酸素飽和度の上昇を目的とし、数分間なら無呼吸でも低酸素血症にならない。

【硬膜外腔】
●C1からS5まで存在する。

●持続硬膜外ブロックのテストドーズ=カテーテルが①静脈内か②くも膜下腔か③硬膜外腔かが判る。

【モニター】
■ 循環系
● ECG、心拍数:60~90回/分、モニターの基礎
● 観血的動脈圧:動脈にカテーテルを挿入し、トランスデューサでみる
● 尿量:500~2000ml/日
● 中心静脈圧:50~100mmH2O、出血性ショック時は低下、心不全時上昇
● 肺動脈圧、肺動脈楔入圧:SGカテーテルを挿入し圧トランスデューサでみる。肺循環動態が分かる
● ETCO2:呼気の炭酸ガス濃度から動脈血中のCO2を類推することができる。

■呼吸系
● 換気量
● パルスオキシメータ
● 呼気終末CO2測定
● 吸入酸素濃度測定
● 血液ガス分析
● 気道内圧
● 呼吸数

【挿管困難】
● 定義(ASA)
① 熟練した麻酔科医が3回の施行で挿管出来ない
②挿管までに10分以かかる
● 発生頻度:0.5∼2%
● 予測される症例
①開口不能・不全な場合
② 頚椎の変形・運動制限
③ 先天性病変(Treacher-collins 症候群、Pierre-Robin症候群)
④極度の肥満、short neck 小顎、出歯
⑤その他(頭頚部癌術後など)
●予測する方法
① Mallampati の Class 分類:ClassⅢ、Ⅳでは挿管困難が予想される。
② 下顎-甲状軟骨の間に三横指が入らなければ挿管困難の可能性がある
● 挿管の難易度
Cormack/lahane のGrade 分類: GladeⅢ、Ⅳの時は気管挿管が困難とされる
*この分類は挿管困難の予測に役立つというよりもむしろ、以降の手術の際に麻酔科医が参考にするために役立つ
●対処
①意識下において非外科的な挿管手技=種々のブレードの喉頭鏡、盲目的な経口・経鼻挿管、内視鏡/スタイレット手技、逆行性挿管、ライトワンド、硬性気管支鏡、ダイレーターによる経皮的気管カニュレ挿入
②外科的アクセスによる気道管理=気切
*非外科的な挿管手技が失敗した場合は手術中止、あるいは他のマスク換気など気道管理法を考慮するか、外科的アクセスによる気道確保を行う。

【救急】
● 救命救急師による気管挿管→きちんと挿管出来ているか医師が確認する
● 規則正しいQRS波形→AED適応でない
● 胸骨圧迫をやめると大腿動脈で脈を触れない→循環血液量低下

【一般市民の頚動脈触知の廃止の理由】
(1)脈拍チェックに時間がかかりすぎる
(2)脈拍チェックは診断検査としては不正確である 
(3)BLSの手技を出来るだけ簡単にすべき 


ここから参考程度の資料

【人工呼吸器の動作モード】
①CMV (Continuous mandatory ventilation) - 調節呼吸
②IPPV(intermittent positive pressure ventilation) - 間欠的陽圧換気
・・・最も原始的な換気様式であり、患者の呼吸努力を検知せず、ただ決まった容量の空気を定期的に強制換気する。麻酔下にある患者に使用する。それ以外では、脳死状態或いは完全な呼吸麻痺の患者にしか適応が無い。自発呼吸が少しでもある患者に使用すると十分な換気が出来ない。
③SIMV (Synchronized intermittent mandatory ventilation) - 同期的間欠的強制呼吸
・・・患者の呼吸努力を検知するとPS(下記)にて換気補助し、一定時間以上それが無い場合には強制換気する。呼吸不全の患者に対する一般的な換気法である。
④PSV (Pressure support ventilation)
・・・患者の吸気努力を呼吸器が感知すると、圧をかけて空気を注入する。通常はPEEP+5~15cmH2Oである。
⑤CPAP (Continuous positive airway pressure) - 持続的気道陽圧法
・・・常に一定のPEEP(下記)を加えたままにする換気法。呼吸器から離脱する過程にある患者や自発換気は充分であるが酸素化に障害がある患者に使用する。通常はそれにPSVを併用する。自発呼吸のないまま一定時間が経つと強制換気を行うが、強制換気はあくまで非常手段でありアラームが鳴る、と言う点がSIMVとの違いである。
⑥BIPAP (Biphasic positive airway pressure)
・・・Bi-Level、Bi-Ventとも呼ばれる。高圧相と低圧相の2つの圧を設定できるCPAPのことであり、実際上は高圧相が吸気圧、低圧相がPEEPとなる。SIMVと似た動作であるが、自発呼吸が強制換気の吸気相でも可能な点で異なる。

【各種換気モード】(別ソース)
1)間欠(的)陽圧換気(Intermitttent positive pressure ventilation:IPPV)
(1) 吸気時のみ一定の間隔で気道に陽圧をかけて行う人工呼吸法で,陽圧換気の基本となる
(2) 1回換気量,呼吸回数,吸気流速などはあらかじめ設定され,同一条件の換気を繰り返す.
(3) 自発呼吸のない状態,もしくは自発呼吸を鎮静薬により消矢させた状態では,controlモードで換気を行う.
(4) 自発呼吸のある状態ではassist controlモードを用いる.
自発呼吸数がlPPVの設定呼吸数を上回る場合,自発呼吸のタイミングに合わせて設定された
換気が行われる.トリガー感度の設定が必要.

2)持続(的)陽圧呼吸(continuous positive pressure vetilation:CPPV),
呼気終未陽圧(positive end expiratory pressure:PEEP)
(1) IPPVでは気道内圧が呼気終未において大気圧になるのに対して,CPPV(PEEP)では呼気終未においても陽圧が加わったままの状態となる.
(2) PEEPを用いることで,虚脱肺胞の再拡張や機能的残気量(functional residualc apacity:FRC)の増加などが起こる結果,PaO2の上昇が期待される.
(3) 肺の圧損傷や静脈還流の障害,心拍出量の低下などに要注意.
(4) 吸気酸素濃度(fraction of inspired oxygen:FlO2)<0.6でPaO2>60Torrを目標にPEEPを設定.
(5) PEEPの欠点
・循環抑制:胸腔内圧が上昇が静脈還流を阻害し心拍出量を遮少ぜしめるため。しかし、一定の圧力がかかるまではその影響が現われない。
・ 肺気腫、気胸、気縦隔などの気庄傷害:20cmH2O以上のPEEPは要注意
・ 脳潅流圧低下
・ 尿量低下(腎血流低下にょる)
・ 禁忌:ショック時,循環血流量滅少時,COPD,拘束性肺疾息,細苗性肺炎,肺腫瘍,膿胸,気胸

3)間欠(的)強制換気(intermittent mandatory ventnation:IMV),
同期式間欠(的)強制換気(synchronized IMV:SIMV)
(1) IMVは患者の自発呼吸は残したままで,患者の白発呼吸のタイミングとは同期せずに,あらかじめ決められた回数,1回換気量,吸気流速で強制換気を行う.IMVでは、自発呼吸と器械呼吸は互いに無関係に行われるためファイティングを起こすことがある.これを改善したのがSIMVである.
(2) SIMVではIMVの強制換気が,設定された監視時問内の最初の自発呼吸に同期して行われる.
lMVモードと似ているが器械による呼吸が息者の自発呼吸と同調して開始ざれるようになっている.それを感知するのがトリガ-レヴェルである.息者の呼吸がなければ、または感知されなければ設定された間隔で器械換気が行われる.
(3) IMVの回数は,分時換気量およびpH,PaCO2などの値により設定する.

4)圧支持換気(pressure support ventilation:PSV)
(1) すべての自発呼吸が吸気ごとに設定圧で補助され,呼吸仕事量が軽減される.
器械による呼吸が無いため換気量そのものは息者の吸気努力のみに頼るので、患者に十分なな自発呼吸があることが必要である.
(2) 患者は吸いたい量だけ吸いたい時間だけ吸気を行うことができ,患者とベンチレータの同調性が優れた換気モードである.
(3) 支持圧は1回換気量が10~12ml/kgになるように設定する.呼吸数の変化(頻呼吸の解消)も支持圧設定の参考となる.
(4) 換気量は保証されない.
(5) IMVや持続(的)陽圧気道圧(continuous positive airway pressure:CPAP)との
組み合わせも可能.

5)逆比換気(inversed ratio ventilation:lRV)
(1) 通常の換気モードの吸気相呼気相との時間比は1:2が基本であるが,lRVでは2:1程度に逆転した設定を行う.
(2) 最大吸気圧の低下や,FRC増加,PaO2上昇などが期待される.
(3) 非生理的な呼吸を強いられるため,十分な鎮静と筋弛緩が必要とされる.

6)CPAP持続(的)陽圧気道圧(continuous positive airway pressure)
(1) 自発呼吸のもとで持続的に気道内圧を陽圧とすることで,肺酸素化能が改善されると共に,呼吸仕事量が減少する.
(2) 自発呼吸が残されるため,気道内圧や胸腔内圧が低く抑えられる.
(3) 10cmH2O程度から開始し,FIO2く0.6でPaO2>60Torrを目標に圧を設定する.必要があれば,30cm H2O程度の圧も用いられる.
(4) 換気量は保証されない.
(5) 30回/分以上の頻呼吸や,奇異呼吸,陥没呼吸,署明な発汗,PaCO2の上昇などは,CPAPの限界を示唆する所見である.
(6) CPAPが限界と判断された場含は,PSVを加えるか,CPPVモードに切り替える


【米国麻酔学会術前状態分類(ASA Physical Status classification)】
★疾患例
PS 1:鼠径ヘルニアあるいは子宮筋腫などがあるが,他の点では健康な患者
PS 2:AHA(American Heart Association)の心疾患の分類の1および2aに属するもの。軽度糖尿病,本態性高血圧症貧血,極度の肥満,気管支炎(新生児および80歳以上の老人ではとくに系統的疾患がなくともこのclassに入る)
PS 3:AHAの2bに属するもの。重症糖尿病で血管病変を伴うもの。肺機能の中~高度障害。狭心症またはいったん治癒した心筋梗塞のあるもの。
PS 4
AHAの3に属するもの。肺,肝,腎,内分泌疾患の進行したもの。
PS 5:瀕死の状態の患者で助かる可能性は少ないが,手術をしなければならないもの。
PS 6:脳死患者
*緊急手術はこれにEをつける

【AHA分類】
● 右冠動脈
・ 起始部から心臓鋭縁部までの近位側1/2= segment 1
・ その遠位側 1/2=segment 2
・ 心臓鋭縁部から後下行枝までの房室間溝を走る部分=segment 3
・ 後下行枝=segment 4PD
・ 房室枝=segment 4AV
● 左冠動脈
・ 主幹部=segment 5
・ 左冠動脈前下行枝近位部で第1中隔枝分岐部まで=segment 6
・ 第1中隔枝分岐部より第2対角枝分岐部まで、はっきりしない場合には第1中隔枝分岐部から心尖部までの2等分点まで=segment 7
・ segment 7以降の前下行枝終末部=segment 8
・ 第1対角枝=segment 9
・ 第2対角枝=segment 10
● 回旋枝
・ 起始部より鈍縁枝起始部まで=segment11
・ 鈍縁枝=segment12
・ 回旋枝本幹で鈍縁枝起始部以降=segment 13
・ 高側壁枝=segment 14
・ 約10%の例では回旋枝から後下行枝が分岐し、segment 15とされる。

【Mallampati分類】
● 軟口蓋がかろうじて見える=class4

【Cormack Lehaneの分類】
●喉頭鏡における喉頭展開時の声門の見やすさ
GradeⅠ:声帯全体が見える
GradeⅡ:声帯の1部が見える
GradeⅢ:声帯は見えないが喉頭蓋は見える
GradeⅣ:喉頭蓋も見えない


ファイティング=患者の呼吸と人工 呼吸器の補助や強制換気が合わないこと