絶望の果てに-13-
これまでのはなし
場所を警察署に移し、
事情聴取が始まった。
怖かった……
幸也が警察に捕まったという
安心感よりも
その後の報復。
携帯に残された留守電を提出、今までの経緯を説明した。
しかし……
幸也は即日釈放。
恐らく幸也と、わたしの証言は食い違っている……
何故なら幸也は自分に非はないと思っているから。
複雑に入り組んだ
感情のもつれ……
当時はそれを拘束し、罰する法律がなかった。
わたしが味わった
地獄の様な日々は……
……なんだったんだろう。
必死になって
守ってきたモノは
なんだったんだろう。
絶望の果てに-12-
これまでのはなし
パトカーから降り立つ人達……
それは自分が
かつてお世話になった人。
刑事、婦警、鑑識……
全てが同じメンバーだった。
「……ルナちゃん?」
高本婦警がびっくりした顔で聞いてきた。
「高本さん!?」
再会は
またしても事件だった。
約7ヶ月前……
殺人未遂に遭ったあの時
誰もがこの土地に残ると言う自分に驚いた。
犯人らしき人が捕まったと連絡があれば警察署に出向き、マジックミラー越しに対面した。
だが覆面していた犯人を特定するのは難しい……
未だ犯人は捕まっていない。
その状況で
この地に残った。
頑張ってね
そう励ましてくれた人達が
今……目の前にいる。
絶望の果てに-11-
これまでのはなし
寮で見張っていた病院スタッフが幸也を発見し警察に通報。
幸也は連行された。
寮に戻ると
そこには理事長が立っていた。
病院を巻き込んでの事件になってしまった……
わたしは
警察が迎えに来るのを待った。
事情聴取だ。
警察と鑑識が到着。
前にも見た光景……
運命の悪戯か
そこで見たものに
驚きを隠せなかったのは
自分だけではなかった……