クローバー(ノンフィクション小説)
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絶望の果てに-19-


そして…… 


ある決意を胸に 

その思いを便箋に綴った。 


馬鹿だと言われても 

間違ってると言われても…… 


この先 

苦しむ事を以ってしても 

後悔はしたくない。 



これがわたしの 

罪と罰。 


これが 

命を救われた 

自分にできる事。









絶望の果てに-18-


これが自分の大切な人であれば

きっと許せないだろう。 


 もし、大切な人の命が奪われたならば 

 きっと…… 

 相手を殺したくなるくらい憎んだだろう。 


 幸也は わたしを憎んでいる。 

 この先何年もその恐怖に晒される…… 


 だけど 

 全ての罪を幸也に押し付け、守られる事を 

 自分が拒否した。 


 色んなモノを失った…… 


 言われた事、された事を 

 簡単に許す事はできない。 


 ただ…… 


 憎む事に執着するのは 

 やめよう。 




 そう思う自分がいた。



絶望の果てに-17-


そんな中
思い返していた。


幸也に出会ってからの事を


凄く瞳が綺麗で


凄くお父さんが好きで


凄く友達想いで……




幸也もまた、複雑な家庭環境で育っていた。


わたしと幸也は『類』


愛に依存し……

自分を抑えられずに……


コントロールできなかった。



生き地獄の中
憎んだ事もある。



だけど……




だけど……





幸也に
支えられていた時間が


一緒に笑い合った日々が……


確かにあった。




今、幸也は確実に悪者だ。

味方はいない……




自業自得の結末に
自分だけが守られて



わたしは
ほんとにそれで


……いいのだろうか。
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