歯科口腔対策
わりとプリントに載ってます。産婦よりは楽かも。
プリントにないところ挙げてみました。
ネットで調べてたら、過去の授業プリのデータがアップされてたので、それも参考にしてます。
【顎関節症の間接円板前方転移と関節雑音のメカニズム】
●復位性円板前方転位・・・口を開けると下顎頭が前方に滑走移動する。その際に前方転位していた関節円板が正常な位置に戻る。戻る瞬間に下顎頭と関節円板の下面が擦れて関節雑音が発生する。この音はカクンとかポキンという音で、クリック音という。口を閉じる時には、関節円板が再び前方に転位するのでまた下顎頭と円板が擦れてクリック音が生ずる
【顔面外傷・歯牙損傷】
● 脱臼歯牙の保存・・・完全脱臼した歯は、頬の内側に入れておくか牛乳の中に浸して受診する。市販の保存液もある。
● 歯牙損傷は上顎前歯>下顎前歯>臼歯の順に多い
【急性可能性顎骨骨髄炎】
●弓倉症状:原因歯から近心位にある歯牙に打診痛が見られる。
● ワンサン症状(Vincent’s symptom):オトガイ神経領域に生じる知覚麻痺
● その他の症状:原因歯の周囲歯肉の炎症、膿漏。歯の動揺。歯・歯周・歯槽骨深部の激痛。悪寒・高熱・全身倦怠感・食欲不振などの全身症状。
● 治療
① 全身の消耗が強い場合:安静・対症療法。
② 急性期:抗菌薬点滴、骨髄病変部の抗菌薬投与・洗浄、切除手術、高圧酸素療法
③ 急性期を過ぎたら、原因歯の抜歯、壊死骨の除去
【顎放線菌症】
● 原因菌:イスラエル放線菌(嫌気性、歯肉などに常在する)
● 診断:症状やX線所見、膿・痰からのイスラエル放線菌検出
● 治療:腫瘍の穿刺吸引、抗生物質大量投与。再発防止のために抗生物質の長期投与
【がま腫】
●定義:粘液嚢胞の一種である。舌下腺または顎下腺の導管に関連して形成させる粘液貯留嚢胞。唾石、異物または炎症、外傷などによる排唾管の閉鎖、狭窄に関連する。
●臨床所見:好発年齢は10-40歳。顎舌骨筋よりも上方(舌下型)、下方(顎下型)がある。ほとんどの症例で正中をさけ片側性にみられる。表面平滑、色調は暗紫色、波動をふれる。穿刺により粘ちょうな透明な液を吸引できる。
●治療:口腔内に大きく副腔形成、いわゆる開窓術
【顎骨嚢胞】
● 診断のポイント
① 口腔内所見:骨の膨隆、歯が無い、曲がって生えている
② X線所見:大きさ、形態、部位、辺縁との状態
● X線所見の特徴:境界が比較的明瞭、X線不透過像を示すcystic margineで囲まれた、X線透過像。
● 頻度の高いもの:歯根嚢胞・・・歯髄の感染・壊死により、歯尖に炎症が及び、歯根肉芽腫を生じる。そこに残存上皮が侵入し、嚢胞を生じる。大きなものでは嚢胞摘出とともに原因歯を抜歯する。小さなものは歯根端切除により歯牙を温存出来る。
【顎骨に発生する歯原性腫瘍】
① エナメル上皮腫
● 臨床的特徴:20~30代の男性に多く、80%以上が下顎に発生し、大臼歯部・下顎枝部がほとんど。歯原性腫瘍の中で最も高頻度で、再発率も高い。顎骨の膨隆、羊皮紙様感、波動を触れる。
● X線学的特徴:単房性あるいは多房性の透過像(吸収像・骨膨隆像)で角化嚢胞性歯原性腫瘍と似る。埋伏歯の合併、歯根吸収
② 角化嚢胞性歯原性腫瘍
● 臨床的特徴:下顎智歯部、下顎枝に後発する。軟組織に浸潤波及し、再発しやすい。扁平上皮癌の続発が稀にある。
● X線学的特徴:単房性あるいは多房性の透過像で、直接歯牙とは関係ないように見える。
③ 集合性歯牙腫
● 臨床的特徴:複雑性よりやや多い。10~20代の上顎前歯部に好発する。乳歯の残存があったり、無症状の場合が多い。顎骨の膨隆をきたす。
● X線学的特徴:塊状の不透過像。埋伏歯の合併
④ 複雑性歯牙腫
● 臨床的特徴:10~20代の下顎臼歯部に好発する。顎骨の膨隆をきたすが無症状のことが多い。
● X線学的特徴:塊状の不透過像。埋伏歯の合併
【癌の分化誘導療法の臨床的実用例】
● 急性骨髄性白血病のレチノイン酸による分化誘導療法・・・分化誘導された白血病細胞はアポトーシスし、約1ヶ月で正常血球が回復する。90%以上が完全寛解する。
【癌のオーダーメード医療】
オーダーメード医療とは、個人の病気と、その人自身について総合的に調べ理解し、一人一人に最適な医療を提供することが目的。具体的には、癌の遺伝子診断により、より早期に正確に診断し、最大の効果をもたらす抗がん剤や分指標的薬などを選択し処方する。
【医師法・歯科医師法制定と医科歯科二元論】
● 経緯・・・歯科医師法制定により歯科医学専門学校が生まれた→富国強兵政策下で、政府当局が歯科医療を軽視→長らく歯科医師養成は私立の歯科医学専門学校だけに任されてきた→一方医師の養成は官立大学を中心に推進された→医科歯科二元論に至った。
【唇顎口蓋裂の病状説明】
お子さんに唇と口の中が割れている顔面の先天奇形があります。審美的な問題や発生障害が残るので、手術による治療が必要です。
【症例】
① 26歳男性、下顎大臼歯部、大臼歯部~下顎角部の多房性透過像、歯根一部吸収・・・エナメル上皮腫で、若年者ではまず開窓を試みるが再発も多い。大きな物では顎切除が必要。術前の生検が必要。
② 下顎歯肉癌で、cT2N0M0の症例に対し、患側全頸部郭清術+下顎区域切除術。主治医は「CTで転移はない、術後病理検査でも頸部転移は無い」・・・遠隔転移の診断は CTよりシンチでするべき。センチネルリンパ節生検をすれば、頸部郭清は必要なかったのではないか。ステージとしてはⅡ期に分類されるため、頸部郭清は過剰診療ではないか、また、広範囲局所切除が適していたのではないか。
③ 18歳男性、下顎智歯部、埋伏した智歯歯冠を含む嚢胞・・・濾胞性歯膿胞、摘出・開窓術(PartschⅠ法)
プリントにないところ挙げてみました。
ネットで調べてたら、過去の授業プリのデータがアップされてたので、それも参考にしてます。
【顎関節症の間接円板前方転移と関節雑音のメカニズム】
●復位性円板前方転位・・・口を開けると下顎頭が前方に滑走移動する。その際に前方転位していた関節円板が正常な位置に戻る。戻る瞬間に下顎頭と関節円板の下面が擦れて関節雑音が発生する。この音はカクンとかポキンという音で、クリック音という。口を閉じる時には、関節円板が再び前方に転位するのでまた下顎頭と円板が擦れてクリック音が生ずる
【顔面外傷・歯牙損傷】
● 脱臼歯牙の保存・・・完全脱臼した歯は、頬の内側に入れておくか牛乳の中に浸して受診する。市販の保存液もある。
● 歯牙損傷は上顎前歯>下顎前歯>臼歯の順に多い
【急性可能性顎骨骨髄炎】
●弓倉症状:原因歯から近心位にある歯牙に打診痛が見られる。
● ワンサン症状(Vincent’s symptom):オトガイ神経領域に生じる知覚麻痺
● その他の症状:原因歯の周囲歯肉の炎症、膿漏。歯の動揺。歯・歯周・歯槽骨深部の激痛。悪寒・高熱・全身倦怠感・食欲不振などの全身症状。
● 治療
① 全身の消耗が強い場合:安静・対症療法。
② 急性期:抗菌薬点滴、骨髄病変部の抗菌薬投与・洗浄、切除手術、高圧酸素療法
③ 急性期を過ぎたら、原因歯の抜歯、壊死骨の除去
【顎放線菌症】
● 原因菌:イスラエル放線菌(嫌気性、歯肉などに常在する)
● 診断:症状やX線所見、膿・痰からのイスラエル放線菌検出
● 治療:腫瘍の穿刺吸引、抗生物質大量投与。再発防止のために抗生物質の長期投与
【がま腫】
●定義:粘液嚢胞の一種である。舌下腺または顎下腺の導管に関連して形成させる粘液貯留嚢胞。唾石、異物または炎症、外傷などによる排唾管の閉鎖、狭窄に関連する。
●臨床所見:好発年齢は10-40歳。顎舌骨筋よりも上方(舌下型)、下方(顎下型)がある。ほとんどの症例で正中をさけ片側性にみられる。表面平滑、色調は暗紫色、波動をふれる。穿刺により粘ちょうな透明な液を吸引できる。
●治療:口腔内に大きく副腔形成、いわゆる開窓術
【顎骨嚢胞】
● 診断のポイント
① 口腔内所見:骨の膨隆、歯が無い、曲がって生えている
② X線所見:大きさ、形態、部位、辺縁との状態
● X線所見の特徴:境界が比較的明瞭、X線不透過像を示すcystic margineで囲まれた、X線透過像。
● 頻度の高いもの:歯根嚢胞・・・歯髄の感染・壊死により、歯尖に炎症が及び、歯根肉芽腫を生じる。そこに残存上皮が侵入し、嚢胞を生じる。大きなものでは嚢胞摘出とともに原因歯を抜歯する。小さなものは歯根端切除により歯牙を温存出来る。
【顎骨に発生する歯原性腫瘍】
① エナメル上皮腫
● 臨床的特徴:20~30代の男性に多く、80%以上が下顎に発生し、大臼歯部・下顎枝部がほとんど。歯原性腫瘍の中で最も高頻度で、再発率も高い。顎骨の膨隆、羊皮紙様感、波動を触れる。
● X線学的特徴:単房性あるいは多房性の透過像(吸収像・骨膨隆像)で角化嚢胞性歯原性腫瘍と似る。埋伏歯の合併、歯根吸収
② 角化嚢胞性歯原性腫瘍
● 臨床的特徴:下顎智歯部、下顎枝に後発する。軟組織に浸潤波及し、再発しやすい。扁平上皮癌の続発が稀にある。
● X線学的特徴:単房性あるいは多房性の透過像で、直接歯牙とは関係ないように見える。
③ 集合性歯牙腫
● 臨床的特徴:複雑性よりやや多い。10~20代の上顎前歯部に好発する。乳歯の残存があったり、無症状の場合が多い。顎骨の膨隆をきたす。
● X線学的特徴:塊状の不透過像。埋伏歯の合併
④ 複雑性歯牙腫
● 臨床的特徴:10~20代の下顎臼歯部に好発する。顎骨の膨隆をきたすが無症状のことが多い。
● X線学的特徴:塊状の不透過像。埋伏歯の合併
【癌の分化誘導療法の臨床的実用例】
● 急性骨髄性白血病のレチノイン酸による分化誘導療法・・・分化誘導された白血病細胞はアポトーシスし、約1ヶ月で正常血球が回復する。90%以上が完全寛解する。
【癌のオーダーメード医療】
オーダーメード医療とは、個人の病気と、その人自身について総合的に調べ理解し、一人一人に最適な医療を提供することが目的。具体的には、癌の遺伝子診断により、より早期に正確に診断し、最大の効果をもたらす抗がん剤や分指標的薬などを選択し処方する。
【医師法・歯科医師法制定と医科歯科二元論】
● 経緯・・・歯科医師法制定により歯科医学専門学校が生まれた→富国強兵政策下で、政府当局が歯科医療を軽視→長らく歯科医師養成は私立の歯科医学専門学校だけに任されてきた→一方医師の養成は官立大学を中心に推進された→医科歯科二元論に至った。
【唇顎口蓋裂の病状説明】
お子さんに唇と口の中が割れている顔面の先天奇形があります。審美的な問題や発生障害が残るので、手術による治療が必要です。
【症例】
① 26歳男性、下顎大臼歯部、大臼歯部~下顎角部の多房性透過像、歯根一部吸収・・・エナメル上皮腫で、若年者ではまず開窓を試みるが再発も多い。大きな物では顎切除が必要。術前の生検が必要。
② 下顎歯肉癌で、cT2N0M0の症例に対し、患側全頸部郭清術+下顎区域切除術。主治医は「CTで転移はない、術後病理検査でも頸部転移は無い」・・・遠隔転移の診断は CTよりシンチでするべき。センチネルリンパ節生検をすれば、頸部郭清は必要なかったのではないか。ステージとしてはⅡ期に分類されるため、頸部郭清は過剰診療ではないか、また、広範囲局所切除が適していたのではないか。
③ 18歳男性、下顎智歯部、埋伏した智歯歯冠を含む嚢胞・・・濾胞性歯膿胞、摘出・開窓術(PartschⅠ法)
脳外対策
新年あけましておめでとうございます。
2010年最初の試験ですから受かっておきたいところですね。
何事も最初と最後が肝心w
【症候群系】
■ホルネル症候群=上位の交感神経系が障害されることで生じる
●症状:縮瞳、眼瞼下垂、発汗低下、瞼裂狭小(眼球陥凹は瞼裂狭小による見せかけのもので、ヒトでは出現しない)、虹彩異色症(まれ)
■Terson症候群=くも膜下出血に続発する硝子体出血。急激な脳圧の亢進が眼球にも影響して強い硝子体出血を起こす
■Anton症候群=両側の後頭葉が広範に障害されたため、失明し、皮質盲cortical blindnessと呼ばれる状態になるもの。
●患者は自己の盲目を自覚せず、時にこれを否認することがあり、一種の病態失認と考えられている。
● 病態説
① 皮質の損傷から、何らかの機序により、外界から入る視覚情報と内部の情報との区別がつかなくなり、聴覚などの情報から内部で作り上げた情報をあたかも目を通して見た情報のように錯覚を起こすという可能性。
*例:患者に『私のネクタイの絵を描いてください』というと、本当はネクタイをしていないのに、患者はネクタイを描く。
②病態だけでなく機序としても盲視と全く逆に起こっている可能性。
*視覚意識の経路が正常で、視覚情報処理により行動に関わる経路が障害されている
■Wallenberg症候群=延髄外側症候群
●主に椎骨動脈系の後下小脳動脈の閉塞によってその血管領域である延髄外側が梗塞に陥ることによる
●症状:嘔吐、悪心、幻暈、眼振、嚥下障害、構音障害、嗄声、味覚障害、障害側と同側の小脳症状・顔面の温痛覚障害・ホルネル症候群、障害側と対側の頸部以下、体幹・上下肢の温痛覚障害
■Dandy-Walker 症候群(奇形)・・・胎生期の何らかの発生異常による、(1)小脳虫部形成不全、(2)水頭症、(3)第4脳室と連続する後頭蓋窩の嚢胞、(4)後頭蓋窩の拡大、(5)第4脳室拡大(出口部の閉鎖)。ダンディ-ウォーカー奇形とは第4脳室が進行性に嚢胞性拡大する状態
【脳梗塞】
■ 頸動脈内膜剥離術における術中脳虚血のモニタリング・・・SEP
■ 脳幹は脳底動脈の分枝から栄養をうける
【脳出血】
■ 基底核部の大出血や大脳皮質を含む脳梗塞において、多形δ活動が出現することがある。(δ波=4Hz未満)
■ 脳出血で、浮腫が強い場合は脳圧降下剤の点滴が必要。
■ 脳出血における降圧治療対象、降圧目標・・・確立した見解はないが、おおむね収縮期血圧が200mmHg以上の場合を降圧治療対象として、20%程度又は160ないし180mmHgを目標に降圧を考慮する
■ 高血圧性の脳出血は冬に多い。
■ クモ膜下出血
● 性差:授業プリでは「性差なし」だが、従来からくも膜下出血は女性に多いことが知られている(JACC Studyより)。ただし、くも膜下出血死亡者は、40代、50代では男性の方が多く、60代、70代で女性の方が多い。したがって全般的に女性の方がくも膜下出血のリスクは高いが、女性ホルモンはくも膜下出血の罹患を抑える働きをしている可能性があり、そのため閉経前では女性の死亡率が男性より低く、閉経後では女性の死亡率が高くなることが推測される。
● MRIはくも膜下出血の急性期にはあまり有用ではないが、MRA(カテーテルを入れなくても脳血管を写しだす方法)で脳動脈瘤の診断ができる。
■もやもや病・・・MRIとMRAで診断する
■視床出血・・・血腫の量によっては麻痺や意識障害の改善に有効との意見もあるが、556例についての検討では、手術治療は重症例における救命効果しかなく機能予後は改善しなかった。 この報告では脳室内に穿破した症例に対する脳室ドレナージの有効性についても検討されているが、脳室ドレナージは重症例の生命予後を改善したが機能予後は改善しなかった。
【痙攣、てんかん】
■ けいれん重積の治療・・・ジアゼパム静注、同時に酸素吸入と電解質補正のための点滴静注(脳浮腫防止のためマンニトールまたは副腎皮質ホルモンを添加)
【脳腫瘍】
■ 大腸癌の脳転移は血行性
■ 膠芽腫の治療は、摘出手術の後、放射線・化学療法を行なう。
■ 神経内視鏡・・・脳室内およびその周辺に発生する脳腫瘍に対して、内視鏡を脳室内に誘導し腫瘍の摘出術や生検術を行う。松果体に発生する胚細胞系腫瘍などに適応がある。
【頭部外傷】
■頭蓋窩と関連神経
●前頭蓋窩から頭蓋外に出るもの
①嗅神経:篩板、②視神経:視神経管
●中頭蓋窩から頭蓋外に出るもの
③動眼神経:上眼窩裂、④滑車神経:上眼窩裂(核上性に交叉する)、⑥外転神経:上眼窩裂、⑤三叉神経1枝:上眼窩裂/2枝:正円孔/3枝:卵円孔
●後頭蓋窩から頭蓋外に出るもの
⑦顔面神経:内耳孔、⑧聴神経:内耳孔、⑨舌咽神経:頸静脈孔、⑩迷走神経:頸静脈孔、⑪副神経 :頸静脈孔、⑫舌下神経:舌下神経孔
■ 三叉神経痛の神経血管減圧術・・・原因となっている血管や構造物を捜し出し、それらを三叉神経よりはがして圧迫を取り除いた後、やわらかいクッションとなる合成化学繊維(テフロン繊維)をその部分に挿入して、圧迫が加わらないようにする
■ 急性硬膜外血腫・・・頭蓋内圧亢進に対して脳圧降下薬(グリセオール)の点滴注射が行われることもある。
■ びまん性軸索損傷
● 診断:MRIで、神経細胞の軸索の断裂に伴う微小な出血や浮腫。頭部CTの精度では異常が認められないことも多い。
*意識がないなどの重い症状があるのに頭部CTで大きな異常がみられず、頭部外傷以外には原因が考えられない時はびまん性軸索損傷が疑われ、MRIで典型的な所見が認められれば診断が確定する。
●治療:効果的な治療法はない。脳挫傷や血腫を合併していれば、それに対する治療を行う。合併症を防いで全身状態を保ち、二次的な脳の障害を予防して(脳への十分な血液や酸素の供給など)、脳の回復を期待する。
■ 脳浮腫・・・T2強調
■ 気脳症・・・CTで診断
■ 半側空間無視・・・大脳半球が障害されて半側からのあらゆる刺激(視覚、聴覚、触覚等)を認識できなくなる症候のこと。
● 失認の一種。
● 右半球障害による左側半側空間無視が一般的。
● 左半球障害が起こると通常失語症が前面に出てくる。
● 左眼が失明している場合や同名半盲を合併している場合も多いが、見えていることもあり、半盲とは別の病気と捉えられる。
● 病態:網膜に投射された情報は、視索を通り、視床の外側膝状体でニューロンを代え、ブロードマンの分類による17野に投射される。その後頭頂葉で情報として、処理される。右半球が処理するのは、両眼の左側の視野なので、右脳の頭頂葉が破壊されると見えていても情報として認識されないため、表現できない。
●症状:半側空間無視の患者に見た物の絵を描いてもらうと、左側の欠けた絵となる。患者自身は半側を無視しているということに気付かない。食事の際に半側の料理にまったく手をつけていないにもかかわらず、本人は全部食べたと自覚していることも多い。また、たとえ自覚しうる側のものであっても、それを注視するとやはりそこでも半側空間無視が起こる(たまねぎ現象)。たとえば、左側空間無視であれば、患者から見て左側の料理には手をつけず、右側にある料理も右半分しか手が付けられない。
●無視の範囲
・ 半側空間に提示された視覚、聴覚、触覚などの感覚刺激を無視する。
・ 半側の上下肢の存在を無視する。
・ 片麻痺の存在を無視する。
・ 片麻痺がほとんどあるいはまったくないにもかかわらず、動かすことを無視する。
・ 票象空間(イメージ)の半側を無視する。
・ 無視症状を洞察することを無視する。
【検査系】
■聴性脳幹反応( Auditory Brain-stem Response ; ABR )
●定義:聴覚神経系を興奮させることによって得られる脳幹部での電位を頭皮上より記録したもの。蝸牛神経と脳幹部聴覚路由来の反応で音刺激から10msecの間に発生する6-7個の電位により構成される。この反応は、意識や睡眠状態の影響を受けにくく、極めて再現性のよい安定した波形が得られる。
● 意義:ABRは、各波形の起源も明らかにされており、診断的価値が極めて高く、難聴や脳幹障害の診断に幅広い臨床応用が期待できる。乳幼児の聴覚障害のスクリーニングにも使われる。ex) 聴神経腫瘍、意識障害、多発性硬化症、脳死の判定、等。
■JCSと徐脳・徐皮質梗塞・・・痛み刺激を加えると少し四肢を動かすか,除脳硬直あるいは除皮質硬直の姿勢をとるものはJCS200
2010年最初の試験ですから受かっておきたいところですね。
何事も最初と最後が肝心w
【症候群系】
■ホルネル症候群=上位の交感神経系が障害されることで生じる
●症状:縮瞳、眼瞼下垂、発汗低下、瞼裂狭小(眼球陥凹は瞼裂狭小による見せかけのもので、ヒトでは出現しない)、虹彩異色症(まれ)
■Terson症候群=くも膜下出血に続発する硝子体出血。急激な脳圧の亢進が眼球にも影響して強い硝子体出血を起こす
■Anton症候群=両側の後頭葉が広範に障害されたため、失明し、皮質盲cortical blindnessと呼ばれる状態になるもの。
●患者は自己の盲目を自覚せず、時にこれを否認することがあり、一種の病態失認と考えられている。
● 病態説
① 皮質の損傷から、何らかの機序により、外界から入る視覚情報と内部の情報との区別がつかなくなり、聴覚などの情報から内部で作り上げた情報をあたかも目を通して見た情報のように錯覚を起こすという可能性。
*例:患者に『私のネクタイの絵を描いてください』というと、本当はネクタイをしていないのに、患者はネクタイを描く。
②病態だけでなく機序としても盲視と全く逆に起こっている可能性。
*視覚意識の経路が正常で、視覚情報処理により行動に関わる経路が障害されている
■Wallenberg症候群=延髄外側症候群
●主に椎骨動脈系の後下小脳動脈の閉塞によってその血管領域である延髄外側が梗塞に陥ることによる
●症状:嘔吐、悪心、幻暈、眼振、嚥下障害、構音障害、嗄声、味覚障害、障害側と同側の小脳症状・顔面の温痛覚障害・ホルネル症候群、障害側と対側の頸部以下、体幹・上下肢の温痛覚障害
■Dandy-Walker 症候群(奇形)・・・胎生期の何らかの発生異常による、(1)小脳虫部形成不全、(2)水頭症、(3)第4脳室と連続する後頭蓋窩の嚢胞、(4)後頭蓋窩の拡大、(5)第4脳室拡大(出口部の閉鎖)。ダンディ-ウォーカー奇形とは第4脳室が進行性に嚢胞性拡大する状態
【脳梗塞】
■ 頸動脈内膜剥離術における術中脳虚血のモニタリング・・・SEP
■ 脳幹は脳底動脈の分枝から栄養をうける
【脳出血】
■ 基底核部の大出血や大脳皮質を含む脳梗塞において、多形δ活動が出現することがある。(δ波=4Hz未満)
■ 脳出血で、浮腫が強い場合は脳圧降下剤の点滴が必要。
■ 脳出血における降圧治療対象、降圧目標・・・確立した見解はないが、おおむね収縮期血圧が200mmHg以上の場合を降圧治療対象として、20%程度又は160ないし180mmHgを目標に降圧を考慮する
■ 高血圧性の脳出血は冬に多い。
■ クモ膜下出血
● 性差:授業プリでは「性差なし」だが、従来からくも膜下出血は女性に多いことが知られている(JACC Studyより)。ただし、くも膜下出血死亡者は、40代、50代では男性の方が多く、60代、70代で女性の方が多い。したがって全般的に女性の方がくも膜下出血のリスクは高いが、女性ホルモンはくも膜下出血の罹患を抑える働きをしている可能性があり、そのため閉経前では女性の死亡率が男性より低く、閉経後では女性の死亡率が高くなることが推測される。
● MRIはくも膜下出血の急性期にはあまり有用ではないが、MRA(カテーテルを入れなくても脳血管を写しだす方法)で脳動脈瘤の診断ができる。
■もやもや病・・・MRIとMRAで診断する
■視床出血・・・血腫の量によっては麻痺や意識障害の改善に有効との意見もあるが、556例についての検討では、手術治療は重症例における救命効果しかなく機能予後は改善しなかった。 この報告では脳室内に穿破した症例に対する脳室ドレナージの有効性についても検討されているが、脳室ドレナージは重症例の生命予後を改善したが機能予後は改善しなかった。
【痙攣、てんかん】
■ けいれん重積の治療・・・ジアゼパム静注、同時に酸素吸入と電解質補正のための点滴静注(脳浮腫防止のためマンニトールまたは副腎皮質ホルモンを添加)
【脳腫瘍】
■ 大腸癌の脳転移は血行性
■ 膠芽腫の治療は、摘出手術の後、放射線・化学療法を行なう。
■ 神経内視鏡・・・脳室内およびその周辺に発生する脳腫瘍に対して、内視鏡を脳室内に誘導し腫瘍の摘出術や生検術を行う。松果体に発生する胚細胞系腫瘍などに適応がある。
【頭部外傷】
■頭蓋窩と関連神経
●前頭蓋窩から頭蓋外に出るもの
①嗅神経:篩板、②視神経:視神経管
●中頭蓋窩から頭蓋外に出るもの
③動眼神経:上眼窩裂、④滑車神経:上眼窩裂(核上性に交叉する)、⑥外転神経:上眼窩裂、⑤三叉神経1枝:上眼窩裂/2枝:正円孔/3枝:卵円孔
●後頭蓋窩から頭蓋外に出るもの
⑦顔面神経:内耳孔、⑧聴神経:内耳孔、⑨舌咽神経:頸静脈孔、⑩迷走神経:頸静脈孔、⑪副神経 :頸静脈孔、⑫舌下神経:舌下神経孔
■ 三叉神経痛の神経血管減圧術・・・原因となっている血管や構造物を捜し出し、それらを三叉神経よりはがして圧迫を取り除いた後、やわらかいクッションとなる合成化学繊維(テフロン繊維)をその部分に挿入して、圧迫が加わらないようにする
■ 急性硬膜外血腫・・・頭蓋内圧亢進に対して脳圧降下薬(グリセオール)の点滴注射が行われることもある。
■ びまん性軸索損傷
● 診断:MRIで、神経細胞の軸索の断裂に伴う微小な出血や浮腫。頭部CTの精度では異常が認められないことも多い。
*意識がないなどの重い症状があるのに頭部CTで大きな異常がみられず、頭部外傷以外には原因が考えられない時はびまん性軸索損傷が疑われ、MRIで典型的な所見が認められれば診断が確定する。
●治療:効果的な治療法はない。脳挫傷や血腫を合併していれば、それに対する治療を行う。合併症を防いで全身状態を保ち、二次的な脳の障害を予防して(脳への十分な血液や酸素の供給など)、脳の回復を期待する。
■ 脳浮腫・・・T2強調
■ 気脳症・・・CTで診断
■ 半側空間無視・・・大脳半球が障害されて半側からのあらゆる刺激(視覚、聴覚、触覚等)を認識できなくなる症候のこと。
● 失認の一種。
● 右半球障害による左側半側空間無視が一般的。
● 左半球障害が起こると通常失語症が前面に出てくる。
● 左眼が失明している場合や同名半盲を合併している場合も多いが、見えていることもあり、半盲とは別の病気と捉えられる。
● 病態:網膜に投射された情報は、視索を通り、視床の外側膝状体でニューロンを代え、ブロードマンの分類による17野に投射される。その後頭頂葉で情報として、処理される。右半球が処理するのは、両眼の左側の視野なので、右脳の頭頂葉が破壊されると見えていても情報として認識されないため、表現できない。
●症状:半側空間無視の患者に見た物の絵を描いてもらうと、左側の欠けた絵となる。患者自身は半側を無視しているということに気付かない。食事の際に半側の料理にまったく手をつけていないにもかかわらず、本人は全部食べたと自覚していることも多い。また、たとえ自覚しうる側のものであっても、それを注視するとやはりそこでも半側空間無視が起こる(たまねぎ現象)。たとえば、左側空間無視であれば、患者から見て左側の料理には手をつけず、右側にある料理も右半分しか手が付けられない。
●無視の範囲
・ 半側空間に提示された視覚、聴覚、触覚などの感覚刺激を無視する。
・ 半側の上下肢の存在を無視する。
・ 片麻痺の存在を無視する。
・ 片麻痺がほとんどあるいはまったくないにもかかわらず、動かすことを無視する。
・ 票象空間(イメージ)の半側を無視する。
・ 無視症状を洞察することを無視する。
【検査系】
■聴性脳幹反応( Auditory Brain-stem Response ; ABR )
●定義:聴覚神経系を興奮させることによって得られる脳幹部での電位を頭皮上より記録したもの。蝸牛神経と脳幹部聴覚路由来の反応で音刺激から10msecの間に発生する6-7個の電位により構成される。この反応は、意識や睡眠状態の影響を受けにくく、極めて再現性のよい安定した波形が得られる。
● 意義:ABRは、各波形の起源も明らかにされており、診断的価値が極めて高く、難聴や脳幹障害の診断に幅広い臨床応用が期待できる。乳幼児の聴覚障害のスクリーニングにも使われる。ex) 聴神経腫瘍、意識障害、多発性硬化症、脳死の判定、等。
■JCSと徐脳・徐皮質梗塞・・・痛み刺激を加えると少し四肢を動かすか,除脳硬直あるいは除皮質硬直の姿勢をとるものはJCS200
耳鼻科対策
耳鼻科は大体プリントに載ってますよ~
過去問もほとんど答え付きだし、本試は過去問通りという噂だし。
というわけで参考までに。
12/16追加編集(静脈性嗅覚検査)
12/15追加編集(ビディアン神経~UPPP)
【静脈性嗅覚検査】
アリナミンなどの強い匂いの物質を静脈注射し、匂いが起こってから匂わなくなるまでの時間を計る。正常なら約2分。静脈から発散されるアリナミンの匂い分子が、嗅覚細胞を刺激することにより匂いを感じる。
嗅上皮まで匂いが何らかの原因で達しなくても、血管経由で匂い分子が嗅覚細胞を刺激できる。アリナミンを注射して匂いが解らないくらいの嗅覚障害は、嗅覚細胞そのもの、またはそれ以上の障害である。
【ビディアン神経】
鼻の副交感神経。アレルギー性鼻炎の重症例で、ビディアン神経切除術が行なわれる。
★成人男性の平均の声の高さ. 120Hz
【声帯ポリープ】
●声帯膜様部を3等分した中央部に発生し,片側性に起こることが多い
【混合性喉頭神経麻痺】
●原因:上咽頭癌、延髄の血管障害
【口蓋垂軟口蓋咽頭形成術(UPPP)】
● 口蓋垂や扁桃腺などをぐるりと切り取る手術
● 日本で開発された。
【人工内耳適応条件】
1.手術年齢
A)適応年齢は原則1歳6カ月以上とする。年齢の上限は定めず、上記適応条件を満たした上で、症例によって適切な手術時期を決定する。
B)髄膜炎後蝸牛閉塞など、1歳6カ月未満での手術を要する場合がある。
C)言語習得期以後の失聴例では、補聴器の効果が十分でない高度難聴であることが確認された後には、獲得した言語を保持し失わないために早期に人工内耳を検討することが望ましい。
2.聴力、補聴効果と療育
A)種々の聴力検査を用いても両耳とも平均聴力レベル90dB以上である場合。
B)少なくとも6カ月以上にわたる最適な補聴と療育によっても両耳とも平均補聴レベルが話声レベルを超えず、補聴器のみでは音声言語の獲得が不十分と予想される場合。
3.禁忌
中耳炎などの感染症の活動期
4.慎重な適応判断が必要なもの
A)画像診断で蝸牛に人工内耳が挿入できる部位が確認できない場合。
B)反復性の急性中耳炎が存在する場合。
C)制御困難な髄液の噴出が見込まれる場合など、高度な内耳奇形を伴う場合。
D)重複障害および中枢性聴覚障害では慎重な判断が求められ、人工内耳による聴覚補償が有効であるとする予測がなければならない。
【前庭神経炎】
● 急性期には健側方向の眼振が認められる。
● 温度眼振検査(カロリックテスト)では患側耳の温度眼振反応の高度低下が認められる。
【顔面神経減荷術】
● 顔面神経を締め付けている骨を削り、顔面神経の再生を助ける。
● 耳の付け根を切開し、主として骨の中を走行する顔面神経の周囲の骨を削り取る。
【急性化膿性甲状腺炎】
● 機序:下咽頭梨状陥凹瘻は下咽頭及び甲状腺を結合する先天性内瘻で、これを経由して甲状腺に細菌感染が広がる。
● 原因菌:黄色ブドウ球菌、化膿性連鎖球菌、肺炎球菌など
【声門上癌】
● 進行性で、広範な局所進展
● 比較的早い時期における所属リンパ節転移
● 比較的高い割合での遠隔転移をきたす。
【顔面神経麻痺の評価】
●顔面全体の評価法(House-Brackmann法):1955年にBot-man氏とJongkees氏によって提唱されたものである。顔面麻痺の程度を顔全体の印象から段階にわけて記載する方法。正常~完全麻痺まで6段階に分けて評価する。
● 顔面部位評価法(40点柳原法):柳原氏が提唱した顔面神経麻痺の部位評価法で、38点以上は正常で8点以下を完全麻痺とする。
House-brackmann法は1955年にBot-man氏とJongkees氏によって提唱されたものである。顔面麻痺の程度を顔全体の印象から段階にわけて記載する方法。正常~完全麻痺まで6段階に分けて評価する。

【ハント症候群】=耳性帯状疱疹(ラムゼイ・ハント症候群)
● 症状
・ 水疱が耳介・外耳道に生じる
・ 顔面神経麻痺
・ 内耳神経症状(難聴・めまい)
● 機序:顔面神経膝神経節や前庭神経節、頸髄神経節などに潜伏感染していたVZVの再活性化
● 治療
・ 抗ウイルス剤(アシクロビル)
・ 顔面神経麻痺に対する抗炎症・抗浮腫の目的で副腎皮質ステロイド薬
・ 痛みに対しては、消炎鎮痛薬のほか三叉神経痛治療に準じてカルバマゼピンの内服や星状神経節遮断
【Holzknecht(ほるつくねひと)徴候】
・息を吸った時に縦隔が異物のある側に移動し、息を吐く時には反対側に移動する

【構音障害】
● 開放性鼻声:軟口蓋マヒ・口蓋裂
● 閉鎖性鼻声:鼻polyp、上咽頭腫瘍、アデノイド
【甲状腺の良性腫瘍】
● 甲状腺良性結節、結節性甲状腺腫などとも呼ぶ。
● 甲状腺の良性腫瘍は濾胞腺腫(ときに嚢胞合併)、腺腫腺腫様甲状腺腫、機能性結節に分類される。
【濾胞腺腫】
● 日本人にかなり多く発生する
● 卵の殻のような石灰化は濾胞腺腫や腺腫様甲状腺腫のときに見られる。
【舌癌】
・全摘した場合、腹直筋皮弁(血管付き遊離皮弁)を舌の形態に整えて移植すれば、会話や食物摂取はほぼ元通りになる
過去問もほとんど答え付きだし、本試は過去問通りという噂だし。
というわけで参考までに。
12/16追加編集(静脈性嗅覚検査)
12/15追加編集(ビディアン神経~UPPP)
【静脈性嗅覚検査】
アリナミンなどの強い匂いの物質を静脈注射し、匂いが起こってから匂わなくなるまでの時間を計る。正常なら約2分。静脈から発散されるアリナミンの匂い分子が、嗅覚細胞を刺激することにより匂いを感じる。
嗅上皮まで匂いが何らかの原因で達しなくても、血管経由で匂い分子が嗅覚細胞を刺激できる。アリナミンを注射して匂いが解らないくらいの嗅覚障害は、嗅覚細胞そのもの、またはそれ以上の障害である。
【ビディアン神経】
鼻の副交感神経。アレルギー性鼻炎の重症例で、ビディアン神経切除術が行なわれる。
★成人男性の平均の声の高さ. 120Hz
【声帯ポリープ】
●声帯膜様部を3等分した中央部に発生し,片側性に起こることが多い
【混合性喉頭神経麻痺】
●原因:上咽頭癌、延髄の血管障害
【口蓋垂軟口蓋咽頭形成術(UPPP)】
● 口蓋垂や扁桃腺などをぐるりと切り取る手術
● 日本で開発された。
【人工内耳適応条件】
1.手術年齢
A)適応年齢は原則1歳6カ月以上とする。年齢の上限は定めず、上記適応条件を満たした上で、症例によって適切な手術時期を決定する。
B)髄膜炎後蝸牛閉塞など、1歳6カ月未満での手術を要する場合がある。
C)言語習得期以後の失聴例では、補聴器の効果が十分でない高度難聴であることが確認された後には、獲得した言語を保持し失わないために早期に人工内耳を検討することが望ましい。
2.聴力、補聴効果と療育
A)種々の聴力検査を用いても両耳とも平均聴力レベル90dB以上である場合。
B)少なくとも6カ月以上にわたる最適な補聴と療育によっても両耳とも平均補聴レベルが話声レベルを超えず、補聴器のみでは音声言語の獲得が不十分と予想される場合。
3.禁忌
中耳炎などの感染症の活動期
4.慎重な適応判断が必要なもの
A)画像診断で蝸牛に人工内耳が挿入できる部位が確認できない場合。
B)反復性の急性中耳炎が存在する場合。
C)制御困難な髄液の噴出が見込まれる場合など、高度な内耳奇形を伴う場合。
D)重複障害および中枢性聴覚障害では慎重な判断が求められ、人工内耳による聴覚補償が有効であるとする予測がなければならない。
【前庭神経炎】
● 急性期には健側方向の眼振が認められる。
● 温度眼振検査(カロリックテスト)では患側耳の温度眼振反応の高度低下が認められる。
【顔面神経減荷術】
● 顔面神経を締め付けている骨を削り、顔面神経の再生を助ける。
● 耳の付け根を切開し、主として骨の中を走行する顔面神経の周囲の骨を削り取る。
【急性化膿性甲状腺炎】
● 機序:下咽頭梨状陥凹瘻は下咽頭及び甲状腺を結合する先天性内瘻で、これを経由して甲状腺に細菌感染が広がる。
● 原因菌:黄色ブドウ球菌、化膿性連鎖球菌、肺炎球菌など
【声門上癌】
● 進行性で、広範な局所進展
● 比較的早い時期における所属リンパ節転移
● 比較的高い割合での遠隔転移をきたす。
【顔面神経麻痺の評価】
●顔面全体の評価法(House-Brackmann法):1955年にBot-man氏とJongkees氏によって提唱されたものである。顔面麻痺の程度を顔全体の印象から段階にわけて記載する方法。正常~完全麻痺まで6段階に分けて評価する。
● 顔面部位評価法(40点柳原法):柳原氏が提唱した顔面神経麻痺の部位評価法で、38点以上は正常で8点以下を完全麻痺とする。
House-brackmann法は1955年にBot-man氏とJongkees氏によって提唱されたものである。顔面麻痺の程度を顔全体の印象から段階にわけて記載する方法。正常~完全麻痺まで6段階に分けて評価する。

【ハント症候群】=耳性帯状疱疹(ラムゼイ・ハント症候群)
● 症状
・ 水疱が耳介・外耳道に生じる
・ 顔面神経麻痺
・ 内耳神経症状(難聴・めまい)
● 機序:顔面神経膝神経節や前庭神経節、頸髄神経節などに潜伏感染していたVZVの再活性化
● 治療
・ 抗ウイルス剤(アシクロビル)
・ 顔面神経麻痺に対する抗炎症・抗浮腫の目的で副腎皮質ステロイド薬
・ 痛みに対しては、消炎鎮痛薬のほか三叉神経痛治療に準じてカルバマゼピンの内服や星状神経節遮断
【Holzknecht(ほるつくねひと)徴候】
・息を吸った時に縦隔が異物のある側に移動し、息を吐く時には反対側に移動する

【構音障害】
● 開放性鼻声:軟口蓋マヒ・口蓋裂
● 閉鎖性鼻声:鼻polyp、上咽頭腫瘍、アデノイド
【甲状腺の良性腫瘍】
● 甲状腺良性結節、結節性甲状腺腫などとも呼ぶ。
● 甲状腺の良性腫瘍は濾胞腺腫(ときに嚢胞合併)、腺腫腺腫様甲状腺腫、機能性結節に分類される。
【濾胞腺腫】
● 日本人にかなり多く発生する
● 卵の殻のような石灰化は濾胞腺腫や腺腫様甲状腺腫のときに見られる。
【舌癌】
・全摘した場合、腹直筋皮弁(血管付き遊離皮弁)を舌の形態に整えて移植すれば、会話や食物摂取はほぼ元通りになる