絶望の果てに-17-
そんな中
思い返していた。
幸也に出会ってからの事を
凄く瞳が綺麗で
凄くお父さんが好きで
凄く友達想いで……
幸也もまた、複雑な家庭環境で育っていた。
わたしと幸也は『類』
愛に依存し……
自分を抑えられずに……
コントロールできなかった。
生き地獄の中
憎んだ事もある。
だけど……
だけど……
幸也に
支えられていた時間が
一緒に笑い合った日々が……
確かにあった。
今、幸也は確実に悪者だ。
味方はいない……
自業自得の結末に
自分だけが守られて
わたしは
ほんとにそれで
……いいのだろうか。